プログレッシヴ・ロックの中古CD豊富!プログレ、世界のニッチ&ディープな60s/70sロック専門ネットCDショップ!

プログレ、60s/70sロックCDのネット通販/買取

24時間以内発送(土・日・祝は翌営業日)、6,000円以上送料無料

ヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロのDNAを継ぐチェンバー・ロック新鋭特集!

近年、ヘンリー・カウを中心に世界各国でレコメン系のグループが活動していた70年代末にも匹敵する勢いで好バンドが登場しているアヴァン/チェンバー・ロック・シーン。

大量生産・大量消費の資本主義に取り込まれたロック・ミュージックをもう一度、反体制の芸術の域に戻そうとしたレコメン系グループ達の意志が、グローバル化とともに行くところまで行き着いた資本主義の疲弊が渦巻く今、時代の必然としてリアルに甦っているのかもしれません。

ということで、ユーロ各国から北米、南米まで、世界中から00年代にリリースされたチェンバー・ロック/アヴァン・ロックの名作をピックアップいたしましょう。

試聴しながら、お楽しみください!

【直近入荷の注目チェンバー・ロック新譜】

【イギリス】LOST CROWNS/EVERY NIGHT SOMETHING HAPPENS

HENRY COWを生んだイギリスから、注目の新鋭が登場!

まるでKING CRIMSONにHENRY COW、SOFT MACHINEなどのカンタベリー・ロック、それからザッパをごった煮にしたみたい?緊張感みなぎる暗黒のアンサンブルに奇妙なポップさを散りばめた、恐るべき19年デビュー作。

試聴 Click!

【スウェーデン】ERIK HAMMARSTROM/GLODET RYTMISK SVARTA

ANGLAGARDやBRIGHTEYE BRISONで活躍するドラマーということでシンフォ系かと思いきや、ユニヴェル・ゼロをクラシック寄りにしたような緊張感みなぎる前衛暗黒チェンバーが飛び出してきて仰天!でもなるほどANGLAGARDに通じる張りつめた透明感が見え隠れしてさすがです。


試聴は下記ページで可能です!
https://erikhammarstrom.bandcamp.com/album/gl-dhet-rytmisk-sv-rta

【アメリカ】IDENTIKIT/MIND’S EYE METEOROLOGY

ヨーロピアンな気品とエキゾチックな熱情を混ぜ込みながら、しなやかに疾走するチェンバー・ジャズ・ロックが素晴らしい!ザッパからの影響を公言する通りの柔軟な音楽性も特筆。こちらも注目のグループですよ~。

試聴 Click!


【イタリア】

YUGEN/DEATH BY WATER

アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!

怒涛のビブラフォンとサックスのユニゾン。マシンガンのようなギター。高速変拍子。

クリムゾンやユニヴェル・ゼロに一歩も引けをとってません!

試聴 Click!


チェンバー・ロック/アヴァン・ロック00年代新鋭特集【ALTROCKレーベル編】

【関連記事】

チェンバー・ロック/アヴァン・ロック00年代新鋭特集【ALTROCKレーベル編】

05年に実験的なロックのためのフェスを開催するために設立され、翌06年に、YUGENの作品をリリースし、レーベルとしてもスタートしたイタリアに本拠を置くAltrock Productionsを特集!

LOOMINGS/EVERYDAY MYTHOLOGY

アート・ベアーズやヘンリー・カウやザッパとともに、ハットフィールド&ザ・ノースやソフト・マシーン、さらにヒップホップまでぶち込んじゃった知性派アヴァン・ロック。さすがはあのYUGENのヴィブラフォン奏者率いるバンド。

試聴 Click!

OTEME/IL CORPO NEL SOGNO

ピッキオ・ダル・ポッツォやジャズ・ロック期ザッパを彷彿させる管楽器の掛け合いだなぁと思っていると、異次元世界を音像化したような強烈なアヴァンギャルド・プログレが襲いかかってきて戦慄!気品ある佇まいと尋常ならざる緊張感を両立した孤高の一枚。

試聴 Click!

BREZNEV FUN CLUB/IL MISANTROPO FELICE

レーベルからのインフォには、カンタベリー・ミュージック、ザッパ『アンクル・ミート』、ピッキオ・ダル・ポッツォ、オパス・アヴァントラ、新鋭のYUGENあたりが好きなら必聴、と記されていますが、確かにその通り。

というか、チェンバー・ロックならではの不協の音が生む緊張感とともに、一音一音に瑞々しい煌きや色彩感があって、往年のチェンバー・ロック名盤に比肩するクオリティに驚きました。

2015年作の2nd、ずばり傑作です。

試聴 Click!

【スペイン】

OCTOBER EQUUS/ISLA PURGATORIO

キング・クリムゾンやレコメン系バンドの影響の下、03年に結成され、06年にデビュー作をリリースしたスペインのバンドで、00年代以降のチェンバー・ロックを代表するバンドの一つ。

管楽器奏者が加わってよりチェンバー・ロック色が増した2011年作『SATURNAL』を押し進め、音楽的リーダーのギタリストAngel Ontalva中心に、アルト・サックス奏者、ベース、ドラムの4人編成で制作された2013年作。

ずばり、クリムゾン『太陽と戦慄』や『ディシプリン』、ヘンリー・カウなどレコメン系、チェンバー・ロックのファンは必聴!

このアルバム制作を記録したプロモ動画がまたカッコ良い!

試聴 Click!


【ユーロロック周遊日記】70年代スパニッシュ・ジャズ/チェンバー・ロックのDNAを継ぐ新鋭OCTOBER EQUUSの2013年作『ISLA PURGATORIO』

【関連記事】

【ユーロロック周遊日記】70年代スパニッシュ・ジャズ/チェンバー・ロックのDNAを継ぐ新鋭OCTOBER EQUUSの2013年作『ISLA PURGATORIO』

最近続々と好グループが誕生しているチェンバー/アヴァン・ロック新鋭の中でも代表格と言えるスペインのグループ、OCTOBER EQUUSをピックアップ!

ANGEL ONTALVA/MUNDO FLOTANTE

OCTOBER EQUUSのギタリストによる12年作1stソロ。

カンタベリーや、ヘンリー・カウなどチェンバー・ロックを土台に、地中海や中近東音楽の香りを加えた豊潤なサウンドは、70年代スパニッシュ・チェンバー・ロックの名グループMUSICA URBANAに通じる完成度!

往年のスパニッシュ・ジャズ・ロック(ライエターナ・ミュージック)のDNAを継ぐ豊潤な傑作。

試聴 Click!


Musica Laietana ライエターナ・ミュージック特集~スペインはバルセロナで起こったジャズ・ロック・ムーヴメント

【関連記事】

Musica Laietana ライエターナ・ミュージック特集~スペインはバルセロナで起こったジャズ・ロック・ムーヴメント

70年代にスペインでおこったロック・ムーヴメント「Musica Laietana ライエターナ・ミュージック」を特集!

【フランス】

SPECTRUM ORCHESTRUM/IT’S ABOUT TIME

ユニヴェル・ゼロやマグマを受け継ぐフランスの暗黒チェンバー新鋭!

グニャグニャとアヴァンギャルドなギター、どこか祭り囃子を思わせる妖しげなフルート、重厚なブロウで緊張を煽る管楽器などが絡み合う、知的にして不気味な音像が迫ってきます!

どちらかと言うと「静」の音楽なんですが、この一音一音から伝わってくる緊張感とスリルは凄いです…!

試聴 Click!

SCHERZOO/2

MAGMA/ZEUHLサウンド影響下のフランスのマルチ・ミュージシャン、FRANCOIS THOLLOTによるグループによる2012年作2nd。

初期ヘンリー・カウに『レッド』期クリムゾンの暗黒ヘヴィネスを注入したようなアンサンブルが素晴らしすぎる傑作。

試聴 Click!


SOLEIL ZEUHLレーベル特集~マグマに魅せられたZEUHL(ズール)系作品セレクション

【関連記事】

SOLEIL ZEUHLレーベル特集~マグマに魅せられたZEUHL(ズール)系作品セレクション

マグマに魅せられたZEUHL(ズール)系の新旧作品をリリースするフランスのSOLEIL ZEHULレーベルのカタログから注目の作品をピックアップ。

RHUN/FANFARE DU CHAOS

サックスやオーボエやクラリネットやオーボエやバスーンなど管楽器奏者を多数擁するフランスの新鋭大所帯ジャズ・ロック・バンド、2013年デビュー作。

『レッド』期のジョン・ウェットンばりに狂暴に歪んだベース、時にジャジーにシャープで時にビル・ブラッフォードばりにタイトなドラムによる重量級のリズム隊、そしてマグマやゴングやベルギーのCOSなどに通じる不気味な男女ヴォーカル&コーラス、ヘンリー・カウばりにテンションみなぎる管楽器アンサンブル!

こ、これは強烈・・・。

試聴 Click!

REVE GENERAL/HOWL

ユニヴェル・ゼロにも通じる狂おしい衝動を軸に、まるでプラハの壮麗なコンサートホールが目に浮かぶような艶やかさもあって、こ、これは素晴らし過ぎっ!

元ETRON FOU LELOUBLANのドラマーであるGuigou Chenevierを中心に、彼が率いるバンドVOLAPUKと、チェコのレコメン系バンドMETAMORPHOSISとが合体し、結成された多国籍レコメン系プロジェクト。

2015年のデビュー作!

試聴 Click!

CAILLOU/CAILLOU

ずばり、ソフト・マシーンやハットフィールドやナショナル・ヘルスなどカンタベリーのファン、『レッド』期キング・クリムゾンやマグマのファンは必聴と言えるでしょう。

復活したOFFERINGのメンバーとしても名を連ねるドラマーPhilippe Gleizes率いるグループによる、恐るべきデビュー作!

試聴 Click!

【スウェーデン】

SIMON STEENSLAND/25 YEARS OF MINIMUM R&B

ユニヴェル・ゼロ影響下の暗黒チェンバー・ロックに、多彩な楽器群がテクニカルに躍動するGGばりの技巧、そしてX-レッグド・サリーにも迫るテンションを合わせ持つスウェーデンの鬼才マルチ・ミュージシャン、初期ベスト&未発音源集17年作!

試聴 Click!

【ベラルーシ】

RATIONAL DIET/ON PHENOMENA AND EXISTENCES

東欧はベラルーシ出身、管弦楽器奏者を含む6人編成のチェンバー・ロック・グループによる2010年作5th。

狂気のヴァイオリン、暴走するサックス、偏執狂的ギター。

アンサンブルの強度、半端なし!

試聴 Click!

FIVE-STOREY ENSEMBLE/NOT THAT CITY

東欧はベラルーシのチェンバー・ロック・バンドRATIONAL DIETのメインコンポーザーだったキーボード奏者とバスーン奏者を中心に、管弦楽器奏者など11名で結成されたグループ。2013年作。

映像喚起的な艶やかな演奏とダークでテンションみなぎる演奏との落差!さすがは、元RATIONAL DIET。

試聴 Click!

FIVE-STOREY ENSEMBLE/NIGHT EN FACE

全盛期ユニヴェル・ゼロに接近した格調高くも不穏さに満ちた暗黒チェンバー・ロックは美しくも底なしに陰鬱。ベラルーシ出身チェンバー・ロック・バンドによる待望の17年作2nd!

【ベルギー】

HUMBLE GRUMBLE/FLANDERS FIELDS

ベルギー/ハンガリー/フィンランド/チリから凄腕メンバーが集った多国籍チェンバー・ロック・ユニット11年作。サムラ的疾走チンドン屋フレイヴァーとカンタベリー叙情が合わさったかのような強力作です!

試聴 Click!

HUMBLE GRUMBLE/GUZZLE IT UP

こちらの12年作2ndも強烈。アカデミックさと奇天烈さとヨーロピアンな洗練とがゴッタ煮されてて、途方もなくテクニカルなのに温かくてしなやかだし、ザッパやゴングのファンはヤられるはず!

試聴 Click!

【アメリカ】

STOP MOTION ORCHESTRA/LIGHTWORKS

MAGMA、HENRY COW、そしてPICCHIO DAL POZZOが混ざり合ったみたい!?強靭なベース・ラインと重厚なギター・リフに暖かみいっぱいの管弦楽器が絡み合うスリリング&ユーモラスなチェンバー・ジャズ・ロック!

試聴 Click!

TROOT/CONSTANCE AND THE WAITING

ADRIAN BELEW POWER TRIOの女性ベーシストをはじめ、世界中から集まった10人の実力派ミュージシャンが織り成すドラマチックなアヴァン・プログレ。ラフマニノフなど近現代クラシックを彷彿とさせるピアノが躍動する、強靭でいて端正な気品の漂うサウンドが実にCOOL!

試聴 Click!

UT GRET/ANCESTOR’S TALE

米中東部はケンタッキー州出身で、Key奏者、サックス/フルート奏者、バスーン奏者、クラリネット奏者、女性ヴォーカルを含むチェンバー・ロック・グループ。2014年作。

アメリカ産とは思えないほどヨーロピアンな翳りいっぱいで、ズール系やユニヴェル・ゼロから民族音楽まで視野に入れたチェンバー・ロック傑作!

試聴 Click!

【アルゼンチン】

FACTOR BURZACO/3

アルゼンチンはブエノス・アイレス出身で、クリムゾンやジェントル・ジャイアントやヘンリー・カウとともに、ドビュッシーやルチアーノ・ベリオやリゲティ・ジェルジュに親しんだコンポーザーのAbel Gilbert(1960年生まれ)率いるチェンバー・ロック・バンド。2014年作の3rd。

SLAPP HAPPYやCOSのファンにはたまらない女性ヴォーカルのコケティッシュ声炸裂!

試聴 Click!


2014年プログレ注目の新譜特集【ジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロック編】

【関連記事】

2014年プログレ注目の新譜特集【ジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロック編】

00年代に入ってジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロックの充実ぶりが凄い!ということで、ユーロ各国から北米、南米まで、世界中から届くジャズ・ロック/チェンバー・ロック/アヴァン・ロックの2014年新譜をピックアップ!

SALES DE BANO/HORROR VACUI

静謐かつノイジーとでも言える音空間・・・これ本当にライヴ録音なの!?アルゼンチン注目のレコメン系新鋭バンドによる、芸術性や実験性に満ちた2016年作。

試聴 Click!

KAI D’ RAIZ/LIMBO

温もりのあるチェンバー・ジャズ・サウンドにデジタルな音響を混ぜ合わせながら、スリリングに変拍子を刻んでいくアンサンブルが格好いい!HENRY COW、PICCHIO DAL POZZO好きに是非オススメしたいアルゼンチン産新鋭アヴァン・ジャズ・ロック!

試聴 Click!

【ブラジル】

SINAGOGA ZEN/SINAGOGA ZEN

『太陽と戦慄』直系のアヴァン・プログレからジャズ・ロック、チェンバー、神秘的フォークまでめくるめく展開するアンサンブルはすさまじいテクニックと強度。

ベース/ギター/ヴァイオリンをこなすマルチ・ミュージシャン2人を中心に、キーボード奏者、女性リード・ヴォーカル、ドラムという編成の5人組。

このグループ、凄いです・・・。

試聴 Click!

LUZ DE RIADA/CUENTOS Y FABULAS VOL.3

重厚なサックスに痺れるブラス・ジャズ・ロックから、初期アレアばりのフリーキーで無国籍なアヴァン・ロック、地中海エッセンスまでも飲み込みつつ、リズムは80sクリムゾン影響下だったりと、全く一筋縄ではいかないメキシコ新鋭による快作!

試聴 Click!

関連カテゴリー

注目のチェンバー・ロック新鋭

  • TROOT / CONSTANCE AND THE WAITING

    [カケレコ国内盤リリース中] 米国人ピアニスト/作曲家Tim Rootを中心に、世界中から集結した10人の実力派ミュージシャン参加のアヴァン/ジャズ・ロック・プロジェクト18年作、ずばり「クラシカルなクリムゾン」と言える傑作!

    仏在住のアメリカ人作曲家/ピアニスト、Tim Rootを中心とするアヴァン/ジャズ・ロック・プロジェクト18年作。ADRIAN BELEW POWER TRIOやクリムゾン・プロジェクトへの参加で知られる気鋭の女性ベーシストJulie Slickをはじめ、米国・イタリア・アルゼンチンなど各国から選りすぐりの実力派ミュージシャン10名により制作された作品とのことですが、なるほどこれは驚愕の完成度!R・フリップを思わせる切れ味鋭くヘヴィなギター、シャープ&タイトなリズム隊、チェンバー風味のクラリネットにこれでもかとむせぶサックス…『太陽と戦慄』や『RED』期クリムゾンからの影響を感じさせる、スリリングで強靭なアンサンブル。そこへリーダーのTimによるキメ細かく端正なピアノがクラシカルな色合いを加え、はち切れんばかりにハイテンションながらもどこか洗練された気品の漂うスタイリッシュなサウンドを聴かせています。ラフマニノフなど近現代クラシックを思わせるアヴァンギャルドなパートも披露しつつ、そこから天に抜けるように華麗なヴァイオリンがメロディアスな旋律を奏でるパートへと移り変わっていったりなど、ドラマチックな曲展開も特筆。精緻かつダイナミズムに富んだ演奏で聴き手を惹き込ませる、ハイレベルな傑作です。これは激・カケレコメンド!

  • RATIONAL DIET / ON PHENOMENA AND EXISTENCES

    東欧はベラルーシ出身、圧倒的にテンションみなぎるチェンバー・ロック、2010年作、名作!

    東欧はベラルーシ出身、管弦楽器奏者を含む6人編成のチェンバー・ロック・グループ。2010年作5th。テンションみなぎる変拍子、狂気のヴァイオリン、暴走するサックス、FRIPP譲りの偏執狂的ギター、スリリングなピアノ、Dagmar Krauseのごとくな女性Vo。とにかく圧倒的なテンション!HENRY COWやクリムゾン『太陽と戦慄』のファンは間違いなく気に入るでしょう。アンサンブルの強度が半端ではありません。おすすめ!

  • HUMBLE GRUMBLE / FLANDERS FIELDS

    ベルギーを拠点に活動する多国籍ジャズ・ロック・グループ、2011年発表の傑作

    96年に結成されたベルギーのジャズ・ロック/チェンバー・ロック・グループ。2011年作。ベルギー/ハンガリー/フィンランド/チリといった多国籍構成のメンバーが奏でる異国情緒に溢れた叙情的な旋律と、カンタベリー影響下/エストニアの新鋭PHLOXらに通じるしなやかなテクニカルさ、そしてチェンバー・ロック影響下のユーモアが鮮やかに融和した傑作。冒頭曲から特筆もの。これぞ東欧というエスニックで叙情的なテーマ、シュールなクラリネットと艶やかなアルトサックスが響き合うドラマティックで人懐っこいブラス・アンサンブル、ロック的ダイナミズムを注入するハードなギターとダイナミックなドラム、そして程良くアヴァンギャルドで華麗に転調してゆくユニークな曲構成に、思わず引き込まれてしまう名曲です。以降も男女混声のエレクトリック・フォークや、ヴァイオリンやマリンバをフィーチャーしたレコメン系チェンバー・ロック等、先人たちの遺伝子と各々が育んできた音楽的素養を遺憾なく発揮した機知に富んだ楽曲の数々。全プログレ・リスナーに推薦の、東欧期待の新鋭です。

  • CAILLOU / CAILLOU

    新鋭フレンチ・アヴァン/ジャズ・ロック、2013年作、MAGMAはもちろん、クリムゾンやカンタベリー・ミュージックのファン必聴の名作

    復活したOFFERINGのメンバーとしても名を連ねるドラマーPhilippe Gleizes率いる新鋭アヴァン/ジャズ・ロック・グループ。2013年デビュー作。幻想的に広がるフェンダー・ローズ、そして、手数多くフリー・フォームなリズムを刻むドラムによる静謐なオープニング。そこから、ロバート・フリップやフィル・ミラーを彷彿させる浮遊感とテンションいっぱいのギターが入り、ドラムが静かに暴走をはじめ、ギター、キーボードが左右にちりばめられながら、カンタベリーにも通じる流麗なサウンドを描く。ギアを一段あげ、ギターとベースがクリムゾン『レッド』ばりにヘヴィにうねると、クリムゾンやマグマのDNAを継ぐ暗黒プログレへと突入。ソフツのマイク・ラトリッジばりのクールなエレピも入ってきて、オープニングから凄まじい10分間を展開。ソフト・マシーンやハットフィールドやナショナル・ヘルスなどカンタベリーのファン、『レッド』期キング・クリムゾンやマグマのファンは必聴と言えるグループ。これは恐るべきデビュー作です。

  • YUGEN / DEATH BY WATER

    00年代屈指のチェンバー・ロック・バンド、2016年作、アルバム1秒目からレッドゾーン振り切りまくる驚愕の傑作

    00年代以降のチェンバー・ロック〜アヴァン・ロックの筆頭格と言えるイタリアのバンド、2016年作のスタジオ盤としては4枚目となるアルバム。アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!いきなりビブラフォンとサックスがユニゾンで切れ込み、ギターがまるでマシンガンのようにザクザクとしたフレーズを叩きつけ、リズム隊が高速変拍子で荒れ狂う。脈絡なくフレーズをぶつけあっているようでいて一糸乱れぬようでもあり、アブストラクトのようでいて緻密に計算されているようで、何という凄まじさ。クリムゾン『太陽と戦慄』やヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロなどに一歩も引けを取らない、というか、硬質さとテンションでは凌駕しているといっても過言ではないでしょう。一転して、静謐なパートでの透明感もまた見事だし、カンタベリーに通じる叙情的な「歌」も心に響くし、何という表現力。チェンバー・ロックの大本命バンドによる、リスナーの期待をはるかに凌駕した大傑作!

  • HUMBLE GRUMBLE / GUZZLE IT UP

    ベルギーの新鋭レコメン・グループ、スリリングかつ有機的な2012年傑作

    ベルギーで96年に結成されたグループで、当初はフォークとジャズのミュージシャンによるアヴァン・フォークを演奏していたものの、ザッパやゴングやX-Legged Sallyなどの影響の元、プログレッシヴなスタイルへと変遷。カンタベリーにも通ずるジャズ・ロック/プログレとなった2011年の傑作に続く2012年作がこちら。ヘンリー・カウに通ずる緊張感といかにも東欧的なエキゾチックなうねりとの間を行き交うクラリネットやサックス、力まずしなやかに鋭角な変拍子を織り交ぜるリズム隊、浮遊感のあるビブラフォン、スラップ・ハッピーやゴングのようにアヴァン・フレイヴァーとユーモアに満ちた知的なヴォーカル&メロディ。細かな展開が多くスリリングながら攻撃性はなく、音色はアコースティックで有機的と言えるアンサンブルが印象的。内ジャケに写るメンバーの服装からは独特なセンスを感じますし、アカデミックさと奇天烈さとヨーロピアンな洗練とがゴッタ煮されたサウンドは一筋縄ではいきません。それにしてもこれだけテクニカルなのにこの音の柔らかさと温かみ。00年代新鋭レコメン・グループとしては屈指と言える好グループ。これは名作です。

  • FIVE-STOREY ENSEMBLE / NOT THAT CITY

    東欧ベラルーシのチェンバー・ロック・グループRATIONAL DIETの中心コンポーザーによるグループ、2013年の傑作

    東欧はベラルーシのチェンバー・ロック・バンドRATIONAL DIETのメインコンポーザーだったキーボード奏者とバスーン奏者を中心に、管弦楽器奏者など11名で結成されたグループ。2013年作。弦楽器による静謐なイントロから、RATIONAL DIETの狂暴なサウンドとは異なることが分かります。時に映像喚起的と言えるほどに透明感のある瑞々しいアンサンブルを聴かせたかと思うと、アコースティックな音色はそのままにダークでテンションみなぎるアンサンブルへと展開するなど、緻密な構成と格調高いアンサンブルが印象的。フレーズは印象的なメロディを持つことなく無機的なのに、まとまってアンサンブルとなるとふくよかで有機的。恐るべき作曲能力と豊かな演奏力。00年代新鋭チェンバー・ロック屈指の傑作です。

  • IDENTIKIT / MIND’S EYE METEOROLOGY

    [カケレコ国内盤リリース中] 米国の6人組チェンバー・ジャズ・ロック・グループによる19年デビュー作、室内楽風アンサンブルをベースにサルサ、クレズマー等エキゾチズム香る要素も取り入れたスタイリッシュな逸品!

    16年に米国アトランタで結成された、ピアノ+管弦楽奏者3人(ヴァイオリン、サックス、クラリネット)+リズム隊というギターレスの6人編成のチェンバー・ロック・グループ、フル・アルバムとしては一作目となる19年作。1曲目のタイトル・トラックからこれは素晴らしい!手数の多いシャープなドラムと地を這うようなヴァイオリンによる緊張感みなぎるバッキング、その上を奔放に疾駆するサックスとクラリネット。場面は切り替わり、サックスとクラリネットが気品たっぷりの流麗な旋律を奏で、ピアノがそっと寄り添う。そうかと思うと、再びヴァイオリンが食い気味に入ってきて、畳み掛けるように変拍子のキメが炸裂。キング・クリムゾンとカンタベリーのギルガメッシュの間を行ったり来たりするような緩急自在の展開に興奮します。70年代プログレへの憧憬だけでなく、様々なジャンルを折衷した多彩な音楽性もこのバンドの持ち味で、モダン・ジャズ、サルサ、さらに時にはヒップホップまで飛び出すのですが、中でも特徴的なのが東欧発祥のユダヤ人音楽であるクレズマー。しなやかに低音を奏でるウッド・ベース、気品と共にヨーロピアンなエキゾチズムを漂わせるヴァイオリンやクラリネット。民族由来の奔放さや熱情も印象的です。ザッパからの影響を公言する通りの柔軟な音楽性、そしてそれを再現する確かな技巧性。デビュー作とは思えぬ見事な完成度を誇るチェンバー・ジャズ・ロックの逸品です!

  • SINAGOGA ZEN / SINAGOGA ZEN

    アヴァン/ジャズ・ロックからキーボード・プログレ、神秘的フォークまでめくるめく展開するブラジル注目の新鋭が登場!2014年のデビュー作にして傑作!

    ブラジル出身、ベース/ギター/ヴァイオリンをこなすマルチ・ミュージシャン2人を中心に、キーボード奏者、女性リード・ヴォーカル、ドラムという編成の5人組。2014年デビュー作。ガツンとエッジの立った歪みで炸裂するヘヴィなリズム・ギターとビル・ブラッフォードばりのドラムで畳み掛ける『太陽と戦慄』期のクリムゾンを彷彿させるパートからはじまり、たなびくメランコリックのハモンド・オルガンをバックにクリアな歌声の女性ヴォーカルがミスティックに歌い上げる静謐なパート、クラシカルなピアノとタンゴ調のヴァイオリンが格調高くも緊張感みなぎるインプロを繰り広げるチェンバー・ロック的なパートへとめくるめく展開していくオープニング・ナンバーからこれは素晴らし過ぎ!まるでバンコのような精緻さで変拍子を繰り広げたと思うと、ヴァイオリンがエモーショナルに叙情をみなぎらせ、ギターとマリンバのユニゾンによるテクニカルかつファンタスティックなキメも飛び出したり、自主制作フォークのような神秘的なパートも挟み込んだり、グリーンスレイドみたいにキーボードが躍動感いっぱいに鳴り響いたり、曲の後半にむけても圧倒的な表現力とテクニックで駆け抜けていきます。アヴァンギャルドでいてクリアな叙情性にも溢れたサウンドはかなりの完成度。これは注目のグループ。オススメです!

  • SIMON STEENSLAND / 25 YEARS OF MINIMUM R&B

    現チェンバー〜レコメンの先端を行くスウェーデン出身のマルチ・ミュージシャン、入手困難な初期作品の楽曲より選曲された14曲を収録したベスト盤CD1と、未発表音源20曲を収録したCD2の2枚組、17年作

    現在の暗黒チェンバー〜レコメン系の最先端を行くアーティストと言っても過言ではないスウェーデン出身のマルチ・ミュージシャン。入手困難な初期作品の楽曲より選曲された14曲を収録したベスト盤CD1と、未発表音源20曲を収録したCD2の2枚組17年作。ユニヴェル・ゼロからの影響を強く受けた不穏なチェンバー・ロック・サウンドに、木琴をはじめとする多彩な楽器群がテクニカルに躍動するジェントル・ジャイアントばりのプレイ、そして時にX-レッグド・サリーにも迫るレッドゾーンを振り切れるようなテンションを加えた音楽性はまさしく孤高。マッツ/モルガン〜カイパのMorgan Agrenによる超絶ドラミングも随所で炸裂しています。チェンバー〜レコメン・シーン随一の圧倒的な才能を凝縮した音源集です。

  • FIVE-STOREY ENSEMBLE / NIGHT EN FACE

    ベラルーシ出身の新鋭チェンバー・ロック・バンド17年作2nd、全盛期ユニヴェル・ゼロに接近した格調高くも不穏さに満ちた暗黒チェンバー・ロックを繰り広げる傑作!

    東欧はベラルーシのチェンバー・ロック・バンドRATIONAL DIETのメインコンポーザーだったキーボード奏者とバスーン奏者を中心に、管弦楽器奏者など総勢11名で結成されたグループ。17年作2nd。冒頭より、闇の中で鳴らされるようなピアノとヴァイオリン、チェロ、ダブル・ベースが織りなす、美しくも底なしに陰鬱なチェンバー・アンサンブルに思わず震えが来ます。チェンバー・ミュージック然としたアカデミックな気品を纏ったサウンドが印象的だった前作に比べ、本作はユニヴェル・ゼロを意識したような暗黒感が立ち込めているのが最大の特徴で、バンド本来の格調高さと、何かが忍び寄ってくるような不気味さが同時に迫りくる音像がとにかく衝撃的です。アンサンブルの中核を成すのはピアノとヴァイオリンなど弦楽ですが、本作を印象づける独特の不気味さを演出しているのがバスーン。単独だととぼけた味のある音色にも聴こえますが、緊張感ある演奏の中に放り込まれると途端に不安を掻き立てる強烈なアクセントとして機能します。パーカッションによるリズムが入るM4では、ほとんどユニヴェル・ゼロの3rdや4thに入っていてもいい完成度のチェンバー・ロックを聴かせていて必聴。ユニヴェル・ゼロを始めとする暗黒チェンバーのファンなら歓喜すること間違い無しの現代チェンバー・ロックの傑作!

  • LOST CROWNS / EVERY NIGHT SOMETHING HAPPENS

    英国新鋭アヴァン・ポップ/チェンバー・プログレ・グループによる19年デビュー作、クリムゾンやHENRY COW由来の強靭さと奇天烈なポップさを両立させた個性あふれる逸品!

    英プログレ・デュオSTARS IN BATTLEDRESSで活動するRichard Larcombeを中心に、KNIFEWORLDのベーシストCharlie Cawoodやサックス奏者Josh Perlといった英国アヴァン・プログレ・シーンの気鋭ミュージシャンが集う新鋭グループ、19年デビュー作。まるでKING CRIMSONとHENRY COW、SOFT MACHINEなどのカンタベリー・ロック、それからフランク・ザッパをごった煮にしたかのような、強靭かつポップかつ複雑にねじくれたアヴァン・ポップ・プログレが実に痛快!スリリングな変拍子の中で繰り広げられる不調和なメロディ、背後で緊迫感を煽るメロトロン風キーボード、緻密に絡まり合っていくギターや管楽器。ジリジリと焼け付くような緊張感と不穏さに満ち溢れつつ、ジェントルで浮遊感のあるヴォーカルだったり、遊園地を思わせるベルやハルモニウムの音色だったりと、おどけたようなユーモアもふんだんに漂わせているのがたいへん個性的。これはチェンバー/レコメン・ファン要チェック!

  • ANGEL ONTALVA / MUNDO FLOTANTE

    スペインのRIO系グループOCTOBER EQUUSのギタリスト、豊潤な12年ソロ作

    00年代以降にチェンバー/アヴァン・ロックの優れたグループが続々と出てきていますが、そのスペインの筆頭格と言えるOCTOBER EQUUSのギタリストによる12年作1stソロ。キング・クリムゾン的なバンドのサウンドと比べ、カンタベリー・ミュージックやヘンリー・カウなどレコメン系に通じるヴィンテージ感とともに、地中海や中近東音楽のエキゾチックなフレイヴァーを感じるのが印象的。温かみあるトーンで緊張感あるフレーズを奏でるサックスとフルート、そして艶やかで浮遊感あるギターとが緻密に交差するアンサンブル。そして、アレアにも通じるウネリの効いたエキゾチズム。スペインには70年代に数多くのジャズ・ロック/アヴァン系の名作が生まれましたが、その中のMUSICA URBANAに雰囲気が似ています。往年のスパニッシュ・ジャズ・ロック(ライエターナ・ミュージック)のDNAを継ぐ豊潤な傑作。これは素晴らしいです。

  • FACTOR BURZACO / 3

    アルゼンチンが誇る新鋭チェンバー・ロック・バンド、SLAPP HAPPYやCOSのファンにはたまらない女性ヴォーカルのコケティッシュ声炸裂の2014年傑作

    アルゼンチンはブエノス・アイレス出身で、クリムゾンやジェントル・ジャイアントやヘンリー・カウとともに、ドビュッシーやルチアーノ・ベリオやリゲティ・ジェルジュに親しんだコンポーザーのAbel Gilbert(1960年生まれ)率いるチェンバー・ロック・バンド。2014年作の3rd。女性ヴォーカルのCarolina Restucciaも特筆で、ダグマー・クラウゼ(SLAPP HAPPY)やパスカル・ソン(COS)を彷彿させる狂気とコケティッシュさを内包した歌声が強烈。クリムゾンのジェイミー・ミューア的な奔放なパーカッションにCarolinaの奔放なヴォーカルが乗るチェンバー・ミュージック、そして、管弦楽器とシャープなエレキ・ギターがまばゆいトーンでエキセントリックなアンサンブルを奏でるチェンバー・ロック、さらにニューウェイヴとゴシックを行ったり来たりするようなアヴァン・ポップも交えながらイマジネーション豊かに展開していきます。ユニヴェル・ゼロばりの器楽的な技巧を持ちつつ、強迫的にはならず、どこかカンタベリーにも通じるようなユーモラスさがあるサウンドが持ち味です。数多く好グループが出てきている2010年代以降のチェンバー・ロック・シーンの中でも屈指と言える強度と奔放さを持った名バンドによる傑作です。

  • BREZNEV FUN CLUB / IL MISANTROPO FELICE

    ザッパやピッキオ・ダル・ポッツォやオパス・アヴァントラのDNAを継ぐイタリアの気鋭のチェンバー・ロック・バンド、ずばり傑作と言える15年作2nd

    90年代はじめから活動するイタリアのチェンバー・ロック・グループで、グループのブレインは、ミランで活動するコンポーザーのRocco Lomonaco。彼を中心に、多数の管弦楽奏者を交えて制作され、新進気鋭のALTROCKレーベルより2015年にリリースされた2nd。レーベルからのインフォには、カンタベリー・ミュージック、ザッパ『アンクル・ミート』、ピッキオ・ダル・ポッツォ、オパス・アヴァントラ、新鋭のYUGENあたりが好きなら必聴、と記されていますが、確かにその通り。というか、チェンバー・ロックならではの不協の音が生む緊張感とともに、一音一音に瑞々しい煌きや色彩感があって、往年のチェンバー・ロック名盤に比肩するクオリティに驚きました。個人的には、ザッパで言えば、『アンクル・ミート』よりも『ホット・ラッツ』に近い印象で、緻密でいて躍動する感じ。女性ヴォーカルが入ると、オパス・アヴァントラのような「気品」も漂うし、これは素晴らしい!チェンバー・ロックのファンはずばり必聴の傑作です。

  • SCHERZOO / 2

    『レッド』期クリムゾン、ヘンリー・カウのファンは悶絶必至のフランス産チェンバー・プログレ、12年作2nd

    MAGMA/ZEUHLサウンド影響下のフランスのマルチ・ミュージシャン、FRANCOIS THOLLOTによるグループ。12年作2nd。『レッド』期クリムゾンを彷彿させるゴツゴツとヘヴィなベース、ヘンリー・カウに通じるフリーキーかつ温かなトーンのアルト・サックスを中心とするチェンバー・ロック。ミニマルな変拍子の繰り返しの中、ギターも加わって緻密かつアグレッシヴに畳みかけるインプロはかなりのカッコ良さ。初期ヘンリー・カウに『レッド』期クリムゾンの暗黒ヘヴィネスを注入したようなアンサンブルが素晴らしすぎる傑作。これはオススメです。

  • UT GRET / ANCESTOR’S TALE

    米ケンタッキー出身ながら、ヨーロピアンな翳りに包まれたチェンバー・ロックの好グループ、表現力豊かな2014年の傑作

    米中東部はケンタッキー州出身で、Key奏者、サックス/フルート奏者、バスーン奏者、クラリネット奏者、女性ヴォーカルを含むチェンバー・ロック・グループ。2014年作。カンタベリー・ミュージックやレコメン系や仏ZEUHL系などアヴァンギャルドなプログレ/ジャズ・ロックからの影響を軸に、ワールド・ミュージックや世界各国の民族音楽まで視野に入れた分類不能のサウンドが持ち味。シャープかつ艶やかなドラム、時に芳醇で時にテンションみなぎるバスーンやクラリネットやサックスやフルートなど管楽器、そして、陰影や色彩をアンサンブルに付けるオルガンやメロトロンやピアノ。アンサンブルは多彩で、カンタベリー・タッチの緻密に紡がれた流麗なパートから、ヘンリー・カウやキング・クリムゾン『太陽と戦慄』ばりの牙をむくパート、ユニヴェル・ゼロばりの異教的で呪術的な暗黒パート、エレピがたゆたう浮遊感あるパートなどを縦横無尽に織り交ぜながら、精緻に組み立てていきます。しっとりとした叙情で包み込むアンニュイな女性ヴォーカルも特筆。アメリカのグループですが、ヨーロピアンな翳りに包まれたサウンドは、チェンバー・ロック/レコメンのファンは必聴でしょう。素晴らしいグループです。

  • SPECTRUM ORCHESTRUM / IT’S ABOUT TIME

    フランス北部リール出身の5人組プログレ・グループによる18年作3rd、ユニヴェル・ゼロやマグマを受け継いだ暗黒チェンバー/アヴァン・ジャズ・ロックの逸品!

    07年結成、フランス北部リール出身の5人組プログレ・グループによる18年作3rd。3曲で構成されたそのサウンドは、ユニヴェル・ゼロやマグマを受け継ぐ、暗黒立ち込めるアヴァン/チェンバー・ジャズ・ロック。33分に及ぶ2曲目が圧巻で、ジャズの素養みなぎるスリリングで切れのあるリズム・セクションが執拗に反復を続ける中を、アヴァンギャルドに音の断片を撒き散らすギター、どこか祭り囃子を思わせる妖しげに舞うフルート、重厚なブロウで緊張を煽る管楽器などが絡み合う戦慄の音像が迫ってきます。マグマほどテンション高くはならず、どこまでも知性的かつ冷静に進行していくアンサンブルが、かえってジリジリと這い寄ってくるような不気味さを強く感じさせるのが印象的。3曲目は前曲の暗黒はそのままながら、力強く神秘的に鳴り響くオルガンが世界観を一変させており、ほとんど現代音楽と言える不思議な音空間が広がります。全体としては「静」の音楽ながら、研ぎ澄まされた一音一音に緊張感とスリルがみなぎっているようなサウンドが見事な一枚。

  • LOOMINGS / EVERYDAY MYTHOLOGY

    イタリア、YUGENのヴィブラフォン奏者を中心とするアヴァン・プログレ・バンド、2015年デビュー作

    YUGENやFACTOR BARZACOなどの作品にも参加したヴィブラフォン奏者&ドラマーのJacopo Costa(フランス在住のイタリア人)を中心に、クラシックを学んだ男女ヴォーカル3人、ベース、ギターの6人で結成されたフランスのアヴァン・ロック・グループ。2015年デビュー作。レーベルからのインフォでは、アート・ベアーズやヘンリー・カウやザッパとともに、ハットフィールド&ザ・ノースやソフト・マシーンなどカンタベリー・ミュージックから影響を受けたようですが、サウンドを聴けばなるほど納得。鬼気迫る感じはなく、ヴィブラフォンと木管楽器によるフリーフォームの諧謔的かつクラシカルな気品もあるアンサンブルを土台に、ハットフィールドを彷彿させる男女混声コーラスが乗るスタイルが印象的です。アーティスティックな感覚に満ちたセンス溢れる逸品です。

  • STOP MOTION ORCHESTRA / LIGHTWORKS

    米テキサス州の新鋭チェンバー/アヴァン・ロック・グループ18年2nd、HENRY COWやPICCHIO DAL POZZOに通ずる強靭さと気品とユーモアを併せ持ったセンス抜群の一枚!

    マルチ・コンポーザーMohadevを中心に13年に結成され、米テキサス州オースティンを拠点に活動するチェンバー/アヴァン・ロック・グループ。18年2nd。ゴリゴリと地を這うベース、鋭くタイトなドラム、ロバート・フリップも彷彿とさせるソリッドなディストーション・ギター。強靭でアグレッシヴな要素もありつつ、同時にふくよかなサックスや気品に満ちたヴァイオリン、チェロの奏でる旋律が緻密かつしなやかに重なり合い、スリリングながらも暖かみに満ちたセンス抜群のチェンバー・ジャズ・ロックを聴かせています。東欧やアジアの民族音楽からインスピレーションを得たというどこか土着的な管弦楽器のフレーズに、シンセベースの硬質なリズム、さらにフリーキーなギター・ノイズが交わり緊張感たっぷりに展開されるパートもあれば、牧歌的なアコギのアルペジオに乗せてヴァイオリンが穏やかにたゆたう叙情的なパートもありと、メリハリのついた楽曲構成も見事。MAGMA、HENRY COW、そしてPICCHIO DAL POZZOが混ざり合ったような、複雑性とユーモアを兼ね備えたサウンドが素晴らしい力作です。

  • OTEME / IL CORPO NEL SOGNO

    8人組イタリアン・チェンバー/アヴァン・プログレ・グループ18年作、異次元世界を音像化したようなミステリアスかつ緊張感みなぎるアヴァン・プログレ!

    2010年結成、マルチ・プレイヤーのStefano Giannottiを中心に結成された8人編成のイタリアン・チェンバー/アヴァン・プログレ・グループによる18年作。パーカッションによってプリミティヴに刻まれるリズムに乗って、フルート、クラリネット、トランペット、トロンボーン、チューバなど多彩な管楽器が時にスリリングに時にミステリアスにフレーズを掛け合い、透明感あるピアノが気品を添える、静謐な広がりを持つ音世界を作り上げます。アヴァンギャルドではあるものの、一貫して美しさに満ちた音像が特徴的。前半はPICCHIO DAL POZZOやジャズ・ロック期のザッパも彷彿させる管楽器のプレイや温かみある男女ヴォーカルが耳に残りますが、アルバム後半はアヴァンギャルドさが増大し、エレクトロニクスやトイ・ピアノなども用いて異次元世界を音像化したようなサウンドを繰り広げており強烈です。美しく気品ある佇まいと尋常ならざる緊張感をあわせ持った孤高の一枚。

  • SALES DE BANO / HORROR VACUI

    2014年にデビューしたアルゼンチンのレコメン系新鋭バンド、全曲ライヴ録音の2016年作の2nd

    2014年にデビューしたアルゼンチンのレコメン系新鋭バンド。全曲ライヴ録音の2016年作の2nd。ライヴ会場で生み出されているとは思えない、静謐かつノイジーとでも言える音空間にまず心掴まれます。無調のピアノとフルートが絡むアンサンブルには思わず息を飲みます。サックスとエレキギターが入るとダイナミズムを増していき、ここぞではリズム隊がダイナミックに疾走し、ギターとサックスが高速変拍子ユニゾンで畳み掛けるなど、クリムゾンばりのテンションで聴き手に襲いかかります。凄まじい表現力とテクニック。デビュー作のテンションにも驚きましたが、本作に通底する芸術性や実験性にまた驚かされました。これはチェンバー・ロック/レコメン系のファンは必聴の快作です。

  • ERIK HAMMARSTROM / GLODET RYTMISK SVARTA

    ANGLAGARDやBRIGHTEYE BRISONで活躍するドラマーによる19年ソロ作、尋常じゃない緊張感を伴った前衛暗黒チェンバー・ミュージック傑作!

    スウェーデン出身、ANGLAGARDやBRIGHTEYE BRISONで活躍するドラマーによる19年ソロ作。34分と15分の組曲2つで構成された作品で、所属するシンフォ系の両バンドからすると異色とも言える前衛的な暗黒チェンバー・ミュージックを展開。時おり微妙にテンポをずらす不気味なリズム感覚の無機質なドラミングが否応なく緊張感を高め、生ストリングスが不協和音すれすれの不穏なメロディを紡ぎ、ブラスが重々しくダークに響く、サウンドは思わず震えが来そうなほどの禍々しさが漂っています。存在感あるドラムも含め音の質感として近いのはユニヴェル・ゼロですが、よりクラシック由来のピンと張りつめたサウンドが特徴です。しかし、この聴き手を作品世界に惹き込む強烈な緊張感はなるほどANGLAGARDに通じるものでさすが。完成度の高い独自の暗黒チェンバーを練り上げた傑作。

    試聴は下記ページで可能です!
    https://erikhammarstrom.bandcamp.com/album/gl-dhet-rytmisk-sv-rta

  • KAI D’ RAIZ / LIMBO

    アルゼンチンはブエノスアイレス出身、洗練されつつもスリリングな緊張感を纏った新鋭アヴァン/チェンバー・ジャズ・ロック17年2nd

    アルゼンチンはブエノスアイレス出身、サックス奏者兼作曲家のNicolas Garcia Mediciを中心とする9人組ジャズ・ロック・グループの17年作2nd。サックスやトランペットなどのブラス・セクションに端正なピアノといったモダンなジャズ・サウンドを基調としつつ、そこかしこに切れ味鋭い変拍子やHENRY COWを思わせる不穏なフレーズを盛り込み、クールに洗練されつつもスリリングな緊張感を纏ったハイレベルなアンサンブルを展開しています。どこか温もりを感じさせる木・金管楽器の音色を全面でフィーチャーしながらも、要所でクリムゾンばりの鋭角なギターやスペーシーなキーボード、デジタルなサウンド・エフェクトを程良く織り交ぜ、暖かみと現代的な要素がバランス良く混ざったサウンドに仕上げている点もグッド。HENRY COW、PICCHIO DAL POZZOなどアヴァン/チェンバー・ジャズ・ロック好きには是非レコメンドです。

コメントをシェアしよう!

あわせて読みたい記事