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ヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロのDNAを継ぐチェンバー・ロック新鋭特集!

近年、ヘンリー・カウを中心に世界各国でレコメン系のグループが活動していた70年代末にも匹敵する勢いで好バンドが登場しているアヴァン/チェンバー・ロック・シーン。

大量生産・大量消費の資本主義に取り込まれたロック・ミュージックをもう一度、反体制の芸術の域に戻そうとしたレコメン系グループ達の意志が、グローバル化とともに行くところまで行き着いた資本主義の疲弊が渦巻く今、時代の必然としてリアルに甦っているのかもしれません。

ということで、ユーロ各国から北米、南米まで、世界中から00年代にリリースされたチェンバー・ロック/アヴァン・ロックの名作をピックアップいたしましょう。

試聴しながら、お楽しみください!

【直近入荷の注目チェンバー・ロック新譜】

【イギリス】LOST CROWNS/EVERY NIGHT SOMETHING HAPPENS

HENRY COWを生んだイギリスから、注目の新鋭が登場!

まるでKING CRIMSONにHENRY COW、SOFT MACHINEなどのカンタベリー・ロック、それからザッパをごった煮にしたみたい?緊張感みなぎる暗黒のアンサンブルに奇妙なポップさを散りばめた、恐るべき19年デビュー作。

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【スウェーデン】ERIK HAMMARSTROM/GLODET RYTMISK SVARTA

ANGLAGARDやBRIGHTEYE BRISONで活躍するドラマーということでシンフォ系かと思いきや、ユニヴェル・ゼロをクラシック寄りにしたような緊張感みなぎる前衛暗黒チェンバーが飛び出してきて仰天!でもなるほどANGLAGARDに通じる張りつめた透明感が見え隠れしてさすがです。


試聴は下記ページで可能です!
https://erikhammarstrom.bandcamp.com/album/gl-dhet-rytmisk-sv-rta

【アメリカ】IDENTIKIT/MIND’S EYE METEOROLOGY

ヨーロピアンな気品とエキゾチックな熱情を混ぜ込みながら、しなやかに疾走するチェンバー・ジャズ・ロックが素晴らしい!ザッパからの影響を公言する通りの柔軟な音楽性も特筆。こちらも注目のグループですよ~。

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【イタリア】

YUGEN/DEATH BY WATER

アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!

怒涛のビブラフォンとサックスのユニゾン。マシンガンのようなギター。高速変拍子。

クリムゾンやユニヴェル・ゼロに一歩も引けをとってません!

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チェンバー・ロック/アヴァン・ロック00年代新鋭特集【ALTROCKレーベル編】

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05年に実験的なロックのためのフェスを開催するために設立され、翌06年に、YUGENの作品をリリースし、レーベルとしてもスタートしたイタリアに本拠を置くAltrock Productionsを特集!

LOOMINGS/EVERYDAY MYTHOLOGY

アート・ベアーズやヘンリー・カウやザッパとともに、ハットフィールド&ザ・ノースやソフト・マシーン、さらにヒップホップまでぶち込んじゃった知性派アヴァン・ロック。さすがはあのYUGENのヴィブラフォン奏者率いるバンド。

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OTEME/IL CORPO NEL SOGNO

ピッキオ・ダル・ポッツォやジャズ・ロック期ザッパを彷彿させる管楽器の掛け合いだなぁと思っていると、異次元世界を音像化したような強烈なアヴァンギャルド・プログレが襲いかかってきて戦慄!気品ある佇まいと尋常ならざる緊張感を両立した孤高の一枚。

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BREZNEV FUN CLUB/IL MISANTROPO FELICE

レーベルからのインフォには、カンタベリー・ミュージック、ザッパ『アンクル・ミート』、ピッキオ・ダル・ポッツォ、オパス・アヴァントラ、新鋭のYUGENあたりが好きなら必聴、と記されていますが、確かにその通り。

というか、チェンバー・ロックならではの不協の音が生む緊張感とともに、一音一音に瑞々しい煌きや色彩感があって、往年のチェンバー・ロック名盤に比肩するクオリティに驚きました。

2015年作の2nd、ずばり傑作です。

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【スペイン】

OCTOBER EQUUS/ISLA PURGATORIO

キング・クリムゾンやレコメン系バンドの影響の下、03年に結成され、06年にデビュー作をリリースしたスペインのバンドで、00年代以降のチェンバー・ロックを代表するバンドの一つ。

管楽器奏者が加わってよりチェンバー・ロック色が増した2011年作『SATURNAL』を押し進め、音楽的リーダーのギタリストAngel Ontalva中心に、アルト・サックス奏者、ベース、ドラムの4人編成で制作された2013年作。

ずばり、クリムゾン『太陽と戦慄』や『ディシプリン』、ヘンリー・カウなどレコメン系、チェンバー・ロックのファンは必聴!

このアルバム制作を記録したプロモ動画がまたカッコ良い!


【ユーロロック周遊日記】70年代スパニッシュ・ジャズ/チェンバー・ロックのDNAを継ぐ新鋭OCTOBER EQUUSの2013年作『ISLA PURGATORIO』

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最近続々と好グループが誕生しているチェンバー/アヴァン・ロック新鋭の中でも代表格と言えるスペインのグループ、OCTOBER EQUUSをピックアップ!

ANGEL ONTALVA/MUNDO FLOTANTE

OCTOBER EQUUSのギタリストによる12年作1stソロ。

カンタベリーや、ヘンリー・カウなどチェンバー・ロックを土台に、地中海や中近東音楽の香りを加えた豊潤なサウンドは、70年代スパニッシュ・チェンバー・ロックの名グループMUSICA URBANAに通じる完成度!

往年のスパニッシュ・ジャズ・ロック(ライエターナ・ミュージック)のDNAを継ぐ豊潤な傑作。

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Musica Laietana ライエターナ・ミュージック特集~スペインはバルセロナで起こったジャズ・ロック・ムーヴメント

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70年代にスペインでおこったロック・ムーヴメント「Musica Laietana ライエターナ・ミュージック」を特集!

【フランス】

SPECTRUM ORCHESTRUM/IT’S ABOUT TIME

ユニヴェル・ゼロやマグマを受け継ぐフランスの暗黒チェンバー新鋭!

グニャグニャとアヴァンギャルドなギター、どこか祭り囃子を思わせる妖しげなフルート、重厚なブロウで緊張を煽る管楽器などが絡み合う、知的にして不気味な音像が迫ってきます!

どちらかと言うと「静」の音楽なんですが、この一音一音から伝わってくる緊張感とスリルは凄いです…!

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SCHERZOO/2

MAGMA/ZEUHLサウンド影響下のフランスのマルチ・ミュージシャン、FRANCOIS THOLLOTによるグループによる2012年作2nd。

初期ヘンリー・カウに『レッド』期クリムゾンの暗黒ヘヴィネスを注入したようなアンサンブルが素晴らしすぎる傑作。

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SOLEIL ZEUHLレーベル特集~マグマに魅せられたZEUHL(ズール)系作品セレクション

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マグマに魅せられたZEUHL(ズール)系の新旧作品をリリースするフランスのSOLEIL ZEHULレーベルのカタログから注目の作品をピックアップ。

RHUN/FANFARE DU CHAOS

サックスやオーボエやクラリネットやオーボエやバスーンなど管楽器奏者を多数擁するフランスの新鋭大所帯ジャズ・ロック・バンド、2013年デビュー作。

『レッド』期のジョン・ウェットンばりに狂暴に歪んだベース、時にジャジーにシャープで時にビル・ブラッフォードばりにタイトなドラムによる重量級のリズム隊、そしてマグマやゴングやベルギーのCOSなどに通じる不気味な男女ヴォーカル&コーラス、ヘンリー・カウばりにテンションみなぎる管楽器アンサンブル!

こ、これは強烈・・・。

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REVE GENERAL/HOWL

ユニヴェル・ゼロにも通じる狂おしい衝動を軸に、まるでプラハの壮麗なコンサートホールが目に浮かぶような艶やかさもあって、こ、これは素晴らし過ぎっ!

元ETRON FOU LELOUBLANのドラマーであるGuigou Chenevierを中心に、彼が率いるバンドVOLAPUKと、チェコのレコメン系バンドMETAMORPHOSISとが合体し、結成された多国籍レコメン系プロジェクト。

2015年のデビュー作!

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CAILLOU/CAILLOU

ずばり、ソフト・マシーンやハットフィールドやナショナル・ヘルスなどカンタベリーのファン、『レッド』期キング・クリムゾンやマグマのファンは必聴と言えるでしょう。

復活したOFFERINGのメンバーとしても名を連ねるドラマーPhilippe Gleizes率いるグループによる、恐るべきデビュー作!

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【スウェーデン】

SIMON STEENSLAND/25 YEARS OF MINIMUM R&B

ユニヴェル・ゼロ影響下の暗黒チェンバー・ロックに、多彩な楽器群がテクニカルに躍動するGGばりの技巧、そしてX-レッグド・サリーにも迫るテンションを合わせ持つスウェーデンの鬼才マルチ・ミュージシャン、初期ベスト&未発音源集17年作!

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【ベラルーシ】

RATIONAL DIET/ON PHENOMENA AND EXISTENCES

東欧はベラルーシ出身、管弦楽器奏者を含む6人編成のチェンバー・ロック・グループによる2010年作5th。

狂気のヴァイオリン、暴走するサックス、偏執狂的ギター。

アンサンブルの強度、半端なし!

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FIVE-STOREY ENSEMBLE/NOT THAT CITY

東欧はベラルーシのチェンバー・ロック・バンドRATIONAL DIETのメインコンポーザーだったキーボード奏者とバスーン奏者を中心に、管弦楽器奏者など11名で結成されたグループ。2013年作。

映像喚起的な艶やかな演奏とダークでテンションみなぎる演奏との落差!さすがは、元RATIONAL DIET。

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FIVE-STOREY ENSEMBLE/NIGHT EN FACE

全盛期ユニヴェル・ゼロに接近した格調高くも不穏さに満ちた暗黒チェンバー・ロックは美しくも底なしに陰鬱。ベラルーシ出身チェンバー・ロック・バンドによる待望の17年作2nd!

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【ベルギー】

HUMBLE GRUMBLE/FLANDERS FIELDS

ベルギー/ハンガリー/フィンランド/チリから凄腕メンバーが集った多国籍チェンバー・ロック・ユニット11年作。サムラ的疾走チンドン屋フレイヴァーとカンタベリー叙情が合わさったかのような強力作です!

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HUMBLE GRUMBLE/GUZZLE IT UP

こちらの12年作2ndも強烈。アカデミックさと奇天烈さとヨーロピアンな洗練とがゴッタ煮されてて、途方もなくテクニカルなのに温かくてしなやかだし、ザッパやゴングのファンはヤられるはず!

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【アメリカ】

STOP MOTION ORCHESTRA/LIGHTWORKS

MAGMA、HENRY COW、そしてPICCHIO DAL POZZOが混ざり合ったみたい!?強靭なベース・ラインと重厚なギター・リフに暖かみいっぱいの管弦楽器が絡み合うスリリング&ユーモラスなチェンバー・ジャズ・ロック!

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TROOT/CONSTANCE AND THE WAITING

ADRIAN BELEW POWER TRIOの女性ベーシストをはじめ、世界中から集まった10人の実力派ミュージシャンが織り成すドラマチックなアヴァン・プログレ。ラフマニノフなど近現代クラシックを彷彿とさせるピアノが躍動する、強靭でいて端正な気品の漂うサウンドが実にCOOL!

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UT GRET/ANCESTOR’S TALE

米中東部はケンタッキー州出身で、Key奏者、サックス/フルート奏者、バスーン奏者、クラリネット奏者、女性ヴォーカルを含むチェンバー・ロック・グループ。2014年作。

アメリカ産とは思えないほどヨーロピアンな翳りいっぱいで、ズール系やユニヴェル・ゼロから民族音楽まで視野に入れたチェンバー・ロック傑作!

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【アルゼンチン】

FACTOR BURZACO/3

アルゼンチンはブエノス・アイレス出身で、クリムゾンやジェントル・ジャイアントやヘンリー・カウとともに、ドビュッシーやルチアーノ・ベリオやリゲティ・ジェルジュに親しんだコンポーザーのAbel Gilbert(1960年生まれ)率いるチェンバー・ロック・バンド。2014年作の3rd。

SLAPP HAPPYやCOSのファンにはたまらない女性ヴォーカルのコケティッシュ声炸裂!

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2014年プログレ注目の新譜特集【ジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロック編】

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00年代に入ってジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロックの充実ぶりが凄い!ということで、ユーロ各国から北米、南米まで、世界中から届くジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロックの2014年新譜をピックアップ!

SALES DE BANO/HORROR VACUI

静謐かつノイジーとでも言える音空間・・・これ本当にライヴ録音なの!?アルゼンチン注目のレコメン系新鋭バンドによる、芸術性や実験性に満ちた2016年作。

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KAI D’ RAIZ/LIMBO

温もりのあるチェンバー・ジャズ・サウンドにデジタルな音響を混ぜ合わせながら、スリリングに変拍子を刻んでいくアンサンブルが格好いい!HENRY COW、PICCHIO DAL POZZO好きに是非オススメしたいアルゼンチン産新鋭アヴァン・ジャズ・ロック!

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【ブラジル】

SINAGOGA ZEN/SINAGOGA ZEN

『太陽と戦慄』直系のアヴァン・プログレからジャズ・ロック、チェンバー、神秘的フォークまでめくるめく展開するアンサンブルはすさまじいテクニックと強度。

ベース/ギター/ヴァイオリンをこなすマルチ・ミュージシャン2人を中心に、キーボード奏者、女性リード・ヴォーカル、ドラムという編成の5人組。

このグループ、凄いです・・・。

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LUZ DE RIADA/CUENTOS Y FABULAS VOL.3

重厚なサックスに痺れるブラス・ジャズ・ロックから、初期アレアばりのフリーキーで無国籍なアヴァン・ロック、地中海エッセンスまでも飲み込みつつ、リズムは80sクリムゾン影響下だったりと、全く一筋縄ではいかないメキシコ新鋭による快作!

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注目のチェンバー・ロック新鋭

  • TROOT / CONSTANCE AND THE WAITING

    米国人ピアニスト/作曲家Tim Rootを中心に、世界中から集結した10人の実力派ミュージシャン参加のアヴァン/ジャズ・ロック・プロジェクト18年作、ずばり「クラシカルなクリムゾン」と言える傑作!

    仏在住のアメリカ人作曲家/ピアニスト、Tim Rootを中心とするアヴァン/ジャズ・ロック・プロジェクト18年作。ADRIAN BELEW POWER TRIOやクリムゾン・プロジェクトへの参加で知られる気鋭の女性ベーシストJulie Slickをはじめ、米国・イタリア・アルゼンチンなど各国から選りすぐりの実力派ミュージシャン10名により制作された作品とのことですが、なるほどこれは驚愕の完成度!R・フリップを思わせる切れ味鋭くヘヴィなギター、シャープ&タイトなリズム隊、チェンバー風味のクラリネットにこれでもかとむせぶサックス…『太陽と戦慄』や『RED』期クリムゾンからの影響を感じさせる、スリリングで強靭なアンサンブル。そこへリーダーのTimによるキメ細かく端正なピアノがクラシカルな色合いを加え、はち切れんばかりにハイテンションながらもどこか洗練された気品の漂うスタイリッシュなサウンドを聴かせています。ラフマニノフなど近現代クラシックを思わせるアヴァンギャルドなパートも披露しつつ、そこから天に抜けるように華麗なヴァイオリンがメロディアスな旋律を奏でるパートへと移り変わっていったりなど、ドラマチックな曲展開も特筆。精緻かつダイナミズムに富んだ演奏で聴き手を惹き込ませる、ハイレベルな傑作です。これは激・カケレコメンド!

  • RATIONAL DIET / ON PHENOMENA AND EXISTENCES

    東欧はベラルーシ出身、圧倒的にテンションみなぎるチェンバー・ロック、2010年作、名作!

    東欧はベラルーシ出身、管弦楽器奏者を含む6人編成のチェンバー・ロック・グループ。2010年作5th。テンションみなぎる変拍子、狂気のヴァイオリン、暴走するサックス、FRIPP譲りの偏執狂的ギター、スリリングなピアノ、Dagmar Krauseのごとくな女性Vo。とにかく圧倒的なテンション!HENRY COWやクリムゾン『太陽と戦慄』のファンは間違いなく気に入るでしょう。アンサンブルの強度が半端ではありません。おすすめ!

  • YUGEN / DEATH BY WATER

    00年代屈指のチェンバー・ロック・バンド、2016年作、アルバム1秒目からレッドゾーン振り切りまくる驚愕の傑作

    00年代以降のチェンバー・ロック〜アヴァン・ロックの筆頭格と言えるイタリアのバンド、2016年作のスタジオ盤としては4枚目となるアルバム。アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!いきなりビブラフォンとサックスがユニゾンで切れ込み、ギターがまるでマシンガンのようにザクザクとしたフレーズを叩きつけ、リズム隊が高速変拍子で荒れ狂う。脈絡なくフレーズをぶつけあっているようでいて一糸乱れぬようでもあり、アブストラクトのようでいて緻密に計算されているようで、何という凄まじさ。クリムゾン『太陽と戦慄』やヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロなどに一歩も引けを取らない、というか、硬質さとテンションでは凌駕しているといっても過言ではないでしょう。一転して、静謐なパートでの透明感もまた見事だし、カンタベリーに通じる叙情的な「歌」も心に響くし、何という表現力。チェンバー・ロックの大本命バンドによる、リスナーの期待をはるかに凌駕した大傑作!

  • HUMBLE GRUMBLE / FLANDERS FIELDS

    ベルギーを拠点に活動する多国籍ジャズ・ロック・グループ、2011年発表の傑作

    96年に結成されたベルギーのジャズ・ロック/チェンバー・ロック・グループ。2011年作。ベルギー/ハンガリー/フィンランド/チリといった多国籍構成のメンバーが奏でる異国情緒に溢れた叙情的な旋律と、カンタベリー影響下/エストニアの新鋭PHLOXらに通じるしなやかなテクニカルさ、そしてチェンバー・ロック影響下のユーモアが鮮やかに融和した傑作。冒頭曲から特筆もの。これぞ東欧というエスニックで叙情的なテーマ、シュールなクラリネットと艶やかなアルトサックスが響き合うドラマティックで人懐っこいブラス・アンサンブル、ロック的ダイナミズムを注入するハードなギターとダイナミックなドラム、そして程良くアヴァンギャルドで華麗に転調してゆくユニークな曲構成に、思わず引き込まれてしまう名曲です。以降も男女混声のエレクトリック・フォークや、ヴァイオリンやマリンバをフィーチャーしたレコメン系チェンバー・ロック等、先人たちの遺伝子と各々が育んできた音楽的素養を遺憾なく発揮した機知に富んだ楽曲の数々。全プログレ・リスナーに推薦の、東欧期待の新鋭です。

  • FACTOR BURZACO / 3

    アルゼンチンが誇る新鋭チェンバー・ロック・バンド、SLAPP HAPPYやCOSのファンにはたまらない女性ヴォーカルのコケティッシュ声炸裂の2014年傑作

    アルゼンチンはブエノス・アイレス出身で、クリムゾンやジェントル・ジャイアントやヘンリー・カウとともに、ドビュッシーやルチアーノ・ベリオやリゲティ・ジェルジュに親しんだコンポーザーのAbel Gilbert(1960年生まれ)率いるチェンバー・ロック・バンド。2014年作の3rd。女性ヴォーカルのCarolina Restucciaも特筆で、ダグマー・クラウゼ(SLAPP HAPPY)やパスカル・ソン(COS)を彷彿させる狂気とコケティッシュさを内包した歌声が強烈。クリムゾンのジェイミー・ミューア的な奔放なパーカッションにCarolinaの奔放なヴォーカルが乗るチェンバー・ミュージック、そして、管弦楽器とシャープなエレキ・ギターがまばゆいトーンでエキセントリックなアンサンブルを奏でるチェンバー・ロック、さらにニューウェイヴとゴシックを行ったり来たりするようなアヴァン・ポップも交えながらイマジネーション豊かに展開していきます。ユニヴェル・ゼロばりの器楽的な技巧を持ちつつ、強迫的にはならず、どこかカンタベリーにも通じるようなユーモラスさがあるサウンドが持ち味です。数多く好グループが出てきている2010年代以降のチェンバー・ロック・シーンの中でも屈指と言える強度と奔放さを持った名バンドによる傑作です。

  • ANGEL ONTALVA / MUNDO FLOTANTE

    スペインのRIO系グループOCTOBER EQUUSのギタリスト、豊潤な12年ソロ作

    00年代以降にチェンバー/アヴァン・ロックの優れたグループが続々と出てきていますが、そのスペインの筆頭格と言えるOCTOBER EQUUSのギタリストによる12年作1stソロ。キング・クリムゾン的なバンドのサウンドと比べ、カンタベリー・ミュージックやヘンリー・カウなどレコメン系に通じるヴィンテージ感とともに、地中海や中近東音楽のエキゾチックなフレイヴァーを感じるのが印象的。温かみあるトーンで緊張感あるフレーズを奏でるサックスとフルート、そして艶やかで浮遊感あるギターとが緻密に交差するアンサンブル。そして、アレアにも通じるウネリの効いたエキゾチズム。スペインには70年代に数多くのジャズ・ロック/アヴァン系の名作が生まれましたが、その中のMUSICA URBANAに雰囲気が似ています。往年のスパニッシュ・ジャズ・ロック(ライエターナ・ミュージック)のDNAを継ぐ豊潤な傑作。これは素晴らしいです。

  • ERIK HAMMARSTROM / GLODET RYTMISK SVARTA

    ANGLAGARDやBRIGHTEYE BRISONで活躍するドラマーの19年ソロ作、尋常じゃない緊張感を伴った前衛暗黒チェンバー・ミュージック傑作!

    スウェーデン出身、ANGLAGARDやBRIGHTEYE BRISONで活躍するドラマーによる19年ソロ作。34分と15分の組曲2つで構成された作品で、所属するシンフォ系の両バンドからすると異色とも言える前衛的な暗黒チェンバー・ミュージックを展開。時おり微妙にテンポをずらす不気味なリズム感覚の無機質なドラミングが否応なく緊張感を高め、生ストリングスが不協和音すれすれの不穏なメロディを紡ぎ、ブラスが重々しくダークに響く、サウンドは思わず震えが来そうなほどの禍々しさが漂っています。存在感あるドラムも含め音の質感として近いのはユニヴェル・ゼロですが、よりクラシック由来のピンと張りつめたサウンドが特徴です。しかし、この聴き手を作品世界に惹き込む強烈な緊張感はなるほどANGLAGARDに通じるものでさすが。完成度の高い独自の暗黒チェンバーを練り上げた傑作。

    試聴は下記ページで可能です!
    https://erikhammarstrom.bandcamp.com/album/gl-dhet-rytmisk-sv-rta

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