2022年6月30日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,日々是ロック
こんにちは。
この「日々是ロック」コーナーは、直近で入荷した注目のタイトルや売れ筋の人気タイトルの新品CDをメインに、日替わりでスタッフがおすすめの作品をピックアップしてまいります。
今日は、入荷したばかりの、ロイネ・ストルト本人による最新リマスターが施されたフラワー・キングスの名盤『RETROPOLIS』から出発して、注目すべき新鋭プログレのコンセプト・アルバムを見てまいりたいと思います!
北欧のみならず、全世界のプログレ・シーンで中核を担うレジェンド・バンドによる初期の名作ですね。
00sの作風にも繋がっていくエッジの効いたヘヴィなサウンドと従来の優美なシンフォニック・ロックとが劇的に交差するサウンドが至上。
起伏豊かなドラマ性を湛えたストーリーテリングもまた素晴らしいもので、90年代を代表するプログレ・コンセプト作と言えるでしょう!
今やユーロ屈指のプログレ産地となったポーランドから厳選した2タイトルをピックアップしましょう。
まずは重厚な歴史的コンセプトで素晴らしい3部作をリリースしたポーランドの若き才人、その第1部をご紹介!
注目バンドWALFADでも活躍するポーランドの若き才人が放った19年作。
第一次大戦後に彼の出身地シレジア地方で起きた「シレジア蜂起」を題材にしたコンセプト作となっています。
格調高く彩るヴァイオリンやピアノとエモーショナルに絡み合うギター&シンセの対比が美しい感動的な一枚で、ムーグを弾くのはなんとポーランド・プログレのレジェンド、SBBのJozef Skrzek!
現ポーランド・シンフォ・シーンを牽引するバンドMILLENIUMのリーダーであるキーボーディストのプロジェクト!
こちらは『1984』や『蠅の王』といった不朽の文学作品をテーマに採り、フロイド憧憬のメランコリックかつ劇的なタッチで丹念に描く21年作となります。
相変わらずリック・ライト譲りの美しくも陰鬱に広がるシンセのプレイには息をのむしかありません…。
イタリアにはこの美しきチェンバー・ロックのコンセプト・アルバム名作がありました。
イタリアン・チェンバー注目のグループYUGENのKey奏者による11年リーダー作。
不穏さとシュールさを併せ持った室内楽器の響き、心を揺さぶる幻想的なキーボード、ヘヴィなロック・ダイナミズム、淡き幼少期を思い起こさせるような子供の声のSE…。
「一日千秋」という日本語の持つ美しさと儚さを見事に描いた叙情派チェンバー・ロックの逸品です。
我らが日本にも驚くべき完成度のプログレ・コンセプト作が登場しています!
日本のヴァイオリン・プログレ・グループが放った21年作。
ハードSFの金字塔『星を継ぐもの』を題材に、凛と気品溢れる表情の中にパッションを秘めた圧倒的技巧のヴァイオリンが疾走する興奮のインスト・プログレを展開!
これはUKやLOST WORLD BANDのファンには是非おすすめ!
いかがでしたか?気になる作品が見つかれば幸いです。
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世界各国より文学作品をテーマに制作されたプログレ・コンセプト・アルバムの名作をご紹介してまいりましょう!
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ポーランドの新鋭プログレ・バンドWALFADの中心メンバーとしても活躍中のギタリスト/ヴォーカリストによる19年2ndソロで、第一次大戦後に彼の出身地シレジア地方で起きた「シレジア蜂起」を題材にしたコンセプト・アルバム。これは傑作!ギターとムーグシンセがエモーショナルに絡み、ヴァイオリンやピアノが格調高く彩る、優雅でドラマチックなメロディアス・シンフォニック・ロックを聴かせてくれます。このムーグのプレイ、どこかで聴いたことがあると思ったら、なんとSBBのJozef Skrzek!SBBでも聴かせた太くスペイシーなトーンでスリリングに疾走するシンセプレイを数曲で披露します。ギルモア調の泣きはそのままに倍の音数にしたようなテクニカルで表現力の高いギターも、シンセに負けじと躍動。弦楽も伴ってドラマチックに高まるサウンドに感動が込み上げます。またしっとり落ち着いたピアノを基調にしたヴォーカル・パートも実に味わい深く、切なさも帯びつつ朗々と歌い上げるポーランド語ヴォーカルが素晴らしいです。ポーランド・プログレらしい静謐で陰影ある音使いを織り交ぜつつ、メロディアスで開放感あるサウンドに仕上げた名品。ズバリおすすめ!
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現代北欧プログレを代表するバンドによる96年発表の3rd。ファンタジックで雄大な音の広がりとダイナミズムたっぷりのアンサンブルはデビュー作から変わらず健在ですが、本作ではシンフォニック・ロックというよりはプログレッシヴ・ロック的な骨太さがより強調された演奏が特徴的。シンフォニックで荘厳なシーンとハードタッチなサウンドで突き進むシーンとを巧みに配して劇的に進行していくアンサンブルが見事に決まっています。コンセプト作ならではと言うべき、起伏豊かなドラマ性を湛えたストーリーテリングもまた素晴らしいもので、これこそあらゆるプログレ・ファンに聴いていただきたいと思えるシンフォニック・ロックの傑作です。
イタリアン・チェンバー・ロックの新鋭グループ=YUGENのキーボーディストによる初リーダー作。11年発表。YUGENと同様、高速変拍子をビシバシ展開するスリリングなアンサンブルを主体としながらも、本作は、ジャケットに刻まれた「一日千秋」という日本語の持つ美しさと儚さを見事に内包したような、抒情的な美学が随所に滲み出た作風が特徴。不穏さとシュールさを併せ持った室内楽器の響き、心を揺さぶる幻想的なキーボード、ヘヴィなロック・ダイナミズム、淡き幼少期を思い起こさせるような子供の声のSE…。柔らかさ/儚さ=「静」と、スリリングでダイナミックな展開=「動」による圧倒的なコントラストから、イタリアン・ロックの確かなDNAが感じられる傑作です。
現ポーランドを代表するシンフォ・グループMILLENIUMを率いるキーボード奏者によるソロ・プロジェクト、21年作5th。毎回文学作品をテーマにしたコンセプト・アルバムを送り出している彼らですが、今回はそれぞれ異なる文学作品をテーマにした10分超の全4曲を収録。従来通りPINK FLOYD的メランコリーを下敷きにしたドラマチックなサウンドメイクで原作の物語を浮かび上がらせます。ギルモア調の一音一音に感情がこもった泣きのギターとリック・ライト彷彿のうっすら陰鬱に広がるシンセ&格調高いピアノが劇的に交差するゴールディング『蠅の王』を題材とする1曲目、フロイド「Brain Damage」あたりが浮かぶ淡く幻想的な音世界に酔いしれるオーウェル『1984』を描いた3曲目などが聴き所。原作を知っているほどにイマジネーションいっぱいに作品世界が広がっていく充実の一枚です。
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