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ジェントル・ジャイアント『アクワイアリング・ザ・テイスト』から出発、リコーダーが活躍するプログレを探求!

スタッフ佐藤です。

英国プログレ随一の超絶技巧集団と言ったらジェントル・ジャイアントですよね。

各メンバーがいくつもの楽器を持ち替え、各楽器が複雑に交差する緻密なプログレを構築する様は、さながら魔法のようです。

そんなGGのアルバムの中で、地味なポジションながら大好きなのが2nd『アクワイアリング・ザ・テイスト』。

その要因の一つが全編で愛らしくも神秘的なリコーダーが聴ける事で、リコーダーという身近な楽器がロック・ミュージックの中で躍動している事に感動した覚えがあります。

そんなわけで、今回は『アクワイアリング・ザ・テイスト』から出発して、リコーダーが活躍しているプログレをピックアップしたいと思います。

まずは、GGより幻想的なリコーダーをお楽しみください♪

ジェントル・ジャイアント/アクワイアリング・ザ・テイスト

デヴィッド・ボウイとの仕事でも名高い敏腕トニー・ヴィスコンティがプロデュースした2ndアルバム。

1stに比べ、より湿り気と陰影を帯びた英国然としたサウンドになっていると同時に、偏執的なまでの音作りへのこだわりが早くも垣間見える一枚です。

1曲目「Pantagruel’s Nativity」から、中世音楽の流れを汲む格調高いリコーダーが大活躍!

霧のヴェールを纏ったような儚く幻想的なアンサンブルを一層リリカルに彩っています。

アンサンブルの息をのむような繊細さという点では、同年発表のGENESIS『Nursery Cryme』と並び突出していると思いますね。

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そしてリコーダーは登場しませんが、初期GGの名曲に挙げたいのが「The Moon Is Down」。メランコリックな序盤から中盤のジャジーでしなやかな展開を経てファンタジックに飛翔する曲構成が素晴らしいイマジネーション豊かな名曲!

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英国の新世代プログレに目を向けると、このマルチ・ミュージシャンが特筆ですね!

TIGER MOTH TALES/DEPTHS OF WINTER

現CAMELの天才マルチ奏者&コンポーザーによるプロジェクトなのですが、ほぼ一人多重録音によって作品を作り上げる彼の重要な楽器の一つとしてリコーダーがあります。

ギターやキーボードが躍動する、これでもかとメロディアスでファンタジックな演奏に、素朴なリコーダーのプレイがいい意味での手作り感を加えているのが印象的。

スケールの大きなシンフォ然としたスタイルに、人肌の温もりあるタッチを添えるセンスは彼ならではと言えるでしょう。

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ドイツからは、リコーダー奏者がリーダーのシンフォニック・ロック21年作がイチオシです☆

SYRINX CALL/MIRRORNEURON

ジャーマン・プログレELOYの作品にも参加しているリコーダー奏者が率いるバンドの21年作。

リコーダーって小学生も練習する身近な楽器だけど、こんな雄大なシンフォニック・ロックで堂々と主役を張ってて凄い!

HOSTSONATENの四季シリーズにも匹敵するクラシカルでファンタジックな音世界がどこまでも広がる傑作です。

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    Derek Shulman、Ray Shulman、Phil Shulmanの三兄弟を中心とする、ブリティッシュ・プログレの代表的なグループのひとつ。ポップ・フィーリング、古楽の様式美を思わせるクラシカルなアプローチ、そして高い演奏技術に定評があり、変拍子を含む複雑な構成の楽曲を軽々と弾きこなす超絶技巧グループです。『Acquiring The Taste』は1971年のセカンド・アルバムであり、聴き手を選ぶツウ好みの内容ながら、彼らの溢れんばかりの音楽的探究心が結実したという意味ではやはり傑作。GENTLE GIANTといえば、メンバーたちのマルチ・プレイヤーぶりがしばしば話題となりますが、その印象は本作を発端としているのでしょう。おびただしい数の楽器がクレジットされており、その様はまるで劇薬を生み出さんとするマッド・サイエンティストの実験室のようです。一聴して耳に残るような派手さにこそ乏しい印象を持つものの、プログレッシヴ・ロックの特徴のひとつである緻密なバンド・アンサンブルの始祖的な位置にある作品であり、噛めば噛むほど味が出る、聴くたびに新たな発見のある名盤です。

  • TIGER MOTH TALES / DEPTHS OF WINTER

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  • SYRINX CALL / MIRRORNEURON

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    ジャーマン・プログレELOYの00年代作品にも参加しているドイツのリコーダー奏者Volker Kuinkeが率いるシンフォ・グループによる21年作3rd。ELOYのギタリストやキーボーディスト、元SYLVANのギタリスト、美声女性ヴォーカルIsgaardらをフィーチャーしています。クリアで繊細なタッチのピアノと悠久の調べを奏でるヴァイオリンが織りなす、どこまでも気高くクラシカルなサウンドに、泣きを帯びたギターがメロディアスに駆ける息をのむアンサンブルが冒頭から展開。これだけでも素晴らしい所に主役となるリコーダーが登場するのですが、これがまた見事!まるでゲルマンの深き森の奥から響くように神秘的なリコーダーが、クラシック由来のシリアスな演奏に柔らかな優美さを加えていて、幻想度100%のシンフォニック・サウンドを作り上げます。Isgaardのクリアな美声も印象的で、Volkerのリコーダーと美しく調和するパートの素晴らしさは至上の一言。イタリアのHOSTSONATENによる四季シリーズに匹敵するファンタジックな映像喚起力に溢れたシンフォニック・ロックに感動しっぱなしの傑作!リコーダーという楽器のポテンシャルを全編にわたって思い知らされる一枚です。

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