2021年5月28日 | カテゴリー:50周年記念連載企画「BACK TO THE 1971」,世界のロック探求ナビ
2021年にカケレコがお届けしている特別企画「BACK TO THE 1971」。
今からちょうど50年前、1971年に産み落とされた名盤を取り上げて、その魅力に改めて触れてみようというのがこの企画です。
ビートルズの活躍を中心としてロックに多様な表現が生まれた1960年代が幕を下ろし、60年代の残り香漂う1970年を経て、いよいよ新たな時代へと目を向けた作品が生まれていったのが1971年という時期。
英米ロックの名作はもちろん、欧州各国の重要作品も取り上げて、各作品の誕生日または誕生月に記事をアップしてまいります。
この機会に、ロックが最もまばゆい輝きを放っていた時代の作品達にぜひ注目していただければ幸いです。
それでは皆で、BACK TO THE 1971 !!!
第11回目にご紹介するのは、今から50年前の今日、5月28日にリリースされたロッド・スチュアートの3rd『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー 』。収録曲「マギー・メイ」が大ヒットし、アルバム自体も英米ともにチャート1位に輝き、ロッドの人気を確立した作品です。
ロッド・スチュワートというと、ブロンド美女がいつも傍らにといった華やかなロック・スターのイメージ大きく、敬遠してしまう英国ロック・ファンも多いのではないでしょうか。
そんな華々しい立ち振る舞いから受けるイメージとは違う、ロッドの繊細な感性を感じることが出来るのが、『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー 』を始めとする70年代のソロ作。ここで70年代にリリースしたアルバムをまとめてみました。
ソロ
英国時代
1970年 :『ロッド・スチュワート・アルバム(An Old Raincoat Won’t Ever Let You Down)』(英)
※米国では『ロッド・スチュワート・アルバム(The Rod Stewart Album)』として1969年にリリース。
1970年 :『ガソリン・アレイ』(2nd)
1971年 :『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー』(3rd)
1972年 :『ネヴァー・ア・ダル・モーメント』(4th)
1974年 :『スマイラー』(5th)
渡米後
1975年 :『アトランティック・クロッシング』(6th)
1976年 :『ナイト・オン・ザ・タウン』(7th)
1977年 :『明日へのキック・オフ(Foot loose & Fancy Free )』(8th)
1978年 :『スーパースターはブロンドがお好き(Blondes Have More Fun 』(9th)
フェイセズ
1970年 :『ファースト・ステップ』(1st)
1971年 :『ロング・プレイヤー』(2nd)
1971年 :『馬の耳に念仏(A Nod Is As Good As a Wink… to a Blind Horse)』(3rd)
1973年 :『ウー・ラ・ラ』(4th)
70年代のソロ作の中でも、英国時代の作品は、ロックンロール、カントリー、R&Bといった憧れのアメリカ音楽だけでなく、自身のルーツである英国トラディショナル/フォーク音楽の要素も取り入れており、アコースティックなサウンドが味わい深いものばかりです。
『エヴリ・ピクチャー・テルズ・ア・ストーリー 』の参加メンバーは、フェイセズからロン・ウッド(g)とイアン・マクレガン(key)。ダニー・トンプソン(b)、マギー・ベル(vo)、ジェフ・ベック・グループで一緒だったミック・ウォーラー(Dr)など気心知れた仲間が名を連ねています。
それでは曲を聴いてまいりましょう。まずはロッドとロン・ウッド共作のオープニング!
T1:Every Picture Tells a Story
フェイセズのアルバムに入っていそうな酔いどれロック。でもイントロとバックで鳴るアコギが一味違ったものにしています。仲間の演奏で歌うのを心底楽しんでいるロッドの様子が伝わってきます。
ペダル・スティールとヴァイオリンが響くボブ・ディラン「Tomorrow is Such a Long Time」のカヴァーも良いし、全部の曲を取り上げていきたいところですが、次は皆さんご存じのこの名曲!
T7:Maggie May
マンドリンをフィーチャーした最初のヒット曲だそうです。弾いているのは英フォーク・ロック・グループ、リンディスファーンのレイ・ジャクソン。テンポのよい曲調ですが、歌詞はロッドの10代の時の実体験で、年上の女性への想い断ち切ろうとする切ない心情を歌ったもの。アコースティックなサウンド、そしてマンドリンのきらきらした音が繊細な歌詞と響き合っています。ハスキーで優しいヴォーカルはもちろん素晴らしい。
T8:Mandolin Wind
次もマンドリンが活躍するロッド作の曲。牧歌的で美しいバラードです。スライド・ギターも心に沁みます。
T8:Reason to Believe
こちらは39歳という若さでこの世を去った米SSWティム・ハーディンの曲。ピアノやオルガン、ヴァイオリンが叙情的に彩ります。
いかかでしたか。オリジナル、カヴァーともに名曲ばかりです。華々しいスターのイメージとは違う、ロッドの繊細な感性に触れることのできる名盤。これを機に聴いていただければ幸いです。
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英国の71年Album Of The Yearにも選ばれるなど、プログレッシヴ・ロックの1つのスタイルを築き確立した歴史的な作品です。EMERSON, LAKE & PALMER、改めて彼らの魅力に向き合ってみるのもいいかもしれません。
フェイセズのメンバー全員が参加。より泥臭いテイストが前面にでた2ndアルバム。70年作。ロン・ウッドとの共作による傑作「ガソリン・アレイ」他、ボブ・ディラン・エルトン・ジョン等、カヴァー作品のアレンジにも傑出したセンスを見せる。
盤質:全面に多数傷
状態:並
盤に研磨跡あり、若干カビあり
全英全米ともに1位。ロッドの名を世界へと知らしめた3rdソロにして一大出世作。71年作。キャリアを代表する大ヒット曲「マギー・メイ」(全英全米1位)、「リーズン・トゥ・ビリーヴ」(全英1位)他、ロン・ウッドとの共作によるタイトル曲、自らのマンドリンをフィーチャーした「マンドリン・ウィンド」など名曲ぞろい。
前作に続いて大ヒットを記録した4作目。72年作。サウンド的にも前作の路線を踏襲。「マギー・メイ」の続編と言うべき「ユー・ウェアー・イット・ウェル」(全英1位)、ジミ・ヘンドリックスのカバー「エンジェル」等、脂の乗り切った歌唱を聴かせる。
SHM-CD、マスター2009年、ボーナス・トラック1曲、定価1714+税
盤質:無傷/小傷
状態:良好
帯有
74年作の5th。ポール・マッカートニーが書き下ろした「マイン・フォー・ミー」、エルトン・ジョンが提供/参加した「レット・ミー・ビー・ユア・カー」も収録。
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