2019年6月22日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ,今週のカケレコFacebook
こんにちは。6月も後半となりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
新潟、山形の付近で地震がありましたが、お近くの方は大丈夫でしょうか。
ご無事を、心より願っております。
今週は、「除湿アルバム」というテーマで、facebookに投稿してまいりました。
湿度が多い時期ですので、少しでも快適になっていただければと思います。
最初の作品は、サザン・ロックの雄レーナード・スキナードの73年デビュー作「(Pronounced ‘Lĕh-‘nérd ‘Skin-‘nérd)」をチョイス。
3本のギターが豪快に絡み合う1曲目「I Ain’t The One」から、湿度0%のサザン・ロックをガツンとかましてくれます。まさにアメリカ南部に広がる砂と岩の荒原が思い浮かぶようですね。
そんな王道サザン・ロックの合間に聴かせる叙情的な「Tuesday’s Gone」がまた良くて、プロデュースも務めるアル・クーパー(クレジットはRoosevelt Gook)が奏でるドラマチックなメロトロンがいい味出し過ぎ。プログレ好きとしてもこれは堪りません。
ゴキゲンなサザン・ロック・アルバムである一方、聴き込むごとにその懐の深さと滲み出るような味わいが実感できる愛すべき一枚です。(佐藤)
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ジョージア、アラバマ、テネシー、テキサス、フロリダ、オクラホマ、アーカンソー州といったアメリカ南部生まれのミュージシャンによる、ハードでいてヌケがよく、哀愁いっぱいのサザン・ロックをご紹介。
本日ご紹介する「除湿アルバム」はTHE BYRDSの69年作『BALLADS OF EASY RIDER』。
65年にディランのカヴァー「Mr.Tambourine Man」で大ヒットを記録。サイケな作風を経て、68年には名盤『ロデオの恋人』でカントリー・ロックという新たな音楽性を打ち出したTHE BYRDS。
彼らをカントリー・ロックに導いた風雲児グラム・パーソンズは『ロデオの恋人』制作後にバンドを脱退してしまうものの、残された彼らはその後もアメリカの広大な大地に根付いたコクたっぷりのルーツ・テイストを追求していきます。
特に映画『イージー・ライダー』のテーマソングを収録した本作は、ジャケット通りの荒野と青空が目に浮かぶような乾いたサウンド溢れる名作。
「Jesus Is Just Alright」など古き良きゴスペルや賛美歌のカヴァーも取り入れながら洒脱で繊細に、かつ哀愁たっぷりに繰り広げられるカントリー・ロックの世界に浸っていれば、気分は一気にアメリカンに。
じめじめした湿気もどこかへ行ってしまいそうな、味わい深さいっぱいの一枚です。(増田)
今日は、ライ・クーダーの『チキン・スキン・ミュージック』です。
アメリカのルーツ・ミュージック探求者にして、スライド・ギターの名手、ライ・クーダー。ローリング・ストーンズ『レット・イット・ブリード』への参加でも知られていますね。
こちらは初セルフ・プロデュースによる76年作。ブルースやフォークを消化しつくしたライは、今作でメキシコ音楽やハワイアンに接近しました。
ゆるやかなグルーヴが心地よいドラム、芳醇なマンドリンやボトルネック・ギター、哀愁のホーン、そして、ライ・クーダーのリラックスしながらもコクの深いギター。
アメリカ大陸の、乾いた風に吹かれるようなアルバムです。(みなと)
今日のアルバムはリトル・フィートの記念すべき1st『Little Feat』にいたしましょう!
アメリカの古き良きルーツ・ミュージックへの敬愛が滲む、芳醇かつ実直なサウンドにはいつ聴いても胸を打たれます。
「Truck Stop Girl」あたりのピアノが効いた哀愁あるナンバーも素敵ですが、スライドの名手ローウェル・ジョージと共に、昨日ご紹介したライ・クーダーもゲストとして味のあるギターを提供する「44 Blues/How Many More Years」(ハウリン・ウルフのカバー)に、濃密で旨味たっぷりなのにしつこくない、リトル・フィートというバンドの「バランスの良さ」を感じます。
全体としては、西海岸らしい爽やかさも含んだ適度な乾き具合がとても心地いい作品です。(佐藤)
最終日の今日は、少しマイナーな作品をご紹介。テキサスの田舎町、ワクサハチ出身のSSW、ミルトン・チェズレイ・キャロルです。
昨年やっとCD化された(!)今作は、「除湿」効果があるかは不明ですが、カントリー・タッチのスティール・ギターやドブロが、軽やかで乾いた、非常に心地よい音を聴かせてくれます。
また、少し掠れたアクの少ないテナーボイスが味わい深く、オリジナル曲は勿論、エルトン・ジョンやジェシ・ウィンチェスターなどカバー曲も抜群のセンスでテキサス風に演奏しております。
ジェイムス・テイラー作「Highway Song」なんて、ミルトンバージョンの方がいいんじゃないだろうか…と思ってしまう程です。(みなと)
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ニール・ヤング『ハーヴェスト』から出発し、どこかうら寂しく哀愁漂うフォーク・ロックをピックアップいたしました。秋の深まる季節にぴったりの作品ばかりです。
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デジタル・リマスター、ボーナス・トラック1曲、定価2520
盤質:傷あり
状態:並
帯有
ファミリーツリー付き、帯にウォーターダメージ・テープ貼り付けあり
デジパック仕様、2CD+DVDの3枚組、入力方式・リージョン記載なし
盤質:無傷/小傷
状態:良好
若干ケースツメ跡あり、若干角潰れあり
65年の記念すべきデビュー作。ビートを効かし、マジカルな12弦ギターのアルペジオと豊かなコーラス・ワークで彩ったディランのカバー「ミスター・タンブリン・マン」は全米1位の大ヒット。独自のフォーク・ロック・スタイルは、ビートルズにも影響を与えるなど、その後のミュージック・シーンに大きな影響を及ぼします。Gene Clarkによるビートリッシュな楽曲も魅力的。90年代ギター・ポップにも通ずる歴史的傑作。
65年の2nd。「ターン・ターン・ターン」がシングル・チャートで全米NO.1を獲得。大ヒットの連発により一層の人気を得、彼等のフォーク・ロック・スタイルは大きなセールス・ポイントになりました。本作からバーズはディランやビートルズの影響から脱しし始め独自のバーズ・サウンドを形成していきます。
アメリカを代表するフォーク・ロック・グループ。バーズ版『ラバーソウル』『リボルバー』とでも言えそうな67年の4thアルバム。デイヴィッド・クロスビー、クリス・ヒルマンのソングライティングの才能が花開き、ロジャー・マッギンとの3人で勢いに溢れた名曲を連発。オープニングを飾る代表曲「So You Want To Be A Rock N Roll Star」から次々と魅力的なメロディが続きます。バーズの最高傑作と評すファンも多い名作。
アメリカのルーツ・ミュージックを探求する旅路の中で生まれた72年作の3rd。邦題は「流れ者の物語」。南部のブルース・ナンバーやトラディショナル・ソングを、名うてのミュージシャンをバックに、ライのスライド・ギターとマンドリンで料理した味わい深すぎる名演がずらり。しなやかながらズシリと重いトーンの芳醇なリズム・ギター&スライド・ギター、郷愁を誘うマンドリン。マッスル・ショールズの名ドラマーのロジャー・ホーキンス、LAスワンプを代表するドラマーのジム・ケルトナーによる弓のようにしなってはタイトなビートを刻むグルーヴィーなリズム。サザン・ソウルを代表するソングライターの2人、ダン・ペンとチップス・モーマンが作曲した名曲「Dark End Of The Street」では、ロックとサザン・ソウルとが交差した、何十年も熟成されたウイスキーのような演奏を堪能することができます。ザ・バンドの1st、2ndにも引けを取らない米ルーツ・ロックの傑作。
LA出身のギタリスト。タージ・マハールとのライジング・サンズで活動したり、ストーンズ『レット・イット・ブリード』に参加した後、70年にソロ・デビュー。彼の最高傑作と評される74年作の4th。レニー・ワロンカーらによるプロデュースで、ジム・ケルトナー(ドラム)、ロニー・バロン(ベターデイズなどで活動したニューオーリンズのKey奏者)などが参加し、ストリングス・アレンジはニック・デカロ。R&B、ブルース、ニューオーリンズなど米ルーツ・ミュージックを土台に、メキシカンやカリビアンなフレイヴァーをまぶした楽曲は陽気で穏やかで心にスッと染みてきます。しなやかでいてタイトなリズム、ゆったりと奏でられる芳醇なスライド・ギター。演奏と歌からは、米ルーツ・ミュージックと多彩なワールド・ミュージックとが絶妙にブレンドされた豊かな香りが溢れています。米ロック屈指の愛すべき傑作です。
LA出身のギタリスト。タージ・マハールとのライジング・サンズで活動したり、ストーンズ『レット・イット・ブリード』に参加した後、70年にソロ・デビュー。前作『PARADISE AND LUNCH』と並び、彼の最高傑作と評される76年作の5th。初のセルフ・プロデュース作で、ドラムのジム・ケルトナーなど気心知れたミュージシャンが参加。米ルーツ・ミュージックとメキシカンやカリビアンなどワールド・ミュージックをブレンドした前作の延長線上にあるサウンドで、テキサスのメキシコ系音楽であるテックス・メックスやハワイアンが郷愁を誘う佳曲ぞろい。ゆるやかなグルーヴが心地よいドラム、芳醇なマンドリンやボトルネック・ギター、哀愁のホーン、たおやかに舞うようなタッチの中にブルースなどルーツに根ざしたコクが滲むライならではのエレキ。自国のルーツ音楽をものにした上での、ワールド・ミュージックとそれを奏でる民族達への愛情溢れる眼差し。ふくよかすぎる愛すべき米ロック傑作。ジョン・レノンでお馴染みの「Stand By Me」、泣けます。
紙ジャケット仕様、2枚組、02年リマスター、ボーナス・トラック10曲、定価3400
盤質:傷あり
状態:並
帯有
紙ジャケ一部ににウォーターダメージあり
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