2020年10月13日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
英国のミュージシャンの中には、アメリカン・ロックへの憧れを滲ませたアーシーでコクのあるサウンドを持ち味とするミュージシャンが数多く存在します。そんな中から特に完成度の高い米憧憬サウンドを聴かせる名作をご紹介いたしましょう!
アメリカン・フォークに心奪われた元フェアポート・コンヴェンションのSSW、イアン・マシューズが率いたバンドの70年作1st&同年2nd。ペダル・スティールなどでアメリカっぽさを演出すればする程浮き上がる英国的な叙情性溢れるメロディー。これぞ「イギリスのアメリカ」の代表格ですね!
そんなMATTHEW’S SOUTHERN COMFORTからイアンが抜け、残りのメンバー達で結成されたこちらも愛すべき「イギリスのアメリカ」バンド。柔らかなペダル・スティールやCSN&Y的コーラスなど米国フォーク・ロックへの憧れをひしひしと感じさせつつ、どこか繊細な陰影を帯びたサウンドがたまらなく胸に響きます・・・。
隠れた名メロディ・メイカーと言うべきMalcolm Morleyが率いる英フォーク・ロック・グループですね。憂いのあるハートウォーミングなメロディ&ハーモニー、そして枯れた哀愁を放つ絶品アンサンブル。ニール・ヤングやCSN&Yらへの憧憬もたっぷりで、西海岸勢に通じる爽やかな聴き心地が印象的です。
レノン=マッカートニーによる提供曲を歌ったことも話題となり、60年代に大ヒットを飛ばしたピーター&ゴードン。その片割れゴードン・ウォーラーがデュオ解散後に渡米し、72年にリリースしたソロアルバムが本作。憂いあるペダル・スティール、リリカルなピアノ、郷愁を誘うフィドル。そして胸に染みるゴードン・ウォーラーのヴォーカルと陰影ある豊かなメロディ。米憧憬SSW/スワンプの名盤です。
ANDWELLAを率いた名SSWによる78年作3rdで、洗練されたAORタッチの中に土の香りがするスワンプ/フォークロックをブレンドした極上メロウ・スワンプ盤がこちら。英国らしい憂いをたっぷり含んだメロディと歌声がたまんないなぁ。それにしても名曲だらけでほんと凄い才能だ…。
デラムからリリースで、ニッキー・ホプキンスやミック・ウィーヴァーやヘンリー・ローサーも参加した英スワンプの逸品なのに、このマイナーっぷりときたら(涙)。アーシーな米ルーツ・ロックの影響を受けつつ、そこかしこから英国的な哀愁や陰影が滲むサウンド。最高の「イギリスのアメリカ」ですよ!
フロイドのツアーギタリストも務めた、いぶし銀ギタリストがアンディ・ロバーツ。本場アメリカのミュージシャン顔負けのスワンピーでコクたっぷりのギタープレイ&ソングライティングセンスが発揮された名盤がこちら。随所で見せる英国的なリリカルさや翳りも魅力的な極上英ロック!
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こちらはボウイやフロイド、クラプトンを支えたいぶし銀ギタリスト、ティム・レンウィック率いるバンド。カントリー・タッチの軽快でメロウなギターに素朴でセンシティブなヴォーカル。BRINSLEY SCHWARZに通ずるほのぼのとした雰囲気に心温まります。
ドノヴァンのマネージャーAshley Kozakによって結成されたバンドの72年作。ほんのりと英国らしい陰影を滲ませたメロディに、CS&Nからの影響を伺わせる美しいコーラスが重なるサウンドが大変魅力的!BEE GEESファンにもオススメです。
英フォーク・ロック/ソフト・ロック・グループの76年唯一作。キンクスやトロッグスを手掛けたラリー・ペイジによるプロデュースで、パイ・レコードからのリリースでした…となれば、キンクス×イーグルス!?イーグルスのヒット曲「Take It Easy」をカバーしていますが、カラッとしきれないくぐもった英国らしいボーカルと、ちょっともったりした薄味な西海岸風バンド・サウンドが何とも言えぬ哀愁を誘います。
英国叙情派の筆頭バンドとして愛されるグループですが、各作品に数曲は米西海岸への想いを乗せた米憧憬ナンバーが入っているのが特徴です。本作はその志向がより強まった一枚で、ニール・ヤングやディランのプロデュースで知られるエリオット・メイザーを起用。ウエストコースト風の爽やかさと英国らしい格調高くセンチメンタルな叙情が一体になったサウンドを楽しませてくれます。
ウェールズ出身バンドによる最終作となった71年作3rd。前作で聴かせたサイケとフォーク・ロックを取り合わせ独自のサウンドから一転、骨太なブルース・ロックを中心とするアーシーなアメリカ志向のサウンドを導入。とは言え、サイケの残り香を含んだツインギターが炸裂するソリッドなブルース系ナンバーは抜群のカッコよさだし、ブルース/ルーツ色が見え隠れする味わい深いフォーキーなナンバーも本格的だし、完成度は相当なもの。ラストにはメロトロンを伴った感動的な英国叙情ナンバーが登場し、フィナーレも完璧。英由来・米由来のサウンドをセンスよく織り交ぜた傑作です。
英国ロックのナイーブな叙情性とメロディアスで牧歌的なフォーク・ロック的メロディー・メイク、そして、オーケストラを加えた大掛かりな編成でダイナミズムとシンフォニック・ロック然とした音楽性を打ち出した、ブリティッシュ・プログレッシブ・ロック史に残る名グループの75年作7th。POLYDORへ移籍第3弾である本作は、POLYDOR移籍後の彼らのバンド・サウンドの成果が結実した名盤であり、ポップ・シンフォニック期の彼らの代表作と言えるでしょう。適度にアメリカン・ロック的な雰囲気も覗かせますが、淡い幻想性を持ったサウンドはやはり英国的な甘みを持っています。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
特典帯付(紙ジャケに巻いてあります・テープに黄ばみあり)、若干カビあり
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
帯中央部分に色褪せあり、若干カビあり
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:全面に多数傷
状態:並
帯有
解説に折れあり、カビあり
紙ジャケット仕様、03年デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、内袋付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
若干帯中央部分に色褪せあり、解説に若干汚れあり
英サイケ・フォーク・ロックの至宝ANDWELLAS DREAM〜ANDWELLAを率いたSSWによる、78年リリースの3rdソロにして最終作。ソウルフルな女声コーラスやメロディアスに躍動するスライドギターをフィーチャーした軽快なAORナンバーの1曲目に始まり、持ち味のハスキーな憂いあるヴォーカルにグッとくるドラマチックなバラードの2曲目、そしてハモンドの音色もたまらないANDWELLA時代を彷彿させるスワンプ・チューンの3曲目!前作『FROM TIME TO TIME』でも聴かせた、洗練されたAORタッチの中に、土の香りがするスワンプ/フォーク・ロックを絶妙にブレンドしたサウンドを、本作でもたっぷりと楽しませてくれます。そんな中でも、5曲目「Whole Lotta Something」は特筆で、英国らしい影のあるメロディと切々としたヴォーカル、そして劇的な構成で聴かせる極上メロウ・スワンプに思わず涙が出そうになります。本作リリース後はライヴ活動やソングライターとしての活動にシフトしていく彼ですが、最終作というのが惜しまれる紛れもない大名盤。スワンプファンにもAORファンにも、これは自信を持ってオススメしたい逸品!
ピーター&ゴードン解散後に渡米。ニューヨークで録音され、72年にヴァーティゴよりリリースされた1stソロ。オリジナルは、ヴァーティゴが誇る数あるプレミア盤の中でも屈指のレア盤。SSW/スワンプの名作として人気の作品で、なるほど、ピーター&ゴードンとは異なり、アーシー&メロウなサウンドが印象的。憂いあるペダル・スティール、リリカルなピアノ、歌心あるふくよかでタイトなドラム、郷愁を誘うフィドル。そして、胸に染みるゴードン・ウォーラーのヴォーカルと陰影ある豊かなメロディ。A面のメロディアスなSSW曲、B面のルーツ色ある楽曲ともに、米東海岸の名セッション・マンがサポートしたアンサンブルも旨味いっぱいです。これは一生ものの一枚と言っても過言ではない傑作。米SSW/スワンプのファンも、アーニー・グレアムなど米国憧憬ブリティッシュ・フォーク・ロックのファンも必聴!
リヴァプール・シーンやグリムズやプレインソングでの活動でもソロでも英ロックのファンにはお馴染みのアンディ・ロバーツが、元ヤンコ・パートナーズやミック・エイブラハムズ・バンドのKey奏者ボブ・サージェントらと結成したグループ。サンディ・ロバートソンのプロデュースで録音され、アトミック・ルースターやジンハウスやハンニバルなども所属するB&Cレーベルより71年にリリースされた唯一作。2曲目「Sad」の名曲ぶりが凄い!抑制されたリズム隊とピアノが「くるぞくるぞ」と聴き手の期待を煽るタメの効いたイントロから雰囲気たっぷり。バックにはメロトロンも鳴らされ、ハイ・トーンのスモーキーなヴォーカルがエモーショナルに憂いのあるメロディを歌い上げる。リズムが走り、オルガンが鳴らされ、ピアノがジャジーなフレーズを彩ると、そこは英国ならではの翳りある世界。そこに追い打ちをかけるように鳴らさせるメロトロン!ブリティッシュ・ロック一級の名曲ですね。その他の曲も粒ぞろいで、米国憧憬の中にもフィドルが英国的な陰影を描くフォーク・ロック、ルーラルなコーラスが染みるスワンピーな曲、ペダル・スティールが美しすぎるハートウォームな曲など、英国的なメロディが堪能できます。英フォーク・ロック/SSWのファンはもちろん、ネオン・レーベルあたりのジャジーで叙情的な英ロックのファンにもたまらない名作!
隠れた名メロディ・メイカーMalcolm Morley率いる英フォーク・ロック・グループ。71年作1stと72年作3rdをカップリングした2in1CD。NEIL YOUNGやCSN&Yへの憧れが溢れるサウンドが印象的。憂いのあるハートウォーミングなメロディ&ハーモニー、枯れた哀愁を放つアンサンブルは絶品。本当に素晴らしいメロディが沢山つまった優れた作品です。
ドノヴァンのマネージャー、Ashley Kozakによって結成されたバンド、72年1st。BEE GEESのような爽やかなコーラスが全編に響き渡ってとても気持ちが良いです。アコースティック・ギターやピアノ、軽やかなドラムのアンサンブルで、CS&Nなどのウエストコースト・ロックに影響されたフォーク・ロック・サウンドを展開。2ndのようなビートリッシュなメロディは今作ではまだ聴けないものの、ほんのりと英国の陰影をにじませた米憧憬フォーク・ロックとしては申し分ない作品です。CRESSIDAのKevin McCarthy、JONESYのBernard Hagley、FUZZY DUCKのPaul Francisなどがメンバーです。
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