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『ヨーロピアン・ロック・フェス 2013』2日目 ライヴ・レポート

こんにちは、カケハシ・レコードの佐藤です。
ライヴ2日目に出演した3バンドのうち、トレッティオアリガ・クリゲットとフラワー・キングスのレポートをお送りいたします!

ムーン・サファリのライヴ・レポートはこちら


ムーン・サファリ(Moon Safari)来日レポート〜ヨーロピアン・ロック・フェス 2013

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大熱狂に包まれたムーン・サファリのステージが終了したのが18時20分前後。興奮冷めやらぬ会場の空気を保ったまま、この後は北欧プログレ黎明期を担った大ベテラン・バンド、トレッティオアリガ・クリゲットが登場です。

正直なところ、見た目からはそれほどミュージシャンらしさは感じられず、それぞれ会社で重役にでもついていそうなおじさん5人組なのですが、演奏が始まった途端そういう印象は一気に吹き飛びます。

冒頭の「Lang Historia」での、なぎ倒すようなヘヴィーなギターと、そこにゴリゴリと絡みつくベース、緊張感みなぎるシンセ、そして抜群にタイトなドラムによる、70年代クリムゾン的なヴァイオレンスを放つ轟音アンサンブルに思わず圧倒されます。

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彼らの作品は大好きで何度も聴いてきた佐藤ですが、よもやそのスタジオ・ヴァージョンを上回るほどにヘヴィー&ヴァイオレンスな演奏を、生で聴けるとは思ってもみませんでしたので、この時点で鳥肌全開!

生粋のライヴ・バンドであることを示す存在感抜群のパフォーマンスが繰り広げられます。

  • ベースのStefan Fredinのカッコ良いこと!『レッド』期のジョン・ウェットンやイエスのクリス・スクワイアばりの硬質さと、ニック・ロウとかパブ・ロッッキンなベーシストも彷彿させるシニカルさとが相まって、存在感が凄い!

1st、2ndの楽曲ではガリガリと攻め立てるスピーディーなアンサンブル、00年以降の楽曲ではブルージーな哀愁を秘めたアンサンブルと、巧みに演奏の質感をコントロールするところなど、さすがはベテランのなせる技。

再結成以降のブルージーな楽曲では、ヴォーカルも情感たっぷりに歌い込みます。哀愁のソロでそれに応じるギターも最高にカッコいい!幻想的なメロトロンが響き渡るシーンも、プログレ・ファンにとっては至福の一時です。

ヴォーカルRobert Zimaの歌声は、若い時より若干低めになったものの重量感が出ており、北欧らしい寒々しさがより伝わってくるのが印象的。今回の参加バンドの中では唯一ヴォーカルがスウェーデン語なのも、参加バンド中彼らに最も北欧らしさを感じる理由だったのでしょう。これがまた何ともたまらないんですね?。

中でも特に圧巻だったのが、アンコールでプレイされた1st収録曲「Kaledoniska Orogenesen」での、Zimaによる超絶ハイトーン・ヴォイス!演奏もヴォーカルを受けて、ひたすらヘヴィーに加熱していきます。サウンドはどこまでも硬質ながら、熱いんですよねぇ。ここでの演奏の迫力は、そこいらのメタル・バンドが裸足で逃げ出すほどのレベル。これが北欧プログレ・バンドの底力。圧倒的です。

  • 初期イエスに通じるスピード感、クリムゾン『レッド』ばりの荘厳さ、ユーライア・ヒープの連打で畳み掛けるドラティックさ、オザンナに通じる怪しさ。そんな彼らの魅力がつまったこの名曲を生で聴ける幸せ・・・。2012年のライヴを是非、ご覧ください!ベース・ソロからの「Kaledoniska Orogenesen」に再び悶絶!

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アネクドテンやアングラガルドなど、90年以降プログレ・シーンを席巻した北欧のバンドたちが、紛れもなく彼らに多大な影響を受けていたことがわかる壮絶なライヴ・パフォーマンスでした!手に汗握るとはまさにこの事でしょう。

いや?、本当に素晴らしかった!初期作と近作からバランス良く選曲された12曲をしっかりと楽しませてくれました!ムーン・サファリと合わせてこの時点で個人的には大満足です。

  • 「曲っていうのは、こうやって終わるんだぜ!」って聞こえてくるような、ゴリゴリと疾走してスパっと終わり、キメの一言「Thank You」!この吐き捨てるような「Thank You」のカッコいいこと。この一言まで含んで一曲って感じで痺れました!

休憩を挟んで続いてはいよいよフェスのフィナーレを飾る、フラワー・キングス2日目のパフォーマンス。

幕が上がると昨日と変わらぬ彼らの堂々たる姿がそこに!
最初に披露されたのが新作ではラストに収録されている「Rising The Imperial」。大曲「Numbers」のテーマが感動的に再現されるリプライズ的な一曲ですが、ここで各メンバーはドラマティックな表現力をこれでもかと見せつける貫禄たっぷりの演奏を展開。2日目も絶好調な彼らに、会場は興奮の渦に包まれます。

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1日目には大曲「Numbers」を冒頭に披露し、ライヴ本編の最終曲としてこの曲で感動のクライマックスという構成でしたが、2日目はその構成が逆になっていました。1日目を体験した人にとってもなかなか新鮮味のある構成です。

他にも前日とは数曲が入れ替えられており、『PARADOX HOTEL』からの「What If God Is Alone」や『UNFOLD THE FUTURE』収録の「The Truth Will Set You Free」など、人気曲が演奏されたのもファンとしては嬉しいところ。

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パフォーマンス面では全編にわたり、前日よりもリズム隊に重量感が加わり、ロイネのギターもエモーショナルな表現力により深みが増しているように感じられました。

何と言っても天上を舞うようなロイネのギター・プレイは、やはり何度聴いても鳥肌がたつほどの素晴らしさ!いつまでもここでこの至福のサウンドに浸っていたい・・。そう思わせてくれる極上の演奏を披露してくれました。ああ幸せ?。

  • ロイネのクリンとなった髪型、カッコ良かったなぁ。あれほどピンクが似合うご年配も居ないですよね。それにしても、色を塗り重ねていくようなギターは最高で、『「音」を使ったアーティスト』って感じで、本当にイマジナティブでしたね!

しかし終電の時間が迫ってきており(寄居、遠い!)、やむなく途中退場。本編ラストの「Numbers」中盤、ロイネのブルージーなソロプレイに背を向けて会場を後にしました。あれは最後まで聴きたかったなぁ?!

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アンコールは前日にも盛り上がった『RAINMAKER』収録の「Last Minute On Earth」だったようで、あのヘヴィーでファンタジック、壮大なスケールを持つ一曲で締めというのもさぞかし感動的だったことと思います。

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そんなわけで2日間にわたって行われた北欧プログレの祭典。

重厚なアンサンブルと圧倒的なメロトロンサウンドで会場中を圧倒したアネクドテン、北欧らしいファンタスティックな演奏、抜けるような爽やかなコーラス・ワークで観客を大いに沸かせたムーン・サファリ、その姿からは想像もできないヘヴィーで凶暴な演奏で皆の度肝を抜いたトレッティオアリガ・クリゲット、そして二日間にわたって北欧最高のバンドとして、圧巻のパフォーマンスを見せつけたフラワー・キングス。

4バンドすべてが予想の遥か上を行く大充実のステージを見せてくれました!いや?まさに大感動&大興奮の連続!
「素晴らしいステージをありがとう、また来てね!」もうこの言葉に尽きます。

—–

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  • FLOWER KINGS / SPACE REVOLVER

    Roine Stolt率いる人気プログレ・グループ、00年作

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    Roine Stolt率いる人気シンフォ・グループ、キャッチーさ、ハードさ、ドラマチックさが見事に調和した01年の充実作!

  • FLOWER KINGS / @LIVE RECORDING 2003 – MEET THE FLOWER KINGS ON STAGE PLAYING THEIR EPICS(CD)

    03年、ロイネの地元スウェーデン・ウプサラでのライヴを収録

  • FLOWER KINGS / ADAM AND EVE

    ロイネ・ストルト率いるスウェーデンの人気シンフォ・グループ、04年作

  • FLOWER KINGS / INSTANT DELIVERY

    会心作『PARADOX HOTEL』リリース後の06年ツアーよりオランダ公演を収録!

  • FLOWER KINGS / PARADOX HOTEL

    Roine Stolt率いる北欧の大御所プログレ・グループ、06年作

  • FLOWER KINGS / SUM OF NO EVIL

    07年作10thアルバム、フラキンらしいファンタスティックなアンサンブルに彩られた充実作!

    元カイパのロイネ・ストルト率いる北欧はスウェーデンを代表するプログレッシヴ・ロック・グループ、07年の10thアルバム。ロイネのまるで絵画のようにアーティスティックに紡がれるギター、トマスのヴィンテージな厚みあるシンフォニックなキーボード・ワーク、ハッセのやらかくも伸びやかなヴォーカル。フラワー・キングスらしいファンタスティックな世界が広がる充実な名作。

  • FLOWER KINGS / FLOWER POWER

    2枚組の長丁場ながら信じられない完成度で一気に聴かせる98年作!

  • FLOWER KINGS / SCANNING THE GREENHOUSE

    北欧シーンを代表するプログレ・グループ、98年リリース、初のベスト盤

  • FLOWER KINGS / ALIVE ON PLANET EARTH

    GENESIS「LAMB LIES DOWN ON BROADWAY」のカバーを含む99年ライヴ作

  • FLOWER KINGS / BACK IN THE WORLD OF ADVENTURES and RETROPOLIS

    95年と96年7の2作品収録

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    ご存じプログレッシヴ・ロック界を代表するギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、久々となる2枚組の2020年作。前作より加入した鍵盤奏者Zach KamminsによるHans Lundinを思わせる柔らかくも芯のあるシンセやオルガンのプレイと、Roineによる歌うように情感豊かなギターがエモーショナルに交歓する、ハードさよりもドリーミーな面を強く感じさせるシンフォニック・ロックを繰り広げます。抜群の安定感でタイトにアンサンブルを支えるリズム隊もいつもながら素晴らしいし、ハスキーながら伸びのある歌声が魅力のHasse Frobergも、熱く歌い上げる力強い歌唱と囁くようにジェントルな歌唱を織り交ぜ、表現力豊かに歌っていてさすがの一言です。S. Hackett周辺で活動するサックス奏者Rob Townshendによるジャジーで軽やかなソプラノ・サックスをフィーチャーしたナンバーも聴き所。ロジャー・ディーンの幻想的なジャケット通りと言える、夢の世界を冒険するようなどこまでもファンタジックなサウンドが胸に迫る作品。KAIPAファンなら是非!

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