2021年3月17日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。一時期戻った冷えも戻り、暖かい日が続いています。心身が温まってくると聴きたくなるのがブラスの音。
そこで今日は世界のブラス・ロックをご紹介していきます。
まずは英国からまいりましょう。
英国ブラス・ロックの筆頭格といったらこのグループ!こちらは70~72年のラジオ・セッション音源で、1stから2曲、2ndから4曲、3rdから6曲、4thから2曲の全14曲を収録しています。動画は違うものですが、グルーヴィー&ソウルフルなアンサンブルとスリリングなギターソロが熱い!
熱気ムンムンのオルガンをバックにむせび泣くブラス!ジャジーなギターはセンス良いし、ソウルフルなヴォーカルも英国的哀愁たっぷり。ジャケはちょいキモですが、これぞ英国ブラス・ロックな好盤です。
熱気むんむんのリズム隊に強烈なブローでからむサックス!そして熱くソウルフルなヴォーカル!ジェス・ローデンやフランキー・ミラーあたりのホワイト・ソウルのファンは是非!
4人のホーンセクション、オルガン、ギター&ヴォーカル、ベース、ドラムによる8人編成のグループ。UK TRENDレーベルより71年にリリースされた唯一作。BS&TやCHICAGOに通ずるコシのあるブラスと、CRESSIDAみたいなジャジーなギター&オルガン、哀愁のヴォーカルのハーモニーがたまらないなあ。英国ブラス・ロックの隠れ名品!
続いて米国にまいります!
フィラデルフィア出身の7人組グループ、ブラス・ロック/サイケ・ポップ/ジャズ・ロックを混合したような一筋縄ではいかないサウンドが特徴の73年作。まるで初期シカゴとキンクスとプロコル・ハルムがセッションしてるようなアルバム!?
強烈なジャケに劣らず、中身もアグレッシヴ!元BS&Tのキーボーディストが結成したブラス・ロック・グループで、ファンキーなグルーヴとパワフルなブラス、跳ねるクラビネットに体揺れちゃいます!
米ウィスコンシン州ミルウォーキーにて68年に結成され、サンフランシスコに活動拠点を移して2枚の作品を残した4人組のブルース・ロック・バンド、69年デビュー作。グレイトフル・デッド『アメリカン・ビューティー』への参加をはじめ、ジェリー・ガルシアとの仕事で知られるキーボード奏者Howard Walesのハモンド・オルガンが聴きどころです。ヒットした「キャメル・バック」でのソロのカッコいいこと!
USガレージ・サイケ最高峰『PSYCHEDELIC LOLLIPOP』で知られるグループですが、後にはこんなアルバムも出していたのかあ。名SSWエリック・カズなどを迎え、CHICAGOやELECTRIC FLAGに通ずるジャジー&ソウルフルなサウンドを展開!
ポーランド生まれの女性シンガーGenya Ravan、後に名プロデューサーとして名を馳せるkey奏者Michael Zager等を中心に結成され、1968年から74年まで活動した米国ブラス・ファンク・ロック・バンド、69年デビュー作。ジャニスを思わせるソウルフルな女性ヴォーカルに切れ味たっぷりのブラス、ジミ・ヘンばりのファズ・ギターが炸裂!はちゃめちゃに格好いいです。
最後は欧州です!
70年代前半に活動し、4作品を残したドイツ出身のジャズ・ロック・バンドによる71年デビュー作。
COLOSSEUM『ヴァレンタイン組曲』みたいな英ジャズ・ロック meets CHASEなどの米ブラス・ロックって感じ!?エネルギッシュでグルーヴィーかつ哀愁たっぷりで、この独ブラス・ロックはかなり格好いいです…!
ベルギー出身、ツイン・ギターに加え、ブラス&フルート奏者、キーボード奏者を含む7人組グループ、EMIより75年にリリースされた唯一作。
まるで初期シカゴとウィッシュボーン・アッシュとクレシダが合体したような感じ!?
BS&Tの1stを彷彿させるジャケもクールですが、このフランスのブラス・ロック・バンドは、シカゴやBS&Tや、英国のコロシアムのファンにはたまらない掘り出し物グループ!
76年の南米に、CHICAGOファンにも響きそうなブラス・ジャズ・ロックが!?ウルグアイを代表するミュージシャンRuben Rada在籍バンドによる唯一作!
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60年代後半にBS&T、CHICAGOから火が付き、米国から英国へと伝搬していったブラス・ロック。しかし英米のみならず、ドイツ、フランスといったユーロ各国からも優れたブラス・ロック・バンドが続々と登場していたのです!そんな名作達をご紹介!
後に英ホワイト・ソウル・シンガーのジェス・ローデンのバック・バンドとして活躍するメンバーによる英ブラス・ロック・グループ。72年唯一作。管楽器奏者2人に鍵盤奏者1人を含む6人編成。鍵盤は、ソロでオルガン・ロック作をリリースしているDon Shinn!粘っこく熱気むんむんのリズム隊、そこに強烈なブローで絡みつくブラス、軽快なカッティングから地を這うようなハード・エッジな演奏まで力強いギター、グルーヴィーなピアノ、そして熱くソウルフルなヴォーカル。ファンキー&グルーヴィーなサウンドが持ち味ですが、全体的にくすんだ感じで英国的な陰影を帯びているのも特筆。コロシアムやイフあたりのファンから、ジェス・ローデンやフランキー・ミラーあたりのホワイト・ソウルのファンは是非!
ベルギー出身、ツイン・ギターに加え、ブラス&フルート奏者、キーボード奏者を含む7人組グループ、EMIより75年にリリースされた唯一作。ブラス・ロックを彷彿させる逞しくもシャープなリズム・セクション、クラシックな気品もあるドラマティックに盛り上がるツイン・リード・ギター、英VERTIGOの作品群を彷彿させる流麗なフルートや淡いオルガン、そして、多声コーラスを交えて荘厳に盛り上がっていくヴォーカル&ハーモニー。まるで初期シカゴとウィッシュボーン・アッシュとクレシダが合体したような何とも魅惑的なサウンドが全編で繰り広げられていてビックリ。演奏は安定感抜群だし、変拍子のキメを織り交ぜながら忙しなく畳み掛ける展開もプログレッシヴだし、メロディもフックたっぷりだし、これは素晴らしい作品。ユーロ・ロック名作!
70年代前半に活動し、4作品を残したドイツ出身のジャズ・ロック・バンドによる71年デビュー作。安定感ある職人的なリズム・セクションに乗って、熱気ある派手なプレイスタイルのオルガンと、重層的な響きを持つブラスが交錯する、グルーヴィーかつ重厚感溢れるブラス・ジャズ・ロック。これは猛烈にかっこいいです…!ヴォーカルは英語。
4人のホーンセクション、オルガン、ギター&ヴォーカル、ベース、ドラムによる8人編成のグループ。UK TRENDレーベルより71年にリリースされた唯一作。土臭くロックなリズム、淡くむせぶオルガン、ブルージーなギター、R&Bテイストの分厚いホーンセクションから成る一体感抜群のブラス・ロック。哀愁溢れるメロディと感情を内に秘めたような憂いのあるヴォーカルも魅力的。
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