2016年5月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
05年に実験的なロックのためのフェスを開催するために設立され、翌06年に、YUGENの作品をリリースし、レーベルとしてもスタートしたイタリアに本拠を置くAltrock Productions。
70年代後半にヘンリー・カウの主導で世界中を巻き込んだ反商業主義ロックの連帯組織運動「R.I.O.」の意志を継ぎ、イタリアを中心とする反商業主義の芸術的に高度な音楽を続々とリリースし、現代のチェンバー/アヴァン・ロック・シーンを力強く牽引しています。
それでは、レーベルの顔と言えるチェンバー・ロック新鋭屈指のグループYUGENをスタートに、注目の作品をピックアップいたしましょう。
イタリアが誇る現代チェンバー・ロック最高峰のグループによる2016年作。
アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!
怒涛のビブラフォンとサックスのユニゾン。マシンガンのようなギター。高速変拍子。
クリムゾンやユニヴェル・ゼロに一歩も引けをとってません・・・ただただ圧巻。
YUGENのヴィブラフォン奏者率いるバンドによる2015年作。
アート・ベアーズやヘンリー・カウやザッパとともに、ハットフィールド&ザ・ノースやソフト・マシーン、さらにヒップホップまでぶち込んじゃった知性派アヴァン・ロックで、さすがはYUGENのメンバー!とうなる傑作。
狂気のヴァイオリン、暴走するサックス、偏執狂的ギター。
東欧の小国ベラルーシに突如あらわれたチェンバー・ロック・グループ・・・恐るべし。
RATIONAL DIETのメインコンポーザーだったキーボード奏者とバスーン奏者を中心に、管弦楽器奏者など11名で結成されたグループ。2013年作。
映像喚起的な艶やかな演奏とダークでテンションみなぎる演奏との落差。フレーズは印象的なメロディを持つことなく無機的なのに、まとまってアンサンブルとなるとふくよかで有機的。恐るべき作曲能力と豊かな演奏力。
00年代新鋭チェンバー・ロック屈指と言える傑作!
北欧のマルチ・プレイヤーによる09年作。
ZAPPAやSAMLAからUNIVERS ZERO、YES『RELAYER』までもが超絶技巧で渦巻くスリリングな展開は、もう圧巻のカッコ良さ!!
管楽器が躍動するストラヴィンスキー的パートからジェントル・ジャイアントばりのファンキーなパートを通過し、ハモンドによるカンタベリーなパートへと進む展開はプログレファンなら歓喜間違いなし!
このイタリア新鋭のセンスとテク、凄い・・・。
スペインを代表する、というだけでなく、ユーロ屈指と言えるチェンバー・ロック新鋭による2011年作3rd。
ユニヴェル・ゼロ&クリムゾン影響下にある暗黒でソリッドなチェンバー・ロック傑作。
元ETRON FOU LELOUBLANのドラマーであるGuigou Chenevierを中心に、彼が率いるバンドVOLAPUKと、チェコのレコメン系バンドMETAMORPHOSISとが合体し、結成された多国籍レコメン系プロジェクト。2015年デビュー作。
ユニヴェル・ゼロにも通じる狂おしい衝動を軸に、まるでプラハの壮麗なコンサートホールが目に浮かぶような艶やかさもあって、こ、これはチェンバー・ロックのファンはずばり必聴!
サーカス団やお祭り時の演劇団のような素っ頓狂さや軽妙さが実に痛快なイタリアのベテラン・レコメン系バンドによる2016年作。
コケティッシュ&オペラティックな女性Voもグレイト!
「アレア × 米プログレ・ハード 」÷ ポスト・ロック以降ジャズ・ロック!?
06年デビュー作から10年ぶりとなった2016年作2nd。
アルゼンチンはブエノス・アイレス出身で、クリムゾンやジェントル・ジャイアントやヘンリー・カウとともに、ドビュッシーやルチアーノ・ベリオやリゲティ・ジェルジュに親しんだコンポーザーのAbel Gilbert(1960年生まれ)率いるチェンバー・ロック・バンド。
SLAPP HAPPYやCOSのファンにはたまらない女性ヴォーカルのコケティッシュ声も特筆!
アルゼンチンと言えば、こちらのバンドもオススメ。
アルゼンチンのサックス奏者、エレピ奏者、ギターとリズム隊の5人組による2012年作。
カンタベリー色、サムラばりの屈折感を混ぜ込んだカンタベリー/レコメンのファンは必聴の逸品!
これ、アメリカのグループの2014年作なの!?
ヨーロピアンな翳りいっぱいで、ズール系やユニヴェル・ゼロから民族音楽まで視野に入れたチェンバー・ロック傑作!
カリフォルニアの新鋭グループの2012年作。
カンタベリー meets ポスト・ロックと言えるサウンドで、小山田圭吾がギターで参加した最近のYMOに、70年代当時のハットフィールドのメンバーが飛び入り参加!と言えば、この素晴らしさが伝わるでしょうか!?
カンタベリーのDNAがシチリア島で花開くとこんなにも爽やかでポップな音になるのか!
イタリアはシチリア島出身、カンタベリー・タッチのジャズ・ロック・バンド、2013年のデビュー作に続く2015年作2nd。
ザッパやピッキオ・ダル・ポッツォやオパス・アヴァントラのDNAを継ぐイタリアの新鋭チェンバー・ロック・バンド。
チェンバー・ロックならではの不協の音が生む緊張感とともに、一音一音に瑞々しい煌きや色彩感があって、これはずばり傑作と言える気鋭の2015年作!
ベルギーのレコメン系グループの2012年作なんですが、アカデミックさと奇天烈さとヨーロピアンな洗練とがゴッタ煮されてて、テクニカルなのに温かくしなやかだし、ザッパやゴングのファンはヤられるはず!
サックスやオーボエやクラリネットやオーボエやバスーンなど管楽器奏者を多数擁するフランスの新鋭大所帯バンド、2013年デビュー作。
『レッド』期のクリムゾンのスタジオにマグマとヘンリー・カウが乱入したような恐るべきチェンバー・ロック!
フランス産新鋭ジャズ・ロック・バンドによる12年作2nd。
チェンバー・ロック直系のみなぎるテンションを軸に、サムラに通じるユーモア感覚やフランスならではの耽美さを練り込んだサウンドはかな~り完成度高し!
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カリフォルニアの新鋭ジャズ・ロック/プログレ・グループ、2012年作。オープニング・ナンバーの気持ちよさときたら!たゆたうようなカンタベリー・フレイヴァーな女性ヴォーカル、そのバックで軽快にリズムを刻むエレクトリック・ギター、ダンサンブルと言えるようなリズム隊。そんな気持ち良いサウンドにサックスが強烈なブローをお見舞いし、ゴングばりの変態ジャズ・ロックへと突入。カンタベリーやレコメンを軸に、ポスト・ロックの浮遊感やヌケの良さを加えたサウンドは実に痛快!小山田圭吾がギターで参加した最近のYMOに、70年代当時のハットフィールドのメンバーが飛び入り参加!と言えば、この素晴らしさが伝わるでしょうか。これは、名作!
00年代以降のチェンバー・ロック〜アヴァン・ロックの筆頭格と言えるイタリアのバンド、2016年作のスタジオ盤としては4枚目となるアルバム。アルバムの1秒目からレッドゾーン吹っ切れまくり!いきなりビブラフォンとサックスがユニゾンで切れ込み、ギターがまるでマシンガンのようにザクザクとしたフレーズを叩きつけ、リズム隊が高速変拍子で荒れ狂う。脈絡なくフレーズをぶつけあっているようでいて一糸乱れぬようでもあり、アブストラクトのようでいて緻密に計算されているようで、何という凄まじさ。クリムゾン『太陽と戦慄』やヘンリー・カウやユニヴェル・ゼロなどに一歩も引けを取らない、というか、硬質さとテンションでは凌駕しているといっても過言ではないでしょう。一転して、静謐なパートでの透明感もまた見事だし、カンタベリーに通じる叙情的な「歌」も心に響くし、何という表現力。チェンバー・ロックの大本命バンドによる、リスナーの期待をはるかに凌駕した大傑作!
アルゼンチンの新鋭レコメン系グループ、2012年作。サックス奏者、エレピ奏者、ギターとリズム隊による5人組。ナショナル・ヘルスあたりのカンタベリー色、サムラを彷彿させるユーモラスな屈折感を混ぜ込んだサウンドは、硬質かつしなやか。テクニック、アンサンブルの構築ともにハイ・レベル。これは素晴らしいグループです。70年代のグループと言っても分からないサウンド・プロダクションも魅力的。カンタベリー/レコメンのファンは必聴です!
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