2014年1月27日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、シアトリカルなユーロ・ロックの代表的バンド、フランスのANGEによる77年作『GUET-APENS』をピックアップいたしましょう。
ANGEは、69年にドイツ/スイス両国境に近いフランス東部のベルフォートで結成されたプログレ・グループ。72年にアルバム・デビューを果たし、幾度かの活動停止期間を挟みながらも現在でも精力的な活動を続けるベテラン中のベテラン・グループです。
彼らの特徴と言えるのが、何と言ってもヴォーカリストChristian Decampsによるシアトリカルなヴォーカルスタイル。同時期のGENESISからの影響を消化し、そこにフランスらしい耽美で濃厚なロマンティシズムを加えた独自の歌唱は、まさにフランスという国以外からは生まれ得ない魅力を放つ逸品と言えます。
一方演奏陣は、ハードにもマイルドにも自在なフレージングを聴かせるギターとクラシカルなタッチのオルガン/シンセ/メロトロンを駆使したシンフォニック・アンサンブルを得意とし、時にKING CRIMSONにも通じる重厚かつシリアスな表現も交えてドラマティックに進行していきます。
今回ご紹介する77年作『GUET-APENS』は、彼らの最高傑作と言われることも多い一枚。ギタリストの交代を経たものの全体としてはよりドラマティックな表現力を増した演奏と、怪しげな呟きから噛み付くようなシャウトまでフランス語特有の語感をフル活用した渾身のヴォーカル・パフォーマンスが絶妙に噛み合った、非常に完成度の高い作品となっています。
それでは、そんなこの時期のANGEのエッセンスが詰まった14分の大作をお聴きください♪
このエキセントリックともアクが強いとも言える超個性派ヴォーカルに最初はギョッとするかもしれませんが、ニュアンスや抑揚の付け方一つ一つにまで耽美で豊潤なロマンティシズムを感じさせるこのヴォーカルはやはりただ者ではありませんよね。詞の内容はわからなくとも、そのストーリー性豊かな作品世界に入り込んでどっぷりと浸る事ができる名作となっています。
フレンチ・シアトリカル・プログレを代表する名グループ、02年パリ公演などライヴ映像や代表作『PAR LES FILS DE MANDRIN』期のプロモ映像、メンバーへのインタヴューで構成されたドキュメンタリー映像作品、07年リリース
Christian Decamps、Francis Decampsを中心に結成され、GENESISを髣髴とさせながらも英国勢とはまた違ったダークでアクの強い演劇性を持ったシアトリカル・ロック、そしてフランス産ならではの美意識を武器に名盤を送り出した重要グループの76年5th。彼らの代表作と評されることも多い本作はサーカス団を題材に製作されたコンセプト・アルバムであり、前作に続いてバンドの力強さとキーボードのファンタジックな彩り、そしてChristian Decampsのシアトリカルなボーカルが引っ張る作風。基本となっている音楽性がアクの強いものであるがゆえに、叙情性はより一層引き立ち、素晴らしいコントラストを描きます。
フランシスとクリスチャンのデカン兄弟を中心とするフランスを代表するプログレ・バンド。80年作の7thアルバム。時代を反映して、ニューウェイヴのエッセンスも取り入れたスタイリッシュなサウンドが特徴ですが、フランシス・デカンのシアトリカルな歌唱とクリスチャンの幻想的で多彩なキーボード・ワークの魅力は健在。シアトリカルな歌唱はそのままにスタイリッシュになって、モダン・ポップに偶然近づいた感じで、なのに、キーボード・ワークはほの暗くシンフォニックで、ギターはHR/HMばりに弾きまくってるし、でも、それらが絶妙にバランスして唯一無比なサウンドを作り上げています。これは掘り出し物の名作です。
「PAR LES FILS DE MANDRIN」など絶頂期の名曲がずらりと並ぶ70年代、シアトリカルなステージングが印象的な80年代とも、魅力的な映像のオンパレード。ハモンド・オルガンが唸りを上げるサウンドは、アルバム以上のダイナミズムデカンのインタヴューや当時の写真などもボーナス収録。
世界のニッチなロックにフォーカスした膨大なディスク・レビュー、マニアック過ぎる特集、濃密なコラム。質・量ともに過去最大の読み応えとなった「不思議音楽館 ORANGE POWER」第6弾!!
不思議音楽館/不思議音楽館 ORANGE POWER VOL.6
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ヴァイオリンが畳みかける凶暴性とフランスらしい幻想美。これぞ「フランスのクリムゾン」と言える傑作!
CARPE DIEM/EN REGARDANT PASSER LE TEMPS
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MAGMA譲りの暗黒、MAHAVISHNU ORCHESTRAの向こうを張る演奏強度、そして繊細に音を描く芸術的感性を兼ね備えたユーロ・ジャズ・ロックの傑作。これは凄い作品…!
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タイ・フォンの弟分!?タイ・フォンのキーボード奏者が結成したバンドで、フランスらしい独特の色彩感覚を持ったアーティスティックなシンフォ傑作。
PP114(PAISLEY PRESS)
2290円 (税込2519円)
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そのバンド名どおり、「英国らしさ」を最もイマジネーション豊かに音像化した一枚ではないでしょうか。魔法のようにファンタスティックなメロトロンのプレイも圧巻の大傑作!
GTR153
3290円 (税込3619円)
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80年代のドイツに、こんなにもジェネシスやキャメルへの愛情に満ちた作品が生まれていたんですね。時代を考えると自主制作なのは仕方がないけど、泣きの美メロに溢れた叙情派シンフォの名品ですよ、これ!
FGBG4052AR(MUSEA)
2290円 (税込2519円)
在庫あり
もしもムーディー・ブルースに、スティーヴ・ハケットとピート・バーデンスが加入したら、って感じ!これはずばりオランダの秘宝!
PP124(PAISLEY PRESS)
2290円 (税込2519円)
在庫あり
そのバンド名どおり、「英国らしさ」を最もイマジネーション豊かに音像化した一枚ではないでしょうか。魔法のようにファンタスティックなメロトロンのプレイも圧巻の大傑作!
ERC32004
1290円 (税込1419円)
PTCD8002(PROG TEMPLE)
1790円 (税込1969円)
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