2022年10月20日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
今日はジェネシスの2ndアルバム『TRESPASS(侵入)』がお好きな方に聴いて欲しいアルバムをセレクトしていきたいと思います。
『TRESPASS』と言えば「The Knife」という強烈な一曲こそ聴けるものの、まだ比較的落ち着いた楽曲が大半を占めていて、ジェネシス特有の寓話的な世界観が開花しきる前という印象ですよね。
その意味でも後の作品と比べ注目度は高くない作品ですが、アンサンブルが纏う幻想的な美しさにかけては全アルバムでも屈指ではないかと思います。
今回はそんな『TRESPASS』を手本にしたようなサウンドが聴けるプログレをご紹介!
1stのサイケ・ポップ路線から一転、繊細でリリシズム溢れるGENESISらしいサウンドが顔を見せた2ndアルバム。
まどろみを誘うギターと格調高いオルガンのコンビが素晴らしく、これほどまでにデリケートなロック・サウンドが当時他にあったのだろうかとさえ思ってしまいます。
そんなデリケートさをひっくり返す最終曲「The Knife」がこれまた痛快!
21年にリマスターが施されてバンドのレーベルよりリイシューされたのが「オーストリアのジェネシス」の異名を持つこのバンドによる名盤!
「オーストリアのジェネシス」とも称される、この幻のシンフォ・グループをご存知?
緩急の効いた表情に富むリズム隊、オルガン・メロトロン・シンセが渦巻く迫力あるキーボードワーク、ハケット・リスペクトの繊細なトーンの優雅なギターが織りなす演奏からは、『TRESPASS』『NURSERY CRYME』あたりのジェネシスを手本にしたのが伝わってきます。
ややバタバタした印象もいかにも最初期ジェネシスっぽくて良い~。
ついでにKYRIE ELEISONの後身グループと言えるこちらもご紹介☆
KYRIE ELEISONは知っていても、その後継グループと言えるこのバンドは知ってた?
こちらは『TRESPASS』っぽさはありませんが、IQやPENDRAGONら同時期の英ポンプ/ネオ・プログレに近い質感のメロディアス・プログレが爽快。
もし英国のバンドならきっと相当な評価を受けていたのではないかと思わせる完成度です!
現ジェネシス・フォロワーの宝庫と言ったらイタリア。とっておきの2枚をセレクト。
現イタリアのジェネシス・フォロワー筆頭格、21年作!
『TRESPASS』や『WIND AND WUTHERING』あたりの格調高い幻想美を帯びたジェネシスを受け継ぐ、しっとりリリカルに紡がれるサウンドに心奪われます。
もちろん相変わらずピーガブにそっくり過ぎるヴォーカルも聴き所ですよ~♪
上のWATCHと双璧を成すイタリアのジェネシス・フォロワー・バンドMOONGARDENから派生したバンドですが、とりあえず本作の1曲目は全てのジェネシス好きに聴いて欲しい大大名曲。
リスペクトの深さがもう半端ないです。
『TRESPASS』ファンには、浮遊感あるリリカルなサウンドにグッとくる2曲目や5曲目をお楽しみいただきたい!
いかがだったでしょうか。
気になる作品を見つけていただけましたら幸いです!
お時間ありましたら、ジェネシス関連記事も合わせてお楽しみください☆
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1969年からちょうど50年を記念して、70年代を代表する名バンドによる69年リリースのデビュー作をピックアップ。第二弾は3月7日にリリースされたジェネシスの1st『From Genesis To Revelation(創世記)』!
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音楽ライター後藤秀樹氏による連載コラム「COLUMN THE REFLECTION」!5大プログレ・バンドをテーマにした第3回目は、最後のバンドであるGENESISを取り上げます。
GENESIS系イタリアン・シンフォの名バンドMOONGARDENのギタリストとキーボーディストが結成した別働グループ、待ちに待った2020年4thアルバム。まずはとにかくこの1曲目を聴いて欲しい!Hackettそのものな繊細なタッチのアコギに、声質・抑揚までPeter Gabrielのヴォーカルが歌声を重ね、シンセが彼方から薄もやのように広がっていくと、幽玄のメロトロンも交えGENESIS憧憬のシンフォニック・ロックがゆったり立ち上がっていきます。一音一音が気品に満ちた輝かしいエレキギターのソロもHackettの客演かと思う完成度。醸し出されるあのデリケートな幻想美までも再現した、まるで発掘された初期GENESISの未発表曲だと言われてもまったく不思議に思わないほどのクオリティにびっくりします。古今東西のGENESISフォロワー達の中でも、最も深いところまでGENESISリスペクトを示したサウンドと言って間違いないでしょう。『TRESPASS』収録曲や名曲「ENTANGLED」に通じる浮遊感あるリリカルなサウンドにグッとくる2曲目や5曲目、GENESIS憧憬はそのままにオルガンやギターが切れのあるダイナミックな掛け合いで疾走する3曲目など、他のナンバーもGENESISを下地にドラマチックなサウンドを構築していて素晴らしいです。1曲目を筆頭に、初期GENESISファンならば「よくぞここまで…」と拍手を送りたくなるはず。傑作!
現イタリアのジェネシス系シンフォ・バンドの筆頭格と言える彼らの21年作8th。勿論今作も変わらぬジェネシス愛っぷりが堪能できる作品ですが、『FOXTROT』『SELLING ENGLAND BY THE POUND』などのガブリエル期全盛の作品よりは『TRESPASS』や『WIND AND WUTHERING』あたりの格調高い幻想美を帯びたジェネシス・サウンドを志向している印象。まどろみを誘う淡いアコースティック・ギターの調べに流麗に絡むオルガンとピアノ、そしてそれらを包み込むようにゆったりと流れゆくメロトロン。あえて派手な展開を抑え、上記ジェネシス作品を思わせるしっとりとリリカルで格調高いサウンドを目指しているようで、他のジェネシス・フォロワーとは一線を画するスタイルを打ち出していると言っていいでしょう。そんな中にあってもPeter Gabrielにそっくり過ぎるヴォーカルにはやはりニンマリとしてしまいます。ジェネシス的世界観を壊さない程度にセンス良く散りばめられたエレクトロニックなアレンジも特徴で、ただのジェネシス・フォロワーに終わらない仕掛けも見事。『TRESPASS』『WIND AND WUTHERING』などしっとりめのジェネシス作品が特にお好きという方には是非聴いて欲しいです!
「オーストリアのGENESIS」と云われたシンフォ・グループKYRIE ELEISONのキーボーディストGerald KramplとベーシストNorbert Morinが結成したグループの84年1stアルバム。GENESIS憧憬を帯びたサウンドを鳴らしている点はKYRIE ELEISONに通じますが、甘いシンセのトーンや電子ドラムの使用に84年という時期が反映されており、IQやPENDRAGONら同時期の英ポンプ/ネオ・プログレに近い質感のメロディアス・プログレとなっています。Phil Collinsばりのタム回しで派手に打ち鳴らす電子ドラムに乗って、華やかな音色のシンセとギターがファンタジックに交歓し、少しPeter Gabrielに似たヴォーカルが伸びやかに歌う、爽やかに駆け抜けるサウンドがとても心地いいです。KYRIE ELEISON時代からの特色だった、クラシカルなピアノを印象的に聴かせる叙情ナンバーも素晴らしい。もしこれが英国のバンドによる作品なら、ネオ・プログレの名盤として語り継がれていたであろう完成度です。GENESISファンは勿論、MARILLION、IQ、PENDRAGONファンにも聴いて欲しい名品!
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