2021年12月17日 | カテゴリー:カケレコ新品棚お散歩隊,世界のロック探求ナビ
タグ: ハード・ロック
ひとつのキーワードを頼りに新品棚前を散歩し、メジャー盤、ニッチ盤を問わず、独断と多少の偏見まじりで新品タイトルをご紹介させていただいている新品棚お散歩隊。本日は冷え込んだ朝の布団の中の甘ーい誘惑を断ち切る「目覚ましハード」をキーワードに作品をピックアップ!
■CHRISTIAN / CHRISTIAN
カナダのバンクーバーにあるCan-Baseレーベル(後のMushroomレーベル)からリリースされた72年作。全曲を作曲しヴォーカルをとっているJohn Christianを中心に、米ヘヴィ・サイケ・バンドZooの元メンバーで、Can-Baseレーベルでセッション・ミュージシャンやエンジニアをしていたHoward Leese(g)とTerry Gottlieb(b)、カナダ出身で、後にNeil Merryweatherの作品などに参加するJack Velker(key)。米ジャズ・フルート奏者のPaul HornにMichael Gerow(ds)という多彩な6人によって録音されています。オープニングで飛びこんでくるのはスワンプ色漂うナンバー。軽快なリズム、グルーヴィーかつキャッチーなメロディにジョン・フォガティをやや高音にしたエネルギッシなヴォーカルがのり、さらに女性コーラスが盛り上げる賑やかさ。T7、T9のフルートやピアノが彩るバラードも美しくグッと胸をうつ佳曲揃いの好作です。
■QUATERMASS / QUATERMASS
後にSUN TREADERを経てBRAND Xへと加入することとなるPete Robinson、HARD STUFF、ROXY MUSICなどで活躍するJohn Gustafson、STRAPPS、GILLANへと参加するMick Underwoodによるキーボード・トリオ。Harvestレーベルからの70年作。その内容はハード・ロックを基本にクラシックやジャズなどの手法も使い分けるPete Robinsonのオルガンをメインに据えたヘヴィー・ロックの名作であり、オルガンのほかにピアノやハープシコードなどで巧みに表情を変え、楽曲によってはストリングスも導入したシンフォニック・ロック的な音楽性も聴かせます。
■DETECTIVE / LIVE FROM THE ATLANTIC STUDIOS
レッド・ツェッぺリンのスワン・ソング・レーベルから2枚のアルバムを出して消滅したハード・ロック・バンドの78年作、ラジオ局へのプロモーション用だったため極めて入手困難であったスタジオ・ライヴ盤。ZEP色が濃いサウンドですが、それよりもサポート・アクトを務めたこともあるKISSのようなロックンロール色・エンターテインメント色が強く感じられます。プリティ・シングス、バッド・カンパニーに続くバンドとしてプッシュされたものの、やがてパンク、ニュー・ウェイヴの時代が到来。やはり正統派ハード・ロック・バンドが成功するには難しい時期だったのでしょう。ZEPファン、ハード・ロック・ファンはこの機会に是非!
■PUGMA-HO! / PUGMA-HO!
イギリスはダービー出身のグループ。73年に録音されながら未発表に終わった音源の発掘盤。キレのある短音フレーズを巧みに織り交ぜたスリリング&メロディアスなリズム・ギターを軸にスピーディーに展開するプログレッシヴなハード・ロック。ギターは特筆もので、手数多くハイ・テンションに弾き倒します。全体的にバタバタとしていますが、前のめりに突っかかるアグレッシヴな展開はたいへん魅力的。
■SIR LORD BALTIMORE / KINGDOM COME
ニューヨークはブルックリン出身の轟音ハード・ロック・トリオ。70年のデビュー作。爆音で手数多く叩きまくるドラム、図太すぎるベースによるまさに「鉄壁」という言葉がぴったりのリズム隊、バキっと歪んだリズムと鋭角に切れ込むリードどもにエッジが半端ないギター、そして、金切り声でシャウトしまくるヴォーカル。ドラマー兼ヴォーカルなのですが、こんだけ叩きまくりながら、こんだけエネルギッシュに歌いまくってるの!?とびっくり仰天。とにかくオープニング・ナンバーから重さと切れ味が尋常ではありません!サバスを凌駕するヘヴィネスとガレージ・サイケ由来の初期衝動。なんという音圧・・・。
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