2021年3月11日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
こんにちは。スタッフ青山です。
寄居町ではここのところ風の強い日が続きました。顔に当たる風はまだひんやりしていて、暖かい春の陽気まではあと一歩でしょうか。
今日はジョニ・ミッチェル『コート・アンド・スパーク』から、軽やかに澄んだ美声を聴かせる女性ヴォーカルの作品をピックアップしてまいります。休日の午後に温かい飲み物片手に至福のリラックスタイムを過ごしたいです。
ジョニ・ミッチェルの74年リリース6th。西海岸のトップ・フュージョン系ミュージシャンを起用し、孤高でいてたおやかな、一層色彩感覚が研ぎ澄まされた鮮やかなサウンドを聴かせています。
息をのむような美声を特徴とするスコットランド出身フィメールSSW。初期ジョニ・ミッチェルの瑞々しさと、サンディ・デニーの英国らしい憂いを合わせたようなハイトーンボイス、キース・ティペット、アンディ・ロバーツ、キース・クリスマスらの味のある演奏、絶品です。
同じくスコットランドから。74年唯一作で知られるエレクトリック・トラッド・バンド、CONTRABANDの歌姫による76年作。このアルバムではトラッド色はなく、Richard Thompson、Jackson Browneなどを軽やかにカヴァーしています。
あのジミー・ウェッブの実妹の1975年唯一作。透き通った美しいヴォーカルと達人セッションマン達が紡ぐAORサウンドの取り合わせがとっても軽やか♪
ドン・ヘンリーと恋仲にあった女性SSWによる77年の名作。プロデュースはドン・ヘンリー自身が担当し、キャロル・キングをはじめ、ウェストコースト・オールスターと言えるゲストも豪華で、ドンの彼女への愛情を感じます。
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74年作の6th。ジョニと言えばオープン・チューニングのギターによる自由自在のコード進行とその上を軽やかに舞うようなメロディが持ち味。デビューからのギターやピアノの弾き語りスタイルでも充分に色彩に溢れていましたが、本作では、西海岸のトップ・フュージョン系ミュージシャンを起用し、孤高でいてたおやかな、一層色彩感覚が研ぎ澄まされた鮮やかなサウンドを聴かせています。それにしてもジョニが描く奔放な音楽にカチっと流麗なフレーズで彩るバックの演奏陣は見事の一言。ディランのフォーク・ロック化と同じぐらい革命的ともの言える、フォークとジャズが手を取り合った傑作です。
74年唯一作で知られるスコットランドのエレクトリック・トラッド・バンド、CONTRABANDに在籍した歌姫、Mae McKennaのソロ2枚目となる76年作。前作同様のカヴァー・アルバムでトラッド色はなく、Richard Thompson、Andrew Gold、Carol King & Gerry Goffin等の楽曲を、本人のピアノを中心に軽やかにカヴァーしています。CONTRABANDでも取り上げていたT10「Lady For Today」は、本作ではペダル・スティールが揺蕩うウェスト・コースト風のアレンジに。そこに優しく澄んだMaeのヴォーカルがのびやかにのり、空を舞うような心地にさせてくれます。Jackson Browne「Late For The Sky」での温もりと陰りを含んだカヴァーも絶品。トラッドは触手が伸びないという人にもぜひ聴いて欲しい、コンテンポラリーな女性ヴォーカル・アルバムの名作です。
ジミー・ウェッブの妹でもある女性SSW、1975年唯一作。いやはや、素晴らしい歌声です!ジミーのアルバムでも可憐なコーラスを聴かせてくれていましたが、今作では前編で彼女の澄んだクリスタル・ボイスを楽しめます。3曲オリジナルで他はカバー曲となっているこの作品。オープニングの「Helplessly Hoping」を再生すると…スティーヴン・スティルスがジュディ・コリンズとの別れについて歌ったこの楽曲が、何と軽やかに響くことでしょうか!跳ねるようなリズムのキーボードやベース、ギターが少し都会的なAOR風サウンドを作り出し、可愛らしすぎるスーザンのボーカルが切ないメロディを歌っていきます。アーシーさも残しながら、お洒落で心浮き立つようなこの音、ヴァレリー・カーター作品に近いものがあります。ウエストコースト・ロック好きの方、女性シンガー好きの方は必ずや大切な一枚となることでしょう。ジェシ・エド・デイヴィス、ジェフ・ポーカロ、ジム・ゴードン、ジム・ケルトナー、ハーブ・ペダーソン、ジミー・ウェッブ他参加。
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