2020年1月18日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,今週のカケレコFacebook
今週は「ゲレンデで聴きたいロック」をテーマに、Facebookで作品をご紹介いたしました。
現実では暖冬の影響で大変なスキー場も多い模様ですが、せめて音楽でゲレンデ気分を味わっていただければと思います。
第一目はポール・マッカートニー&ウィングス『BAND ON THE RUN』です。
73年のリリース、ナイジェリアのラゴスでの録音で、レコーディング直前にメンバー2人が脱退したり強盗に遭ったりというトラブル続きの制作だったようですが、その内容はポールの最高傑作と称する人もいるほどの良質のメロディとパワー溢れるサウンドとなっています。
タイトル曲「Band On The Run」や「Let Me Roll It」など、今なおライヴのレパートリーとして演奏され続ける名曲揃いの今作ですが、ゲレンデで流れるならやはり「Jet」でしょうか。
肉厚なブラス・セッションと歪んだギターが疾走し、ポールのパワフルな歌唱がリスナーの心をどこまでも熱くします!
こんな曲がゲレンデでかかっていたらジェット機のように颯爽と滑ることが出来そうですが、どうやら「Jet」はポールの犬の名前だそうですね。(みなと)
こんにちは。ウィンタースポーツの季節という事で、今週は「ゲレンデで聴きたいロック」をご紹介してまいります!
ちなみにこのテーマは、コンビニに行ったらちょうど「ロマンスの神様」が流れていたことから思いつきました。何年経っても定番の名曲ですね。
さて、私が紹介するのは「田舎のビートルズ」、STACKRIDGEの72年作2nd『FRIENDLINESS』。
この作品は全体的に雪景色にピッタリのアルバムだと思っているのですが、その中でも6曲目の「Amazingly Agnes」をピックアップいたします。
ホンワカと心温まるアンサンブルに、柔らかく囁かれるようなヴォーカル。当時流行り出していたレゲエを取り入れたナンバーなのですが、繊細で幻想的な音作りのためか、南国よりも雪国の情景が思い浮かんでしまいます。
恋人や子供たちが雪の中で朗らかに遊んでいるような、優しくてどこか懐かしいサウンドに浸れる一枚です。(増田)
雪と言ったらやはり北欧のロックは外せないのではないでしょうか。ということで今日はスウェーデンの人気グループMOON SAFARIの2nd『Blomljud(ブロムユード)』です!
00年代以降に登場したプログレ・バンドとしては今や最も知名度が高いかもしれない彼ら。次作『Lover’s End』が最も知られますが、個人的にゲレンデで聴きたいのが本作収録の『The Ghost Of Flowers Past』です。
ギター、ピアノ、シンセ、メロトロンそして美しいヴォーカル&コーラスによる透明感いっぱいのアンサンブルから連想されるのは、見渡す限りの銀世界。一方でメロディーには陽だまりのような温かさが宿っていて、繊細でひんやりとした音色使いとどこまでもハートフルな旋律との組み合わせが、雄大な自然情景のイメージを伴って感動を呼び込みます。
スッと心に染み入ってくるような親しみやすいシンフォ・サウンドは、きっとゲレンデで流れていても違和感ないはず!(佐藤)
最後は王道ですがCAMELの76年作『MOONMADNESS』より「Lunar Sea」をピックアップ。
幻想的な雪景色のジャケットも美しい本作。ドラムとベースのスピーディーなリズムに乗って雪のように冷ややかな質感のキーボードが広がり、叙情的なギターが滑らかにフレーズを奏でていくアンサンブルは、まさにウィンタースポーツのように爽快感いっぱい。
中盤の変拍子パートもテクニカルにターンを決めながら滑り降りていく様子が目に浮かんできて、実際に聴きながら滑ったら実に心地良い気分を味わえそうです!
ただ、最終的に吹雪の雪山で遭難してしまったかのような雰囲気で幕を閉じるのだけは気がかりですね…。皆様滑りすぎて遭難しないようお気を付け下さい。(増田)
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ボーナス・トラック4曲、定価1835
盤質:傷あり
状態:並
帯有
盤に若干汚れあり、解説に赤線が引いてあります、帯に折れあり
イギリスのアコースティック系プログレッシブ・ロックグループであり、後にKORGISを結成するJames Warren、Andy Davisを擁したバンドの71年作。その内容はTHE BEATLES路線のポップなメロディーが魅力なフォーク・ロック風の作品であり、アコースティック・ギターの優しげな調べが非常に印象的な名盤です。加えてヴァイオリンやフルートを用いたファンタジックなアプローチはブリティッシュ然とした叙情と気品を描いており、フォーキーなポップ・サウンドの中にプログレッシブ・ロック的な味わいを溶け込ませています。
3rdリリース後、いったん解散。メンバー・チェンジを経て再結成し、ロケット・レーベルよりリリースされた4thアルバム。75年作。牧歌的な雰囲気は薄れ、だいぶ洗練されたサウンドを聴かせています。ただ、メロディの素晴らしさ、演奏の親しみやすさ、英国的ユーモアは相変わらず。ブリティッシュ・ポップの逸品。
英国田園ポップの名グループ。73年作の傑作3rdアルバム。なんとあのジョージ・マーティンがプロデュースを担当。美しいストリングスとビートリッシュなアレンジにより、彼らの魅力である美しいメロディが瑞々しく響いています。特筆すべきは、James Warren以外のメンバーのソングライターとしての飛躍。Andy Davisによるビートリッシュな心躍る「Fundamentally Yours」、Mutter Slaterによる優美なバラード「To The Sun And Moon」など、一度聴いただけですぐに名曲と分かる優れた楽曲を提供しています。James Warrenも勿論だまっちゃいません。うっとりするほどに流麗な「Humiliation」、BADFINGERのようにキャッチーな「Dangerous Bacon」など、相変わらずのメロディ・メイカーぶり。70年代ブリティッシュ・ポップを代表する傑作です。
ロケット・レコードでの2作目にしてグループ最後の作品となった76年作。元サムライ、グリーンスレイドのデイヴ・ローソンを新メンバーに向かえ、寂しい老後生活を送るミスター・ミックの日常を独特の視点で描いたコンセプチュアルな作品。プログレッシヴな魅力に溢れた本作をグループの最高傑作に推す人も多い名盤の誉れ高い一枚。
00年代プログレを代表するバンドの一つと言えるスウェーデンの人気グループによる、待望の「HIMLABACKEN」第2部となる23年作!高らかに響くシンセサイザーにキラキラしたピアノが寄り添うワクワクするような冒頭、そこにリズム隊とギターがバーンッと入ってくると一気に視界が開けます。ギターの流麗なフレーズを合図に、お待ちかねの力強くも優しさに溢れたコーラスが飛び出してきて、10年待ち続けた身としては早くも感動。まばゆいばかりのオープニングに、ファンであれば「MOON SAFARIが帰って来た…!」と呟いてしまう事でしょう。ハードなギターとドラマティックに歌い上げるヴォーカルになんとJOURNEYがよぎるキャッチーな2曲目、かと思うと『LOVER’S END』に入っていそうなめくるめくポップ・チューンの3曲目も実に素晴らしい。必殺のコーラスワークが劇的に盛り上げる胸を打つバラードの4曲目も最高です。そして21分の大作がまた聴きモノ。ストリングスが荘厳に迫りくるQUEENばりの導入部に始まり、ハートフルでメロディアスなMOON SAFARI節のヴォーカル・パートを経ると、シンセとギターがアグレッシヴに疾走しシアトリカルなヴォーカル&コーラスが登場する『II』『オペラ座』QUEEN彷彿の展開が再び幕を開けます。終盤には彼ららしい美麗なコーラスを生かしたファンタスティックな演奏へと回帰し、北欧の雄大な自然を映し出すようなイマジネーション溢れるサウンドでエンディングを迎える、この一大シンフォ絵巻には間違いなく圧倒されてしまうはず。抜けるようにファンタジックで爽快な演奏と、マジカルなコーラスワーク、そして珠玉のメロディ。そんな変わらぬMOON SAFARI印のサウンドを核としつつも、エッジの効いたメロディアス・ハード的表現や初期QUEENばりの荘厳さなど新たな要素も織り込んで、前進する彼らの姿を浮き彫りする傑作に仕上がっています。文句なしのカケレコメンド!
イギリスを代表するプログレ・グループ、英プログレ史に輝く名作『SNOW GOOSE』の13年再録作。メンバーは、オリジナル・メンバーのANDY LATIMERを中心に、00年代の作品やライヴでも組んだGUY LEBLANC (オルガン)、COLIN BASS (ベース)、DENIS CLEMENT(ドラム/パーカッション)による鉄壁の4人。ラティマー以外のパートは、オリジナルのメンバーに敬意を払い、基本的に原曲を忠実に再現している印象。ドラム、ベース、オルガンともに、変わらぬヴィンテージな音色の中に、現代の録音ならではの音の緻密さがあり、まるでスタジオに紛れ込んだような生々しさに興奮します。そして、そこにギター、フルート、キーボードを操り、新たなイマジネーションを加えるラティマー。優雅な艶やかさとともに幻想的で柔らかなキーボード・オーケストレーションが原曲以上の映像喚起力でたなびくなか、フルート、ギターが躍動しています。「Snow Goose」でのギターなど、フレーズや音色は基本的に同じながら、やはり現代のレコーディングシステムによってタッチの繊細さが際立ち、エモーションがこれでもかと溢れているのが特筆。「Sanctuary」「Migration」「Rhayader Alone」「Epitaph」の4曲はRevised Editionとして新たな解釈が加えられているのも聴き所で、アコースティック・ギター中心だった「Sanctuary」は、夢想的にたなびくキーボードを背景にエレキが繊細なタッチで叙情を紡ぎ、ラティマーのまるで劣らぬアーティスティックな感性に感動します。単なる再レコーディングではなく、ラティマーだからこそ成しえた2013年リメイク。原曲の魅力はそのままに、すぐそこで演奏しているかのように躍動感いっぱいのアンサンブルが一際スケールを増してイマジネーションを紡ぐ傑作です。
2枚組、直輸入盤(帯・解説付仕様)、デジタル・リマスター
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり
ファンタジックなサウンドで独自の道を切り開いたキャメルのデビュー作。73年作。初期の代表作として知られる「ネヴァー・レット・ゴー」「秘密の女王」を収録。
Andrew Latimerを中心にファンタジックなアプローチでプログレッシブ・ロックの重要バンドに位置づけられるイギリスのバンドの74年2nd。名盤となる次作「The Snow Goose」に見られるファンタジックさと気品に比べるとPeter Bardensのキーボードが若干おとなしく、その代わりAndrew Latimerのギターが前に出て渋く泣いているようなイメージであり、全体的にややハードな雰囲気が漂っているものの、その音像は単純なハード・ロックとは全く違う甘みを感じるものであり、フルートの効果的な使用も相まって、マイルドな質感を醸し出しています。自作につながるようなファンタジックさの片鱗も見え隠れする素晴らしい作品です。
Andrew Latimerを中心にファンタジックなアプローチでプログレッシブ・ロックの重要バンドに位置づけられるイギリスのバンドの75年3rd。オーケストラ・セクションを迎え、ポール・ギャリコの小説「白雁」をコンセプトに掲げたアルバムであり、全編インストルメンタルによる彼らの代表作の1つです。特にAndrew Latimerによるフルートの優しげな調べが印象的な「ラヤダー」は、澄んだシンフォニック・ロックのお手本として有名であり、同じくフルートを扱いながらもアプローチの全く違うJethro Tullとの比較で論じられています。決して派手さはないものの優しさとロマンに溢れており、肌触りの良いギターやPeter Bardensによるキーボードの音色、リズムセクションの軽快さ、そしてインストルメンタルのハンディを感じさせないメロディーとアレンジの上手さで御伽噺の世界をマイルドに表現しきった名盤です。
廃盤、紙ジャケット仕様、復刻巻帯付き仕様、SHM-CD、2014年DSDマスターよりHRカッティング、、High Resolution Cuting方式、ターコイズブルー・レーベル採用、ボーナス・トラック1曲、定価2667+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
Andrew Latimerを中心にファンタジックなアプローチでプログレッシブ・ロックの重要バンドに位置づけられるイギリスのバンドの76年4th。前作「スノー・グース」と並んでファンタジックなCAMELの音楽性をダイレクトに伝える作品であり、Andrew Latimerの消え入るような儚げなフルート、Peter Bardensの堅実かつ時に奔放なキーボードの妙技、そして軽やかに変拍子を紡ぐリズムセクションのトータル感で聞かせます。シンフォニックに、そしてジャジーに、肌触りの良いマイルドさを持った傑作であり、ゆったりと身を任せられるような自然なサウンドが一貫して個性的な1枚です。
盤質:無傷/小傷
状態:良好
1枚は無傷〜傷少なめ、1枚は傷あり、スリップケースなし
盤質:無傷/小傷
状態:良好
ケース不良、トレー一部に割れによる欠損あり、スリップケースに黄ばみあり
英国出身、Peter bardens、Andy Latimerを擁するファンタジックなプログレッシヴ・ロック・グループによる77年作5th。本作よりベーシストRichard Sinclair、サックス奏者Mel Collinsの二人が参加しています。特にRichard Sinclairはヴォーカリストとしても貢献していて、その甘く繊細な歌声はCAMELの世界観と見事にマッチ。親しみやすいメロディが際立つ一方、インスト面ではよりジャジーな方向へと音楽性をシフトしています。表情豊かで柔らかな音色を奏でるサックス、変幻自在に躍動するベース・ラインが、透明感溢れるキーボード・サウンドに溶け込んだジャジーなアンサンブルを奏でており、甘いヴォーカルと伸びやかなギターは叙情的なメロディを謳い上げます。「Elke」ではBrian Enoがムーグ・シンセで参加、アンビエント要素を加えてより神秘的なCAMELを聴くことが出来るなど、聴き所は多数。次作『BREATHLESS』と本作でしか聴けない貴重な6人編成、『SNOW GOOSE』など代表作を聴いた方におすすめしたい一枚です。
キーボードにキット・ワトキンス(元ハッピー・ザ・マン)を加え、更にサウンドの幅を広げた第三期キャメルの傑作アルバム。79年作品。
第二次世界大戦後、南方の島に取り残された一兵士(小野田寛郎氏/ヌードとはオノダのもじり)の実話を音楽化。人間味に溢れたドラマティックなサウンド・ストーリー。81年作。
アンディ・ラティマー(g)のヴォーカル・ナンバーを中心に、80年代に相応しいポップなサウンドを収録。82年作。
東西分割時代のベルリンの人々をテーマにしたシリアスな内容のアルバム。内省的な彼らの美学が光る。1991年に復活アルバムをリリースする以前のラスト・スタジオ・アルバム。1984年作品。
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