2022年1月21日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ佐藤です。
カントリーやスワンプのエッセンスを取り入れた米憧憬サウンドを聴かせる、いわゆる「イギリスのアメリカ」は数多くの作品が思い浮かびますが、今回はその逆「アメリカのイギリス」を探求したいと思います。
英国のバンドに通じる気品高さや陰影に富んだサウンドを聴かせてくれる作品をどうぞお楽しみください!
まずは先日初CD化した、この注目作品からスタート。
ビートリッシュなポップが好きならこの1曲目は是非聴いて欲しい!
アメリカのバンドですが、ビートルズやキンクスらを彷彿させるほのかな気品を漂わせつつも、ちょっぴり捻くれたポップなサウンドを聴かせる極ニッチな一枚。
ふむ、あのストレイ・ドッグのメンバーが率いたバンドなのね。
ムーディー・ブルースの英国叙情が堪らないという方は、このバンドをお試しあれ♪
存在感あるストリングスとハープシコードによる気品ある演奏、陰影に富んだメロディ、哀愁溢れるヴォーカル&コーラスが、MOODY BLUESやFANTASYといった英国の叙情派グループを彷彿。
後のDAKOTAのメンバーが中心なだけあって、フックに富んだ佳曲揃い!
ジャケからはイメージできませんが、こちらもムーディーズ好き要チェックの一枚!
サイケ・ポップを土台に、MOODY BLUESやENGLAND『GARDEN SHED』に通ずる幻想性を加えたようなサウンド!?この米サイケ・プログレ、ブリティッシュ・ロック・ファンなら心ときめくこと必至ですよ~。
こちらも超マイナー作品ですが、中身は凄い。
ピーター・ハミルとデヴィッド・バイロンを足したような強烈なヴォーカルとYESばりのファンタジックかつ荘厳なアンサンブルが一体となって、一大シアトリカル・プログレを繰り広げる傑作!
なんとテキサスのバンドだって!?
南部まで来たので、サザン・ロック・シーンからこのバンドをセレクト!
カプリコーン・レーベルではめずらしいブリティッシュ・スタイルの陰影ある逸品。
ポール・ロジャーズを彷彿とさせるスモーキー&ソウルフルなヴォーカルと、コクとシャープさのバランスが絶妙なアンサンブルの組み合わせは、サザン・ロックと言うより「アメリカのBAD COMPANY」と言っちゃったほうがしっくり来る?
こちらはジャケットからして英国っぽい雰囲気が漂ってますね…!
「ツェッペリン meets ドアーズ」と言えるサウンドを、豪快に飲み込むメロトロン!
アメリカのバンドだけど、これは英ハード&プログレ・ファンもニンマリの一枚!
フィメール・ヴォーカル英フォーク好きにはこちらの作品をおすすめ~。
こ、これ、アメリカのフォークなの?
どこを切ってもブリティッシュの薫りプンプンじゃない!
バーバラ・ガスキンやジュディ・ダイブルを彷彿させる女性ヴォーカルにはびっくりですよ。
いかがでしたか?
お時間ありましたら、以下逆バージョンの記事もお楽しみください☆
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アメリカン・ロックへの憧れを滲ませたアーシーでコクのあるサウンドを持ち味とする英国ミュージシャンの中から、特に完成度の高い米憧憬サウンドを聴かせる名作をご紹介いたしましょう!
メロトロンを豪快にフィーチャーした米ハード・ロック・グループ、74年唯一作。ツェッペリンやユーライア・ヒープからの影響が感じられる陰影に富んだヘヴィネスとドアーズなどアート・ロック的な佇まいとがブレンドしたスケールの大きなアンサンブル、そこにクリムゾンの1stばりに豪快に溢れ出すメロトロン!ハードなセクションでは壮大さを演出し、バラードセクションでは独特の冷ややかさとファンタジックさを見せます。ブリティッシュ・ハードのファンには是非ともオススメした米ハードの名作!
オールマン・ブラザーズでお馴染みのカプリコーン・レーベルより75年にリリースされた2nd。サザン・ロックの名作が多いカプリコーン・レーベルの中では珍しいブリティッシュ・ロック的なサウンドが聴き所。ヌケの良いギター・トーンの中から滲み出る叙情性。ポール・ロジャーズを彷彿とさせるスモーキー&ソウルフルなヴォーカル。バッド・カンパニーあたりのサウンドが好みの方は是非!アメリカンなスピード感やキレ味とブリティッシュ・ロックの陰影との豊かな融合。これはカッコ良いです!
71年作、米プライヴェート・プレスの激レア・フォーク盤。まずバーバラ・ガスキンやジュディ・ダイブルを彷彿させる陰影のある女性ヴォーカルにびっくり。気品漂うストリングスやハープシコードの調べと霧がかったフルートが描く幻想的な音世界は、アメリカというよりまるでブリティッシュ。英フォークの発掘盤と言われれば誰もが信じてしまうでしょう。英フォーク三美神やトレイダー・ホーンあたりのファンは驚きの一枚であること間違いなし!
Greg LakeプロデュースでMANTICOREよりデビューしたハード・ロック・バンドSTRAY DOG。彼らの2nd『WHILE YOU’RE DOWN THERE』より加入したギタリストTimmy Dulaineが、60年代末に率いた米サイケ・ポップ・バンドの69年唯一作。アメリカのバンドですが、ビートルズやキンクスらを彷彿させるほのかな気品を漂わせつつもちょっぴり捻くれたポップ・サウンドを聴かせます。冒頭の「Yes」から『A Hard Day’s Night』期ビートルズ風の甘酸っぱいメロディと溌溂とした演奏で駆け抜けるキャッチー過ぎる名曲でびっくり。全体としてはキンクスの捻くれ感とバッドフィンガーの哀愁を折衷したようなサウンドが中心で、気品ある管弦アレンジをバックに、甘いコーラスを伴った伸びやかなヴォーカルが歌う瀟洒にしてメロディアスなナンバーが並びます。バンジョーが彩るカントリー・タッチのナンバーを除けば、英バンドかと思ってしまうほど英国調の端正な味わいが印象的な作品です。
アメリカのプログレ・サイケ・グループ。71年作。サイケ・ポップを土台に、MOODY BLUESに通ずる幻想性を加えたようなサウンドが印象的。ソフトな美声ヴォーカル、広がりのある豊かなハーモニー、中域が太くまろやかなメロディアスなギター、クラシックの素養を感じるリリカルなピアノ、ハイポジションでよく動くメロディアスなベース、歌心のあるふくよかなドラム、流麗なフルートなど、美しいメロディを柔らかく包むアンサンブルも絶品。プログレッシヴなパートでは、ENGLAND「GARDEN SHED」に通ずる雰囲気もブリティッシュ・ロックからの影響が色濃いファンタスティックな逸品。
サイケ・ハードの同名グループとは異なる、アメリカはテキサス出身のプログレ・グループ。74年作。ピーター・ガブリエルやデヴィッド・ボウイばりの演劇的な歌唱からピーター・ハミルばりのエキセントリックな歌唱まで表現力豊かなヴォーカルが中心で、すべて彼のペンによるコンセプト・アルバム。例えるなら、ジム・モリソン亡き後のドアーズにピーター・ハミルが加わって一大プログレ絵巻を作り上げた感じ?くすんだトーンと荘厳さと劇的さはブリティッシュ・プログレ直系。こんなグループがアメリカに居たとは。米プログレの秘宝。
のちにメロディック・ロック/AORの名バンドDAKOTAを結成するメンバーが在籍する米ロック・バンド、71年の唯一作。全編で鳴り響く存在感あるストリングスとハープシコードが印象的な気品あるアンサンブル、陰影に富んだメロディ、哀愁を帯びたヴォーカル&コーラスが、MOODY BLUESやFANTASYといった英国の叙情派グループを彷彿。一方でサイケ色を残した熱量あるギターが唸りを上げるナンバーでのノリの良い疾走感や、CSN&Y風の繊細なフォーク・タッチには、アメリカのバンドらしさが滲みます。フックのあるメロディメイクに支えられたドラマチックで完成度の高いナンバーが目白押しで、後のDAKOTAでの成功を予感させる好盤です!
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