2019年1月15日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ増田です。
寒さ厳しいこの季節。本日はイタリアを筆頭に、熱く情感燃え上がるようなヘヴィ・シンフォニック・ロックを集めてみました。
「ヘヴィ」と聞くと歪んだギターや激しい音圧をイメージしますが、ヘヴィ・シンフォの場合はむしろ荘厳な楽曲表現、緩急激しい曲展開などサウンドの根底にある「重厚さ」が特徴。
これぞプログレ、というダイナミズムと熱気に溢れた名作たちをどうぞお楽しみ下さい!
まずはイタリアン・プログレの中でも指折りの名作と言えるこの73年作。
イタリアらしい叙情性とアグレッシヴなフリー・ジャズ、エキゾチックかつ呪術的なエッセンスが高次元で結びついた、おどおどろしいながらも神秘的な作品ですよね。
イタリアでメロトロンと言えば、やはりこのグループ!
「洪水」という言葉がぴったりの轟々たるメロトロン、牙をむくように狂暴なアンサンブル、そして強烈なまでの叙情性!何もかもが圧倒的・・・。
なんと当時全員10代のグループによる唯一作なのですが、こちらもイタリアン・プログレ史に名を残す名盤。
多少粗削りではあるものの、最初から最後まで怒涛のエナジーに満ちた内容は圧巻。もう緊張感という点ではクリムゾンも凌駕しちゃってますね!
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72年と言ったら・・・オザンナ「パレポリ」やムゼオ・ローゼンバッハよりも先じゃないかっ!
それでこの完成度、もっと評価されてもおかしくない元祖イタリアン・ヘヴィ・シンフォの傑作!
72年と言えばこの名作も生まれています。
ハード・ロック然としたギターやテクニカルなリズム隊の変拍子に、クラシカルなピアノやチェンバロ、メロトロンが乱れ飛ぶ・・・狂おしくも美麗なアンサンブルが見事。
アルゼンチン出身の映画音楽家ルイス・バカロフがオケアレンジを担当した伊ロック3大傑作の一枚。
持ち前のハードロック魂とクラシカルなストリングスとのぶつかり合いが熱い!
往年の傑作を紹介したところで、次は現代のイタリアが生んだヘヴィ・シンフォ名盤もご紹介!
まずは70年代初頭に結成されたというイタリアのバンドによる念願の(!?)17年デビュー作。
轟々としたメロトロンをめいっぱいフィーチャーしつつ、切れ味鋭くスタイリッシュに仕上がったヘヴィ・シンフォが新鮮!
こ、これ、本当に2015年作!?
「静」と「動」のめくるめくダイナミズムに溢れたサウンドは、まるで70年代の発掘音源!これは伊ヘヴィ・シンフォ傑作!
激しく舞い上がるフルート、これでもかというくらい湧き上がる幻想的なメロトロンに圧倒されました!
70年代イタリアを彷彿とさせる邪悪なムードたっぷりのヘヴィ・シンフォ04年ライブ盤。
04年にデビューしたイタリアの新鋭なのですが、オザンナを始めとする往年のイタリアン・ヘヴィ・プログレにHR色を加えたような、強烈なエネルギーが渦巻くサウンドがとにかく圧倒的!
この1曲目、ぜひ試聴してみてください…。
次のページではイタリアを飛び出て、世界のヘヴィ・シンフォをご紹介♪
イタリアン・シンフォニック・プログレッシブ・ロックの頂点に君臨する名盤であり、イタリア然とした叙情とへヴィネスで迫る傑作73年作。その内容はロマンに溢れるメロディーと、キーボード・サウンドをメインに据えた爆発的な熱気を感じるへヴィー・シンフォニック・ロックであり、ニーチェの「ツァラトゥストラはかく語りき」テーマに掲げた壮大なコンセプト・アルバムです。儚げなフルートや溢れ出る洪水のようなストリングスなど、メロトロンの長所を生かしきった名盤としても別格の出来であり、へヴィーなギターやせわしない手数を誇るドラムが彩るパワフルな音像に、深みのあるシンフォニック性とイタリアン・ロックの風格を加味することに成功しています。入門編にも最適な必聴名盤。
CITTA FRONTALEを母体に、Danilo RusiciとElio D’annaを中心に結成され、呪術的なサウンドとほの暗い叙情でトップバンドへと登りつめたイタリアのへヴィー・プログレッシブ・ロックグループの73年3rd。彼らの最高傑作として名高い本作は、彼らの個性である呪術的な暗鬱とした音楽性、圧倒的なサイケデリアを描く音像、そして過剰なへヴィネスを内包したギター、サックスが先導するフリー・ジャズ路線のアプローチが高次元で融合したイタリアン・プログレッシブ・ロックを代表する名作であり、おどろおどろしいながらも神秘を感じさせる傑作です。
EUROPEAN ROCK COLLECTION、定価3360
盤質:傷あり
状態:並
帯無
帯無、解説特典部分切り取り有り、若干カビあり
イタリアン・ハード・ロックグループとしてその歩みを始め、NEW TROLLSの名盤「Concerto Grosso N.I」のオーケストラ・アレンジで有名なLuis Enriquesz Bacalovの協力により名盤を生み出すこととなるプログレッシブ・ロックバンドの73年3rd。前2作でゴリゴリのハード・ロックを放っていた彼らが突如としてオーケストラと融合。イタリアン・シンフォニック・ロックの名盤を作り上げた本作は、Luis Enriquesz Bacalovのストリングス・アレンジが発揮された素晴らしい内容となっており、彼らの持ち味であったハードでダイナミックなロックのアンサンブルとクラシカルなテイストがぶつかり合いながら交じり合う名盤。濃厚なイタリアン・ロックの全てを詰め込んだ必聴作となっています。
後にSAMADHIを結成するボーカリストLuciano RegoliとギタリストNanni Civitenga、そしてPROCESSIONへ加入するドラマーFrancesco Froggio Francicaを擁したイタリアのプログレッシブ・ロックバンドによる72年唯一作。メロディーなどにはイタリアらしいフォーキーなフレーバーが漂うものの、サックスやフルートが登用されテクニカルでへヴィーな変拍子の畳み掛けを見せるなど、その音像はKING CRIMSONを髣髴とさせ、加えて現代音楽などに影響されたアヴァンギャルド性はほの暗さと呪術的な怪しさを放ちます。同郷OSANNAを想起させますが、爆発的な邪悪さを放つOSANNAより整理されたサウンドと言う印象を持ちます。紙ジャケット仕様。
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