2019年1月16日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊,世界のロック探求ナビ
70年代、カンタベリー地方出身のミュージシャンによって作り出されたカンタベリー・ミュージック・シーン。
高度なテクニックと実験精神を発揮しつつ、英国ならではの叙情性に満ちた個性豊かなサウンドは古今東西の様々なバンドに影響を与え、世界各地に多くのフォロワーを生み出してきました。
本日はカケレコ中古棚より、そんなカンタベリー・ミュージックの影響が感じられるジャズ・ロック作品をピックアップしてまいりましょう。
まずは本場カンタベリーの名盤からスタート。
カンタベリー・ミュージックを代表するグループと言えばこのグループですね。
メンバーの確かな技巧性に裏打ちされた複雑な楽曲構成、テクニカルなインタープレイに、ポップなユーモアとイギリスならではの叙情を散りばめた74年の傑作。
HATFIELD & THE NORTHが好みでしたら、こちらも間違いなく気に入るでしょう!
いかにもカンタベリー・ミュージックらしい手工芸のような逸品!元SOFT MACHINEのHugh Hopperも参加した79年作。
そんなハットフィールド&ザ・ノースとギルガメッシュのメンバーが結成したバンドがNATIONAL HEALTH。
デイヴ・スチュワートやアラン・ガウエンをはじめとする名手たちの才能が結集し、まさにカンタベリー・ロックの集大成と言える技巧と叙情が結びついた見事なサウンドを創り上げています。
ハットフィールドやナショナル・ヘルスにも劣らぬカンタベリー界のスーパーグループといえばこちらも。
元ソフト・マシーンのエルトン・ディーン&ヒュー・ホッパーにピップ・パイル、アラン・ガウエンが加わり結成されたバンド、79年作。
フリーキーに叫びを上げるサックスとロマンティックなエレピが織りなす鮮烈のアンサンブルが魅力的!
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ではでは、ここからは世界のカンタベリーな名盤を探求!
シャープなリズム隊にアヴァンギャルドなタッチのピアノやオルガン、流麗に吹き鳴らされるフルート。
ハットフィールドが誕生するより前に、オランダにこんなにカンタベリーなジャズ・ロックが存在したとは・・・。
CARAVANが好きなら、このフィンランドのバンドも是非。
ほんのりユーモラスな牧歌性、人懐こいキャッチーなメロディ、時折疾走を始めるジャジーで精緻なアンサンブル。VIRGINよりワールドワイドにリリースされた名作ですね。
そんなWIGWAMに在籍したベーシストPekka Pohjolaが結成したフュージョン/ジャズ・ロック・バンド79年作もおすすめ。
透明感のあるギター、浮遊感たっぷりのエレピ。洗練されつつも暖かなファンタジックさに満ちたサウンドが心地良い~。
次はカンタベリー直系の淡く知的なジャズ・ロックを鳴らすベルギーのグループ、COSの76年作2nd。
ヒリヒリと緊張感漂うアンサンブルとコケティッシュな女性ヴォーカルのスキャットの対比が個性的ですね。
スペインはバルセロナが生んだジャズ・ロック「ライエターナ・ミュージック」屈指と言われる76年作。
クールな切れ味とユーモラスさ、暖かみあるハーモニーのバランスが絶品・・・ハットフィールド&ザ・ノースの1stやヘンリー・カウのファンは気に入る事間違いなし!
最後は現代に移りまして、まずは南米チリのカンタベリー・ロック!
84年に唯一作を残したチリのグループ、25年ぶりの09年復活作!
現代らしいハードエッジなアンサンブルと、揺らめくエレピ、リリシズム溢れるフルートがもたらすカンタベリー風味との融合が素晴らしい。
次は現代テクニカル・ジャズ・ロックの宝庫、インドネシアの07年作、
流麗でテクニカルなフュージョン・サウンドと東南アジアのエキゾチズムとが融合したサウンドは、フュージョンやカンタベリーの傑作とも比肩する知性を感じさせますね。
ラストは再び英国に戻り、オックスフォード出身の新鋭15年作。
まるでナショナル・ヘルスのデイヴ・スチュワートやアラン・ガウエンがポスト・ロックを演った感じ!?
ヌケの良いモダンな音響とカンタベリー直系の繊細な叙情性が出会った注目の逸品!
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時に繊細にたゆたい、時にキレ味鋭いフレーズでテンションを増幅させるギター。淡く叙情的なハモンド・オルガン。そして、流れるように美しくアイロニーやユーモアもたっぷりな愛すべきメロディとヴォーカル。そんなハットフィールドに通じる作品を世界中からピックアップ!
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ソフト・マシーンやハットフィールドなどカンタベリー・ミュージックのDNAを継ぐ新鋭ジャズ・ロック・バンドを世界中からピックアップいたしましょう。
カンタベリー・シーンの重要グループであるHATFIELD AND THE NORTHとGILGAMESHの中心メンバーが結成したジャズ・ロックバンドの78年作。Dave Stewart、Phil Miller、Neil Murray、Pip Pyleというキャリアのあるメンバーに加えてGILGAMESHのAlan Gowen、CARAVANやSOFT MACHINEとつながるJimmy Hastings、そしてGILGAMESHにも参加しているAmanda Parsonsなどゲスト人も強力。その内容はDave Stewartの存在感を感じさせる、HATFIELD AND THE NORTHの音楽性をよりジャジーにしたような作風であり、4曲の大作から成るカンタベリー・ジャズ・ロックの集大成といえる圧巻の傑作です。
スペインはバルセロナで興った「ライエターナ・ミュージック」屈指の傑作と言われる76年唯一作。メンバーの中心は、現在までプレイヤー/コンポーザーとして活躍するサックス/テノーラ奏者のJoan Josep Blay。他、ジャズ・ピアノの名手でORQUESTRA MIRASOLでも活躍するKey奏者Victor Ammannと、トランペット奏者、トロンボーン奏者、リズム隊による6人編成。Joan Josep Blayによるテノーラ(スペインの民族木管楽器)のチャルメラ風フレーズを軸に、トランペットとトロンボーンがたおやかにむせぶ地中海フレイヴァーたっぷりのサウンドを聴かせます。ビシバシと切れ味鋭いドラムとメロディアスに動きまくるベースによるリズム隊も鉄壁。Key奏者のVictor Ammannもさすがで、ギルガメッシュのAlan Gowenにも比肩する緻密で煌びやかなピアノ&エレピが印象的です。ハットフィールドやギルガメッシュなどカンタベリーの名作と比べても何ら遜色ないクオリティ。これはユーロ・ジャズ/アヴァン・ロック屈指の傑作です。
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