2021年9月30日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊,世界のロック探求ナビ
タグ: ロック&ポップス
こんにちは。早いもので9月も今日が最終日になりました。おかげさまで今月も多くのCD買取依頼をいただき、カケレコの中古棚も充実しています。
今日はその中から、オルガン・ロックを探してまいりました!英国から始まり米国、ユーロの作品を紹介してまいりますので、お楽しみください!
英国でオルガン・ロックと言えばVertigoレーベル。さらにVertigoでオルガンと言えば、ちょっと悩んでこれでしょう!オルガンロック史上最上の一曲「Munich」をどうぞ☆
クレシダのレーベル契約前の69年にレコーディングされたデモ音源集も発見!
「プログレッシブ・ロックを聴き始めたきっかけがこのバンドで、思わず買ってしまいましたがその価値はありました。デモ音源ですが曲はきれいにまとまっていて、音のくぐもったオルガンも澄んだボーカルを引きたてているようです。」by 2さん
同じくVERTIGOレーベル発の2枚をピックアップ!
お花を全面にあしらった可憐なアートワークかと思いきや・・・ジャケを開くとしゃれこうべが登場してゾクッとする、という趣向。さすがはvertigo、何かと一筋縄ではまいりません。同レーベルのハモンド御三家に数えられる名盤ですね~
ドイツ出身、FRUMPYから発展したハード・ロック・グループATLANTISが英ヴァーティゴから発表した73年作1st。ポコポコと軽妙なパーカッションと腰の据わったオルガンによるグルーヴィで粘りのあるアンサンブルをバックに、女性ヴォーカルが迫力あるシャウトを炸裂。テンポ・アップしたオルガンと早弾きで畳みかけるギターとのスリリングなせめぎ合いは、第3期パープルを彷彿!
壮大かつ緊張感のある19分の組曲の後半に満を持して現れる、BS&T meets DEEP PURPLEみたいな「Paint It Black」カヴァーが実にシビれるんですよね~!ブラス、オルガン、ギター、そのどれもが主役級といえるアレンジが見事なオルガン・ロック名作。
弦楽器やホーンによる壮大なオーケストラアレンジが印象的ながら、いわゆるシンフォニック・ロックな雰囲気はなく、基本にあるのは骨太なオルガン・ロック。力強いヴォーカリストを加えたクレシダがオーケストラと共演したようなサウンドと言えば分かりやすいでしょうか。英国オルガン・ロックの傑作!
次は米国、ユーロへ!
くすんだオルガン、控えめなフルート、哀愁いっぱいの繊細なギター・・・CRESSIDAなどのブリティッシュ・ロックに通ずる陰りに満ちたアンサンブルがたまりません。と思ったら、なんと米オハイオ産サイケ・バンドとは!
R&B/ブルース・ロックからアート・ロック~プログレへの過渡的なサウンドを詰め込んだ、米ロック70年作。スリリングなオルガン・ロックが炸裂する1曲目から持っていかれます!
こ、この一曲目、ヒープやVERTIGOオルガン・ロックのファンはイチコロですよ。クラシック大国ドイツらしい荘厳なオルガンや叙情的なヴァイオリンをフィーチャーした名作ですね。
レイト60sテイスト溢れるオルガン、ひんやりしたシンセ、哀愁のギター・アルペジオにトルコのサイケものみたいなユルいヴォーカル・・・。サイケとポップとハードとプログレの隙間に嵌ってしまったかのようなスイスの75年秘宝盤。
最後は、60年代から活躍するブラジルのグループが73年作!
「ブラジルということで歌物中心かと思っていましたが、キラキラした音色のオルガンと重厚なファズギターが活躍するオルガンハードロックでした。CARAVANのような暖かみのあるロックが好きな私にはとても気に入った作品。」by けんたろうさん
いかがでしたか?さらなるオルガン・ロック探求はこちらからもお楽しみください!
VERTIGOレーベル発のプログレッシブ・ロックを代表するグループの71年唯一作。メンバー編成すらクレジットされていないため長らく謎に包まれていたグループですが、その内容はCRESSIDAなどと並ぶ英国ロックの代表作であり、イギリスらしい重厚な質感を持ったブリティッシュ・ロックという趣です。ブルージーでハードに盛り上げながらもジェントリーな響きを持ったバンド・アンサンブルは英国然とした湿り気と翳りを内包させており、ギターやフルートの彩りを交えながらもそのバンド・アンサンブルを引っ張るのはアグレッシブに弾き倒しを見せつつ懐の深いプレイを聴かせるハモンド・オルガン。英国の芳醇な香りを放つ名盤です。
VERTIGOレーベル発のブリティッシュ・ロックを代表するグループの71年作2nd。KEEFの手によるジャケットアートがよく知られているその内容は、前作のポップ・センスはそのままに、より起伏に富んだアンサンブルで聴かせる作品であり、英国然としたジェントルな気品に満ちた質感と湿り気が特徴的な名作です。コロコロと転がっていくクラシカルなオルガン・ワークを中心にした渋いアンサンブルを放っており、また、ブルージーに泣くギターや所々でドラマチックに楽曲を彩るストリングス・セクション、ブラス・セクションも素晴らしく、英国ロックの奥深さと味わいを伝えています。
Beckettなどで活躍していた名キーボード・プレイヤー、Tim Hinkley率いるJODY GRINDの69年発表1stアルバム。Timによる卓越したオルガン・ワークとバンドとしての巧みなアレンジは絶品の一言で、オルガン・ロック・ファンは必聴。
ヴァイオリン入りのクラシカルなシンフォニック・ロックを聴かせるドイツのグループのデビュー作。作品をリリースする度に洗練されたシンフォニック・ロックを構築していく彼らですが、デビュー作である本作ではクラシカルな要素は多く含みながらもシンフォニック・ロックというよりはハードなオルガン・ロックという趣。VERTIGOレーベル諸作のようなで荒めの演奏が魅力的ですが、ヴァイオリンやリコーダーを駆使しスメタナの「モルダウの流れ」を取り上げるなど、後の彼らの飛躍を感じさせるに充分なデビュー作となっています。
オハイオを拠点に活動、黒人メンバーを1人含む5人組アシッド・ロック/ソフト・サイケ・バンドが、プライヴェート・プレスで残した72年の唯一作。オルガンとリリカルなフルートが彩るドリーミーな浮遊感が特徴的なアシッド・サイケ。ヴォーカルはソウル色がありつつも熱唱しないスウィートなスタイルで、ドリーミーなサウンドに絶妙にマッチします。サイケ然とした色彩感あるギターもかなりの腕前ですが、決して弾きまくりではなくオルガン&フルートのサポートをメインに、ここぞで熱いソロを聴かせるツボを心得たプレイが好印象。たった一枚で終わってしまったのが何とも惜しいと思わずにはいられない、独特の世界観を持ったアシッドなサウンドが魅力的な一枚です。
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