2021年7月9日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
キース・エマーソン、リック・ウェイクマンに端を発する、クラシックの高い素養を持つ鍵盤奏者が活躍するクラシカルなキーボード・プログレ。
これぞプログレッシヴ・ロック!という荘厳さや格調高さがみなぎっていて堪りませんよね!
今回は、上の2人に匹敵するオランダのキーボード名手リック・ヴァン・ダー・リンデンを擁するトレースの名作2nd『鳥人王国』から、クラシカルな美旋律たっぷりのキーボード・プログレを探求してまいりたいと思います!
まずはR.V.D.リンデンの華麗なプレイから聴いてまいりましょう~。
『展覧会の絵』や『ヘンリー八世の六人の妻』が気に入ったなら、ぜひ聴いて欲しいのがオランダのTRACE。
バロック音楽の流れを汲む壮麗なオルガンワークが圧巻のアグレッシヴな楽曲は、これぞクラシカル・プログレの代名詞!
マリリオンでも活躍するイアン・モズレイのずっしり重厚にアンサンブルを支えるドラミングもお見事ですね。
続いては、デンマークの知られざる力作キーボード・プログレをチョイス!
デンマークにこんなたまらないkeyプログレがあったとは!
グリーンスレイドと上記のトレースを足して2で割り、ELPのエッセンスをスパイスで加えたような感じ!
トレースやチェコのコレギウム・ムジクムなど、クラシカルなkeyプログレのファンは是非。
ロシアからは、何と言ってもこの19年作でしょう!
ロシアン・シンフォの雄、貫禄の13th。
ダイナミックなうねりを伴い押し寄せる怒涛のシンセサイザーと輝かしい管楽器隊がスリリングに絡み合いながら突き進むアンサンブルは、ずばりハンガリーのSOLARISにも比肩するエネルギーと迫力!
本格的にクラシックを学んだキーボーディストGENNADY ILYINの才覚が全編で炸裂しまくり!
そのLTに比肩する驚きのクラシカル・シンフォを描き出したこの作品も是非!
これはビックリしました。まさかロシアのLittle Tragedieに比肩する完成度のクラシカル・プログレが、現代ギリシャに生まれるとは…!
本職のクラシック奏者と遜色ない表現力のピアノに、ラティマーばりの泣きのギターまでもフィーチャーされて、もうクラシカル・シンフォの極致と呼びたくなるサウンドに終始落涙必至です。
いかがだったでしょうか。
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元EKSEPTIONのRick Van Der Linden率いるオランダのキーボード・トリオ。75年作2nd。クラシカルな美しさはそのままに、ロック的なダイナミズムを増した重厚なアンサンブルは驚異的な完成度。全プログレ・ファン必聴の傑作。Darryl Wayがゲスト参加。
デンマーク出身のキーボード・プログレ・バンド、77年作の2nd。デビュー作からキーボード奏者2人が代わり、新たなツイン・キーボード編成で録音されています。サウンドの印象は、グリーンスレイドとオランダのトレースを足して2で割り、EL&Pのエッセンスをスパイスで加えたような感じ!?キース・エマーソンを彷彿させるスペーシーかつ攻撃的なフレーズあり、天へと真っ直ぐに登っていくようなクラシカルなフレーズあり、温かでファンタスティックなトーンのフォーキーなフレーズあり、ムーグやハモンドがこれでもかと躍動する、キーボード・プログレのファン歓喜の音が溢れています。引き締まったタイトなリズムから、R&Bなグルーヴで躍動するリズムまで、リズム・セクションの充実も特筆。ここぞでは、エレキ・ギターや激しいフルートをフィーチャーするなど、プログレッシヴなアレンジも見事です。ほぼインストながら、デンマークらしい朗らかなメロディ・ラインが散りばめられていて、最後まで一気に聴き通すことができます。デビュー作と並び、トレースやチェコのコレギウム・ムジカムなど、クラシカルなキーボード・プログレのファンは必聴でしょう。愛すべき逸品です。
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