【ユーロロック周遊日記】イタリアン・ヘヴィ・シンフォの金字塔CERVELLOの73年唯一作『MELOS』

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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、OSANNA『PALEPOLI』やMUSEO ROSENBACH『ZARATUSTRA』などと並び、イタリアン・ヘヴィ・シンフォの金字塔と言える傑作、CERVELLOの73年唯一作『MELOS』をピックアップいたしましょう。

CERVELLOは、72年にOSANNAのギタリストDanilo Rusiciの弟Corrado Rusticiを中心に地元ナポリで結成された5人組グループ。73年に本作『MELOS』をリリースし、74年に解散しています。

その唯一作『MELOS』は、ギリシア神話を題材にとったコンセプトアルバム。Corradoによるヘヴィにのたうつような速弾きギターを中心に、それに絡みつくヴァイオレンスなエレクトリック・サックス、そして終始妖しい囁きを聴かせるフルートなどが織りなすおどろおどろしくも神秘的な音世界が、まるで聴き手を神話の時代へと置き去りにするかのような非常に高い表現力を持つアンサンブルが特徴的です。

しかしさらに印象深いのが、その混沌と神秘性が一体となった緊張感溢れる演奏に、何ともイタリアン・ロックらしい時に激しく時に美しく叙情的なメロディが乗るところ。それを歌い上げる専任ヴォーカルの朗々とした中に特有の背徳感を漂わせる歌声も、作品世界を見事に彩ります。どの要素が欠けてもここまで完成度の高い作品にはならなかっただろうと思わせる、ある種奇跡的なまでのバランスを感じさせるのも本作の傑作たる所以と言えるのではないでしょうか。

その点ではOSANNAの名作『PALEPOLI』と同じく、一度その深遠なる世界観にハマれば容易には抜け出せなくなる蠱惑的なサウンドと言えますね。

では本作より、そんな本作独自のサウンドがよく現れたこちらの2曲をお聴きください♪

3.EUTERPE

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5.SCINSIONE(T.R.M.)

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イタリアン・ロックらしい歌唱と、それとは全く異質の無国籍なヘヴィ・ジャズ・ロックが一体となった凄い一枚ですよね。『PALEPOLI』よりもこちら派というプログレファンが少なくないのも頷ける傑作です。

なお、リーダーのCorradoは、後にOSANNAの中心人物であるElio D’Annaと兄であるDaniloがイギリスで結成したジャズ・ロック・グループNOVAへと参加することになります。そこでもCervelloに匹敵する熱量とテンションのギタープレイを披露しているので、本作が気に入った方には是非お聴きいただきたいグループです。

こちらがNOVA『BRINK』の楽曲。MAHAVISHNUやBRAND Xにも負けない超絶ジャズ・ロックが痛快！

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