2014年1月28日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記
タグ: ジャズ・ロック
一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。
本日は、スペインのジャズ/フュージョン・ロック・グループORQUESTRA MIRASOLがEDIGSAより74年にリリースしたデビュー作『Salsa Catalana』をピックアップいたしましょう。
ORQUESTRA MIRASOLは74年にバルセロナで結成。主なメンバーは、OMやJordi Sabatesのソロに参加したマンドリン/ベース奏者のXavier Batllesと、後にBLAY TRITONOに参加するKey奏者のVictor Ammann。
OM〜Jordi Sabates〜BLAY TRITONOの流れにあるジャズ・ロック〜アヴァンギャルドを軸に、初期リターン・トゥ・フォーエヴァーのフュージョン、そしてサルサを取り入れた意欲的なサウンドが持ち味です。
早速、オープニング・ナンバーから聴いてまいりましょう。
Key奏者はアヴァン色の強いBLAY TRITONOに参加するだけあり、チック・コリアと比べてトーン、フレーズともに暗く重いですね。
マンドリンや管楽器にもチェンバー・ロック的な張りつめた空気感があり、パーカーションやホイッスルなどサルサのエッセンスをブレンドしていますが、全体的には爽やかさはなく緊張感があります。
こんな風に地中海フレイヴァーをアヴァンギャルドに料理するセンスこそバルセロナ産バンドの真骨頂ですね。
作曲は、Xavier Batlles。
静謐なタッチのピアノ、よく動くベースは、ベルギーのCOSあたりに通じる雰囲気。
瞬間的にドラムが走りだし、サックスが低域でブローを見舞うキメのパートがカッコ良し!
手数多く引き締まったドラムはこれぞジャズ・ロックで、硬質さを増してアグレッシヴにウネリを上げるベースとともにリズム隊の素晴らしさも特筆。ギターレスなので、どの曲でも縦横無尽に動くベースも聴き所ですね。
この曲は、カンタベリーやズール系のファンに是非とも聴いてもらいたい名曲!
作曲は、Victor Ammann。
最後に、スリリングに疾走するフリー・ジャズに痺れるラスト・ナンバーをピックアップ!
サックスとエレピが時にユニゾンでミニマルな上下動を繰り返したり、時にフリーキーにインタープレイを応酬したり、ここぞでは、全員一丸となって硬質なアンサンブルをキメたり、スピーディーに畳み掛ける演奏がグレイト!
作曲は、Xavier Batlles。
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いかがでしたか?
名作ぞろいのバルセロナ産ジャズ・ロックの中でも屈指と言える一枚といえますね!
ずばり地中海ジャズ・ロックの傑作!
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スペインのジャズ・ロック・グループ。75年作2nd。ジャズ・ロック/フュージョンの硬質さとラテン・フレイヴァーとが融合したスペインならではのサウンドを聴かせた1st。そんな彼らの持ち味はそのままに、よりテクニカルな硬質さが増し、グッとシャープ、そして引きの部分では格段に流麗になったのが本作2nd。HATFIELDの2ndなど、オシャレでいてテクニックも抜群なジャズ・ロックが好みであれば、絶対に気に入るでしょう。
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