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<ロック黄金時代回想企画>1969年デビュー・アルバム特集Vol.2 ー GENESIS『FROM GENESIS TO REVELATION』

こんにちは。スタッフ佐藤です。

前回、レッド・ツェッペリンの1stアルバムからスタートした連載特集「ロック黄金時代回想企画【1969】」。

ちょうど今から50年前、ロックが多様なスタイルへと細分化していく転換期と言えた1969年に着目し、ロック史に名を残す重要アーティスト達による69年デビューアルバムを連載形式で取り上げていきます。

第2回は、1969年3月7日にリリースされたジェネシスの1stアルバム『From Genesis To Revelation(創世記)』に注目いたしましょう。

アルバムデビューまでの経緯

英国有数のエリート私立校であるサリー州のチャーターハウス・スクール。
同校で活動していた2バンドAnonとGarden Wallにそれぞれ在籍していた5人、アンソニー・フィリップスマイク・ラザフォード(Anon組)、ピーター・ガブリエルトニー・バンクスクリス・スチュワート(Garden Wall組)が、両バンド解散後に合流したのがジェネシスの数十年に及ぶ歴史の起源になります。

同校は学費が非常に高く裕福な家庭の子供でなければ入学できないことで知られ、所謂おぼっちゃま校でした。当然5人も不自由ない生活環境で音楽に親しみながら育っており、特にガブリエルは曾祖父母の叔父に当たるトーマス・ガブリエル男爵がロンドン市長を務めた人物であったりと、由緒ある家柄の子息に当たります。(ちなみにラザフォードは素行不良により退学処分を受けたとの情報もあり。)

Anon解散後も曲を共作していたラザフォードとフィリップスが、それをデモ録音する段階になった67年頃に、ガブリエル、バンクス、スチュワートを誘って5人が揃います。

デモ音源を制作した彼らは、本格的なレコーディングを行うにあたり、同校の卒業生であり65年に「Everyone’s Gone to the Moon」で英チャートのTOP5ヒットを飛ばしたジョナサン・キングを頼ることに。ジョナサン・キングは後に10ccを世に送り出した功績でも知られる人物です。

デモテープを聴いたキングはすぐに興味を示し、彼の口利きもあって67年にバンドはデッカ・レコードとの契約を獲得します。

同年にバンドはシングルリリースを目指しレコーディングを敢行。彼らは当初、長く複雑な構築性を持った楽曲を志向しレコーディングしていたものの、プロデューサーに就任したキングがよりポップな音楽性を求めたことから、彼のお気に入りバンドだったビー・ジーズに近いサウンドへと路線変更します。そうしてガブリエルとバンクスが書き上げたのが、1stシングルにしてデビューアルバムにも収録された「Silent Sun」でした。なおこの時期に、幾度もの改名を経てようやくバンド名が「GENESIS」に固まります。

68年にリリースされた「Silent Sun」はBBCラジオで何度か取り上げられるなどしましたが、注目を集めるには至らず。さらに2ndシングル「A Winter’s Tale」をリリースするものの、こちらも鳴かず飛ばずの結果に終わります。

同年、学業に専念するためにクリス・スチュワートがバンドを脱退し、メンバーと同じくチャーターハウス・スクールの学生だったジョン・シルバーが新ドラマーに就任。

プロデューサーのキングは、アルバムを発表すれば成功に繋がるはずと考え、ジェネシスは68年の夏にデビュー・アルバムの制作に乗り出します。




1stアルバム『From Genesis To Revelation(創世記)』

さて、プログレ好きであれば多くの方がご承知のように、この1stアルバム、初期ジェネシスの持ち味である「演劇要素を取り入れた格調高くドラマ性の高いサウンド」とはほぼ無縁と言っていい、R&B風味を帯びたポップ・アルバムとなっています。

デッカからの効果的なプロモーションが得られなかった事、アメリカに同名バンドがいたことからバンド名をアルバムに表記出来なかった事、またその厳かなアルバムタイトルと黒一色のジャケデザインによって販売店がロック/ポップスではなく宗教音楽の棚に置いてしまうなど、様々な要因も災いして当時わずか650枚しか売れなかったとも云われますね。

と言ったって、結局のところ出来が良くなかったんでしょ?と思われるかもしれませんが、実際のところそんなことは全然ないんですよね。
むしろ、69年産ポップ・アルバムとしてなかなか秀逸な作品であると個人的には言いたいところです。

Where the Sour Turns to Sweet

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アルバム冒頭を飾るのがR&Bテイスト濃厚なこの曲。ビー・ジーズは勿論、流麗なオーケストラ・アレンジもあってゾンビーズの『Odessey & Oracle』も思い起こさせるサウンドとなっています。バンクスの華のあるピアノのプレイ、そしてまだ”あの”アクの強い独自のスタイルを確立前のスウィートな歌いぶりが意外と魅力的なガブリエルのヴォーカルが聴きものです。また、2曲目「In the Beginning」に入る直前の、オルガンによると思われるまるでピンク・フロイドのような緊張感あるパートは、アート・ロック・バンドとしての鋭敏な感性を示すものでしょう。

Fireside Song

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オーケストラがかなり出張っているのは気になるものの、初期ジェネシスらしいリリカルな表現力の萌芽が感じられる名品。相変わらずガブリエルの落ち着きあるたおやかな歌唱がいいですが、丹念にストロークするフィリップスのアコースティックギターの繊細な音色もさすがです。メンバーに無断でアルバムにオーケストラ・アレンジが追加されたことに対して、特にフィリップスが激怒したそうですが、この曲なんて最たるものかもしれません。

In Limbo

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個人的に最も推したいのがこのナンバー。1曲目に通じるR&B調を含む曲なのですが、ファンタジックで軽やかなメロディが何より良いし、珍しいエレキギターによるサイケなプレイを交えたドラマチックなエンディングがまたカッコいいんですよね。またラザフォードの密度の高いベースプレイにも注目です。レイト60s英サイケ・ポップの名曲と言っていいはず!

Silent Sun

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記念すべきジェネシスのデビュー曲で、牧歌的な温かみが広がるフォーキー・ポップ。他の曲に比べるとオーケストラが最も馴染んでいて心地よく響きます。普通にいい曲なのですが、シングルとしてはややインパクトに欠けたのかもしれません。





うん、やっぱり悪くない!クラシカル要素とR&B/ビート要素を融合したポップスとして、さっきも挙げたゾンビーズ『Odessey & Oracle』と同じ感覚で楽しめる作品であるのは間違いありません。

プログレ・バンドという認識さえ一旦外して耳を傾ければ、グルーヴィさと繊細さを兼ね備えた本作ならではの味わいが魅力的に感じられるのではないでしょうか。

あと、ピーガブのあのアクの強いヴォーカルがちょっと苦手…という方が聴けば、素朴に歌う彼の新鮮な一面を目の当たりにできるかも。


その後のジェネシス

本作の商業的な失敗を受けて、デッカ及びジョナサン・キングはジェネシスとの契約を打ち切ります。

音楽の世界で成功することの難しさを痛感すると共に、キングの意向を考慮するあまり全面的に路線を変えてしまったことへの後悔もあったという当時の彼ら。当初の構想であった長尺の複雑な構成を持つサウンドを復活させ、アート・ロック・バンド/プログレッシヴ・ロック・バンドとして再出発を図ります。

その後、設立されたばかりだったカリスマ・レーベルと契約を結び、早くも翌70年に発表された『TRESPASS(侵入)』が、従来のポップ路線を脱却し独自のアーティスティックな世界観を提示した力作であるのはご存じの通りです。

果たして、デビューアルバム『From Genesis To Revelation』の存在なくしてその後のジェネシスはなかった、とまで言えるかはわかりません。
しかし、彼らがプロ・ミュージシャンとして覚醒し、自分たちの感性に従って音楽制作をおこなうきっかけとなった点で、重要な作品と見なすことができるのではないでしょうか。


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  • GENESIS / FROM GENESIS TO REVELATION

    69年デビュー作

    69年に発表された1stアルバム。次作「TRESPASS」が実質的な1stアルバムであるとよく言われているように、本作で聴けるのは後のプログレッシヴ・ロックとは音楽的に異なるポップ作品。ただエコーに包まれたメロディアスな楽曲群には、後に爆発する彼らのファンタスティックな感性がたしかに感じられます。

  • GENESIS / FOXTROT

    72年発表4th、「Watchers Of The Skies」「Suppers Ready」などの代表曲を収録

    Peter Gabrielによる味わい豊かなしゃがれ気味のボーカルと、演劇的に彩られたステージ・パフォーマンスが独特の存在感を放ち、数多くのフォロワーに受け継がれ、現在に至るまで脈々とプログレッシブ・ロックシーンに息づいているイギリスのグループの72年4th。プログレッシブ・ロックの代名詞のひとつであるメロトロンのロング・トーンで幕を開ける本作は、定番曲「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ」、そして20分を超える名曲「サパーズ・レディ」を収録しPeter Gabriel期GENESISのサウンドを確立させた名作であり、「幻惑のブロードウェイ」と並ぶ彼らの代表作の1つ。寓話的幻想性を持ったシアトリカル・ロックの最高峰です。

  • GENESIS / SELLING ENGLAND BY THE POUND

    溢れんばかりの英国叙情に満たされた73年リリースの5th、これぞ初期GENESISの魅力が凝縮された大名作!

    Peter Gabrielによる味わい豊かなしゃがれ気味のボーカルと、演劇的に彩られたステージ・パフォーマンスが独特の存在感を放ち、数多くのフォロワーに受け継がれ、現在に至るまで脈々とプログレッシブ・ロックシーンに息づいているイギリスのグループの73年5th。Peter Gabriel期GENESISの作品の中でも非常に英国然とした湿り気と気品に溢れた作品であり、ジャケットの通り温かみのあるサウンドを構築しています。「ダンシング・ウィズ・ザ・ムーンリット・ナイト」や「ファース・オブ・フィフス」といった代表曲も収録されており、前作「FOXTROT」に負けず劣らずの傑作となっています。

  • GENESIS / LAMB LIES DOWN ON BROADWAY

    ガブリエル在籍期最終作となった74年リリースの6th、コンセプト・アルバムの大名作!

    Peter Gabrielによる味わい豊かなしゃがれ気味のボーカルと、演劇的に彩られたステージ・パフォーマンスが独特の存在感を放ち、数多くのフォロワーに受け継がれ、現在に至るまで脈々とプログレッシブ・ロックシーンに息づいているイギリスのグループの74年6th。Peter Gabriel在籍期最後のアルバムとなる本作はマンハッタンを舞台に繰り広げられる、ラエルという男性を主人公にしたコンセプト・アルバムであり、Peter Gabriel期GENESISの集大成となった問題作。前作までのファンタジックなジャケットから一転、ヒプノシスによるジャケットを採用し、それまでの寓話的な幻想性は後退していますが、Peter Gabrielのシアトリカルなボーカルは健在であり、聴く者を文字通り幻惑の世界に誘います。

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    ジャケット通りの幻想的なシンフォニック・ロックを聴かせる傑作8th、76年リリース

    前作に続き、フィル・コリンズをフロントに据えた4人体制で制作された、プログレッシヴ・ロック期の最後の作品とも称される通算8作目のオリジナル・アルバム。ピーター・ガブリエル在籍時の神秘性こそ薄れたものの、彼ららしいファンタジックな世界観を美しくも格調高いサウンドで聴かせるクオリティの高い作品。

    • VJCP68099

      紙ジャケット仕様、初回盤(Virgin祭マーク入り)、解説元から無し、歌詞対訳・ファミリーツリー付仕様、定価2548

      盤質:全面に多数傷

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    • VJCP68901/2

      廃盤希少!紙ジャケット仕様、2枚組、09年デジタル・リマスター/リミックス、定価3,495+税

      盤質:全面に多数傷

      状態:並

      帯有

      カビあり、帯に若干汚れあり、盤に目立つキズあり

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    • 825212ATLANTIC

      廃盤希少、紙ボックスケース入り、25ページ・ブックレット付き、ゴールドCD、マスターテープからのリマスター

      盤質:傷あり

      状態:良好

      ボックスケースに圧痕あり

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