スタッフ佐藤です。
カントリー・ミュージックとプログレッシヴ・ロック。
普通はなかなか結び付きそうにない両者ですが、それらを融合させたスタイルを持ち味とするアーティストが、アメリカには少なからず存在します。
そんな、アメリカだからこそ生まれた作品の数々をご紹介してまいりましょう☆
まずはナッシュヴィルの名セッションマンが率いたこのバンドから♪
ナッシュヴィルの凄腕が集まったカントリー・ロック・バンドAREA CODE 615のメンバーで、ディラン『Blonde On Blonde』にも参加した才人マルチ・プレイヤーWayne Moss率いるバンド。
このバンドは「カントリー・ロックってどれも同じだよなぁ。」という人におススメ!
英国ロックに通じる陰影あり、プログレ的な凝った展開あり、さらにスペーシーなシンセサイザーあり。一味違いますよ。
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マハヴィシュヌ・オーケストラで活躍するVln奏者ジェリー・グッドマンがその前に在籍したバンドと言えば?
ジャズ/ブルース/カントリーなどの米ルーツ要素とプログレ/アート感覚が見事な融合を果たした1st&2nd!
いかにもアメリカンな土臭いロックに絡む、グッドマンのジャジーでキレのあるヴァイオリン、絶品ですなぁ。
英国プログレの影響に依らず、純粋にアメリカならではのプログレを練り上げた個性派が彼ら。
スティーヴ・モーズのギターを主役に圧倒的テクニックで押しまくるプログレらしいスリリングさと、フィドルがもたらすカントリー由来の軽快さとが違和感なく共存していて、これはもう素晴らしいです。
ずばりKANSASと並び称されても良い存在でしょう!
南部テキサスで結成されたフォーク・ロック・グループの72年作。
CS&N彷彿のフォーク・ロックでスタートしますが、アルバムを聴き進めていくと、複雑な展開のギターインスト曲があったり、ジャズやクラシックの影響が濃厚なナンバーが現れたりと、プログレッシブなセッションを展開していきます。
いかにもプログレっぽい壮大なバンド名は伊達じゃない!
こちらもテキサスのグループです。
基本的にはサイケ・ハード・グループなのですが、一番の特徴はなんと全編で鳴りまくるメロトロン!
カントリー・タッチのギターのバックで溢れ出るメロトロン・・・この泣きっぷりはすごいです。
下手なプログレ・バンドより遥かにメロトロンをセンス良く使いこなしていて、こりゃ圧巻!
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いかがだったでしょうか。
気になる作品が見つかりましたら幸いです!
テキサス出身のサイケ・ハード・グループ。哀愁ほとばしるカントリー・タッチのスティール・ギター、ドラマティックと言えるほどに叙情溢れるメロディ、憂いを帯びたヴォーカル、心揺さぶるハーモニーが印象的。そして、このグループの一番の特徴は、なんとメロトロン!カントリー・タッチのサイケ・ハードのバックに、メロトロンが溢れ出します。カントリー・タッチのギターに絡むメロトロンは、聴いた記憶がありません。しっかし、メロディも歌い回しもアンサンブルも、この泣きっぷりはすごいです。カントリー・タッチの様式美サイケ・ハード?強烈にメロディアスです。1曲目「Circles In The North」なんてドラマティック過ぎて涙出ます。
60年代初頭より米ナッシュヴィルを拠点にカントリー系セッションマンとして活動し、ボブ・ディランの名盤『BLONDE ON BLONDE』やアル・クーパー作品にも参加したギタリスト/マルチ・プレイヤーWayne Moss。在籍バンドAREA CODE 615の解散後、彼が中心となって結成したカントリー・ロック・バンドの71年1stと72年2ndを収録。「カントリー・ロック」というと、「どれも何となく似てるし雰囲気込みの音楽という印象あるなぁ」という方には、是非このバンドをおすすめします。カントリー・ロックらしいアメリカの原風景を浮かび上がらせるような味わい深くも乾いた質感を持ちつつ、洗練と憂いを帯びたドラマチックな展開を含んだサウンドは、驚くべき完成度を誇っています。要となるのは、リズミックに鳴らされる巧みなアコースティック・ギターと、転がるような音運びがたまらない軽快なタッチのピアノ。両者が絶妙に絡みながら演奏に自在な緩急をつけていくスタイルは、職人業と言っていい心地よさと安定感があります。ここぞという場面で湧き上がる哀愁のオルガンもいいし、男らしい低音のヴォーカルと対比するデリケートなコーラスワークも印象的。全体に多彩な音楽性をカントリー・タッチにまとめ上げたような感じをうけますが、1st8曲目「The Minstrel Is Free At Last」などは英国ロックにも通じる陰影とプログレ的な凝った展開が楽しめる佳曲で、このバンドの音楽的な懐の深さを実感できる一曲です。カントリー的な味わいを多めに残した1st、スペーシーなシンセサイザーが入るなどサウンドの幅が広がった2nd、どちらも名盤です。
60年代後半にテキサスで結成されたフォーク・ロック・グループ、72年作。まず冒頭「Country Max」の完璧なコーラスを聴いてください! CS&Nのような心地よい男性ボーカルの重なりが、「cause I’m high, high, HIGH…」と上昇し、オープニングからグッと心を掴まれてしまいます!どっしりとしたベースとドラム、密に絡むアコースティック・ギターと12弦ギター、熱いソロを聴かせてくれるエレキ・ギター、そして歌心たっぷりのリード・ボーカル。それらがしっかり組み合わさって、哀愁ある旋律を奏でています。アルバムを聴き進めていくと、複雑な展開のギターインスト曲があったり、ジャズやクラシックの影響を受けたというプログレッシブなセッションを展開しています。メンバーのDavid Bullock自身が称しているように、「スペーシーなフォーク・ロック」といえる、非常にユニークなサウンドです。
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