【ユーロロック周遊日記】イタリアン・ヘヴィ・シンフォの代表的名作BIGLIETTO PER L’INFERNOの74年デビュー作『BIGLIETTO PER L’INFERNO』

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一日一枚ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、OSANNA、MUSEO、SEMIRAMISらと並ぶ70’sイタリアン・ヘヴィ・シンフォの名作BIGLIETTO PER L’INFERNOによる74年デビュー作『BIGLIETTO PER L’INFERNO』をピックアップいたしましょう。

BIGLIETTO PER L’INFERNOは、ミラノに近いレッコという街で72年に結成され、75年解散という短命に終わったバンド。活動期間中に2作品を製作し、2枚目は90年代に入ってから発掘されたことで知られます。

したがって、長年のファンにとってはこの74年作がこのバンドの全てだったわけですが、これが同時期に活動したOSANNAやMUSEO ROSENBACH、SEMIRAMISなど伊ヘヴィ・シンフォの名作と肩を並べる完成度を誇る一枚なんです。

その内容は、クラシカルな静謐感とハードロック的凶暴性がダイナミックに入れ替わり綴られていく、静と動の振れ幅激しいヘヴィ・シンフォニック・ロック。上に挙げた他のバンドのような分厚い音の重なりから来る大仰さはほぼ皆無で、ヘヴィな中にもどこか淡々とした表情が一貫する不思議な作風が印象に残ります。ではそんな彼らの音楽性が集約されたオープニングナンバーをお聴きください♪

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静謐でクラシカルな印象の冒頭部から、突如ヘヴィに歪んだギターが殴りこんできてダイナミックに展開していく、意外と複雑な曲構成を持つ一曲です。フルートのリリカルなフレーズや素朴なヴォーカルなどイタリアらしい要素もたっぷりと堪能させてくれるのも魅力だし、せわしなく動くにもかかわらずバタつかないリズム隊の実力もなかなかのもの。個性派揃いの伊ヘヴィ・シンフォ勢の中では比較的地に足の着いたイタリアン・ロックらしい作風とも言えるかもしれませんが、それ故イタリアン・ロック・ファンから広く愛されてきた作品でもあります。

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この13分に及ぶ大作では、より静動の振幅を増すダイナミズムみなぎるアンサンブルとともに、ヴォーカルがさらに力強くに歌い込んでおり、イタリアらしいドラマティシズムが楽しめる一曲となっています。