2018年11月2日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフみなとです。
今日は英国フォークの伝説的なレーベル、ヨーク・レコードを取り上げます。
ヨーク・レコードは英デッカの傘下のレーベルで、ロンドンで1971~73年という非常に短い期間、運営されていました。
このレーベルがリリースした英フォークのアルバムはリリース数が少ないこともあり、非常な高値で取引されるレアな秘宝盤が多いです。
しかし昨今では、韓国のBIG PINKレーベルCDで様々な作品がリイシューされているので、ありがたく聴くことができます。
今日はそんなヨーク・レコードの作品をピックアップしてまいりたいと思います。
英国はヨークシャー出身、ダニー・クラークとレニー・ウェズリーによるフォーク・デュオ。
STRAWBSのトニー・フーパーによるプロデュースで、木漏れ日溢れる牧歌性と、トラッドに根ざした格調高いフォーキー・アンサンブル、そして親しみやすい2人のヴォーカルと優しいハーモニーが素晴らしい一枚です。
女性ヴォーカルを含む英フォーク・ロック・グループ、73年2nd。
こちらもトニー・フーパープロデュースで、吹き抜ける風のようなヴォーカル・ハーモニーが爽やか!
CS&Nに影響を受けたのに、滲み出てしまう英国感もたまりません。
北アイルランドはベルファスト出身のフォークデュオ、73年唯一作。
柔らかながらも純粋でいて芯のあるボーカルとギター、アイリッシュ・ブズーキーがきらびやかに鳴らされ、ピアノが神秘的に入り込み、静かにオーケストラが交じってきて・・・まるでフォーキーな讃美歌のようです。
男女ヴォーカルの英フォーク・グループ。72年唯一作で、原盤は500枚限定プレスの激レア盤。
トラッドや、フェアポート・コンヴェンション、ウディ・ガスリー、ボブ・ディランのカバーなどしているのですが、ミスティックでかげりのあるフィメール・ヴォーカルとジェントルな男性ヴォーカルが非常に魅力的で、アーシーさと気品が絶妙にバランスしたフォーク・ロックを奏でています。
60年代半ば~70年代半ばに活動したフォーク・ポップ・バンドSETTLERSの女性ヴォーカル、73年ソロ作
英米ルーツ折衷の芳醇なアンサンブルに神々しく映える、クリスチャン女性シンガー、シンディの伸びやかな歌声。「心奪われる」という形容がぴったり。元STRAWBSのTony Hooperのプロデュースも見事です。
60年代半ばから後半に活動して6枚のシングルを残した英ポップ・バンドCYMBALINEのベーシスト、73年唯一作。
メロディーの展開やコーラス、ストリングスの使い方、等々随所にビートルズの遺伝子が溢れており、英国ニッチ・ポップ・ファンのツボをこれでもかと突いてきます。
いかがでしたでしょうか。少しでもお気に召す作品がありましたら幸いです。
英国はヨークシャー出身、ダニー・クラークとレニー・ウェズリーによるフォーク・デュオ。FOGGY DEW-Oとしてデビューしアルバムを残した後、FOGGYと改名してリリースした72年作。STRAWBSのトニー・フーパーによるプロデュースで、元STRAWBSでデュオHUDSON-FORDでもお馴染みの2人に加え、STRAWBSのKey奏者Blue Weaverが参加。木漏れ日溢れる牧歌性と、トラッドに根ざした格調高さとが絶妙にバランスした英国的なフォーキー・アンサンブル、そして親しみやすい2人のヴォーカルと優しいハーモニー。STRAWBS人脈によるサポートもさすがで、リコーダーやタブラやピアノがそっと艶やかに叙情を描きます。Blue Weaverによるメロトロンも聴き所の一つで、MOODY BLUESのフォーキーな曲が好きなリスナーにはたまらないでしょう。ブリティッシュならではの幻想美に包まれた英フォーク・ロック名品です。
女性ヴォーカルを含む英フォーク・ロック・グループ。YORKレーベルより73年にリリースされた2nd。プロデュースは、元ストローブスのトニー・フーパー。1stでの美しい男女3声ハーモニーはそのままに、ドラムが入ってより伸びやかに、そして、時折キーボードやフィドルも鳴らされることで爽やかさの中に英国的な陰影もあるフォーク・ロックを聴かせています。CS&NやS&GやPP&Mから影響を受けつつ、英国ならではの翳りある牧歌性がにじむ佳曲ぞろい。「このジャケからしてただならぬ音が聴こえてくるはず」というフォーク・ファンの期待に見事に応える逸品です。
北アイルランドのベルファスト出身、ショーン・デイヴィーとジェイムス・モリスとで結成したフォークデュオ。73年の唯一作。レーベルは、ブリティッシュフォークの良作を多くリリースしているヨークレコードです。しっとりと流れるように奏でられるピアノのアルペジオ、マーク=アーモンドあたりを彷彿させる叙情的でいて洗練されたリズム・セクション、そして、ちょっぴりスモーキーでいて透明感のある繊細な歌声。一聴した印象は「流麗」なのですが、どこか厳かで胸が締め付けられるような物悲しさがあって、メロディ・ラインに意識を留めると、おぉそうか、サンディー・デニーが歌っていそうな感じ。どこか寂寞とした感じで、北アイルランドの寒々しい風景が思わず浮かんできます。オープニング・ナンバーから言葉を失うほどの名曲で、柔らかながらも純粋でいて芯のあるボーカルとギター、そこにアイリッシュ・ブズーキーがきらびやかに鳴らされ、ピアノが神秘的に入り込み、静かにオーケストラが交じってきて・・・まるでフォーキーな讃美歌のようです。アルバムには、中期キンクスを思わせる牧歌的な曲もあり、2人が紡ぐポップなメロディも特筆もの。プロデューサーはストローブス結成メンバーのトニー・フーパ―。ジャケの内気そうな2人そのままといえる内省的でいて気品に満ちた、英国フォーク・ポップの隠れた名盤です。
男女ヴォーカルの英フォーク・グループ。72年にYORKよりリリースされた唯一作で、原盤は500枚限定プレスの激レア盤。ミスティックでかげりのあるフィメール・ヴォーカルとジェントルな男性ヴォーカルが魅力。フェアポート・コンヴェンション「ミート・オン・ザ・レッジ」やザ・バンド「アイ・シャル・ビー・リリースド」のカバーなど、アーシーさと気品が絶妙にバランスしたフォーク・ロックから、ピアノや管弦楽が流麗に彩るSSW的な曲まで、メロディ、アレンジともハイ・レベル。これほどの作品がなぜ500枚限定だったのか不思議です。英トラッドを基本に、米ロックのアーシーさや洗練が加わった、英フォーク・ファンにも米SSWファンにもオススメな逸品。
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