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MEET THE SONGS 第82回 STONE THE CROWSの米国編集盤ベスト『STONE THE CROWS FEATURING MAGGIE BELL』

今日の「MEET THE SONGS」は、STONE THE CROWSの米国編集ベスト盤『STONE THE CROWS FEATURING MAGGIE BELL』をピックアップ。

STONE THE CROWSと言えば、何と言っても女性ヴォーカルのマギー・ベル!

英国のジャニス・ジョップリンと言われ、72年/73年と2年連続で英国音楽誌の女性ヴォーカル人気部門で1位となるなど、英国では抜群の人気を誇る女性シンガーですね。

グラスゴー出身で、地元でギタリストのレス・ハーヴェイ(アレックス・ハーヴェイの弟!)と出会い、前身バンドPOWERを結成。

元ジョン・メイオール・ブルースブレイカーズで後にはオランダのフォーカスで活躍するドラマーのコリン・アレン、後にロビン・トロワーと活動を共にするベースのジェームス・デュワーなどが加わり、レッド・ツェッペリンも手がけるマネージャーのピーター・グラントと契約し、彼のすすめでSTONE THE CROWSと改名します。

70年から71年までにポリドールより3枚のアルバムをリリースし、存在感抜群のマギーのヴォーカルと、そのヴォーカルに一歩も引かないタイト&グルーヴィーなアンサンブルにより人気を高めていきます。

さぁ、米国進出だ、とバンドの士気が上がる73年、バンドを悲運の事故がおそいます。

ステージ上でギターのレス・ハーヴェイが感電死。失意の中、元サンダークラップ・ニューマンで後にウィングスで活躍するジミー・間かロックを迎えライヴ活動を続け、レス・ハーヴェイ存命時に録音していたマテリアルを中心に4thアルバムをリリースするも解散してしまいます。

1st: 『STONE THE CROWS』(1970)
2nd: 『ODE TO JOHN LAW』(1970)
3rd: 『TEENAGE LICKS』(1971)
4th: 『ONTINUOUS PERFORMANCE』(1972)

解散後に、アメリカのマーケットに向けて編集され、73年にリリースされたベスト盤が『STONE THE CROWS FEATURING MAGGIE BELL』。

マギーの絶唱と土臭くタイトなアンサンブルによるソリッドなサウンドを確立した名作2ndから4曲、さらにエネルギッシュにバンドの一体感が素晴らしい代表作3rdから3曲、ラストの4thより1曲が収録されています。

どの曲もマギーのヴォーカルが本当に素晴らしい!

「イギリスのジャニス・ジョップリン」というと二番煎じっぽいですが、パワフルなシャウトとバラードでのエモーショナルな歌唱はジャニスにも全然負けていませんし、ロッド・スチュワートを彷彿させるソウルフルなハスキー・ヴォーカルと堂々とグルーヴィーな歌い回しは、ジャニスとはひと味違う魅力と言えるでしょう。

レス・ハーヴェイのギターを中心とする、英スワンプ・ロック/パブ・ロックとして最高にソリッドで愛すべきアンサンブルもまた特筆。

オープニング・ナンバーから早速、聴いてまいりましょう!

T1: I May Be Right I May Be Wrong

軽快にロールするご機嫌なピアノ、タメとエッジが絶妙にバランスしたコクに満ちた「いぶし銀」の歌心溢れるギター、そして、思わず腰が揺れるリズム隊。

このアンサンブルは、フェイセズにも負けてませんね。

女性版フランキー・ミラー!と言うべき、ハスキー&ソウルフルなヴォーカルもグッときます。

試聴 Click!

from 3rd『TEENAGE LICKS』

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T2: On The Highway

米サザン・ロックの名グループにも負けない爽快さとエッジ。そして、しぼり出すようなエネルギッシュなシャウト!

スピーディーにかっ飛ばすハード・ロック・チューンですね!

試聴 Click!

from 4th『ONTINUOUS PERFORMANCE』

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T3: Faces

こういうロック・バラードでのマギーの力強くエモーショナルな歌唱、ただただ絶品。

ハードなタッチでドラマチックにならされるピアノ、叙情がこぼれ落ちるオルガン。メロディを盛りたてるメロディアスなオブリガード、タメのきいた泣きのリードともに胸が熱くなるリード・ギター。

いや~、素晴らしい。

レス・ハーヴェイが死なず、もう何年か活動し、日本でもしっかりプロモートされていれば、きっときっと今でも来日を果たすような大物バンドになっていたでしょう。

試聴 Click!

from 3rd『TEENAGE LICKS』

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いかがでしたか?

アメリカのマーケットに向けた作品のため、キャッチー&スワンピーな好曲ばかりが収録されていて、STONE THE CROWSの魅力を知るには最適な一枚。

ジャニスのファンはもちろん、英米スワンプ・ロック/パブ・ロックのファンで聴いたことがないリスナーはゲット是非!

最後に当時のライヴ映像を紹介いたしましょう。曲は「Big Jim Salter」!この曲も収録されておりますよ!

試聴 Click!

STONE THE CROWSの在庫

  • STONE THE CROWS / LIVE IN MONTREUX 1972

    「英国のジャニス・ジョプリン」マギー・ベル在籍、英ブルース・ロックの名バンド、壮絶なディランカバーを含む72年ライヴ作

    女性ヴォーカル、マギー・ベルの迫力の歌唱とブルージーかつヘヴィな演奏が抜群な完成度を誇るブリティッシュ・ロック・バンド、ストーン・ザ・クロウズの72年のライヴ音源。全曲未発表。72年といえば彼らの最高傑作「Teenage Licks」発表後で、バンド全体が一体となった演奏が圧倒的。このライヴの直後にギタリスト、レス・ハーヴェがステージ上で感電死し、残念ながらバンドは終焉を迎えてしまいます。バンド最後の輝きが収められたライヴアルバムの好作!

  • STONE THE CROWS / ONTINUOUS PERFORMANCE

    英国のジャニスことMaggie Bell在籍の英ブルース・ハード・バンド、急逝したギタリスト、レスリー・ハーヴェイに代わってWINGS加入前のジミー・マカロックを迎えた72年最終作

    女性とは思えないヘヴィ・シャウトが圧巻な英国屈指のヴォーカリスト、マギー・ベル擁するグループ。72年作の4thアルバム。ギタリストのレス・ハーヴェイがライヴ中に感電死するという事故を乗り越えリリースしたラスト作。1曲は、後にウィングスで活躍するジミー・マッカロク。

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