プログレッシヴ・ロックの中古CD豊富!プログレ、世界のニッチ&ディープな60s/70sロック専門ネットCDショップ!

プログレ、60s/70sロックCDのネット通販/買取

24時間以内発送(土・日・祝は翌営業日)、6,000円以上送料無料

スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。 – 第ニ回 ヴァン・ダー・グラーフ『クワイエット・ゾーン/プレジャー・ドーム』

こんにちは。今冬こたつを出してからというもの、いつの間にかこたつ布団にくるまって寝落ちしてしまうのが悩みのカケレコ・スタッフの佐藤です。

前回からスタートした「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」は、一般的にはあまり注目を集めることのない作品ながら「実は良い作品なんだけどなぁ、もっと聴かれてほしいなぁ。」とスタッフ佐藤が日頃から感じている、愛して止まない作品たちを取り上げてご紹介していこうというコーナー。

第二回で取り上げるのは、英国のプログレ・グループ、ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター(ヴァン・ダー・グラーフ)が77年に発表した『The Quiet Zone / The Pleasure Dome』です。


前回取り上げたジェントル・ジャイアントとほぼ同時期に、5大プログレ・バンドからの次のステップとして手を出してみた彼らだったのですが、一聴して耳を奪ったのが、孤高の詩人と称されるピーター・ハミルの存在感みなぎるヴォーカル。

もちろんジョン・アンダーソンやピーター・ガブリエルのような、バンドの音楽性の中で欠かせない特徴として機能しているヴォーカリストたちは知っていましたが、ヴォーカルがここまでのエネルギーと鬼気迫るまでの表現力を発揮しているバンドというのは、プログレに限らず出会ったことがほとんどなかったため、非常に衝撃的だったのを覚えています。彼のヴォーカルを的確に表現するのはなかなか難しいですが、個人的にはロック界でも数少ない「魂の歌声」と呼びうるものだと思っています。

そんな特異性もあって、「演奏がまずあって、そこにヴォーカルが乗ってくる」という通常のバンドの印象とは異なり「ヴォーカルをバンド演奏が取り巻く」という印象を与えるのがVDGG。ハミルによって紡がれる深遠な詞を含めて「歌を聴かせるプログレ」として、緻密で技巧的なアンサンブルを土台とした同時期のプログレ・グループたちとは一線を画する独自の魅力を放っていたグループです。

さてそんなVDGGと言えば、69年発表の2nd『The Least We Can Do Is Wave To Each Other』70年作『H to He Who Am The Only One 』71年作『Pawn Hearts』という初期3作品、あるいは活動休止期間を経た75年作『Godbluff』76年発表の『Still Life』『World Record』までを合わせた6作品が全盛期としてよく知られているように思います。

ダイナミックかつ重厚なリズムとオルガン&サックスが醸し出すダークかつ生々しい質感が特徴的な演奏と、そこから浮かび上がってくるある種の崇高さを伴ったヴォーカルが劇的に対比されることによって感動を呼び起こす、唯一無二の音楽体験を味わわせてくれる彼らですが、そういったVDGG本来の醍醐味とは趣を異にする一枚が、『World Record』の次にリリースされた77年の8th『The Quiet Zone / The Pleasure Dome』です。

本作は、04年に活動を再開するまでは彼らの最後のスタジオ・アルバムだった作品。この作品が過去の作品と大きく異なっているのがメンバーチェンジに伴う楽器編成の変化で、全盛期のVDGGサウンドを担ってきたオルガン/キーボードのヒュー・バントンとサックス奏者デヴィッド・ジャクソンが前作制作後に脱退しています。

演奏面でVDGGを特徴づけていたこの2人が抜けたとあっては、たとえピーター・ハミルという揺るぎなきヴォーカリストがいるにしても、「え!VDGG大丈夫なの!?」と不安になりますよね。

何を隠そうスタッフ佐藤自身、「ヒュー・バントンのオルガンがないVDGGなんて!」という思いからずっと未聴の作品だったのですが、いざ聴いてみて「こりゃ、かなり良いんじゃない?」となったのがここ数年のこと。

初期メンバーだったベーシストのニック・ポッターの復帰とともにバンドを窮地から救ったのが、新加入したグラハム・スミスというミュージシャン。VDGGと同じCHARISMAレーベル所属だったSTRING DRIVEN THINGに在籍したヴァイオリン奏者で、本作と同じ77年にリリースされたハミルのソロ作品『OVER』への参加を経ての加入となっています。

またこの大幅なメンバーチェンジに伴い、バンド名からジェネレーターが取れて「ヴァン・ダー・グラーフ」となります。この改名には、サウンド面の大きな変化を受けて、これまでのVDGGとしての活動との決別の意味が込められているのかもしれません。

そんな本作、鋭く切れこんでくるスリリングなプレイから気品たっぷりの優雅なプレイまで自在なヴァイオリンがフィーチャーされた、すっきりとしたスタイリッシュなサウンドを聴かせるのが特徴で、前作までの闇へ沈み込んでいくような美しくも重厚なサウンドは、英国的な格調高い叙情美へと姿を変えているのが印象的です。ハミルのヴォーカルも以前の緩急激しく迫ってくるスタイルに比べ、落ち着いた穏やかな表情が中心となっており、彼らの全作品の中でも非常に聴きやすい内容に仕上がっているのではないでしょうか。

1.Lizard Play

試聴 Click!

3.Siren Song

試聴 Click!

6.Cat’s Eye Yellow Fever Running

試聴 Click!

今回の「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」、いかがだったでしょうか。
今後もなかなかスポットライトが当たらない作品を取り上げ、改めてその魅力の一端を伝えていけたらと思います!

「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」他の記事はコチラ!


「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」 - 第一回 ジェントル・ジャイアント 『アクワイアリング・ザ・テイスト』

【関連記事】

「スタッフ佐藤の、コレ好きなんですよ。」 – 第一回 ジェントル・ジャイアント 『アクワイアリング・ザ・テイスト』

一般的にはあまり注目を集めることのない作品たちの中から、スタッフ佐藤が愛して止まない作品たちを取り上げて、その魅力を語ります!


MEET THE SONGS 第115回【ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター特集!】

【関連記事】

MEET THE SONGS 第115回【ヴァン・ダー・グラーフ・ジェネレーター特集!】

今日のMEET THE SONGSは、孤高の詩人ピーター・ハミル率いるダークな英国プログレ・グループVAN DER GRAAF GENERATORを特集!

VAN DER GRAAF GENERATORの在庫

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / REAL TIME

    再結成後の初コンサートとなった05年のライヴ音源を収録、ベスト選曲と言える充実の全18曲!

    彼らの解散後、約30年ぶりとなる05年5月6日のロンドン・ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでの記念すべき再結成ライヴを収めたのが本作。

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / DO NOT DISTURB

    ピーター・ハミル、ヒュー・バントン、ガイ・エヴァンスのトリオ編成で録音された2016年作13thアルバム

    ピーター・ハミル率いる英国プログレ屈指の名バンドによる2016年作13thアルバム。メンバーは、ピーター・ハミルの他、オリジナル・メンバーであるヒュー・バントン(Key)、ガイ・エヴァンス(Dr)というトリオ編成。前につんのめるようなテンションいっぱいのリズムを土台にハモンド・オルガンが分厚いトーンで荘厳に鳴り、歪んだギターがうねるアンサンブル、そしてハミルの存在感抜群のヴォーカル!円熟を増したVDGGサウンドに痺れるさすがの逸品です。ピアノをフィーチャーしたリリカルな楽曲の「孤高」っぷりにはやはり感涙。

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / LIVE AT ROCKPALAST – LEVERKUSEN 2005

    ブリティッシュ・プログレの名バンド、復活後05年のスタジオ・ライヴ音源&映像を収録した2018年リリース作

    稀代のヴォーカリストPeter Hammillを擁するブリティッシュ・プログレ・バンド、78年の解散から26年を経た04年に再始動した彼らが翌05年に出演した、ドイツの音楽番組ROCKPALASTでのパフォーマンスを収録。1曲目『GODBLUFF』収録の「Undercover Man」から、生々しくも叙情あふれる音世界が一気に広がるVDGGならではのサウンドに圧倒されます。静謐なリリシズムを湛えたフルート&フリーキーかつ哀愁みなぎるサックス、醒めたトーンの中に静かな情熱を秘めたオルガン、相変わらず途方もなくダイナミックなドラム、そして圧倒的な表現力で威風堂々と歌い上げるヴォーカル。往年と変わらずエネルギーをみなぎらせたパフォーマンスは実に感動的。「Lemmings」「Darkness」「Man Erg」「Killer」「Wonderling」など代表的なナンバーのオンパレードで興奮が途切れる暇がありません。VDGGファンへの至上の贈り物と言える名演!

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / AEROSOL GREY MACHINE

    サイケ/アートロック色を持つ69年デビュー作

    ピーター・ハミル率いる英国プログレッシヴ・ロック屈指の名バンド。69年の記念すべき1stアルバム。幻想的なハモンド・オルガンやハープシコード、メロウなアコギのストローク、そして、ピーター・ハミルのエモーショナルなハイ・トーンの歌声と「狂気」と「叙情」が同居する孤高のメロディ・ライン。69年という「プログレッシヴ・ロック」前夜の空気感を見事に収めたアート・ロック・サウンドが実に魅力的です。後の強烈なプログレ作品と比べられ、インパクトで劣る分、過小評価されていますが、もしこの一枚のみで解散していたとしたら、逆にブリティッシュ・ロックの名作としてもっともっと評価されていたことでしょう。ずばり名作です。

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / H TO HE WHO AM THE ONLY ONE

    70年作、ロバート・フリップがゲスト参加、VDGGならではの暗澹たるエネルギーが渦を巻く3rdアルバム

    非凡なる才能を持ったボーカリストPeter Hammillを擁し、難解な哲学詩と前衛的なアプローチ、初期のKING CRIMSONに負けず劣らずのへヴィネスと神秘性を兼ね備えたイギリスのプログレッシブ・ロックバンドの70年3rd。KING CRIMSONからRobert Frippがゲスト参加した本作は、次作以降飛躍していく彼らの勢いを感じさせる重要作であり、ロックのダイナミズムとアヴァンギャルド性が同居した傑作となっています。Peter Hammillの描く世界観も非常に内省的なものやダークな色合いを放っており、彼らの個性が一気に花開いた個性的な1枚です。

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / LEAST WE CAN DO IS WAVE TO EACH OTHER

    70年作、カリスマ・レーベル移籍第一弾、通算2枚目の出世作、冒頭3曲の流れは圧巻!

    非凡なる才能を持ったボーカリストPeter Hammillを擁し、難解な哲学詩と前衛的なアプローチ、初期のKING CRIMSONに負けず劣らずのへヴィネスと神秘性を兼ね備えたイギリスのプログレッシブ・ロックバンド。カリスマ・レーベルに移籍しての第一弾で、個性を確立した出世作。1曲目と2曲目の対比がとにかく見事。1曲目「Darkness」での狂気が渦巻くヘヴィ・ロックから一転して、壊れ落ちそうな繊細&リリカルな2曲目「Refugees」。強烈なインパクトで聴き手に襲いかかる名作。

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / PAWN HEARTS

    孤高の詩人ピーター・ハミル率いる英国プログレ史上の名バンド、最高傑作と評される71年4th

    非凡なる才能を持ったボーカリストPeter Hammillを擁し、難解な哲学詩と前衛的なアプローチ、初期のKING CRIMSONに負けず劣らずのへヴィネスと神秘性を兼ね備えたイギリスのプログレッシブ・ロックバンドの71年4th。前期VAN DER GRAAF GENERATORの総括的作品として名盤の誉れ高い本作は、20分を超える大作を中心にした3曲で構成され、Peter Hammillはもちろんのこと、Hugh Bantonの痛ましいほどに強烈なオルガンさばき、David Jacksonの荒々しいダブル・ホーンが刺激的な1枚。ゲスト参加したKING CRIMSONのRobert Frippでさえ霞みかけるほどに、一節一節強烈なインパクトを残しています。

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / GODBLUFF

    再結成後の第1弾となった75年リリースの通算5作目、ハミルのヴォーカルが壮絶な「ARROW」は必聴!

    カリスマ移籍後3枚の傑作アルバムを発表して72年に解散。その後、ソロ・アルバムをはさみ75年に再結成。本作は、その再結成第一弾作品。

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / STILL LIFE

    76年リリース、「PAWN HEARTS」と共に彼らの代表作とされる一枚

    再結成第2作。テンション溢れるバンド・アンサンブル、鬼気迫るヴォーカル、流麗なメロディーとどれをとっても第一級の名盤。

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / WORLD RECORD

    ハミルによるエレキギターが前面にフィーチャーされた76年作、崇高な名曲「WONDERING」収録

    76年作の7thアルバム、再結成後では3作目にあたる作品。ハミルのヴォーカルも唯一無比。涙無しでは聴けないドラマティックな「WONDERING」は、全音楽ファン必聴の大名曲

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / VITAL: LIVE

    78年1月26日、ライヴ・アット・マーキー・クラブ、元STRING DRIVEN THINGのvln奏者Graham Smith在籍時の6人編成

  • VAN DER GRAAF GENERATOR / SECOND GENERATION

    5th-7thまでのベスト、86年リリース、全9曲

「VAN DER GRAAF GENERATORの在庫」をもっと見る

コメントをシェアしよう!

あわせて読みたい記事

中古CD買取案内

カケレコ洋楽ロック支店

新着記事

もっと見る

プロのライター&ミュージシャンによるコラム好評連載中!

文・市川哲史

文・深民淳

文・舩曳将仁

文・netherland dwarf

文・後藤秀樹

人気記事ランキング

* RSS FEED

ロック探求特集

図表や代表作品のジュークボックスなどを織り交ぜ、ジャンル毎の魅力に迫ります。