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バート・ヤンシュ特集

英国フォークを代表するギタリストとして、ジミー・ペイジやドノヴァン、ニック・ドレイクやポール・サイモンなど、数多くのアーティストに影響を与えてきたバート・ヤンシュ。

今日はそんな彼の来歴を振り返りつつ、作品をカケレコ棚よりピックアップいたします。

BERT JANSCH / BERT JANSCH

まずは、彼の音楽キャリアの最初期。当時若きバート・ヤンシュは、苗木職人として働きながらイギリスのフォーク・クラブを回り、一夜限りのライヴ・パフォーマンスを二年程行っていたそうです。

その後ヨーロッパ中を旅し、60年代中頃にロンドンへ移住。そして形となったのが65年発表された、『BERT JANSCH』というアルバムでした。

力強くワイルドなフィンガー・ピッキングと、枯れたボーカルに引き込まれます。

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BERT JANSCH / JACK ONION

66年作。ほぼトラッドで占められ、英国の香りが濃厚に漂う作品です。

後にLED ZEPPELINのジミー・ペイジによって「BLACK MOUNTAIN SIDE」として改曲された「BLACK WATERSIDE」収録のアルバムとしても有名です。

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LED ZEPPELIN / LED ZEPPELIN

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BERTの「BLACK WATERSIDE」も、実は女性フォーク歌手、アン・ブリッグスの作品です。

当時のフォーク/ロック・アーティストが、良い意味でお互いの素晴らしい楽曲を盗み合って、各々の音楽スタイルを磨き上げて行った事が良く分かりますね。

ANNE BRIGGS / ANNE BRIGGS

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BERT JANSCH & JOHN RENBOURN / BERT AND JOHN

このころ、生涯の盟友にして同じく英フォーク・ギタリストの奇才、ジョン・レンボーンと出会います。

彼らが共同生活とライヴ生活の中で育んだ音楽が、67年『BERT AND JOHN』となってリリースされます。

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PENTANGLE / PENTANGLE

そして、当時ジョン・レンボーンが開店したフォーク・クラブ「蹄鉄フォーククラブ」(Horseshoe Folk Club)で、いよいよあのブリティッシュ・フォーク・ロック界に革命を起こした伝説のバンド、ペンタングルが形成されるのです。

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バート・ヤンシュは、ペンタングル在籍中にも数多くの名作を残しています。

いくつかピックアップしましょう。まずはペンタングル結成後初のソロ・アルバムです。

BERT JANSCH / BIRTHDAY BLUES

69年作。

ダニー・トンプソンとテリー・コックスがリズム・セクションで参加しており、ペンタングルのサウンドとも似通うものがあります。

ソロ作の方が、ギターもボーカルも、リラックスしています。

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BERT JANSCH / ROSEMARY LANE

71年作。

これまでのブルース色をぐっと抑えて、トラッドとルネサンス音楽を融合させた、この上なく美しい弾き語り作品となっています。

バート・ヤンシュの自宅でじっくりと録音されており、まるでバートが隣にいるような、生っぽい音で録音されています。

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ペンタングルは72年『SOLOMON’S SEAL』を最後に、解散します。

多忙なツアーによる疲労や重圧などが理由のようです。

BERT JANSCH / MOONSHINE

ペンタングル解散後にリリースされた72年作。

前作が弾き語りのみだったのに対し、今回はフルートやフィドル、ハーモニカなど多彩な楽器、豪華ゲストを集めた彩り豊かなサウンドとなっています。

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バートは、73年に妻と共にウェールズの農場に移り住み、公演活動からは一時身を引きます。

2年間ほど農場生活を送った後、音楽活動を再開。

80年代に入ると、ジャッキー・マクシーと共に新メンバーでペンタングルを再結成しました。

BERT JANSCH / AVOCET

79年作。

ダニー・トンプソンと、ダンドゥ・シャフトのマーティン ジェンキンスのトリオ編成で録音されたアルバム。

ギター、ベース、バイオリンが美しく絡み合い、起伏に富んだ展開で音が広がっていきます。

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BERT JANSCH / BLACK SWAN

バートは90年代以降もコンスタントに作品を発表し、ライヴ活動も盛んに行っていましたが、09年に病気が見つかります。

その後療養していましたが、2011年10月5日、ハムステッドのホスピスで亡くなりました。67歳でした。

06年の『BLACK SWAN』が最後のスタジオアルバムとなります。

ベス・オートンやデヴェンドラ・バンハートなど、新しい世代のミュージシャンと共演した作品。

ギターとしわがれた味わい深いバートのボーカルに、チェロやパーカッション、そしてベス・オートンのスモーキーなボーカルが重なり、往年の作品とはまた違った新鮮なサウンドで聴かせてくれます。

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いかがでしたでしょうか。

こうしてあらためて聞いてみると、何と沢山の素晴らしいアルバムを残してくれたことか、と驚きます。

バートの荒々しくも繊細なギターと味わい深いボーカルに、今日は浸ってみるのも良いかもしれませんね。


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