2019年11月2日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ増田です。
北欧プログレと言えば、ANEKDOTENやANGLAGARD、MOON SAFARIにFLOWER KINGS・・・。
世界的に有名なのは90年代以降のバンドが多いとはいえ、もちろん70年代から数多くのプログレ作品が誕生していました。
今回はその中から、カケレコオススメの70年代北欧プログレ作品をセレクト!英国プログレからの影響を独自の幻想性で包み込んだ名作たちをどうぞお楽しみ下さい。
まずはFLOWER KINGSのリーダーRoine Stoltが在籍し、今もなお活動する北欧の名シンフォ・グループ。
GENESISやYESを彷彿とさせつつ、柔らかく繊細な質感のある幻想的なサウンドが素晴らしい。
デビュー作のファンタスティックな雰囲気はそのままに、20分の大曲など楽曲構成力を増した名作2nd!
まるでピンク・フロイドにジミ・ヘンがゲスト参加した感じ!?このオープニング・ナンバー、かなりのスケールでキてます。
70年代のスウェディッシュ・ロック屈指の一枚。アネクドテンへの影響も感じます。
スウェーデン屈指のプログレ名作といえば、こちらも忘れちゃいけません。
しなやかな超絶技巧を惜しげもなく披露しつつ、ファンタジックな叙情性も備えたシンフォ・サウンドはYESにも匹敵!ああ、至高・・・。
マイク・オールドフィールドにかなり近い世界観が広がっていると思いきや、チューブラー・ベルズに3年も先んじたスウェーデンのマルチ奏者による70年作。
プログレ黎明期に、これほどの作品をほぼ独力で作り上げた先見性とクリエイティビティには驚かずにいられません。
「北欧のクリムゾン」と言えば彼らかな?
『太陽と戦慄』を2倍速で畳みかけちゃうようなパートと北欧の幻想美に溢れたアコースティックなパートの落差ときたら・・・。メロトロンも溢れちゃうし、終始、唖然・・・。
81年作ですが、こちらも凄いです!世界中に拡散したカンタベリーのエッセンスが、北欧スウェーデンにこんなにもハイレベルな作品を生んでいたとは。
加えてアネクドテンやアングラガルドを形成した源流の一つとも言えちゃいそうなこの畳みかけるへヴィネス!絶句もの…。
サイケ、ジャズ、R&B、ハード・ロックをグツグツと煮込んだようなサウンドですが、英国に来て制作しただけありテクニックと完成度はかなりのもの。
その名の通りスウェーデンのグループによる70年録音作で、COLOSSEUMのTony Reevesがプロデュース!
ちょっぴりフザけたジャケだけど、ジャズ、ミニマル、アヴァンギャルド、サイケ、北欧トラッドをゴッタ煮にしたチェンバー・ロック・サウンドは一級品!
緻密さとルーズさの度合いも絶妙で、格調高くもジャケ通りの愛嬌もある独特の雰囲気を纏っています。名作。
イエスやジェネシスやグリーンスレイドやベガーズ・オペラあたりのファンは聴いていて、思わず笑みがこぼれてくること間違いなし。
このスウェーデンのバンドの唯一作、マイナーだけど驚きのクオリティ!
北欧のビートルズ?いや、カンタベリー風味もあるぞ!?
おもちゃ箱をひっくり返したようなサウンドという形容がぴったりハマるグループ。人懐っこいメロディがもうたまらん!
優美に奏でられるピアノやフルートが編み上げるファンタスティックな音のタペストリー。
北欧はフィンランド生まれの愛らしすぎるシンフォ名作。
ジャケット通り宇宙を漂っているのような心地よい浮遊感と、リリシズム溢れるメロディに酔いしれます。
フロイドのようなドラマチックさにほんのりソフト・サイケテイストを添えた北欧シンフォ、唯一作にして傑作!
「ハイカラさんが通る」を思い出すバンド名ですが、フィンランドのバンド。
ジェスロ・タルにも通じるいなたいトラッド・ロックで幕を開けたと思いきや、徐々にサックスとファズギターが暴れだしてクリムゾンばりに強度と重量感を増すアンサンブル。ジャケ通りの混沌が渦巻く怪作。
デンマークにこんなたまらないkeyプログレがあったとは!
グリーンスレイドとオランダのトレースを足して2で割り、ELPのエッセンスをスパイスで加えたような感じ!トレースやチェコのコレギウム・ムジクムなど、クラシカルなkeyプログレのファンは是非。
焦燥感のあるリフにドタバタとしたドラム、カンタベリー・ロックを思わせる流麗なエレピにフリーキーなサックス。
てんでバラバラなような各パートが緻密に組み合わさり疾走していく様が圧巻!後にSECRET OYSTERに発展するグループによる74年作。
トラッド色醸し出しつつ吹きすさぶサックス、アヴァンギャルドに切り込むギター、そしてザッパばりの諧謔精神!
こんな凄いバンドがデンマークに眠っていたとは…。視聴是非!
ダウナーなサイケ感と洗練されたジャズ/フュージョン、北欧らしい幻想性が一つになったサウンドは実に個性的。
カンタベリー界隈にもちょっぴり通ずる、淡く幽玄なデンマーク産プログレ秘宝。
寒そう~なジャケのこちらはノルウェー産。
次作からはイエスに接近しますが、このデビュー作は、アトミック・ルースター~EL&Pばりにオルガンが攻撃的に炸裂するプログレ・ハードを展開!
初期イエス風のアグレッシヴさや伊ヘヴィシンフォばりの畳みかけも折り込んだ北欧プログレの秘宝。
溢れ出すメロトロン、宇宙の深遠を描くシンセ。ドラムは初期クリムゾンを彷彿させるし、リッケンバッカーはゴリゴリしてるし、歌はグレッグ・レイクに似てるし、でも、アンサンブルがバタバタとしてて。
さすがはノルウェーB級シンフォ秘宝・・・。
いかがでしたか?こちらの記事もどうぞ!
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スウェーデンのテクニカル・シンフォの雄、ダイス。78年のデビュー作。叙情的でありながらも、緻密で技巧的な演奏力を併せ持った歴史的名盤。(国内盤帯より)
フィンランドのグループ、71年作の3rdアルバム。ジャズ・ロック、クラシック・ロック、ハード・ロックを巧みに織り交ぜた起伏に富んだアンサンブルと、ビートルズ的とも言えるポップなメロディーが絡んだサウンドが持ち味。メロディーをフィーチャーしつつも、決して軽くならず、終始テンションを保ったサウンドは、ハットフィールドの1stあたりに通ずるものがあります。名作。
20年アンコールプレス、紙ジャケット仕様、2枚組、SHM-CD、09年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲収録、定価4000+税
盤質:傷あり
状態:良好
軽微なケースツメ跡あり、ケースにシールが貼ってある仕様です。
盤質:傷あり
状態:並
ケースツメ跡あり、ホチキス跡あり、背ジャケにヨレあり
デンマーク出身のキーボード・プログレ・バンド、77年作の2nd。デビュー作からキーボード奏者2人が代わり、新たなツイン・キーボード編成で録音されています。サウンドの印象は、グリーンスレイドとオランダのトレースを足して2で割り、EL&Pのエッセンスをスパイスで加えたような感じ!?キース・エマーソンを彷彿させるスペーシーかつ攻撃的なフレーズあり、天へと真っ直ぐに登っていくようなクラシカルなフレーズあり、温かでファンタスティックなトーンのフォーキーなフレーズあり、ムーグやハモンドがこれでもかと躍動する、キーボード・プログレのファン歓喜の音が溢れています。引き締まったタイトなリズムから、R&Bなグルーヴで躍動するリズムまで、リズム・セクションの充実も特筆。ここぞでは、エレキ・ギターや激しいフルートをフィーチャーするなど、プログレッシヴなアレンジも見事です。ほぼインストながら、デンマークらしい朗らかなメロディ・ラインが散りばめられていて、最後まで一気に聴き通すことができます。デビュー作と並び、トレースやチェコのコレギウム・ムジカムなど、クラシカルなキーボード・プログレのファンは必聴でしょう。愛すべき逸品です。
スウェーデン出身、8人編成のグループ、75年作の1st。サウンドは、ジャズ、アヴァンギャルド、サイケ、北欧トラッドをゴッタ煮にしたジャズ・ロック/チェンバー・ロック。テクニック抜群ですが、緻密さとルーズさの度合いが絶妙で、格調高さとともに、ジャケットの通りどこか愛嬌のある雰囲気も印象的。名作です。
ノルウェーのグループ、73年作の1st。ブリティッシュ・ロックからの影響が強い陰影に富んだハード・ロックを軸に、変拍子の中をオルガンやギターがウネリを上げるプログレッシヴなパートを織りまぜたダイナミックな展開が聴き所。ハード・ロックやプログレなど、同時代のブリティッシュ・ロックを飲み込んだアーティスティックなサウンドが魅力的な好盤。
デンマーク産ジャズ・ロック・バンド、77年作1st。こ、これは凄いです…。北欧トラッド感漂うフレーズを吹き鳴らすサックスとアヴァンギャルドなギターが変拍子織り交ぜつつ疾走、かと思えば突如洒脱でムーディーなジャズ・ロック・パートに突入し、ヴォーカルが入れば人を食ったようにファンキーなサウンドに変貌し…。本格的なジャズの素養を感じさせるしなやかな技巧性と、ザッパやSAMLA MAMAS MANNAを思わせる諧謔精神が交わった変幻自在のアンサンブルは、とても無名とは信じられぬほどの完成度。とにかくキレのあるサックスが出色で、幻想的なエレピや強靭に歪んだギターと絡み合うナンバーはクリムゾンやHENRY COW好きにもグッと来ること間違いなしでしょう。COMPANYIA ELECTRICA DHARMAのファンにもオススメです!視聴是非。
スウェーデンを代表するハード・ロック・グループNOVEMBERのリーダーでベース/VoのChrister Stalbrandtによる結成されたグループ。70年代のスウェーデン・ロックを代表すると言われる74年作。ギター2人の4人編成ながら、ピアノ、チェロ、サックス奏者がゲスト参加し、スケールの大きなサウンドが特徴。不穏の雰囲気を醸すアコギのバッキング、そこに絡む格調高いタッチのピアノ。揺れるトーンのエレキ、低く垂れ込めるようなチェロが音空間を雄大に広げる。そこに、エッジの立ったトーンとワウによる粘りのあるフレージングのギターが突如切れ込む!スウェーデン語によるヴォーカルもアーティスティックなオーラがプンプン。まるでピンク・フロイドにジミ・ヘンがゲスト参加した感じ!オープニング・ナンバーからかなりキてます。3曲目の青白く幻想的な感じ、なにかに似てる、と思ったら、アネクドテン!90年代以降波に乗るスウェーデン新鋭への影響も確かに感じます。これは素晴らしいグループ。ずばり名作。
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