2020年1月14日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ:
スタッフ佐藤です。
ロック好きなら、なんだかんだでロック魂みなぎる熱い歌唱を聴かせてくれるとグッと来ちゃいますよね。
というわけで、ヴォーカルが熱い(暑苦しいのも含む)アルバムを世界各国から集めてみましたよ。
なお、ハードロックは基本ヴォーカルが熱いので、今回は非ハード・ロック系の作品から選んでおります。
英ロックの熱唱ヴォーカル代表は、マイク・パトゥ。相棒オリー・ハルソールのスリリングな速弾きギターも流石ですが、独特の絞り出すように発声する熱い歌唱がやっぱり最高。
こちらも英国の熱唱系名シンガーですね。元々クリーンな方の声をわざと歪ませるようにして出すダミ声ヴォーカルがバンド最大の個性となっています。さらに弦楽器やシンセの豊潤なアレンジも見事だし、クリムゾン加入直前のジョン・ウェットンのベースもゴリゴリと絶好調。名盤!
このパワフルな姉御ヴォーカルは、後継バンドVINEGER JOEで若きロバート・パーマーとツイン・ヴォーカルを披露するElkie Brooks!ホーン・セクションがむせぶ骨太グルーヴィ―な演奏と相性抜群すぎでしょ…。
熱唱系イタリアン・ヴォーカルの筆頭と言えばこの方でしょう。これぞイタリア!と言いたくなる、熱くドラマチックに歌いこむスタイルを特徴とします。訴えかけてくるような説得力あるヴォーカルがグッと胸に迫るんですよね~。
情熱ほとばしるフラメンコ・ギター、ダイナミックうねるスペイシーなキーボード、そしてJesus De La Rosaによる哀愁が零れ落ちるスペイン語ヴォーカル!熱くも切ない、スパニッシュ・シンフォ不朽の名作。
「ポーランド・ロックの父」とも云われるヴォーカリスト/オルガニストのデビュー作は、IDLE RACEやTHE MOVEあたりも引き合いに出したいサイケ・ポップの逸品!NIEMENの少しハスキーで独特の憂いを湛えた声質と、それを生かした熱唱スタイルのヴォーカルはすでにほとんど完成形でお見事です。
シンフォ、ジャズ、ブルースを飲み込んだテクニカルなバンド演奏と重厚なブラス隊とが丁々発止でぶつかりあうこの熱気たるや、マハビシュヌやアレアに比肩するかも。そこに演歌を思わせる気合いの入ったチェコ語の熱唱ヴォーカルが乗ってさらにエネルギーが増幅。
この女性ヴォーカル、ほとんど無名だけど、ジャニスやグレイス・スリックにシアトリカルな表現力を加えたような凄い実力派じゃないっ!変幻自在なヴォーカルを多彩なアプローチで引き立てる演奏陣もかなりいいし、これは米アート・ロックの隠れた名作!
「やりすぎたゲディ・リー」って感じの超個性派ヴォーカルに耳を釘付けにされる、ご存じ米プログレ代表格。メロトロンが吹きすさぶ哀愁たっぷりのアンサンブルに嗚咽のように絞りだすようなハイトーンが素晴らしくマッチ!
新鋭からもご紹介!
ポーランド産80~90’sリバイバル・プログレ・ハード!?しかもヴォーカルはまるでデイヴィッド・カヴァーデイルみたいなソウルフルなシャウト炸裂させる紅一点だって!?
71年にVertigoレーベルよりリリースされた2nd。前作で既に確立していた、オリー・ハルソールの職人芸的なドライヴィング・ギターとマイク・パトゥの熱唱ヴォーカルというスタイルに更に磨きがかかった名作。もうスピーカーから汗がピシピシ飛び散ってます。ライヴはさそがし凄かったんだろうな、と思わせるブリティッシュ・ハードの名作。
17年リイシュー、デジタル・リマスター、2枚組、DISC2には71年のBBCセッション音源&アウトテイク全11曲を収録
スパニッシュ・ロックを代表するグループである彼らが75年にリリースした記念すべき1stアルバム。哀愁のフラメンコ・ギターに導かれるキーボード&ピアノのドラマティックな響きと、それに続く熱情的なヴォーカル。めくるめくダイナミックなバンド・アンサンブル。とにかくこれでもかと聴き手の感情を揺さぶる展開はただただ圧倒的。スパニッシュ・シンフォ屈指の傑作。
David SurkampとRick Stocktonを中心に結成されたアメリカのプログレッシブ・ロックグループの75年デビュー作。その内容はDavid Surkampの非常に個性的なハイトーン・ボーカルで聴かせるハード・ロック的な音楽性を基本にしたもの。ヴァイオリン、フルートといったアクセントも巧みに取り入れたサウンドを聴かせていますが、なんと言っても湿り気のあるメロトロンが使われていることがこのグループの音楽性をプログレッシブ・ロックへと接近させており、アメリカよりはブリティッシュ・ロック的な味わいを感じさせる作風となっています。
ROGER CHAPMANのアクの強いヴォーカル、骨太なアンサンブル、英国的な薫りを放つフルート&弦楽器というスタイルで、ジェスロ・タルと並び、英国激渋ハード・ロックの好グループ。72年作の7thアルバム。JOHN WETTON参加後2作目。WETTONはリード・ヴォーカルこそ取っていませんが、ベースでは前作以上の存在感シンセやピアノなど、鍵盤楽器の比重が増し、音楽性の幅は格段に増しています。本作を最後にWETTONは脱退。
VINEGAR JOEの前身バンド、粘っこいブルース・ロックがいなたさ抜群の傑作70年作!ファンキーなウネリのあるバンド・サウンドに、クールなフィメール・ソウル・ヴォーカルを披露するのは、バンドのギタリストPETE GAGEの奥さんであるELKIE BROOKS!そして躍動感溢れる、ブラス・セクションと、畳み掛けるよなキーボード・オルガンにブリブリのベース・ラインと、楽曲のどこをどのように切っても最高のファンキー・ブルース・ブラス・ロックを大展開!このバンド、後にROBERT PALMERが加わり、あのVINEGAR JOEが誕生するわけですが、既にこの時点で、他の追随を許さない独自の力強いサウンドを構築していることは、特筆すべきことでしょう!STONESのカヴァー、「THE LAST TIME」もかなーりカッコイイですよ!
チェコを代表するプログレ・バンド、74年作。ビッグバンド・オーケストラとバンド演奏との火花の散るような共演が印象的だった前作の続編と言うべき作品。何と言っても冒頭22分に及ぶ大作が押しも押されぬ名曲!東欧らしい哀愁溢れる歌の魅力を堪能できる前半、重厚なブラス隊と渾然一体となってひたすらエネルギッシュに突き進んでいく白熱の後半と、ビッグバンドと渡り合いつつも、シンフォ、ジャズ、ブルースなどを巻き込んでテクニカルに進行していくバンドの演奏力、センスには脱帽です。ベクトルは違えど、この熱量の高さはマハヴィシュヌやアレア、マグマにも比肩するレベル。他の曲も、重厚なブラスとバンド演奏が織りなすドラマティックな佳曲揃い。東欧屈指の名バンドという評価も頷ける傑作です。
「ポーランド・ロックの父」とも云われるヴォーカリスト/キーボーディスト、67年リリースの記念すべき1stアルバム。バックバンドはAKWARELEが務めています。軽快なギターがリードするガレージ風ポップあり、メロディアスなソフトロックあり、クラシカルな泣きのバラードあり、哀愁いっぱいのシャンソン風ナンバーありと、68年というロック/ポップスが多様な広がりを見せた時代を感じさせる様々な要素が含まれたサウンドを展開。そんな中ブレることなく一貫して素晴らしいのがNiemenのヴォーカルで、少しハスキーで独特の憂いを湛えた声質を生かしドラマチックに歌いこむスタイルはすでに完成形に近く、ジャズ・ロック/プログレ期と言える70年代の活躍を十分に予感させます。彼のヴォーカルを気品高く彩る管弦アレンジも見事です。垢抜け具合はさすがに足りないものの、IDLE RACEやTHE MOVEあたりも引き合いに出したい優れた60sユーロ・ポップスの逸品です。
2013年にポーランドで結成された新鋭ハード・ロック・バンド、18年のデビュー・アルバム。ザクザクとメロディアスなリフを刻むギター、明るくカラフルなシンセ。WHITESNAKE、DEF LEPPARD、MOTRY CRUEなど80’sハード・ロックを彷彿とさせる歯切れよく暖かみあるサウンドがなかなか小気味よいのですが、特に痛快なのが紅一点ヴォーカリストKasia嬢の男顔負けのシャウト!妖艶というよりは中性的でエネルギッシュなヴォーカルが骨太なグラム・ハード的サウンドにマッチしていて実にGOOD。一部では壮大に広がるシンセをフィーチャーしたプログレ色の強いナンバーも聴かせていますが、それもまた際立ってモダン過ぎず、RUSHや初期DREAM THEATORにも通ずるちょっぴりノスタルジックな雰囲気を醸し出していて好感が持てます。上記の80’s〜90’sサウンドがお好きな方は是非。
コメントをシェアしよう!
カケレコのWebマガジン
60/70年代ロックのニュース/探求情報発信中!