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【ユーロ・レーベル探求 第十一回】EDIGSAレーベル~層の厚いバルセロナの音楽シーン

【第十一回】「層の厚いバルセロナの音楽シーン」

寄稿:ike333さん

 私が最初に遭遇したスペインのアルバムは、COMPANYIA ELECTRICA DHARMAの3作目『TRAMUNTANA』(1977)と4作目『L’ANGEL DE LA DANSA』(1978)。高校時代、スペイン旅行した父の土産でミュージック・カセットをもらったときです。


何げにラジカセに突っ込んだらチャルメラ・サックスが飛び出てきて、ドリフのカトちゃんのように転けてしまいました。ほとんどチンドン屋。もう、ジャケからしてイカレてます。3作目のジャケのメンバーの写真を見ると、まるでコミックバンド。ジャケはウソつかないとつくづく思いました。でも、よく聴いていると、結構格好良いジャズロックなのです。

4作目もブチ切れていて、一聴、音はパンクの様でいて、とてもテクニカル。これは只モンでないと思っていたら、未だにバルセロナで大人気のバンドとして活躍しているわけで、バルセロナの聴衆の寛大さには脱帽です。

5作目『ORDINARIES AVENTURES』(1979)は中目黒のフラメンコレコード屋さんで購入しましたが、これも前作を少しばかり洗練させた感じで格好良いです。これらはEDIGSAレーベルからリリースされていたものです。ちなみに同レーベルは1960年代初頭にバルセロナで設立されたレーベル。バルセロナ界隈のミュージシャンの膨大なカタログがあります。現在は、これらのカタログはPICAPに引き継がれ、CD化がせっせと行われています。おかげで、EDIGSAレーベルのアルバム達も入手しやすくなりました。

ちなみにDHARMAは、ストイックなカンタベリー系ジャズロックの傑作デビューアルバム 『DIUMENGE』(1975)から5作目までEDIGSA。明るい民族音楽を積極的に導入し、いわゆる「プログレ系」路線から離れ始めた6作目『L’ATLANTIDA』(1980)からEDIGSAではなくなりました。

ダルマの他もEDIGSAには結構ジャズ系ミュージシャンが多くいるみたいですので、ここにいくつかご紹介しようと思います。

OM

1971年の作品『OM』ですが、かなりジャズ寄りの硬派なジャズロックです。ホーンやサックスとともに、カタルニア地方出身のギタリストJordi Solerの乾いたトーンのギターが、PATTOのOllie Halsallのようなバリバリ感をもってリードを取っていく様が素晴らしく、外せない名盤だと思います。

ESQUEIXADA SNIFF

1975年に結成されたJosep M.Paris(g)率いるツインギターのジャズロックバンドで、いきなり1作目『EN CONCERT』(1979)からライブ、心に染みいる様な音色のギター、軽やかなリズム、聴衆はさぞかし心地よかったでしょう。スタジオ盤である2作目『OCELLS』(1979)は、コンガやバイオリン、チェロなども加わったより華やかなジャズロックです。

FELIU I JOAN ALBERT

Feliu Gasull(スパニッシュギター)とJ.Albert Amargos(ピアノ他)による1977年の作品で、クラシックとジャズの中間を行く気魄こもったアルバムです。生ギターとピアノのデュオによる演奏がスリリングに進行しますが、フルートや、最後になってエレキギター、ドラムス、シンセサイザーなど登場して大団円、かと思いしやまたアコースティックに締めくくる、聴き逃せない名盤です。

JARKA

1作目『ORTODOXIA』(1971)は、オルガンやギターにMACHINEやCOWの様なカンタベリー系の香りが感じられるジャズのアルバムで、何とも言えない不思議な魅力のあるアルバムです。2作目の『MORGUE O BERENICE』(1972)は、一部ブルース風やカントリー風のジャズも登場しますが、聴きようによってはモード時代のハンコック的なジャズのアルバムです。


SECTA SONICA

ORQUESTRA MIRASOLでSAXとKEYを担当していたDave Pybus(e-p)、Rafael Zaragoza(g)らが結成したジャズロックバンドです。CONGASも取り入れラテン風味は有りますが、1作目『FRED PEDRALBES』(1976)は硬い音質のギターが活躍する同時代的なサウンドです。2作目『ASTROFERIA』(1977)は少しばかりエキゾチックな音になりますが、同傾向です。どちらも甲乙付けがたい素晴らしいアルバムだと思います。


MUSICA URBANA

スペインの香りをほんのりと感じさせつつも、洗練されていて、滑らかかつ変化自在・変拍子、BRAND XやBRUFORDなどと比肩しうる演奏を展開するジャズロックの大傑作である1作目『MUSICA URBANA』(1976)は、EDIGSAからリリースされています。

バルセロナの空にメンバーの絵が浮かぶジャケの2作目『IBERIA』(1976)は、RCAに移籍してのリリースとなっていますが、ホーンなどを大々的に取り入れて、エキゾチックかつクラシカルな音楽を聴かせてくれます。これも素晴らしい傑作アルバムだと思います。

BARCELONA TRACTION

1975年の作品『BARCELONA TRANCTION』は、Alan Gowen/Gilgameshの様に全体的に柔らかくも躍動感のあるアルバムで、目眩くテクニカルなジャズロックの演奏が展開される素晴らしい傑作です。リーダーと思われるKeyのLucky Guriはこの後Musica Urbanaに参加していることから、おそらく唯一作ではないかと思われますが、本当にこれだけだったら、とてももったいない!

ORQUESTRA MIRASOL

バルセロナのジャズロックバンドで、デビュー作”『SALSA CATALANA』(1974)は、タイトルどおりサルサを取り入れていますが、かなり緊張感があり、C.CoreaのRTFや伊のARTI E MESTIERIなどにも通じるものがある傑作です。レコードはグループロゴのポスター付きでした。

2作目『D’OCA A OCA I TIRA QUE ET TOQUA』(1975)は、テクニカルであると同時に伸びやかな部分もありラテン系ジャズロックの名盤の一つといえるでしょう。なお、この後、同バンドはMIRASOL COLORESと改名してサルサなどの音楽を演奏するバンドとなったとのことです。

その他、後のICEBERGのギタリストMax Sunyerが在籍したハードロックバンドTAPIMAN、ナチュラルで暖かみのあるラテン系フォークロックを楽しめる『RECORDS DE VALENCIA』(1976)のLA RONDALLA DE LA COSTA、トランペットの華やかさが加わった初期ダルマを彷彿させる『CLOT 20』(1976)のBlay Tritono、60年代末頃から活動している大仰な男女ボーカル・コーラスが特徴のこのロックバンドAGUAVIVA(6作目の『LA INVASION DE LOS BARBAROS』(1979))など、多数の注目すべきアーティストが所属しており、流石老舗だけあって層の厚いレーベルだと思います。



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スパニッシュ・ジャズ・ロックの一大拠点、EDIGSAレーベル!

スパニッシュ・ジャズ・ロックの一大拠点、EDIGSAレーベル!

COMPANYIA ELECTRICA DHARMA

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最高傑作とも評される78年4thより。一時期のSTORMY SIX、SAMLAなどにも通じる、テクニカルながらもコミカルな味わいを持つジャズ・ロックを展開。全体に情熱的かつ祝祭的なムードを感じさせるのがいかにもスペインらしいところ。

ESQUEIXADA SNIFF

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デビュー作の79年ライヴ盤より。繊細な表現力に長けたギターを中心とした軽やかなジャズ・ロック。スペインの美しい情景が眼前に広がるようなメロウなアンサンブルが魅力的です。

FELIU I JOAN ALBERT

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77年作より。クラシカルな気品を持つピアノとフルート、躍動的なスパニッシュ・ギターらが織り成す、アーティスティックなプログレ作品。各楽器とも猛烈なテクニックの持ち主で、超絶ユニゾンを余裕で決めていく場面などは実に痛快!

JARKA

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71年1stより。毛羽立ったギターによく歌うベース、叙情味溢れるピアノによる洗練されたジャズ・ロック・アンサンブルを展開。この演奏における豊かな陰影は、ブリティッシュ・ジャズ・ロックに通じるものが強く感じられます。

SECTA SONICA

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76年の1stより。このデビュー作では、いかにもスペインと言うべきラテン・フレイヴァー溢れるリズミカルなジャズ・ロックを展開。アグレッシヴに攻めるドラムスにエッジの効いたギターワーク、歌心のあるベースが躍動する情熱的なアンサンブルがカッコいい一枚。

MUSICA URBANA

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スペイン屈指の実力派ジャズ・ロック・バンドによる76年デビュー作。BRAND Xにラテン風味を加えたようなテクニカル・アンサンブルが素晴らしく、静と動をダイナミックに描き出す高い表現力に圧倒される名作です。

BARCELONA TRANCTION

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75年作より。切れ味鋭い技巧派リズム・セクションにカンタベリー・タッチのカラフルなキーボード・サウンドをたっぷりとフィーチャーした迫力満点のジャズ・ロック。鮮やかな転調を繰り返す演奏もカンタベリー・ロックに通じるものを感じます。

ORQUESTRA MIRASOL

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南米のサルサ音楽を取り入れた、個性派ジャズ・ロックを展開する74年デビュー作。ラテン・パーカッションによる躍動感いっぱいのリズムの上を流麗なエレピとよく動くベースが舞い踊るように奏でられる、高密度のジャズ・ロック・アンサンブルが気持ちいい傑作!

関連カテゴリー

EDIGSAレーベル 在庫一覧

  • BARCELONA TRACTION / BARCELONA TRACTION

    バルセロナ出身、エレピが優美なメロディを奏でるジャズ・ロック/クロスオーバーの逸品、75年発表

    スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・トリオ、75年作。バンドのリーダーは、Key奏者のLucky Guriで、バルセロナ・ジャズ・ロック・シーンの名手達が集まったビートルズのカヴァー作品(傑作!)に参加したり、後には地中海ジャズ・ロックの名バンドMUSICA URBANAに参加するなど、バルセロナ・シーンを代表するKey奏者。シャープに引き締まったドラム、流麗に動くメロディアスかつグルーヴィーなベースによる安定感抜群のリズム隊を土台に、エレピが地中海の青空へと吸い込まれていくようなリリカルにたゆたうメロディを奏でます。色彩感豊かなパーカッションやホイッスルなどによる味付けも地中海フレイヴァーたっぷり。バンドは、スペインはカタルーニャ地方のウッドストック・フェスと言える75年に行われた伝説の「Festival Canet Rock」に参加し、高い評価を得ます。バルセロナ産ジャズ・ロック「MUSICA LAIETANA」シーンを代表する一枚として名高い傑作です。

  • BLAY TRITONO / CLOT 20

    76年唯一作、カンタベリー/レコメン系のファンは必聴!スパニッシュ・ジャズ・ロックの名作!

    スペインはバルセロナで興った「ライエターナ・ミュージック」屈指の傑作と言われる76年唯一作。メンバーの中心は、現在までプレイヤー/コンポーザーとして活躍するサックス/テノーラ奏者のJoan Josep Blay。他、ジャズ・ピアノの名手でORQUESTRA MIRASOLでも活躍するKey奏者Victor Ammannと、トランペット奏者、トロンボーン奏者、リズム隊による6人編成。Joan Josep Blayによるテノーラ(スペインの民族木管楽器)のチャルメラ風フレーズを軸に、トランペットとトロンボーンがたおやかにむせぶ地中海フレイヴァーたっぷりのサウンドを聴かせます。ビシバシと切れ味鋭いドラムとメロディアスに動きまくるベースによるリズム隊も鉄壁。Key奏者のVictor Ammannもさすがで、ギルガメッシュのAlan Gowenにも比肩する緻密で煌びやかなピアノ&エレピが印象的です。ハットフィールドやギルガメッシュなどカンタベリーの名作と比べても何ら遜色ないクオリティ。これはユーロ・ジャズ/アヴァン・ロック屈指の傑作です。

  • MUSICA URBANA / MUSICA URBANA

    現代のスペインを代表する音楽家Joan Albert Amargosが結成したチェンバー・ロック・グループ、76年の名作1st

    スペインはバルセロナ出身、チェンバー/ジャズ・ロックの名グループ。76年にZELESTEレーベルよりリリースされた1st。後にクラシックから映画/演劇音楽でも名を残し現代スペインを代表する音楽家となるJoan Albert Amargosを中心に、60年代末から活躍するブラス・ロック・バンドMAQUINA!のメンバー、BARCELONA TRACTIONのKey奏者により結成。英米ロックから解放されたスパニッシュ・ロックの確立を目指していたようで、地中海音楽やアンダルシア音楽をはじめ、スペインのオペラであるサルスエラ(Zarzuela)も取り込んだチェンバー・ロックが特徴です。緻密かつ地中海の香り漂う芳醇なサウンドは、HATFIELD & THE NORTHのファンをはじめ、イスラエルのSHESHETやイタリアのAREAやPICCHIO DAL POZZOのファンにはたまらないはず。若きJoan Albert Amargosの才気ほとばしるイマジネーション豊かな名品です。

  • OM / OM

    Toti SolerとJordi Sabates率いるフリー・ジャズ/ジャズ・ロック・グループ、71年作、これは痺れます!

    スペインはバルセロナ出身。60年代にPIC-NICというポップ・バンドで活躍し、後にジャズ/フュージョン・シーンでも活躍するスペインを代表する名手の2人、ギタリストのToti SolerとピアノのJordi Sabatesを中心に69年に結成。わずか2年という短い活動期間ながら、スペインのジャズ・ロック・シーンの祖を築いたとも言われる名グループ。71年の唯一作。ドラムはイギリス人で、ヘンリー・カウでお馴染みのTim Hodkingsonの兄弟のPeter Hodkingson。彼のロバート・ワイアットばりの手数多くタイトなリズムを土台に、Todiがゴリゴリとアグレッシヴにギターを弾き倒すテンションみなぎるジャズ・ロックが印象的。フルートやピアノによるイマジネーション溢れるパートや、サックスがフリーキーに暴れたり、アレンジも巧みでかなり痺れます。電化マイルスやソフト・マシーンのファンはもちろん、ヘンリー・カウなどスリリングなチェンバー・ロックのファンも間違いなく気に入るでしょう。Todi Solerのギターは本当に素晴らしく、北欧の名手Jukka Tolonenが好きな方にも是非オススメしたいです。ジャケはサイケ/オリエンタルですが、サウンドは硬派なジャズ・ロック。これは傑作です。

  • COMPANYIA ELECTRICA DHARMA / L’ANGEL DE LA DANSA

    スペインはバルセロナの名グループ、78年作、ジャズ/フュージョンと地中海民族音楽フレイヴァーとがブレンドしたサウンドは北欧サムラにも比肩する完成度!

    スペインはバルセロナ出身、ギター、サックス、ドラムのFortuny3兄弟を中心とするグループで、70年代半ばにバルセロナのライヴハウスZELESTEを中心に起こったジャズ/アヴァン・ロック・ムーヴメントの代表格。最高傑作とされる78年作の4th。初期のフュージョン色はいよいよ薄まり、サムラもびっくりな民族舞踏的&チンドン屋的ロックをエネルギッシュに展開。細かいリズムで切り返しまくるリズム隊、ツンツンと尖ったトーンでシャープに畳みかけるギター、そしてスペインの民族木管楽器テノーラによる素っ頓狂なチャルメラ風フレーズ。手工芸品のように温かな北欧のサムラとは違って、地中海の陽光溢れる快活さが溢れていてとにかく痛快。さすがにデビュー時にはマイルス・バンドもびっくりなジャズ/フュージョン・ロックをこなしていただけあって、演奏のキレ味は抜群。それにしても、アカデミックさと大道芸的ノリを併せ持つサウンドは唯一無比。もっともっと評価されるべきユーロ屈指のグループ。これは素晴らしいですよ〜。

  • COMPANYIA ELECTRICA DHARMA / TRAMUNTANA

    スペインはバルセロナの名グループ、77年3rd、ジャズ/フュージョンと地中海民族音楽フレイヴァーとがブレンドしたサウンドは北欧サムラにも比肩する完成度!

    スペインはバルセロナ出身、ギター、サックス、ドラムのFortuny3兄弟を中心とするグループで、70年代半ばにバルセロナのライヴハウスZELESTEを中心に起こったジャズ/アヴァン・ロック・ムーヴメントの代表格。77年にZelesteよりリリースされた3rd。ジャズ/フュージョン・ロックの傑作デビュー作から、一転して2ndでは地中海フレイヴァーが香るサウンドでオリジナリティを確立。その延長線上で、一気に洗練を増したのが本作。細かいリズムを軽快に切り刻むキレ味抜群のドラム、よく動くベース、淡い陰影と浮遊感を加えるエレピ、そしてサムラを彷彿させるツブ立ちの良さとジョン・マクラフリン的ジャズ・ロック・フィーリングが織り成すテクニック&センス抜群のエレキ・ギター。そこに地中海フレイヴァーを加えるスペインの民族木管楽器テノーラによるエキゾチックな旋律がシャープな演奏に違和感なく溶け込んでいて恐るべし。それにしてもこのクオリティでこの知名度の低さときたら!サムラに比肩する名グループ。ギタリストのEsteve Fortunyは、ICEBERGのMax Sunyerと並び称されるべき名手!

  • ORQUESTRA MIRASOL / D’OCA A OCA I TIRA QUE ET TOCA

    スパニッシュ・ジャズ・ロック、1stからフュージョン色を増し、グッと流麗&テクニカルになった快作!素晴らしい!

    スペインのジャズ・ロック・グループ。75年作2nd。ジャズ・ロック/フュージョンの硬質さとラテン・フレイヴァーとが融合したスペインならではのサウンドを聴かせた1st。そんな彼らの持ち味はそのままに、よりテクニカルな硬質さが増し、グッとシャープ、そして引きの部分では格段に流麗になったのが本作2nd。HATFIELDの2ndなど、オシャレでいてテクニックも抜群なジャズ・ロックが好みであれば、絶対に気に入るでしょう。

  • LA RONDALLA DE LA COSTA / RECORDS DE VALENCIA

    スペインはバルセロナ出身、民族楽器やフラメンコ・ギターにより紡がれるたおやかな地中海フォルクローレ・ロック逸品、76年作

    スペインはバルセロナ出身のグループ、76年にEDIGSA傘下のZELESTEよりリリースされた唯一作。パーカッションやフラメンコ・ギターや古楽器を操るメンバーによる多人数編成(ジャケに映るのは7人)で、スペイン土着のフォルクローレや東洋音楽をベースにしたオリエンタルなサウンドが特徴。エキゾチズムが香るパーカッションやブズーキなど民族楽器、たおやかに紡がれるスパニッシュ・ギターやマンドリン。伊カンタウトーレに通じる穏やかな歌声の男性ヴォーカルも印象的で、チェンバー・ロック的な気難しさや聴きづらさはなく、「木漏れ日」とも形容してもいいような柔らかで歌心溢れたアンサンブルが印象的です。陽光と海のきらめきに包まれた地中海フォルクローレ・ロックの逸品!

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