2023年11月2日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
カケハシ・レコードです。
2023年5月のカケレコ・ベストセラーTOP10をご紹介いたします!
ポーランドのRYSZARD KRAMARSKI PROJECTは、やはりすごかった!
今や、母体であるMILLENIUMのほうが霞むかと言うほどの活躍ぶり。
スコットランドのEMERALD DAWNやイタリアのIL SEGNO DEL COMANDOも、高いレベルの作品で納得のランクインです。
さらに、大御所ではイタリアのACQUA FRAGILEが要チェックですね!
それでは、11月もよろしくお願いいたします!
刺激的なデジタル音響とメランコリックなシンセやオルガンが交差するオリジナリティ溢れるキーボード・サウンド、そしてもはやギルモア以上にギルモアっぽい心震わすギターソロ。ホメロス『オデュッセイア』にインスパイアされた23年作!
スコットランド出身の実力派シンフォ・グループ、23年作!全3曲の大作主義で、古代文明を想起させるようなアラビアンな音階や、深いエコーをかけた音響処理が印象的なシンフォニック・サウンドが持ち味。全編ミステリアスな雰囲気が漂うプログレらしさ満点の逸品!
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90年代以降のプログレシーンを盛り上げる北欧スウェーデンやイタリアに負けじと、本場イギリスからも、イエスやジェネシスやクリムゾンなど往年のグループのDNAを継いだ好グループが出てきております。注目の作品をセレクトいたしましょう。
ギタリストが交代し演奏に重厚さと迫力が増しましたが、センス溢れるキーボードワークと女性ヴォーカルが担う、従来の彼ららしいスタイリッシュなシンフォ要素はもちろん健在。現ポーランド・シンフォ最高峰、23年作!
PP&Mのピーター・ヤーロウに見いだされたミネソタの女性シンガー、大ヒット曲「Torn Between Two Lovers」を収録した76年作。マッスル・ショールズの面々がバックを務めた、カントリー・ロック好きにもスワンプ・ロック好きにもオススメしたい名品!
ゴシック・テイストや宗教的色合い、そして呪術性といったイタリアン・プログレらしい要素をまとったヘヴィ・シンフォが炸裂。イルバレ、ゴブリン、ヤクラあたりがお好きなら是非オススメの、ジェノヴァ出身グループ23年作!
オランダ屈指のギタリストFrank Van Der Klootが在籍した伝説のダッチ・ブルース・ロック・バンド、69年唯一作。繊細かつエモーショナルなタッチとジャジーなフレージングが光るプログレッシヴなブルース・ロック。これはクール!
最近のインディー・ロックかと思う脱力ジャケから、この目の醒めるような超絶技巧ジャズ・ロックが飛び出してこようとは。圧倒的なテンションと技巧で全編駆け抜けるピアノのパフォーマンスは驚愕モノです。
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欧米各国の「ど」がつくマイナープログレを発掘リリースしている注目の新興レーベルPAISLEY PRESS。リリース作品を一挙ご紹介!
PFMでも活躍した名ヴォーカル、ベルナルド・ランゼッティの健在ぶりに嬉しくなる23年作!色彩に富んだキーボードワークも素晴らしくって、往年の伊プログレが持っていたエネルギーと浪漫を余すことなく堪能できる快作です。
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ソフト・マシーン『4th』収録の悶絶オープニング・ナンバー「Teeth」が好き? でしたら、このマイナーなイタリアン・ジャズ・ロック・グループ、気に入ってくれると思います☆
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無名ながらもハイレベルなサウンドを聴かせるグループがゴロゴロ存在しているイタリアン・ジャズ・ロック・シーン。そんな猛者揃いのマイナー・イタリアン・ジャズ・ロックより厳選してご紹介してまいりましょう☆
2枚のアルバムを残して解散した英国バーミンガム出身のロック・バンド、74年作。ストレートなロックやモダン・ポップ、ハード・ロック、サイケ、さらにトラッド風のアカペラもあったりと一筋縄ではいかない内容ですが、英国バンドらしい佳曲が詰まっています。
イタリアのグループ、81年作。手数多くシャープなドラム、時にリードも取るアグレッシヴなベース、軽快かつ流麗なインタープレイからグルーヴ感溢れるバッキングまで印象的なエレピ&ピアノ、グイグイと引っ張る力強いサックスによるジャズ/フュージョン・ロック。変拍子のキレの良さなど、テクニック抜群。4thあたりのSOFT MACHINEやBRAND Xなどの英ジャズ・ロックをベースに、地中海のヌケの良さを加えたサウンドは、かなりレベル高いです。クロスオーバー寄りのジャズ・ロックが好みの方は必聴のグループ。おすすめです。
アメリカのマイナー・ジャズ・ロック/フュージョン、79年の唯一作。最近のインディー・ロックみたいなジャケですが、冒頭の美しくも激情を内に秘めた鮮烈なピアノ独奏からいきなり持っていかれます。一聴でジャズ畑出身なのがわかる、シンバルとハイハットを多用するジャズ然としたドラミングと伸び伸びとグルーヴィーに歌うベースのリズム・セクション。その上を、エフェクターを強くかけてエキセントリックにプレイするギター&超絶技巧のスリリングなピアノが駆け抜けます。全員相当なテクニシャンですが、とにかくピアノの技巧とテンションは頭一つ抜けていて、全編にわたり存在感抜群。数曲ではギターも負けじとJohn Goodsallみたいに音数多く弾きまくっていて、アメリカ版BRAND Xみたいに聴こえるナンバーもあります。でもやはり圧巻は耳を釘付けにするようなピアノでしょう。ピアノが活躍するジャズ・ロックとしては最高レベルとも言えそうなこれほどの作品が、これまで人知れず埋もれていたとは…。傑作です。
現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENIUMを率いるキーボード奏者によるプロジェクト、23年作6th。いつも文学作品を題材に作品をリリースする彼らですが、本作はホメロスによる叙事詩『オデュッセイア』にインスパイアされたという一枚。ただ歴史ロマン的要素よりはアートワークにも表現された宇宙的壮大さを追求したサウンドメイクで聴かせます。変わらぬPINK FLOYDへの憧憬を抱いたエモーショナルかつ深遠な演奏と、スタイリッシュでキャッチーな歌が見事に組み合わさった、非常に完成度の高いメロディアス・ロックをプレイ。ギタリストMarcin Kruczekによるもはやギルモア以上にギルモアっぽい心震わせるギターソロはいつもながら素晴らしく聴き所です。それでも特筆とするなら、刺激的なデジタル音響とメランコリックなシンセやオルガンを重ねてオリジナリティ溢れるキーボード・サウンドを生み出すリーダーの手腕でしょう。キーボードが中心に織り上げるサウンドのスケールにおいては、MILLENIUMの新作と言われても納得のレベルに達しています。数曲でヴォーカルを取る女性シンガーも魅力的で、どこか民族調のエキゾチズムを放つ独特の歌唱には惹きこまれること必至。もはやMILLENIUMのサイド・プロジェクトという位置づけに収まらない存在感を示す傑作です。
天才コンポーザー/key奏者Krzysztof Lepiarczyk率いる、現ポーランド屈指の人気を誇る女性voシンフォ・バンド、23年作7th!前作にて初代ヴォーカルが復帰、今作ではギタリストが交代しています。前21年作『7TH DEW』で聴かせたプログレ・ハード的な疾走感あるサウンドを更に押し進めており、新ギタリストによるメタリックなギターワークも相まって、LOONYPARK史上最高の迫力で押し寄せるアンサンブルに冒頭から圧倒されます。もちろん従来の彼らが持つスタイリッシュなシンフォ要素も健在。トーンを巧みに変化しながら生き物のように躍動するシンセ、ここぞで劇的に鳴らされるピアノ、未来的な世界観を演出するプログラミングと、ハイセンスの一言に尽きるキーボードワーク、そしてしなやかさと厳かさが絶妙な塩梅の女性ヴォーカルの魅力は、ハードさを強めたサウンドにおいても変わらぬ輝きを放ちます。一聴ヘヴィなプレイが印象的に思えたギターも、アルバム中〜終盤では前任者に匹敵するメロディアスなソロを連発していてこれまた見事。さらにラスト・ナンバーは、叙情的なピアノをバックに切々と歌うヴォーカル、やがて神秘的な音響が散りばめられ幻想のベールに包まれて幕を閉じる、初期を思い出させる名曲となっており感動的です。やはり現ポーランド・シンフォ最高峰、今回も文句なしの傑作!
後にDRAMAやBARRY HAYなど、数多くの作品に参加する70年代のオランダ屈指のギタリストと言われるFrank Van Der Kloot在籍の伝説のダッチ・ブルース・ロック・バンド、69年唯一作。やはりフランクのギターは特筆で、ピーター・グリーンをジャジーにしたような、繊細かつエモーショナルなタッチとジャジーなフレージングが光るプログレッシヴなブルース・ロックを聴かせています。これはクール!
1995年にイタリアのジェノヴァで結成されたプログレ・グループによる2023年の6thアルバム。その内容は、ゴシック・テイストや宗教音楽的な色合い、呪術性といったイタリアン・プログレらしいサウンドをまとったヘヴィ・シンフォニック・ロックです。引き合いに出すならば、同じくイタリアのIL BALLETTO DI BRONZOやGOBLIN、JACULAといったダークかつヘヴィーな音楽性を持ったアーティストたちでしょう。チャーチ・オルガンが荘厳に鳴り響くアルバム冒頭から、とてもイタリアらしいクラシカルな音楽性に耳を奪われます。バンド・アンサンブルはコシの強いパワフルなサウンドであり、こちらもやはりイタリアン・プログレならでは。すべてのプログレ・ファンの方にオススメできる1枚です。
ミネソタ州出身で、ピーター・ポール&メアリーのピーター・ヤーロウに見いだされた女性シンガーの76年作。プロデュースはピーター・ヤーロウとバリー・バケットで、バックはマッスル・ショールズの面々が努めています。本作収録の「Torn Between Two Lovers」が大ヒットしています。透き通るようなのびやかな歌声が印象的。オーケストラが彩るバラードではドラマティックに、スティール・ギターが入るカントリー・タッチの軽やかなナンバーではカラッと、そして時には可憐にと様々な表情で聴かせてくれます。マッスル・ショールズの面々が参加しただけあってファンキーなナンバーもあり、ソフト・ロック好きだけでなくSSW/カントリー/スワンプ・ロック好きにも楽しめる好作です。
イギリス(スコットランド)のシンフォニック・ロック・グループ、THE EMERALD DAWNによる2023年のスタジオ・アルバム。THE EMERALD DAWNは、マルチ・プレイヤーTree StewartとAlly Carterを中心にスコットランドの首都エディンバラにて結成された新鋭であり、これまで4枚のスタジオ・アルバムを発表しています。本作は5パートに分かれた23分を超える大曲「Out of Time」を中心に、3曲の長尺曲のみで構成されており、スケールの大きな雰囲気のシンフォニック・ロックを収録。Tree Stewartはキーボードに加えてヴォーカルやフルートを、Ally Carterはギターに加えてサックスのプレイも披露しています。音楽的には、古代文明を想起させるようなアラビアンな音階が耳に残る、プログレッシヴ・ロックらしい作風であり、全編を通して強いエコーが飽和した、ミステリアスな雰囲気が漂います。
2枚のアルバムを残して解散した英国バーミンガム出身のロック・バンド、本作は74年リリースの2nd。ストレートなロックやモダン・ポップ、ハード・ロック、サイケ、さらにトラッド風のアカペラもあったりと一筋縄ではいかない内容です。全編を通して聴くとまとまりがない感じがしますが1曲1曲は良く、特にT4「Me And Virginia」は、牧歌的なフォーク・ロックと英国的陰影が融合した美しい曲。英国バンドらしい佳曲が詰まった作品です。
紙ジャケット仕様、英文ペーパー付仕様、定価2700+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
70年代中期にPFMのヴォーカリストとして活躍したBrnardo Lanzettiを中心とするイタリアン・プログレ・グループ。17年の復活作3rdから6年ぶりとなった23年4thアルバム!B. Lanzettiとリズム隊のオリジナル・メンバー3人に近年加入のギタリストとキーボーディストという、70年代当時と同じ5人編成での制作です。神秘的に鳴り響くシンセをバックに、慈愛をもって語りかけるように歌い始めるヴォーカル。メロトロンやアコギが幻想美を添えピアノがリリカルに鳴らされると、さすがのスケール大きくファンタジックな音世界が広がります。ベテラン然とした貫禄と共に瑞々しさもいっぱいのサウンドは、英詞ヴォーカルながらこれぞイタリアという浪漫を放っていて冒頭からグッと来てしまいます。ソリッドなギターとオルガンがリードする2曲目では一気にギアが上がり、得意のシアトリカルな表現も交えたハイトーン・ヴォーカルが炸裂。御年74歳にしてこの存在感みなぎるパフォーマンスにはただただ驚くほかなし。ゲスト参加のDavid Jacksonによる重厚なサックスが活躍するVDGGばりにヘヴィ・プログレな6曲目も素晴らしいし、一部楽曲で聴けるB. Lanzettiの熱いヴォーカルと対比する哀愁を秘めた女性ヴォーカルも良いです。もちろん緩急自在ながらどっしりと安定感抜群のベテラン・リズム隊にも注目。Brnardo Lanzettiの変わらぬ力強いヴォーカルと色彩に富んだキーボードワークを軸に、密度の高いイタリアン・プログレを聴かせる力作!
試聴は下記ページで可能です!
https://maracashrecords.bandcamp.com/album/moving-fragments
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