カケハシ・レコードです。
2023年11月のカケレコ・ベストセラーより上位ランクイン作品をご紹介いたします!
その他にも耳の肥えたカケレコ・ユーザーの皆様が今どんな作品に注目しているのか、ぜひチェックしてみてください☆
BRAND Xに参加する打楽器奏者Morris Pert & 元QUATERMASSのPeter Robinson!
涼しげかつユーモラスに音を刻むキーボード&ベースと切迫感に駆られるように叩きまくるドラムスとの強烈な対比が、唯一無二の聴き心地を生み出す英ジャズ・ロックの傑作です。
※申し訳ありませんが、人気作品につきただいま売り切れ中となります。近日中に再入荷予定です。
現アルゼンチンが誇るジャズ・ロックの注目グループ、待望の23年5thアルバムが到着!
カンタベリー・ロック憧憬のサウンドにタンゴやボサノヴァなどの南米らしいエッセンスを溶け込ませた芳醇なジャズ・ロック/フュージョン・スタイルは、本作でも一切の揺らぎなし。
美しいメロディを印象的に聴かせるパートとテクニカルに疾走するパート、その切り替わりがとにかく自然体で、リリカルな音使いのみならずこの「しなやかさ」もカンタベリー・ロックに通じる魅力です。
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C.コリア、J.ハマー、A.モレイラ、B.コブハム、R.ブレッカーetc.って、どんだけ凄い面子なのよ…。
でもそんな演奏陣に負けないくらい本人のドラマティックなピアノも素晴らしいんですよね。
71年にしてプレAOR的と言える洗練されたソングライティングも特筆!
ERIS PLUVIAやHOSTSONATENで活動するメンバーによるイタリアン・シンフォ・グループ、23年作。
アコースティックな音色を生かした柔らかく繊細なシンフォニック・ロックは、ERIS PLUVIA譲りと言えるさすがの出来栄え。
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熱量高く濃密なサウンドのイメージが強いイタリアですが、今回はリリカルでたおやかなサウンドを奏でるグループ達をご紹介します☆
10月のベストセラー第1位に輝いたこの作品もさすがの根強い人気を維持。
刺激的なデジタル音響とメランコリックなシンセやオルガンが交差するオリジナリティ溢れるキーボード・サウンド、そしてもはやギルモア以上にギルモアっぽい心震わすギターソロ。
ホメロス『オデュッセイア』にインスパイアされた23年作!
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ポーランドのみならず、現代のプログレ・シーン屈指と言えるグループMILLENIUM。デビュー20周年を迎え、活動を包括するボックスもリリースした彼らの、これまでの作品をピックアップしながら、その軌跡を追っていきます!
J.J.ケイル、レオン・ラッセル、ジェシ・エド・デイヴィス、ロジャー・ティリソンなど、後にスワンプ・ロック&ルーツ・ロックの重鎮となるメンツが集結した、アメリカン・サイケデリック・ロック名盤、67年作!
伝統楽器ケーナをはじめとするアンデス民族音楽とヘヴィ・シンフォを融合させたスタイルが魅力のペルー新鋭。
「ナスカの地上絵」をコンセプトに据えた23年作!
ヘヴィなバンド・サウンドと調和するアンデス・フォルクローレの息吹が素晴らしい~。
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アルゼンチン、ブラジルなどの大国以外にも南米には愛すべきロック/プログレ作品が存在します。その中から注目すべきアルバムをピックアップ!
ご存じジャーマン・プログレの実力派バンドが放った72年の3rdアルバム。
前作までのサイケデリックな混沌感を引き継ぎながらも、後の彼らのスタイルとなるエスノ・テイストふんだんに香るジャズ・ロック路線
を予感させる一枚となっています。
SAMURAI OF PROGの作品にも参加するブラジルのキーボーディストによる22年作。
ハモンド・オルガンをこれでもかとスリリングに弾きまくる一曲目からヴィンテージ・キーボード好きのハートを鷲掴みにしてきますよ~。
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今回取り上げるのは、70年代プログレ&ロックへの憧れと敬意を感じさせるヴィンテージなサウンドを鳴らすバンドたち。厳選してピックアップ!
エド・サリヴァン・ショーで見たビートルズの姿に衝撃を受け音楽に没頭し始めたというストーリー通り、初~中期ビートルズ的なメロディを持つサイケ・テイスト薫るフォーク・ロックを演奏。
コネチカット州の高校生トリオ、72年唯一作!
後にブランドXに加入する打楽器奏者Morris Pert、元クオーターマスの鍵盤奏者Peter Robinson、Stomu Yamash’taのバンドRED BUDDHA THEATREのベーシストAlyn Rossによるトリオ・バンド、73年唯一作。サウンド的にはクールかつほんのりユーモラスなタッチのエレピをフィーチャーしたラテン・テイストのジャズ・ロックなのですが、特筆すべきはMorris Pertによるドラム&パーカッションの異様なまでのテンションの高さ。時にはFurio Chiricoばりに叩きまくっていながら理知的な佇まいを崩さないのが特徴で、この打楽器のプレイがRETURN TO FOREVERに近接しつつも決して大らかにはならない、ただならぬ緊張感を作り出しています。全編で伸びやか且つ涼しげに音を刻むキーボード&ベースと、切迫感に駆られるように叩きまくるドラムスとの強烈な対比が、唯一無二の音世界を生み出す傑作です。
当時はまだ無名のJ.J.CALEがプロデュース&リード・ギター、Leon RussellやJesse Ed Davisをはじめ、スワンプ・ロックの名SSWのRoger Tillisonも参加した67年唯一作。後にスワンプ・シーンで名をはせるミュージシャンが結集したアメリカン・サイケデリック・ロック!
現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENIUMを率いるキーボード奏者によるプロジェクト、23年作6th。いつも文学作品を題材に作品をリリースする彼らですが、本作はホメロスによる叙事詩『オデュッセイア』にインスパイアされたという一枚。ただ歴史ロマン的要素よりはアートワークにも表現された宇宙的壮大さを追求したサウンドメイクで聴かせます。変わらぬPINK FLOYDへの憧憬を抱いたエモーショナルかつ深遠な演奏と、スタイリッシュでキャッチーな歌が見事に組み合わさった、非常に完成度の高いメロディアス・ロックをプレイ。ギタリストMarcin Kruczekによるもはやギルモア以上にギルモアっぽい心震わせるギターソロはいつもながら素晴らしく聴き所です。それでも特筆とするなら、刺激的なデジタル音響とメランコリックなシンセやオルガンを重ねてオリジナリティ溢れるキーボード・サウンドを生み出すリーダーの手腕でしょう。キーボードが中心に織り上げるサウンドのスケールにおいては、MILLENIUMの新作と言われても納得のレベルに達しています。数曲でヴォーカルを取る女性シンガーも魅力的で、どこか民族調のエキゾチズムを放つ独特の歌唱には惹きこまれること必至。もはやMILLENIUMのサイド・プロジェクトという位置づけに収まらない存在感を示す傑作です。
2014年デビュー、アルゼンチンはブエノスアイレス出身の4人組ジャズ・ロック/フュージョン・グループ、23年作5thアルバム。カンタベリー・ロック憧憬のサウンドにタンゴやボサノヴァなどの南米らしいエッセンスを溶け込ませた芳醇なジャズ・ロック/フュージョン・スタイルは、本作でも一切の揺らぎなし。ボサノヴァ・テイストで洒脱に刻むリズム・セクションに乗って、歌うようにメロディを紡ぐギター、淡く滲むエレピや柔らかいタッチのシンセを駆使してファンタジックな彩りを加えるキーボード。美しいメロディを印象的に聴かせる展開でうっとりさせたかと思うと、気づけば白熱したテクニカルなアンサンブルで疾走していたりと、変幻自在な演奏はいつもながら見事の一言です。その切り替わりがとにかく自然体で、音使いのみならずそうした演奏の「しなやかさ」もカンタベリー・ロックに通じる魅力と言えるでしょう。文句のつけどころのない南米ジャズ・ロックの傑作。カケレコメンド!
ニューヨーク州ロングアイランド出身のSSW/ピアニスト、Chick Corea/Jan Hammer/Rnady Brecker/Billy Cobham/Airto Moreira/Eddie Gomez/David Spinozza/John Tropea/John Hallなど、超の付く豪華ミュージシャンが参加した71年の2ndアルバム。そんな脇を固める演奏陣のプレイは言うに及ばず鉄壁ですが、もっとも際立つ魅力が本人によるピアノと繊細な歌声。全編を洒脱に彩るジャズの素養を感じるドラマティックなピアノ演奏、そしてAOR的と言える甘い声質の中にナイーヴさを秘めた歌声がとにかく素晴らしいです。一聴で想起するのがやはり同じピアノマンとしてビッグネームであるBilly Joelで、AORを先取りしたような洗練されたソングライティングも引けを取っていません。彼特有の美学すら感じられるようなそのサウンドは、とても20歳とは思えないほどの才能。名盤です。
ブラジル出身、CARAVELA ESCARLATE〜ARCPELAGO〜BLUE RUMBLEなどのヴィンテージなプログレ・バンドを多数率い、SAMURAI OF PROGの作品にも参加する奇才キーボーディスト、22年ソロ名義作。彼が率いてきた上記バンドに通じるヴィンテージなテイストがプンプンのキーボード・インスト・プログレを展開。ハモンド・オルガンをこれでもかとスリリングに弾きまくる一曲目からヴィンテージ・キーボード好きのハートを鷲掴みにしてきます。以降の曲ではそんなオルガンに色彩豊かなトーンで躍動するシンセや幽玄のメロトロン・ストリングスも重なり、薫り高きキーボード・サウンドを作り出していて堪りません。ジャズ・ロック的なタイトさでアンサンブルを引き締めるリズム・セクション、そして優美にもハードエッジにも自在なスタイルでキーボードに応じるギターの腕利きっぷりにも注目です。これはとにかくヴィンテージなキーボード・サウンドに心行くまで浸りたいというプログレ・ファンには持ってこいの一枚。辺境臭さは一切なく、全てのキーボード・プログレ好きに聴いてみて欲しいサウンドです。
ペルーのヘヴィー・シンフォニック・ロック・グループ、FLOR DE LOTOの2023年作。グループの結成25周年に当たる記念すべき年にリリースされた本作は、タイトルが示す通り「ナスカの地上絵」をテーマにしたロマンあふれるコンセプト・アルバムとなっています。FLOR DE LOTOの音楽性は、切れ味の鋭いメタリックなバンド・サウンドにアンデスの民族楽器であるケーナが加わるという非常に個性的なものであり、その方向性は本作においても変わりません。JETHRO TULL、あるいはイタリアン・プログレッシヴ・ロックの唾飛ばしフルートを彷彿とさせるケーナ専任奏者のダイナミックなプレイ・スタイルは、プログレッシヴ・ロック・ファンにはたまらないものでしょう。また異国情緒という点においても、ヘヴィーなバンド・サウンドの下地にアンデスのフォルクローレの息遣いを確かに感じます。なお、本作にはIRON MAIDENの「Afraid To Shoot Strangers」のカバーが収められています。辺境プログレッシヴ・ロック・リスナー必聴の1枚です!
イタリアのシンフォニック・ロック・グループERIS PLUVIAのギタリストAlessandro Serriと管楽器奏者Edmondo Romano(HOSTSONATENでも活動)を中心に結成されたプログレ・バンド、ANCIENT VEILの4作目となる2023年作。本作はラテン語で「永遠の少年」を指し、ユング心理学でも用いられる不老不死の神「プエル・アエテルヌス」をタイトルに冠したコンセプト・アルバム。ERIS PLUVIAがそうであったように、とても柔らかく繊細な印象のシンフォニック・ロックとなっており、楽曲の華やかさと、アコースティックな音色が生み出す素朴さが共存しています。イタリアのシンフォニック・ロックと言えば、BANCO DEL MUTUO SOCCORSOらから影響を受けたヘヴィー・シンフォニック・ロックが主流となっていますが、ANCIENT VEILのサウンドもまた、とてもイタリアらしさを感じさせます。なお本作には、OSSANNAのLino VairettiやFORMULA 3のTony Cicco、DERILIUMのMartin Griceらがゲスト・プレイヤーとして参加している他、20名近くのオーケストラ楽器奏者及び合唱隊が登用され、シンフォニックな音楽性に貢献しています。シンフォニック・ロック・ファンならば押さえておきたい1枚です。
米コネチカット州出身のサイケ・フォーク・トリオ、72年の唯一作。エド・サリヴァン・ショーで見たビートルズの姿に衝撃を受け音楽に没頭し始めたというストーリーの通り、初〜中期ビートルズ的なメロディを持つサイケ・テイスト薫るフォーク・ロックが中心となります。哀愁あるメロディ、線の細いジェントルなヴォーカルのほか、時折サイケデリックに弾きまくるギターにもどこか品があって、全体に英国のバンドのような陰影に彩られたサウンドが印象的です。一方で72年と言うリリース年を考慮してもなかなか懐かしい音となっており、リリースがあと5年早ければもっと注目されていただろうと思わせる一枚です。
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