2021年11月5日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。そろそろコートが欲しい時期になりました。
今日は深まる秋の夜にしっとりと聴きたいクラシック作品をご紹介します。プログレ・バンドには、クラシック畑のミュージシャンが多くいますよね。
クラシカル・ロックの名盤を取り上げつつ、そのバンドのメンバーがリリースしたクラシック作品をご紹介してまいります。
まずは英国の超絶技巧古楽プログレ・グループから!
アコギにハープシコード、リコーダー、バスーン…古楽器をフィーチャーし、牧歌性と格調高さを巧みに融合させたアンサンブルが絶品です。王立音楽院卒のエリートRichard HarveyとBrian Gullanを中心に結成されたグループの74年2nd!
>>>リチャード・ハーヴェイの75年ソロ作。
RICHARD HARVEY / DIVISIONS ON A GROUND
ハーヴェイのクラシックの素養を生かした荘厳なアコースティック・アンサンブルが奏でる、中世音楽に古楽のフレイヴァーが溶け込んだ、ノスタルジックな響きに包まれた素朴で味わい深いクラシカル・ミュージックの傑作です。
天才ヴァイオリン奏者ダリル・ウェイ率いるグループ、71年リリースの2nd。
前作で見せた実験性は落ち着いたものの、端正で壮麗な音世界に磨きがかかった名作。クラシカルなヴァイオリンと澄み切った女性ヴォーカル、どこかポップなキーボードが織り成す幻想的なサウンドが絶品!
>>>フランシス・モンクマンの21年作。
FRANCIS MONKMAN / BACH FAMILY
CURVED AIRでキーボード/ギターで活躍したFrancis Monkmanの21年作。バッハとその系譜の音楽家による楽曲をオルガンで独奏。(動画がないですが)全編チャーチ・オルガンが響き渡る荘厳なクラシック作品です。
スウェーデンのキース・エマーソンと異名を取るキーボード奏者と言えば?これでもかと荒々しく攻め立てるオルガンとムーグ。メタリックなギターが炸裂したり、ヴァイオリンが舞い上がったり圧倒的にドラマティック!
>>>パル・リンダーの15年作。
PAR LINDH / 25 PIECES FOR ORGAN HARPSICHORD & PIANO
純粋なクラシック作品に挑むシリーズの第二弾となる2015年作。バッハ、ベートーヴェン、ブラームス、ショパンなどの楽曲のほか、自作の楽曲も収録した演奏家としての素晴らしさがつまった作品です。
00年代以降のロシアを代表するプログレ・バンド。02年デビュー作『TRAJECTORIES』に、リズム・セクションの再録と英語Voへの差し替えを施し完成度を高めた2020年バージョン。『太陽と戦慄』~『ディシプリン』クリムゾンを咀嚼しクラシカルに料理したテクニカル・シンフォが圧巻です!
>>>ANDRII DIDORENKOの13年作。
ANDRII DIDORENKO / INTERVALS
LOST WORLDのリーダーでヴァイオリン奏者によるチェンバー・ミュージック作品。さすがは、ロシア音楽の最高権威であるモスクワ音楽院で本格的に学んだ奇才。ストラヴィンスキーに通じる音が瑞々しく躍動する劇的なアンサンブルは出色。
いかがでしたか?お気に入りの1枚が見つかれば幸いです。
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RENAISSANCEと共に、女性ボーカルがフロントを務めるプログレッシブ・ロックバンドの代表格であり、紅一点Sonja Kristinaのパワフルな歌声とDarryl Wayのヴァイオリンをクラシカル且つソフトなサイケデリアで包んだイギリスのグループによる71年2nd。前デビューアルバムではダイナミックで力強いロックを奏でていましたが、本作ではデリケートでファンタジック、アコースティックなアンサンブルが映えるフォーク・ロック路線の作風へと変化しています。Francis Monkmanは前作でのラウドなギターをほとんど封印しVCSシンセサイザーの演奏に注力。アレンジも良く練られており、実験要素の強かった前作には無かった統一感が生まれています。
18年リイシュー、デジパック仕様、CD+DVDの2枚組、リマスター、ボーナストラック5曲、DVDには1971年のテレビ出演時の映像を収録、NTSC方式、リージョンフリー
Richard HarveyとBrian Gullandという、アカデミックな素養を持ったミュージシャンを中心に結成され、中世音楽を古楽器を利用してトラッディーに演奏するスタイルが個性となり、徐々にロックとの融合を本格化していったグループによる74年2nd。オープニングから20分に迫る大作を掲げた本作は、アコースティック・ギターやピアノなどの技巧的な演奏に加えてリコーダー、バスーン、クルムホルンといった楽器を巧みに利用し、中世ルネサンスを強く感じさせるサウンドを展開。トラッド風味も感じますが、素朴な牧歌調のアンサンブルとはまた違った気品を醸し出す名盤となっています。
ロシア屈指のシンフォ・バンド、LOST WORLDのリーダーでヴァイオリン奏者のAndrill Didorenkoを中心に、ロシア人ピアニスト、アメリカ人チェロ奏者とのトリオでニューヨークにて2013年に録音された作品。ロシア音楽の最高権威であるモスクワ音楽院でクラシックを本格的に学んだAndrillによる時に艶やかで流麗で、時に緊張感が支配するクラシック/チェンバー・ミュージック作品。ストラヴィンスキーに通じる音が瑞々しく躍動する劇的なアンサンブルは出色です。LOST WORLDの2013年作『SOLAR POWER』より、「Solar Power」「Detached」も演奏しています。
00年代以降のロシアを代表するプログレ・バンド。02年デビュー作『TRAJECTORIES』に、リズム・セクションの再録と英語Voへの差し替えを施し完成度を高めた2020年バージョン。クリムゾンからの影響が色濃い緊張感みなぎるヘヴィ・プログレを、クラシックの高い素養で料理しきった、硬質にしてどこまでも気品高いシンフォニック・サウンドが特徴。『DISCIPLINE』〜『THRAK』クリムゾン影響下のグルーヴィかつ重量感溢れるリズムの上を、『太陽と戦慄』のDavid Crossばりに鋭くキレのあるヴァイオリンが疾走するアンサンブルは、終始ハラハラするようなスリルに満ちていて圧巻です。凛とした音色のヴァイオリンとフルートが美しく調和するクラシックの素養を前に出したナンバーもさすが見事。「静」と「動」がダイナミックに対比する強靭なうねりを伴ったサウンドで押し寄せてくる、迫力満点の傑作です。※輸入盤はございません。
紙ジャケット仕様、SHM-CD、ボーナス・トラック7曲、定価3143+税
【購入特典:カケレコオリジナル小冊子をプレゼント!】紙ジャケに若干圧痕がある場合がございます。ご了承ください。
CURVED AIRやSKYのメンバーとして著名な英キーボード奏者、久しぶりとなる21年ソロ作。バッハとその系譜の音楽家による楽曲をオルガン独奏にて演奏しています。全編荘厳なオルガンが響き渡り、教会で聴いているようなクラシック作品。長年バッハ一族の博物館であるBach-Stammhausと協力してオルガンのリサイタルを行ってきたFRANCIS MONKMANの成果のひとつとして貴重な作品といえます。
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