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リトル・フィート食わず嫌いを克服する3枚3曲!

寄稿:たすけ さん

アメリカン・ロックの魂と言われながら、なかなか入りにくいバンドがリトル・フィートです。なぜか。彼らには泣きの要素もないし、メロディもとっつきにくい。ヒット曲は持っていないし、スタープレイヤーもいない。矢野顕子のファースト・アルバムに参加しながら、なかなか矢野の意図するような演奏ができず、勉強になりましたと帰ってしまった過去さえあります。プログレ者、ハードロック者にとって最も遠い音楽スタイルですし、有名曲「ウィリン」、有名アルバム「ディキシー・チキン」が何より判りにくい。

でも一方、全く独自のスタイルを持ち、ジャンルを横断する音楽るつぼが彼らの真骨頂。聴かず嫌いではもったいないです。ブリティッシュ好きのみなさん、この機会に手を出してみませんか。おせっかいながらブリティッシュ・ロック・リスナーのためにリトル・フィートをどの順番で聴けばいいか述べてみたいと思います。

「Time Loves a Hero」(77年)

聞く曲は4.Day at the Dog Racesです。
リーダーのローエル・ジョージが全く関与していないフュージョン曲で、キーボードのビル・ペインがウェザー・リポートにいちばん影響を受けていた時期です。冷やかさ、変拍子、緊張感ある演奏は、率直に申し上げてアトールやELPより上。雰囲気はもろ、全盛期のプログレで、英国好きにはたまらないのではないでしょうか。そしてこのアルバムを聴きとおすと彼らがいかに独自のビートを持っているか興味が出てくるのではないかと思います。

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「Waiting for Columbus」(78年ライブ)

このCDは、必ずRHINOリマスター盤にしてください。旧盤ではすごさがわかりません。
聞く曲は冒頭から2. Fat Man In The Bathtubです。

このビート…すごくないですか。実はジョン・ボーナムが影響を受けたドラマーがリッチー・ヘイワードで、ロバート・プラントにいたってはヘイワードを帯同してライブしていた時期さえあります。残念ながら亡くなってしまいましたが…。ヘイワード、サム・クレイトン、ケニー・グラッドニーが作り出すネバネバしたリズムが大変癖になるのです。納豆嫌いの外国人が、においに慣れた途端マストアイテムになってしまうようなものかと。
そしてこのライブ、演奏力と熱さではフランク・ザッパの「ニューヨーク」と並ぶトップです。そして彼らのベスト・アルバムとしても聴ける。素晴らしいではないですか。わたしはこのライブを聴き飽きるのが嫌なので、大晦日にしか聴かないことにしています。

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「Feats Dont Fail Me Now」(74年)

聴く曲は7.Fun。このシンセサイザーのうなりと、前のめりのビート、癖になりますでしょ?

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実はご紹介する3曲はカントリー風味の少ない曲なのです。フィートの素晴らしさは、耳に馴染むとカントリーだろうが、ブルーズだろうが、全てのルーツ・ミュージックがOKに聞こえてしまうところ。しかも各ジャンルの中でどういう位置にある音かさえ、判ってきます。ユーザーの耳を鍛える音楽なのです。そして徐々に西海岸で活動しながら、南部にルーツを持ち、しかも南部に行ったことがない、というフィートの偏屈さが理解できるようになってきます。言われるようにジョージのスライド・ギターだけが聴きどころのバンドでは全然ありません。

こう書いてきましたが、「ディキシー・チキン」を買って何度も聞いたものの、10年も良さがわからずにいたのが自分です。だからフィートを敬遠する人の気持ちを、本当にわかるんです。フィートがわからないの、だから普通です。(逆に、すぐに「ウィリン」に感動する人って無理してると思います。)持っていれば必ずフィットする時がやってきます。

最後にわたしは英国対米国比が7:3ぐらいのハードロックじじいです。ハードロック以外で聴くのがフィートとジェントル・ジャイアントぐらい、という偏った趣味の人間なのです。フィートと出会っていなければ、わたしの人生後半はとても味気ないものになっていたことだろうと思っています。

たすけさんご投稿レビュー一覧

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  • LITTLE FEAT / HIGHWIRE ACT: LIVE IN ST LOUIS 2003(CD)

    米ルーツ・ロック名バンド、03年セントルイス公演

  • LITTLE FEAT / BEST OF LITTLE FEAT

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  • LITTLE FEAT / LITTLE FEAT

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  • LITTLE FEAT / FEATS DON’T FAIL ME NOW

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    78年発表、米ロック史に残る傑作ライヴ・アルバム!

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