プログレッシヴ・ロックの中古CD豊富!プログレ、世界のニッチ&ディープな60s/70sロック専門ネットCDショップ!

プログレ、60s/70sロックCDのネット通販/買取

24時間以内発送(土・日・祝は翌営業日)、6,000円以上送料無料

<ロック黄金時代回想企画>1969年デビュー・アルバム特集Vol.2 ー GENESIS『FROM GENESIS TO REVELATION』

こんにちは。スタッフ佐藤です。

前回、レッド・ツェッペリンの1stアルバムからスタートした連載特集「ロック黄金時代回想企画【1969】」。

ちょうど今から50年前、ロックが多様なスタイルへと細分化していく転換期と言えた1969年に着目し、ロック史に名を残す重要アーティスト達による69年デビューアルバムを連載形式で取り上げていきます。

第2回は、1969年3月7日にリリースされたジェネシスの1stアルバム『From Genesis To Revelation(創世記)』に注目いたしましょう。

アルバムデビューまでの経緯

英国有数のエリート私立校であるサリー州のチャーターハウス・スクール。
同校で活動していた2バンドAnonとGarden Wallにそれぞれ在籍していた5人、アンソニー・フィリップスマイク・ラザフォード(Anon組)、ピーター・ガブリエルトニー・バンクスクリス・スチュワート(Garden Wall組)が、両バンド解散後に合流したのがジェネシスの数十年に及ぶ歴史の起源になります。

同校は学費が非常に高く裕福な家庭の子供でなければ入学できないことで知られ、所謂おぼっちゃま校でした。当然5人も不自由ない生活環境で音楽に親しみながら育っており、特にガブリエルは曾祖父母の叔父に当たるトーマス・ガブリエル男爵がロンドン市長を務めた人物であったりと、由緒ある家柄の子息に当たります。(ちなみにラザフォードは素行不良により退学処分を受けたとの情報もあり。)

Anon解散後も曲を共作していたラザフォードとフィリップスが、それをデモ録音する段階になった67年頃に、ガブリエル、バンクス、スチュワートを誘って5人が揃います。

デモ音源を制作した彼らは、本格的なレコーディングを行うにあたり、同校の卒業生であり65年に「Everyone’s Gone to the Moon」で英チャートのTOP5ヒットを飛ばしたジョナサン・キングを頼ることに。ジョナサン・キングは後に10ccを世に送り出した功績でも知られる人物です。

デモテープを聴いたキングはすぐに興味を示し、彼の口利きもあって67年にバンドはデッカ・レコードとの契約を獲得します。

同年にバンドはシングルリリースを目指しレコーディングを敢行。彼らは当初、長く複雑な構築性を持った楽曲を志向しレコーディングしていたものの、プロデューサーに就任したキングがよりポップな音楽性を求めたことから、彼のお気に入りバンドだったビー・ジーズに近いサウンドへと路線変更します。そうしてガブリエルとバンクスが書き上げたのが、1stシングルにしてデビューアルバムにも収録された「Silent Sun」でした。なおこの時期に、幾度もの改名を経てようやくバンド名が「GENESIS」に固まります。

68年にリリースされた「Silent Sun」はBBCラジオで何度か取り上げられるなどしましたが、注目を集めるには至らず。さらに2ndシングル「A Winter’s Tale」をリリースするものの、こちらも鳴かず飛ばずの結果に終わります。

同年、学業に専念するためにクリス・スチュワートがバンドを脱退し、メンバーと同じくチャーターハウス・スクールの学生だったジョン・シルバーが新ドラマーに就任。

プロデューサーのキングは、アルバムを発表すれば成功に繋がるはずと考え、ジェネシスは68年の夏にデビュー・アルバムの制作に乗り出します。




1stアルバム『From Genesis To Revelation(創世記)』

さて、プログレ好きであれば多くの方がご承知のように、この1stアルバム、初期ジェネシスの持ち味である「演劇要素を取り入れた格調高くドラマ性の高いサウンド」とはほぼ無縁と言っていい、R&B風味を帯びたポップ・アルバムとなっています。

デッカからの効果的なプロモーションが得られなかった事、アメリカに同名バンドがいたことからバンド名をアルバムに表記出来なかった事、またその厳かなアルバムタイトルと黒一色のジャケデザインによって販売店がロック/ポップスではなく宗教音楽の棚に置いてしまうなど、様々な要因も災いして当時わずか650枚しか売れなかったとも云われますね。

と言ったって、結局のところ出来が良くなかったんでしょ?と思われるかもしれませんが、実際のところそんなことは全然ないんですよね。
むしろ、69年産ポップ・アルバムとしてなかなか秀逸な作品であると個人的には言いたいところです。

Where the Sour Turns to Sweet

試聴 Click!

アルバム冒頭を飾るのがR&Bテイスト濃厚なこの曲。ビー・ジーズは勿論、流麗なオーケストラ・アレンジもあってゾンビーズの『Odessey & Oracle』も思い起こさせるサウンドとなっています。バンクスの華のあるピアノのプレイ、そしてまだ”あの”アクの強い独自のスタイルを確立前のスウィートな歌いぶりが意外と魅力的なガブリエルのヴォーカルが聴きものです。また、2曲目「In the Beginning」に入る直前の、オルガンによると思われるまるでピンク・フロイドのような緊張感あるパートは、アート・ロック・バンドとしての鋭敏な感性を示すものでしょう。

Fireside Song

試聴 Click!

オーケストラがかなり出張っているのは気になるものの、初期ジェネシスらしいリリカルな表現力の萌芽が感じられる名品。相変わらずガブリエルの落ち着きあるたおやかな歌唱がいいですが、丹念にストロークするフィリップスのアコースティックギターの繊細な音色もさすがです。メンバーに無断でアルバムにオーケストラ・アレンジが追加されたことに対して、特にフィリップスが激怒したそうですが、この曲なんて最たるものかもしれません。

In Limbo

試聴 Click!

個人的に最も推したいのがこのナンバー。1曲目に通じるR&B調を含む曲なのですが、ファンタジックで軽やかなメロディが何より良いし、珍しいエレキギターによるサイケなプレイを交えたドラマチックなエンディングがまたカッコいいんですよね。またラザフォードの密度の高いベースプレイにも注目です。レイト60s英サイケ・ポップの名曲と言っていいはず!

Silent Sun

試聴 Click!

記念すべきジェネシスのデビュー曲で、牧歌的な温かみが広がるフォーキー・ポップ。他の曲に比べるとオーケストラが最も馴染んでいて心地よく響きます。普通にいい曲なのですが、シングルとしてはややインパクトに欠けたのかもしれません。





うん、やっぱり悪くない!クラシカル要素とR&B/ビート要素を融合したポップスとして、さっきも挙げたゾンビーズ『Odessey & Oracle』と同じ感覚で楽しめる作品であるのは間違いありません。

プログレ・バンドという認識さえ一旦外して耳を傾ければ、グルーヴィさと繊細さを兼ね備えた本作ならではの味わいが魅力的に感じられるのではないでしょうか。

あと、ピーガブのあのアクの強いヴォーカルがちょっと苦手…という方が聴けば、素朴に歌う彼の新鮮な一面を目の当たりにできるかも。


その後のジェネシス

本作の商業的な失敗を受けて、デッカ及びジョナサン・キングはジェネシスとの契約を打ち切ります。

音楽の世界で成功することの難しさを痛感すると共に、キングの意向を考慮するあまり全面的に路線を変えてしまったことへの後悔もあったという当時の彼ら。当初の構想であった長尺の複雑な構成を持つサウンドを復活させ、アート・ロック・バンド/プログレッシヴ・ロック・バンドとして再出発を図ります。

その後、設立されたばかりだったカリスマ・レーベルと契約を結び、早くも翌70年に発表された『TRESPASS(侵入)』が、従来のポップ路線を脱却し独自のアーティスティックな世界観を提示した力作であるのはご存じの通りです。

果たして、デビューアルバム『From Genesis To Revelation』の存在なくしてその後のジェネシスはなかった、とまで言えるかはわかりません。
しかし、彼らがプロ・ミュージシャンとして覚醒し、自分たちの感性に従って音楽制作をおこなうきっかけとなった点で、重要な作品と見なすことができるのではないでしょうか。


<ロック黄金時代回想企画>1969年デビュー・アルバム特集Vol.1 ー LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』

【関連記事】

<ロック黄金時代回想企画>1969年デビュー・アルバム特集Vol.1 ー LED ZEPPELIN『LED ZEPPELIN』

1969年からちょうど50年を記念して、70年代を代表する名バンドによる69年リリースのデビュー作をピックアップ。第一弾はハード・ロック時代の幕開けを告げた伝説のデビュー作、LED ZEPPELINの『LED ZEPPELIN』!

GENESISの在庫

  • GENESIS / VIDEO SHOW

    プロモーション・ビデオ集

  • GENESIS / LIVE OVER EUROPE

    07年欧州ツアーからのベストテイクを収録

  • GENESIS / R-KIVE

    14年リリース、各メンバーのソロからも収録したオールタイム・ベスト、全37曲

  • GENESIS / MANY FACES OF GENESIS(3CD)

    ジェネシス・メンバーやサポート・メンバーのソロ/別バンドの楽曲を集めたコンピレーション、15年リリース

  • GENESIS / LOST RADIO RECORDINGS (BBC SESSIONS 1970-1972)

    70年〜72年のBBC音源集、全12曲

  • GENESIS / BBC BROADCASTS

    23年リリース、BBCによる70〜92年のライヴ・ブロードキャスト音源集!

  • GENESIS / LIVE 1972/1973

    72年3月20日ベルギーのTV局におけるスタジオ・ライヴ音源、73年1月10日のパリ公演のライヴ音源を収録

  • GENESIS / LIVE IN THE UK 1973

    73年2月25日、全英ツアーよりレスター公演を収録!

  • GENESIS / NURSERY CRYME

    寓話的幻想性が彩る孤高の世界観が極まった71年作3rd

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1971年に発表されたサード・アルバム『怪奇骨董音楽箱』は、ギタリストにSteve Hackett、ドラマーにPhil Collinsが加入し、ついに黄金期のメンバーが揃った作品。「プログレッシヴ・ロック・バンド」GENESISの傑作の森の入り口にあたるアルバムであり、後に「プログレッシヴ・ロック史上最も英国的なバンド」と呼ばれる彼らの個性が芽吹いた名盤です。アルバム・タイトルの「Nursery Cryme」は「童謡」を意味する「Nursery Rhyme」から作られた造語。Paul Whiteheadが手掛けた印象的なジャケット・アートは、「クリケットで遊ぶ少女が、一緒に遊んでいた少年の頭をクリケットのバットで吹き飛ばす」という、アルバム1曲目「ザ・ミュージカル・ボックス」のストーリーを描写したもの。次作『フォックストロット』と並んでGENESIS入門に最適なアルバムのひとつです。

  • GENESIS / FOXTROT

    72年発表4th、「Watchers Of The Skies」「Supper’s Ready」などの代表曲を収録

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1972年に発表された4枚目のスタジオ・アルバム『フォックストロット』は、キーボーディストTony Banksによるメロトロンのクラシカルなイントロが有名な「ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ」で幕を開ける作品。GENESISの最高傑作に推すファンも多いアルバムですが、やはり「プログレッシヴ・ロック期GENESIS」の代表曲として名高い「サパーズ・レディ」が収められていることがポイントでしょう。セカンド・アルバム『侵入』でプログレッシヴ・ロックに舵を切り、サード・アルバム『怪奇骨董音楽箱』で蓄えた経験が、20分を超える大曲にすべて注ぎ込まれています。全英アルバムチャート12位を記録した名盤であり、シンフォニック・ロックへの登竜門的な作品です。

  • GENESIS / SELLING ENGLAND BY THE POUND

    溢れんばかりの英国叙情に満たされた73年リリースの5th、これぞ初期GENESISの魅力が凝縮された大名作!

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1973年に発表された5枚目のスタジオ・アルバム『月影の騎士』は、全英3位、全米70位に輝いた傑作。Peter Gabrielのアカペラで厳かに幕を開ける「Dancing With The Moonlit Knight」から、シングル・ヒットとなった「I Know What I Like」、シンフォニック・ロックのお手本と呼ぶべき傑作 「Firth Of Fifth」、Phil Collinsがヴォーカルを務める「More Fool Me」、シアトリカル・ロックの色濃い「The Battle Of Epping Forest」、キーボーディストTony BanksとギタリストSteve Hackettのアコースティック・アンサンブルが美しい「After The Ordeal」、そして、Tony Banksのキーボード・オーケストレーションに鳥肌さえおぼえる「The Cinema Show」まで、完璧なシンフォニック・ロックを展開。「Dancing With The Moonlit Knight」のメロディーが再び繰り返される「Aisle Of Plenty」で幕を閉じるまで、一瞬たりとも聴き逃せない傑作です。

    • VJCP68095

      紙ジャケット仕様、初回盤(Virgin祭マーク入り)、解説元から無し、歌詞対訳・ファミリーツリー付仕様、定価2427+税

      盤質:傷あり

      状態:良好

      帯有

      紙ジャケに側面部に色褪せあり

  • GENESIS / LAMB LIES DOWN ON BROADWAY

    ガブリエル在籍期最終作となった74年リリースの6th、コンセプト・アルバムの大名作!

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1974年に発表された6枚目のスタジオ・アルバム『幻惑のブロードウェイ』は、「Peter Gabriel期GENESIS」のラスト・アルバムであり、2枚組のボリュームでのリリースとなった作品。これまでの幻想的なジャケット・アートが、ヒプノシスによるアートワークに取って代わられている点が目を引くその内容は、「ニューヨーク出身のプエルトリコの青年ラエル」の物語をテーマにしたコンセプト・アルバムとなっています。Peter Gabrielの自己探求の色合いがコンセプトに強く表れた作品と考えられており、熱心なファンから様々な解釈が語られてきたという難解な側面もある、問題作にして大傑作。音楽的にはヒプノシスのアートワークが示す通り、GENESISの個性であった英国の抒情性が後退し垢抜けたサウンドへと変化しています。なお本作は、全英10位、全米41位を記録しています。

  • GENESIS / A TRICK OF THE TAIL

    ガブリエル脱退後第1弾の76年作、珠玉のメロディが溢れ出す、GENESIS中屈指の美しさを誇る名作

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1976年に発表された7枚目のスタジオ・アルバム『トリック・オブ・ザ・テイル』は、Peter Gabrielの脱退を受けて4人編成となってから初めてのアルバムです。ドラマーPhil Collinsがヴォーカルを兼任するスタイルへと生まれ変わったGENESISですが、フロントマンの脱退という非常事態をしなやかに乗り切ることに成功。Phil Collinsの声質がPeter Gabrielの声質に近かった偶然も手伝って、音楽的なクオリティーを落とすことなく転身を遂げました。音楽的には、「Peter Gabriel期GENESIS」の作風を受け継ぐと同時に、これまでの繊細なシンフォニック・ロックとは異なるダイナミックなバンド・サウンドなど、新たな展開も伺うことができます。本作は、全英アルバム・チャートに39週チャート・イン(最高3位)するヒット作となりました。

  • GENESIS / WIND AND WUTHERING

    ジャケット通りの幻想的なシンフォニック・ロックを聴かせる傑作8th、76年リリース

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1976年に発表された8枚目のスタジオ・アルバム『静寂の嵐』は、ギタリストSteve Hackettが参加した最後のスタジオ・アルバム。グループはPhil Collinsが主導する体制へと完全にシフトした印象であり、次作以降に繋がるポップ・フィーリングを強く押し出した、明確な方向性が打ち出されています。また、時代性もあってかTony Banksのキーボードは音色のバリエーションがより豊かにカラフルさを増しており、楽曲にドラマティックな彩を加えています。本作を「プログレッシヴ・ロック期GENESIS」のラスト・アルバムと捉えるファンも多い作品ですが、プログレッシヴ・ロックとポップな音楽性の絶妙なバランスによって生み出された名盤です。

  • GENESIS / AND THEN THERE WERE THREE

    80年代へと繋がるポップ・センスが発揮され始めた78年作、ヒットチューン「Follow You Follow Me」収録

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1978年に発表された9枚目のスタジオ・アルバム『そして3人が残った』は、ギタリストSteve Hackettが脱退しPhil Collins、Mike Rutherford、Tony Banksの3人編成となったGENESISの初めてのスタジオ・アルバム。新たなギタリストは加入せず、Mike Rutherfordがギタリストも兼任(ライブではギタリストDaryl Stuermerがサポート)するスタイルとなっています。収録曲数が増加(11曲)し、各曲の演奏時間がコンパクトにまとめられていることからも分かる通り、プログレッシヴ・ロックの成分を残しながらポップ化に向けて舵を切ったアルバムと言えるでしょう。本作は全英アルバム・チャートに32週チャート・イン(最高3位)する好記録を打ち立て、また、シングル・カットされた「フォロー・ユー・フォロー・ミー」は全英シングル・チャート7位に輝きました。

  • GENESIS / ABACAB

    ポップ・バンドとしての方向性を決定づけた81年作

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1981年に発表された11枚目のスタジオ・アルバム『アバカブ』は、前作『デューク』に続いて全英アルバム・チャート1位を獲得し、ビルボード・チャートでは7位に付けたアルバム。本作の数か月前にPhil Collinsがソロ・デビュー・アルバム『夜の囁き』を発表し大ヒットを記録しており、その勢いがGENESISにも好影響をもたらしました。EARTH, WIND & FIREのホーン・セクションをゲストに迎えた「ノー・リプライ・アット・オール」など、プログレッシヴ・ロック期GENESISではありえなかったようなアプローチが楽しめる1枚です。

  • GENESIS / THREE SIDES LIVE(CD)

    81年の欧州&米公演を収録した82年ライヴ作

    KING CRIMSON、PINK FLOYD、YES、EMERSON,LAKE & PALMERと並び、ブリティッシュ・プログレの「5大バンド」のひとつに数えられる重要グループ。ヴォーカリストPeter Gabrielによる演劇的なステージ・パフォーマンスと、寓話的に彩られたシンフォニックな楽曲で70年代前半を駆け抜け、Peter Gabriel脱退後はドラマーPhil Collinsを中心とした体制で活動。80年代以降はポップなアリーナ・ロック・バンドへと変貌し、プログレッシヴ・ロックに留まらず世界的な成功(2010年「ロックの殿堂」入り)を収めたグループです。1982年に発表された『スリー・サイズ・ライヴ』は、1973年の『ライヴ』、1977年の『眩惑のスーパー・ライヴ』に続く、GENESISにとって3作目のライヴ・アルバムであり、2枚組のボリュームでのリリースとなっています。80年作『デューク』や81年作『アバカブ』のポップな楽曲が収められている一方で、「イン・ザ・ケイジ(メドレー)」や「アフターグロウ」などプログレッシヴ・ロック期の楽曲もプレイされており、「イット〜ウォッチャー・オブ・ザ・スカイズ」はギタリストSteve Hackett在籍時の76年のライブ音源(ドラマーはBill Bruford)を使用しています。全米10位、全英2位を記録した名ライブ・アルバムです。

  • GENESIS / GENESIS

    83年リリース、12作目にしてセルフタイトルを冠した渾身の傑作!

  • GENESIS / AND THE WORD WAS . . .

    68年デビュー作にシングルリリース曲4曲を加えた87年の再発アルバム

  • GENESIS / LIVE / THE WAY WE WALK VOLUME ONE: THE SHORTS

    92年ツアーからのベスト・ライヴ・テイク集、ヒット曲中心の全11曲

  • GENESIS / LIVE / THE WAY WE WALK VOLUME TWO: THE LONGS

    大曲を中心に選曲された92年ツアーからのベスト・ライブ・テイク集、プログレ時代の名曲も演奏

  • GENESIS / ARCHIVE 1967-75

    結成当初のデモ音源から貴重なライヴ音源まで、52曲すべてが未発表音源!

「GENESISの在庫」をもっと見る

コメントをシェアしよう!

あわせて読みたい記事

中古CD買取案内

カケレコ洋楽ロック支店

新着記事

もっと見る

プロのライター&ミュージシャンによるコラム好評連載中!

文・市川哲史

文・深民淳

文・舩曳将仁

文・netherland dwarf

人気記事ランキング

* RSS FEED

ロック探求特集

図表や代表作品のジュークボックスなどを織り交ぜ、ジャンル毎の魅力に迫ります。