2017年4月4日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフの佐藤です。
本日4月4日は北アイルランド出身の天才ギタリスト、ゲイリー・ムーアの誕生日。
シン・リジィやソロでの活動により一般的にはハード・ロックやブルースのシーンでその名が知られる彼ですが、
70年代後半を中心に、その卓抜したギターテクニックを生かしプログレッシヴ・ロック・シーンでも名演を残しています。
というわけで、今回はゲイリー・ムーアのプログレ系参加作品にフォーカスしていきたいと思います!
ロジャー・ディーンが手がけた変形ジャケットでお馴染み、VERTIGO所属の英フォーク・ロック・バンドによる2nd。ゲイリーがプロデビューした直後の70年にリリースされた本作に、4曲でリードギターとして参加しています。同時期のスキッド・ロウでのプレイに通じる荒くエッジを効かせたギターが、木漏れ日感あるフォーク・ロックにただならぬ緊張感を与えていて見事です。
ゲイリー・ムーアのプログレ系参加作の代表と言えば、やはりCOLOSSEUM IIの3作品。シン・リジィの活動を通じ名は知られるようになったものの、まだブレイクには至っていなかった彼を抜擢したのが元コロシアム~テンペストのドラマー、ジョン・ハイズマン。ジャズ・ロックとハード・ロックを融合させた圧倒的にスリリングなアンサンブルの中で、名手ドン・エイリーによるキーボードと時に火花を散らし時に超絶ユニゾンで突き進む、このキレ味抜群のプレイは驚愕もの。技巧派ギタリストとしての存在感を強烈に決定づけた名作ですね。
続く2作目では、フュージョン色も加味され前作よりもキャッチーに洗練されたサウンドを聴かせます。ゲイリーのギターもハード・ロック然としたドライヴ感溢れるプレイを軸に縦横無尽の活躍を見せていて痛快そのもの。繊細で叙情的な表現も聴かれ、すでに後のソロ時代のスタイルに近づいている印象を受けます。
バンドの最終作となった3rd。前作のハード・フュージョン路線を推し進めた作風の中、これまでで最も存在感を示すゲイリーのギタープレイが炸裂。この曲のテーマ部分なんてまさにゲイリー節ですよね。
元アイソトープ、インド生まれの技巧派英国人ジャズ・ロック・ギタリストによるソロ・アルバムに、ゲスト・ギタリストとして2曲で参加。強烈すぎる「HAYABUSA」は動画がなかったので、ファンク調のもう一曲の共演ナンバー「GAZ」をどうぞ。超絶技巧を誇る2人のゲイリーが互いに譲らぬスーパープレイで応酬するギターバトルに興奮必死!
英国のコンポーザーA.L.ウェバーの手によるパガニーニ「カプリース第24番」の変奏曲を、ゲイリー・ムーア/フィル・コリンズ/ロッド・アージェント/ジョン・ハイズマンらが演奏した78年作。チェロが主旋律を奏でるクラシカルなアンサンブルを主体に、ジャズ・ロック色、ハード・ロック色も交えた異色作ですが、ゲイリーはもちろんスリリングなハードロック調パートを担当。動画でも気持ちいいくらいに弾きまくりですね!
ご存じEL&Pで活躍したグレッグ・レイクが、本格的なソロキャリアをスタートするにあたり選んだギタリストがゲイリー・ムーアでした。特に素晴らしいのが1st収録、レイクの伸びやかな歌声にゲイリー渾身の泣きのギターが絡む必殺の名曲「It hurts」。名キーボーディスト、トミー・アイアーらが加わった2ndも、幾分ニューウェイブ色は強まっているものの佳曲多数の好盤です。
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ゲイリー・ムーアが参加したバンドの作品やソロ作の中から米音楽サイトULTIMATE CLASSIC ROCKが選んだTOP10ソングをご紹介いたしましょう。
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本場アメリカ南部で生まれたブルースがイギリスに輸入されて誕生したブリティッシュ・ブルース・シーンを特集。アコースティック・ブルースから、エレクトリック化、さらに「ロック」と融合してブルース・ロック・ムーヴメントへと発展した激動の50年代~60年代の流れを見ていくことにいたしましょう。
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ビート・ブーム、サイケデリック革命、シンプルなバンド演奏へと回帰したブルース・ロック・ブームを経て、テクノロジーの発達とともに60年代末にいよいよ花開いた「ブリティッシュ・ハード・ロック」!胎動の67年からメジャーシーンを席巻した70年まで、年代を追って英ハード・ロックの名作をピックアップしながら、英ハードの進化と深化を探ってまいります。
ジャズとロックの融合を目指し、コロシアム〜テンペストと英ジャズ・ロック屈指の名グループを率いてきたドラマーのジョン・ハイズマンが、アメリカでのフュージョン・ブームに呼応し、当時はまだ無名だったゲイリー・ムーア等と74年に結成したグループ。76年の1st。シャープに洗練された中にもエネルギーがつまりにつまったドラム、音数多くウネリを上げるベース、フュージョン・タッチの流麗なキーボード、エッジの立ったキレ味抜群のギター。バンドが白熱したバトルを繰り広げるテクニカルな楽曲から、同時期のジェフ・ベック『ブロウ・バイ・ブロウ』を彷彿させるメロディアスな楽曲まで、完成度はさすがに高いです。エネルギッシュ&ソウルフルなヴォーカルも魅力的。ロック、ジャズ、ハード・ロックとがぶつかってできた熱気を真空パックしたようなプログレッシヴ・フュージョンの傑作!
コロシアム〜テンペストを率いたドラマー、ジョン・ハイズマンがブレイク前のゲイリー・ムーアを抜擢して結成したグループ、77年リリースの最終作3rd。圧巻のテクニックで畳み掛けていくスリリングなアンサンブルはもはや流石というほかありませんが、本作ではこれまで以上に存在感を示すゲイリーのキレのあるギタープレイが全編で炸裂。後のソロ時代に通じていくスタイルも見え隠れしています。結成以来押し進めてきたハード・フュージョンと言うべき作風が完成を見た傑作です。
英国ジャズ・ロック・シーン屈指のドラマーJohn Hiseman率いる彼らの2作目。77年作。前作のヴォーカリストが抜け、Gary Moore(g)、Don Airey(Key)らを擁するインストゥルメンタルを中心としたテクニカルな4人編成のバンドとして生まれ変わっての作品。超絶のサウンドはまさに革新的。
CD+DVDの2枚組、スリップケース付き仕様、NTSC方式、定価3619+税
盤質:未開封
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり
2CD+DVDの3枚組、NTSC方式、リージョン2、解説付仕様、リーフレット付仕様、日本語字幕あり
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯-
SHM-CD、2枚組、定価2667+税
盤質:傷あり
状態:
帯無
帯無、解説に軽微なケースツメ跡あり、折れあり、若干黄ばみあり
カンサスのプロデュースで知られるジェフ・グリックスマンを迎え制作されたヴァージン・レコーズ移籍第1弾でありソロ・アルバム2作目。ソロ・アーティストとしての気負いが音に表われた骨太のブリティッシュ・ハード・ロックを展開。フリーの「ウィッシング・ウェル」のカヴァーを収録。
アイルランド出身ブルース・ハード・ギタリスト、86年発表作。ハード・ロック界を代表する二人のヴォーカリストを起用、Philip Lynottが2曲、Glenn Hughesが3曲でリードを取る楽曲を収録しています。Philip Lynottによる後期THIN LIZZY張りのシャウトが炸裂する疾走ナンバー「OUT IN THE FIELDS」、女性コーラスを導入してGlenn Hughsのソウルフルなヴォーカルが映える「Reach For The Sky」の2曲が特筆。強力なヴォーカル陣に負けじと、高速ピッキングから叙情的な泣きのメロディまでGARYのギターが全編で冴え渡っています。
アビー・ロード・スタジオでのデジタル・リマスター、ボーナス・トラック3曲、定価1714+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
軽微な折れあり
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