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【リスナー寄稿記事】「やはりロックで泣け!」第二回 FAIRPORT CONVENTION の「Farewell, Farewell」

寄稿:ひろきさんさん

 2017年まで連載されていた舩曳さんによるコラム、「そしてロックで泣け」は丁寧に詳しく調べられていて、個人的に大いに興味を喚起されました。今回、彼の精神を受け継いで「やはりロックで泣け!」というタイトルで、様々な「泣ける音楽」を紹介したいと思います。

 今回は1969年にリリースされた彼らの4枚目のアルバム、『Liege & Lief』に収録されている「Farewell,Farewell」を取り上げたいと思います。

原曲はイギリス及びスコットランドに伝わるtraditional songsの一つ、「Fause Foodrage」です。この曲にRichard Thompsonが新たに歌詞をのせ、「Farewell, Farewell」としてまとめました。なぜ彼がこのような形で発表したのか。その理由を説明します。

 この一つ前のアルバム、『Unhalf Bricking』が発売されるまさに直前の1969年5月2日、バーミンガムのギグから帰路についていたときのことです。彼らの乗っていたvanがmotowwayで衝突事故をおこし、ドラマーであったMartin LambleとRichard Thompsonのガールフレンド、Jeannie Franklyが亡くなるという悲劇的な出来事が起こりました。残りのメンバーも重傷を負い、ほぼbandが壊滅するかもしれないという瀬戸際まで追いつめられたようです。

この時、Richard Thompsonは相当精神的にショックを受けたと推測できます。二人をlonely travellersにたとえ、二度会えない悲しみを切々と短い言葉で歌い上げています。もちろん歌うのはSandy Denny。彼女の自然とあふれでる憂いを含んだ独特の唱法には思わず涙がこぼれそうになります。キーはGで演奏しています。

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悲しい歌詞だからこそメジャーキーで表現する手法はよくあるパターンで、「蛍の光(スコットランド民謡Auld Lang Syne)」にもこの手法があてはまります。

このビデオクリップは数年前までYouTubeで視聴可能でしたが現在はなぜか視聴不可能な状態になっています。楽しそうにband メンバー全員が倉庫から楽器を野原に運び、セッティングを完了してから演奏を始めるという短い内容ですが、満面の笑みにあふれる皆の表情は今でも脳裏に焼き付いて離れません。悲しい出来事を経験したからこそあえてこのような明るい太陽の下で撮影をしたのかもしれません。

またMary Blackは1987年の作品「By the Time It Gets dark」でこの曲を歌い上げています。

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その他、Pentangleはさきほど述べた「Fause Foodrage」ではなく「Willie O’ Winsbury」という曲名にして取り上げています。Sweeney’s Men, Ann Briggs, John Renbourn等も「Willie O’ Winsbury」として録音しています。

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 なかでも個人的に最も興味を引かれたのはThe Albion Bandの「Farewell, Farewell」のヴァージョンです。

この頃、彼らはThe Albion Dance Bandと呼ばれていました。注目するのは構成メンバーで、Barry Dransfield(vocal, guitar), Ashley Huchings(bass), Dave Mattacks(drums), Andy Roberts(guitar), Martin Simpson(guitar), Doug Morter(guitar from Magna Carta)という蒼々たる顔ぶれです。このメンバーではスタジオ録音されたアルバムはありませんが、1979年のUK television special という番組での演奏をYouTubeで楽しむことができます。

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特筆すべきはBarry Dransfieldの力強いボーカルです。若干メロディラインも変え、keyは男性が歌いやすいCに変更しています。途中の控えめなギター・ソロとは対照的に彼の強力なボーカルが演奏をいっそう際だたせています。後半になるとライブ映像は途中で消え、Richard Thompsonのインタビューが挿入され終わってしまいます。わずか2分48秒ですが一部のマニアにはたまらない映像です。これはまさにロック仕様の「Farewell, Farewell」であると断言できます。

「優れたメロディは後世にも残り、歌い継がれてゆく」まさにFarewell, Farewell」こそ世界中で長く歌い継がれ、皆の心に深くしみ入り、悲しみを癒し、死者の霊を鎮めるレクイエムとならんことを願って終わりといたします。

舩曳氏のコラム「やはりロックで泣け!」も合わせてご覧ください。


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    69年発表の4th、英国トラッド・フォークの象徴する一枚

    女性ボーカリストSandy DennyとギタリストRichard Thompsonを擁し、トラッド・フォークの最高峰の1つに上げられるイギリスのグループによる69年4th。69年に彼らは3枚ものアルバムをリリースしており、本作は連続リリースの3作目となります。事故によりドラマーのMARTIN LAMBLEが急逝、DAVE MATTACKSを新ドラマーに迎え、フィドル奏者DEVE SWARBRICKも正式に加入。彼ら代表作の1つであるその内容は、前作では1曲のみだったトラッド曲をアルバム8曲中5曲まで増やし、飛躍的な発展を遂げたエレクトリック・トラッド・フォークの路線にさらに磨きをかけた記念碑的名盤となっています。英国叙情が際立ったトラッド・フォークの代表作と言えるでしょう。

  • FAIRPORT CONVENTION / UNHALFBRICKING

    英エレクトリック・トラッドの代名詞的グループ、次作と並びバンドを代表する傑作、69年3rd

    女性ボーカリストSandy DennyとギタリストRichard Thompsonを擁し、トラッド・フォークの最高峰の1つに上げられるイギリスのグループによる69年3rd。69年に彼らは3枚ものアルバムをリリースしており、本作は連続リリースの2作目となります。前作からIAN MATTHEWSが脱退しリリースされた本作は、BOB DYLANの楽曲が3曲、トラッド1曲、グループの楽曲4曲から成る彼らの代表作の1つ。前2作以上に統一感を感じさせるエレクトリック・トラッド・フォークを奏でており、Sandy Dennyの歌声の素晴らしさは説明するまでもなく、ゲストのフィドル奏者DEVE SWARBRICKによるヴァイオリンなどが自然にバンドに溶け込んだ名盤です。

    • UICY76100

      廃盤、紙ジャケット仕様、SHM-CD、デジタル・リマスター、HRカッティング、ターコイズブルー・レーベル、巻帯付き仕様、定価2667+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

  • FAIRPORT CONVENTION / WHAT WE DID ON OUR HOLIDAYS

    ヴォーカルにサンディ・デニーを迎えた69年2nd

    サンディー・デニーを迎え制作された2ndアルバム。68年作。彼女の儚くも凛としたヴォーカルは別格の美しさで、「FOTHERINGAY」などコンポーザーとしても一流。そんな彼女の加入が化学反応を引き起こしたのか、リチャード・トンプソンもギタリスト/コンポーザーとして見事にその才能を開花させています。楽曲、演奏とも新人離れした風格すら感じさせる出来栄えで、英国フォークロックを代表するグループとしての地位を早くも確立した名作。

  • FAIRPORT CONVENTION / ANGEL DELIGHT

    71年作6th

  • FAIRPORT CONVENTION / BABBACOMBE LEE

    英フォーク・ロックの代表格、71年7th、19世紀に起きた殺人事件の犯人の半生をモチーフにしたコンセプト作

    英フォーク・ロックの代表格、71年7th。Sandy Denny、Richard Thompsonが抜け、4人編成となった時期の作品。殺人事件の犯人の半生をモチーフにしたコンセプト作。重い題材を扱っていながら、カントリー・ロックの影響も感じさせる親しみやすい楽曲群で構成。フィドル奏者Dave Mattacksが主導権を握り、男所帯ならではの温もりを感じさせるフォーク・ロックに仕上がっています。伸びやかなヴォーカル、表情豊かにスイングするフィドルを中心として、哀感を漂わせるアコーステイッック・ギター、幽玄なダルシマー、整然としたリズム隊などが一丸となり締まった演奏を展開。心浮き立つような軽快なアンサンブルを奏でており、素朴な男声コーラスと溶け合う様は心地よくリラックスさせてくれます。ピリピリした緊張感を持っていた「LIEGE & LIEF」「FULL HOUSE」の時期とは異なる、朗らかな魅力に溢れるこの時期のフェアポートも良いです。

  • FAIRPORT CONVENTION / HISTORY OF FAIRPORT CONVENTION

    72年リリースのベスト・アルバム、全18曲

  • FAIRPORT CONVENTION / NINE

    ブリティッシュ・フォークの重要グループ、73年9th

    73年作の9thアルバム。本作でのメンバーは、前作「Rosie」と同じく、トレヴァー・ルーカス(Ag、Vo)、ジェリー・ドナヒュー(Eg、Ag)、デイヴ・スウォーブリック(Vln、Mdln、Vo)、デイヴ・マタックス(Dr)、デイヴ・ペッグ(B、Vo)。肩の力の取れた、穏やかで軽快なトラッド/フォーク・ロックが心地よい好盤。

  • FAIRPORT CONVENTION / ROSIE

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    L.A.で行われた70年9月4日〜6日にかけてのライヴ音源、86年発表

  • FAIRPORT CONVENTION / HEYDAY

    68年から69年にかけてのBBC音源集

  • FAIRPORT CONVENTION / HEYDAY BBC SESSIONS 1968-69

    イアン・マシューズとサンディ・デニーのツイン・ヴォーカル体制だった68年から69年にかけてのBBC音源

    イアン・マシューズとサンディ・デニーのツイン・ヴォーカル体制だった68年から69年にかけてのBBC音源。カヴァー曲中心ながら、その演奏はフェアポートそのままで、リチャード・トンプソン、サイモン・ニコル、アシュリー・ハッチングスが極めつけの名演を繰り広げています。イアンとサンディによるヴォーカルもたいへん素晴らしく、特に2人が掛け合う曲ではあまりの存在感に鳥肌が立ちます。トラッドがあまり肌にあわない方でも本作はおすすめできます。

  • FAIRPORT CONVENTION / WHAT WE DID ON OUR HOLIDAYS – AN INTRODUCTION TO FAIRPORT CONVENTION

    99年編集盤

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  • MARY BLACK / LIVE

    アイルランドの国民的女性歌手、ライヴ名盤

    • MPDV02

      デジパック仕様、スリップケース付き、CD+DVDの2枚組、NTSC方式・リージョンフリー、帯元から無し、定価3300

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯-

      DVDは無傷〜傷少なめ、CDは小さい傷あり

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  • PENTANGLE / LIGHT FLIGHT THE ANTHOLOGY

    00年編集のアンソロジー、全31曲

  • PENTANGLE / SWEET CHILD

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    68年作の2ndアルバム。68年6月29日、ロンドン・ロイヤル・フェスティヴァル・ホールでのライヴ音源とスタジオ録音音源。各プレイヤーの息遣いが聴こえてきそうな研ぎ澄まされた演奏はライヴでも変わることなく、当時の張り詰めた空気が時代を越えてこちらにピシピシ伝わってきます。名作。

  • PENTANGLE / REFLECTION

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    ルーツに立ち返った前作の延長線上にありながらも、アメリカン・フォークにも接近をみせた5作目。71年作。メンバー間の確執が噂された時期だが、その舞台裏をかんじさせないくつろいだ穏やかな雰囲気を感じさせる一枚。

  • PENTANGLE / LIVE AT THE BBC

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  • PENTANGLE / LIVE ON AIR 1967-1969

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