2018年7月31日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
タグ: ハード・ロック
スタッフが今カケレコ一押しの作品をご紹介する【KAKERECO DISC GUIDE】。
本日ご紹介するのは2018年めでたく初CD化!「米国ブルース裏番長」Neil Merryweather率いるブルース・ハード・トリオの70年唯一作『NEIL MERRYWEATHER, JOHN RICHARDSON AND BOERS』です。
・ツェッペリンばりのソリッドさと洒脱さを兼ね合わせたアンサンブル
・Merryweatherのブルージーな色気たっぷりのヴォーカル!
・軽快なモッズ・テイストのオルガンを交えたオルガン・ブルース・ハード♪
Neil Merryweatherはカナダ生まれのベーシスト/ヴォーカリスト。60年半ばより様々なグループや自身のプロジェクトで作品を生み出し、70歳を超えた現在も精力的に活動を続けている、大変タフな人物です。
彼の作品で有名なのは恋人でモデルのLynn Careyをヴォーカルに据えたIVAR AVENUE REUNIONやMAMA LION、自身がヴォーカルを務めた豪快なハード・ロック・バンドHEAVY CRUISERなどなどですが、今回ご紹介する「MERRYWEATHER, RICHARDSON AND BOERS」は彼のそれ以前のキャリア。まずは彼らの経歴を簡単にご紹介いたしましょう。
1968年、Neilは彼の芸名の元になったグループMERRYWEATHERをカナダ・トロントにて結成。彼らは米国カリフォルニアに渡り、キャピトル・レコードから2枚のアルバムをリリースしますが、メンバーの不仲により解散。その後Neilはトロントに戻り、新しいグループ結成の為に顔見知りの2人のミュージシャンに声を掛けます。それがカナダのサイケ・グループNUCLEUSやLORDS OF LONDONで知られるギタリストのJohn Richardson、及びカナダでシングル・ヒットを飛ばしたUGLY DUCKLINGSで活動していたドラマーのRobin Boersでした。
本作のレコーディングにかかった時間はたったの一晩。当時のレーベルにはあまり興味を持たれなかったようで、本作をリリースした後すぐにNeilは恋人のLynnと共に次のIVAR AVENUE REUNION、およびMerryweather & Carey名義のための楽曲のリハーサルに取り掛かっています。
あまりやる気のないバンド名&タイトルからも分かる通り、彼のキャリア転換期にリリースされた作品ではあります。が、肩の力を入れずに作ったのもあって、これがなかなかに渋く旨味のあるヘヴィ・ブルース・ロックに仕上がっているのです。IVAR AVENUE~MAMA LIONや後のソロ作で彼のファンになったという方は、ぜひNeilの違った魅力を楽しめるこの作品もチェックしてみてはいかがでしょうか。
♪Aren’t You Glad That You Know
本作の楽曲は基本的にトリオ編成ですが、オープニング・ナンバー及び最後のジャム・セッションでは49TH PARALLELのキーボーディストJJ Velkerがゲスト参加しています。これがまたカッコ良い!彼の重厚すぎないモッズ調のオルガンがエッジの効いたソリッドなギターと重なり合って、非常に聴いてて気持ちの良いサウンドに仕上がっています。できれば全曲参加して欲しかったかも……。
♪City Boy
こちらはBUFFALO SPRINGFIELDに在籍していたStephen Stillsの曲「Hot Dusty Roads」のカヴァー。NeilはMERRYWEATHERでカリフォルニアに滞在していた際、Stephen Stillsとも交友があったそうです。…といってもかなり粘っこくファンキーで、フォーキーなBUFFALO SPRINGFIELD版とは別の曲みたい。
ちなみに中にはLynnとNeilの共作で、Lynnがコーラスに参加している楽曲も。MERRYWEATHERや他のグループでも常に美人モデル兼人気歌手のLynnを傍に置いて他のメンバーに嫉妬されていたという彼、全く嫌な奴…いやいや、羨ましい限りですね~。
・Neil Merryweatherのファン
・LED ZEPPELINの1stなどブルース色の強いハード・ロックが好き
・TEN YEARS AFTERのオルガン入りナンバーのような軽快なオルガン・ブルース・ロックが好き
Neil Merryweaterについてはコチラでも詳しく説明しておりますので、ぜひご覧ください!
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