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『ヨーロピアン・ロック・フェス 2013』1日目 ライヴ・レポート

こんにちは!カケレコ・スタッフ佐藤です。
1月11日(金)、12日(土)にクラブチッタ川崎にて開催された『ヨーロピアン・ロック・フェス 2013』に行ってまいりました。本日はその1日目の様子をレポートいたします!

今回来日したのは北欧スウェーデンを代表するバンドたち。今回で3度目の来日となるアネクドテン、99年以来2度目のフラワー・キングス、同じく2度目となるトレッティオアリガ・クリゲット、そして初来日となった新鋭ムーン・サファリの4組。1日目にアネクドテンとフラワー・キングス、2日目にムーン・サファリ、トレッティオアリガ・クリゲット、フラワー・キングスというスケジュールで行われました。

1日目は19時開演だったため20分ほど前に座席に着き、フェスのスタートを待ちます。会場は満席状態で、ざわざわと会話は聞こえるものの参加バンドの性質もあってか独特の緊張感がすでに漂っているように感じられました。薄くもやがかかった会場の中でハイネケンをあおっていると、いい感じに視界が霞んできてこちらの準備のほうもOK!

アネクドテン

ふいに会場が暗転、幕が上がるとフェスのトップを飾るアネクドテンが登場!
「コンバンワ、カワサキ!」の一言とともに演奏がスタート。1曲目は5thからの「The Great Unknown」!持ち味であるドラム、ギター、ベースによるゴリゴリと唸りを上げるヘヴィー・アンサンブルでのっけから観客を圧倒します。

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どれだけ激しいアンサンブルでも、単にヘヴィーなだけでなく独特の幻想性が滲み出しているところがやはり彼らの大きな魅力であることを生で聴いて強く確信。

しかし何と言っても圧巻だったのが、このバンドのサウンドを特徴づけるメロトロン!!腹の底まで響いてくるまさしく轟音メロトロンがアンサンブルに容赦なく絡みつきます。実際、全楽器の中で音量が最も大きく、
メロトロン・サウンドがいかにこのバンドの音楽性の根幹を支えているかを如実に物語る大迫力の演奏が続いていきます。

元々は叙情的な音色を持つメロトロンですが、ここではその大音量も手伝って耳をつんざくような攻撃性を帯びたサウンドとなって聴き手に押し寄せてきます。実際思わずのけぞってしまうような驚くべき音圧でした!

続いて披露された「Old Man & The Sea」「Nucleus」など初期のヘヴィー・シンフォニックなナンバーも、メタリックな轟音ギターとヘヴィーにうねりまくるベースを中心に、オリジナル・ヴァージョンを凌ぐ圧倒的なダイナミズムで展開していきます。この辺りの楽曲では、ギターのNicklasとベースのJanによる艶のあるヴォーカルが素晴らしく、メロトロンに負けない存在感を醸し出しており非常に印象的でした。

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個人的に特に素晴らしく感じられたのが4th『GRAVITY』収録の楽曲。比較的キャッチーでわかりやすい曲構成とここぞというポイントに絞って爆発するメロトロンが抜群にライヴ映えしていたように感じられました。
壮大で孤独な宇宙的広がりを持った音世界にただただ感動。5thの楽曲もロック本来の躍動感、スピード感が前に出た演奏がとてもライヴ向きでカッコよかったです。もちろんここでもメロトロンは全開。

そして初期ファンには嬉しい1st収録の大名曲「Sad Rain」!これでもかと溢れ出る叙情メロトロンと悲哀に満ちたメロディによって紡がれるロック・シンフォニー。もうここまで来るとその壮大な音の流れに酔いしれるだけです。いや?、じっくりと堪能しました。

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注目だったのが、最後に披露された新曲。印象としては近作よりも70年代クリムゾンのエッセンスを感じさせる、緊張感みなぎるヘヴィー・プログレ。初期の重厚感あふれる硬質なアンサンブルへと回帰したような楽曲でした。これは新譜に期待がかかります。

9曲を演奏し、アネクドテンのステージは終了。休憩をはさんで次は大御所フラワー・キングスの登場です。

フラワー・キングス

ゆっくりと幕が上がると、フラワー・キングスの5人のメンバーが存在感たっぷりの立ち姿で登場。センターの位置でゆったりとギターを構えるロイネ・ストルト。北欧プログレの歴史を作ってきた人物が目の前に居るんだと思うとゾクゾクとしてきます。

1曲目は最新作『BANKS OF EDEN』のオープニングを飾る25分の大曲「Numbers」。独特の浮遊感に満ちた音響が会場を満たし始めロイネのギターが壮大なテーマを奏でると、おもむろにロイネとハッセが歌い始めます。独特の鼻にかかったハスキーなロイネとパワフルで張りがあるハッセ。ハッセはスタジオ作で聴くよりも力強く、髪を振り乱すロッカー然としたパフォーマンスも含め、終始存在感がありました。

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そして何と言っても演奏面がやはり圧巻。新加入のドイツ人ドラマーのフェリックと名手ヨナスによる、壮大なサウンドを支えるパワフルなリズム・セクション、トマス・ボディーンの変幻自在にうねるシンセサイザー、そしてブルース・フィーリングを根底に持つロイネのエモーショナルなギターと、フラワー・キングス以外には決して表現しえない圧倒的に雄大でイマジネーション溢れる音世界を紡ぎだしていきます。

冒頭25分にわたる圧巻のライヴ・パフォーマンスが終了すると、会場には割れんばかりの拍手。この桁外れな壮大さ、パワフルさ、ドラマティックさこそフラワー・キングスの真骨頂。1曲目からハートを完全に持っていかれました。いや?素晴らしかった!

続く「For The Love Of Gold」も新作から。初期を思わせる北欧らしい瑞々しいファンタジーを感じさせる演奏がこれまた素晴らしい1曲!ロイネのドライヴ感あふれるソロも最高ですが、ここでは縦横無尽に駆け巡るトマスのシンセが大活躍していたのも印象的でした。フラワー・キングスのファンタジックな面を担う彼らしい、抜けるような爽快感に満ちた名演です。生で聴くとシンセの艶やかな音色に耳が釘付けになってしまいます。

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セットリストは最新作からの曲に加え、『STARDUST WE ARE』『RAINMAKER』『PARADOX HOTEL』からの収録曲で構成されており、ロックン・ロール調のノリを持つ「In The Eye Of The World」、ハード・ロッキンなパワフルさが魅力の「Paradox Hotel」、メタリックな重厚感に満ちたテーマが印象的な「Last Minute On Earth」など、バラエティーに富んだ楽曲を披露してくれたのも嬉しいところ。

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中でも感動的だったのが、トマスのキーボード・ソロから名曲「Stardust We Are Part 3」へと繋がっていく場面。トマスのソロは、リック・ウェイクマンばりの荘厳なシンセ・パートからデジタルビートをバックに流麗にフレーズを紡いでいくテクニカルなソロまで変幻自在のプレイを披露。キーボーディストによるソロの真髄を味わわせてくれました。

そのシンセ・サウンドは次第にバンド本来の雄大な音世界へと収束していき、「Stardust We Are Part 3」へ。ここでのハッセのヴォーカルは、スタジオ・ヴァージョンをはるかに凌ぐ素晴らしいドラマティックさ!ロイネのギターもそれに応え、天を駆けるように美しく深みのあるソロを奏でます。このコンビネーションを聴いて感動しないプログレ・ファンはいないと断言!筆舌に尽くしがたいとは正にこのことです!

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最後の聴きどころはアンコール「I Am The Sun」終盤のロイネ渾身の極上ギター・ソロ!デヴィッド・ギルモアにも迫るあのブルージーで最高にエモーショナルなギターソロには魂が震えました・・。これぞ至福の一時です。「来て良かった・・。」この想いで胸がいっぱいになります。

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3時間以上にわたり観客を魅了し続けたアネクドテン&フラワー・キングス。帰途につく間中もアネクドテンの轟音メロトロンとロイネのあのギターの音が頭で渦巻いておりました。

2日目に続く。

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  • ANEKDOTEN / GRAVITY

    スウェーデン出身、新世代プログレッシヴ・シーンを牽引する名バンド、メロディアスな作風の03年作4th、名作

    限界まで張り詰めた緊張感の中で展開されていた前3作から、明瞭な曲調の中で比較的リラックスしたアンサンブルを聴かせる03年4th。ゴリゴリと突き進むようなヘヴィ・アンサンブルはここぞというパートに絞られ、北欧プログレ本来の透明感も見え隠れするサウンドが新鮮です。嵐の如きアンサンブルが落ち着いたところで際立ってくるのが轟々と鳴り響くメロトロン。拡がる息を飲む音圧のメロトロンサウンドをフィーチャーしたメロディアス・プログレは、古き良き70年代プログレのエッセンスとポスト・ロックにも通じる現代の鋭敏な感覚が理想的に融合した姿と言えるかもしれません。名作。

  • ANEKDOTEN / NUCLEUS

    95年作、凶暴かつメランコリックな、前作と並ぶ90年代北欧プログレ屈指の傑作!

    95年の2nd。名作1st以上に凶暴かつメランコリックな傑作。「太陽と戦慄」期クリムゾンに比肩するほどにテンション溢れる鋼鉄のアンサンブルと、対照的にクールで透明感溢れる叙情性。メロトロンも相変わらず全編にフィーチャーされています。それにしてももの凄い切迫感。90年代プログレを代表する作品。デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲。

  • ANEKDOTEN / FROM WITHIN

    現代の北欧プログレを代表するバンド、繊細さと攻撃性との対比の中でじっくりと世界観を広げていくドラマティックな楽曲構成が素晴らしい99年作3rd

    新世代北欧プログレを代表するバンド、99年3rd。ズシリとした重量感/硬質感を持つドラム、地を這うように迫るベース、クリムゾン『RED』を彷彿させる破壊的なギター、そして轟々たるメロトロン!時に祈るように切々としたヴォーカルが胸を打つ物悲しいパートと、リズム隊/ギター/メロトロンが一斉にぶつかり合い轟音をまき散らしながら突き進むパートとの落差は強烈の一言!クリムゾンの影響下から独自のヘヴィー・プログレを構築した問答無用の傑作です!

    • DUSC031(デジパック)

      20年リイシュー、デジパック仕様、直輸入盤(帯・解説付仕様)、2020年デジタル・リマスター、ニクラスバーガーによるコメント掲載、歌詞対訳付き仕様、定価2273+税

      盤質:無傷/小傷

      状態:良好

      帯有

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FLOWER KINGSの在庫

  • FLOWER KINGS / SPACE REVOLVER

    Roine Stolt率いる人気プログレ・グループ、00年作

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  • FLOWER KINGS / @LIVE RECORDING 2003 – MEET THE FLOWER KINGS ON STAGE PLAYING THEIR EPICS(CD)

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    07年作10thアルバム、フラキンらしいファンタスティックなアンサンブルに彩られた充実作!

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  • FLOWER KINGS / FLOWER POWER

    2枚組の長丁場ながら信じられない完成度で一気に聴かせる98年作!

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  • FLOWER KINGS / BACK IN THE WORLD OF ADVENTURES and RETROPOLIS

    95年と96年7の2作品収録

  • FLOWER KINGS / ISLANDS

    ギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、KAIPAファンにもオススメのドリーミーでファンタジックな2枚組力作!

    ご存じプログレッシヴ・ロック界を代表するギタリストRoine Stolt率いる人気グループ、久々となる2枚組の2020年作。前作より加入した鍵盤奏者Zach KamminsによるHans Lundinを思わせる柔らかくも芯のあるシンセやオルガンのプレイと、Roineによる歌うように情感豊かなギターがエモーショナルに交歓する、ハードさよりもドリーミーな面を強く感じさせるシンフォニック・ロックを繰り広げます。抜群の安定感でタイトにアンサンブルを支えるリズム隊もいつもながら素晴らしいし、ハスキーながら伸びのある歌声が魅力のHasse Frobergも、熱く歌い上げる力強い歌唱と囁くようにジェントルな歌唱を織り交ぜ、表現力豊かに歌っていてさすがの一言です。S. Hackett周辺で活動するサックス奏者Rob Townshendによるジャジーで軽やかなソプラノ・サックスをフィーチャーしたナンバーも聴き所。ロジャー・ディーンの幻想的なジャケット通りと言える、夢の世界を冒険するようなどこまでもファンタジックなサウンドが胸に迫る作品。KAIPAファンなら是非!

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