2022年9月13日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ新鋭
先日、待望の22年作『A SONG OF SPRING』をリリースしたTIGER MOTH TALES。
現在あのキャメルのメンバーとしても活動する、イギリス出身の新鋭マルチ・ミュージシャン/コンポーザーPete Jonesによるソロ・プロジェクトです。
さらに、2023年4月にはキーボーディストとして在籍するCAMELの来日公演も発表され、その活躍を早く目の当たりにしたいというプログレ・ファンもきっと多いのではないでしょうか。
今回は、そんなPete Jonesの経歴とTIGER MOTH TALESとしてリリースされた各アルバムの魅力に迫ってみたいと思います。
まずは、18年作『STORY TELLERS: PART TWO』より、1曲お聴きください☆
いかがでしょうか。
まるであの『Foxtrot』から飛び出してきたかのような、気品高くも躍動感いっぱいのファンタスティック・チューンに唸らされますよね!
この圧倒的な完成度のサウンドを単独で作り上げる、Pete Jonesって一体何者!?
ノッティングガムを拠点に活動する英国人ミュージシャンPete Jonesによるソロ・プロジェクトTIGER MOTH TALES。Peteはヴォーカル、キーボード、ギター、ドラム(プログラミング)、サックス、クラリネット、リコーダーなど多彩な楽器を弾きこなす才能溢れるマルチ・インストゥルメンタリストです。
ただ、そのサウンドを聴く限りでは全く気づきませんが、実は彼、全盲のミュージシャンなのです。
80年に生まれたピートは、1歳のときに病気によって視力を完全に失ってしまいます。以来、主に聴覚を頼りにして生活を送っていたというピートは、幼いころより自然と音楽に親しみ、4歳のときにはピアノを弾き始めていたといいます。
学生時代には、学校での演劇行事や学園祭、学内コンサートなどでの音楽活動を行い少しずつその才能を伸ばしていきます。
88年に開催されたBBC主催によるクリスマス・ソング・コンテストのジュニア部門で優勝したことが、本格的に音楽を志すきっかけになったそうです。
進学した音楽学校ではピアノとリコーダーを専攻し、いくつかのバンドにキーボード/ヴォーカリストとして参加。
それからは、フィル・コリンズ、ポール・マッカートニー、ジョージ・マイケル、クイーン、ジェネシス、ビートルズ、カーペンターズなどのアーティスト/バンドに多大な影響を受けながら、自身のサウンドの追求を進めていきました。
そして学校卒業後の19歳の時に、友人の女性ヴォーカリストEmma Paineとともにデュオ・バンド「2 TO GO」を結成。
BBCのスター発掘番組で数度にわたりファイナリストまで残るなど実績を重ね、以後10年間にわたって英国のクラブやイベントでのステージで最も成功を収めているデュオとして人気を不動のものにしました。動画はそのスター発掘番組でのパフォーマンスの模様。
2010年頃より、2 TO GOでの活動と並行して本格的なソロ活動も開始。同年に初のソロ・アルバム『Look At Me Now』を発表します。
本作が一定の成功を収めたことでソロ・ミュージシャンとしても注目を集めることになったピートですが、彼の活動を特定の音楽ジャンルへと絞ろうとするプロデューサーらと対立、ジャンルにとらわれない自由な音楽活動を行いたかった彼はレーベルから独立します。
2013年に、ソロ・プロジェクトTIGER MOTH TALESを発足。プロジェクト名は彼の憧れのミュージシャンであるスティーヴ・ハケットの楽曲「Tiger Moth」にちなんだものです。
さらに、2016年にはなんとCAMELのキーボーディストに抜擢されます。17年に行われたCAMELの来日公演にも参加しており、その勇姿を目にされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
TMT発足と同年の13年に1stアルバム『COCOON』をリリース。
「ファンタジー」そのものと言っても過言ではない、幻想美に包まれたリリカルなメロディが躍動するサウンドは、シンフォ・ファンのハートを鷲掴みにするのに十分な魅力を放っていました。
続く15年リリースの2nd『STORY TELLERS: PART ONE』は、前作を上回るファンタスティックでドラマチックなサウンドメイクが全編を覆う傑作。2作目にして一部の隙もない細部まで完成されたシンフォニック・ロックを作り上げ、ブレイクを果たします。
前作から2年を経た2017年に届けられた3rdアルバム『DEPTH OF WINTER』。
前作で聴かせたコンポーザー&プレイヤーとしての実力はもはや揺るぎないものでしたが、今作も期待を裏切らないどころか大きく上回ってくる圧倒的な完成度。
Hygge
キャメルのロマンティックな叙情美とBIG BIG TRAIN的な洗練されたメロディアス・プログレが出会いを果たしたような、ただただ極上のシンフォニック・ロック。ソロ・ミュージシャンらしいハンドメイドな手触りもちゃんと残っているのがまたいいんですよねぇ。
Migration
こちらはトラッド風の荘厳なテーマが印象深いややポップながら重厚感もあるナンバー。得意とするリコーダーが冴え渡っていますね。80年代前後のジェネシスも彷彿させるリズミカルなサウンドからは、フィル・コリンズの影響が感じられます。
そして2018年、前作より1年弱でリリースされた4thアルバムが、『STORY TELLERS: PART TWO』です。
タイトルからもわかるように2ndアルバムの続編として制作されており、彼が子供の頃に親しんだおとぎ話や小説をモチーフにしたコンセプト・アルバムとなっています。
初期ジェネシス、スティーヴ・ハケット、そしてキャメルからの影響を、自身の美声ヴォーカルも生かしつつ叙情的かつロマンチックなサウンドメイクで包み込むスタイルは、同系統のグループ数あれど全く他の追随を許していません。
冒頭で取り上げた「Toad of Toad Hall」の他に2曲がYoutubeにアップされていますので、聴いてみましょう♪
Hundred Acre Wood
ピアノとクラリネットが紡ぐ、優しくノスタルジックな旋律が胸に沁みるインストゥルメンタル。先のジェネシス直系ナンバー「Toad of Toad Hall」に続いてこの芳醇なサウンドが来るのだから、その作風の幅広さがわかりますよね。
Match Girl
タイトル通り「マッチ売りの少女」を題材にしたセンチメンタルなヴォーカル・ナンバー。ストリングスも交え80年代以降のキャメルに通じる洗練された叙情美でしっとり聴かせます。うっとりするほどにロマンチック。
こちらはアルバム収録曲ではありませんが、ジェネシスの名曲「Musical Box」のカバー。
そして2020年、オランダでの19年ライヴを収めた待望の初ライヴ音源&映像がリリースされました!
自身はキーボード&ヴォーカルを担当し、彼が参加する英国のバンドRED BAZARのメンバー3人との4人編成で行われたのがこのライヴ。GENESISやCAMEL影響下のサウンドに現代的なクリアなキャッチーさを注入した、マジカルなシンフォニック・ロックはライヴでもやはり絶品。バンド・スタイルでダイナミックに迫ってくる演奏は、一人多重録音スタイルのスタジオ・バージョンとはまた異なる新鮮な魅力を感じさせます。
曲の合間に挟まれる、何となく素っ頓狂な語り口のMCもキャラが立っていて、エンターテイナーとしての才覚も発揮。
盲目ということを感じさせない快活なパフォーマンスがただただ素晴らしい~!
新型コロナウイルスが猛威を振るう2020年、コロナ影響下の世界情勢に対する表明として制作されたのがこのEP。
シリアスになりそうなテーマですが、そのサウンドはGENESISやCAMELへの愛情に溢れた実にTMTらしいキャッチーで輝かしいシンフォニック・ロック。
アコギの瑞々しい音色と持ち前の伸びやかな歌声がひたすら心地いいリリカルな名品「Still Alive」。クラシカルでデリケートなタッチと前のめりに音を詰め込むエキセントリックさの塩梅がハケットそのものなギター主体のインスト「Mighty Fallen」。そしてファンシーなSEが飛び交うコミカルな「Whistle Along」など、6曲の中に様々な表情の楽曲が詰まっています。
フルアルバム一枚分のアイデアを詰め込んだような充実の一枚!
そしてなんと、同年にはフル・アルバムもリリースされました。しかもTMTにとって新境地と言える弦楽カルテットとの共演アルバム!
全楽器を自身で操りGENESISやCAMELを受け継ぐファンタジー度120%のシンフォ・サウンドを紡いできた彼ですが、今作ではグランドピアノとヴォーカルに専念、ピアノ弾き語りスタイルを最大限に生かす弦楽クインテットと共にレコーディングされています。
クリアかつ重厚に響くグランドピアノとPeteの伸びやかでよく通る美声ヴォーカルを、ヴァイオリン/ヴィオラ/チェロが芳醇な音色を重ね合う溜息が出るように美しい重奏が包み込むスタイルは、しっとりとした聴き心地ながらどこまでもドラマチック。
物悲しさと温もりが入り混じる美麗なメロディがとにかく際限なく溢れ出してきて、ずっと落涙寸前です。驚かされるのは、本格的なクラシックの素養に溢れた弦楽と完璧に調和するPeteのピアノ演奏。歌の伴奏にとどまらない息をのむように繊細な表現力に、改めてプレイヤーとしての素晴らしい才能を感じさせます。
従来からは異色と言えるサウンドですが、Pete Jonesの歌声とメロディセンスを純粋に味わえる名作!
さらに前作から2年を経た2022年、またもやフル・アルバムとEPを同時リリース!前作で聴かせた弦楽カルテットとの共演とは打って変わって、従来のTMT節全開と言える最高にファンタスティックなサウンドを聴かせてくれました!
タイトルのとおり「春」をコンセプトにした22年作。
シンセが柔らかに美旋律を描き、アコースティック・ギターが煌めき、フルートやサックスが色彩を加えるGENESIS譲りの英国的気品たっぷりのサウンドを土台に、エレキギターのプレイに象徴されるCAMELのメロウな叙情表現を合わせたような珠玉の音世界は、相変わらず感動的なまでにファンタスティック。
そして何と言っても、MOON SAFARIばりに清涼感いっぱいでフックに富んだメロディを歌い上げる、Peter Gabrielを彷彿させつつどこまでもクリアな美声ヴォーカルがいつもながら絶品です。
1曲目「Spring Fever」はそんなTMTの音楽性を凝縮したナンバーで、緑が豊かに芽吹いていくようなテーマ通りのイメージを喚起させる名曲。『Trick Of The Tail』に入ってそうな「Mad March Hare」やビリー・ジョエルばりのピアノ弾き語り「The Goddess And The Green Man」なんかも素晴らしい。
そして15分に及ぶ最終曲ではバンドメイトである御大Andy Latimerが参加、天上に響くような極上ソロを提供していて聴きものです。改めて、GENESIS&CAMELファンにとっては奇跡のような逸材であることを見せつける傑作!
CAMELのキーボーディストに抜擢された才能が、持ち前の演奏技術とメロディセンスを惜しみなく注ぎ込んだ会心作!
会心の出来栄えとなった22年フルアルバム『A SONG OF SPRING』の別ミックスを中心に収録したEPも同時リリース!
フルアルバムで聴かせた最高にファンタスティックな楽曲の数々が、新鮮なアレンジで楽しめます。
これはぜひセットで堪能したい内容!
現英国プログレ・シーンでも屈指と言える才能を発揮しているPete Jonesですが、その活動はTIGER MOTH TALES、CAMELだけに留まりません。彼が参加した作品から3枚を厳選してピックアップ!
過去作品ではゲスト・ミュージシャンとして参加していましたが、前作よりRED BAZARに正式加入して活躍中。
この22年作は、TFKやスポビをプログレ・メタル調に仕立て上げたような感じと言えちゃう一枚。
メタルをバックボーンに持つヘヴィなサウンドと、Pete Jonesのキーボードと伸びやかな歌声が付与するファンタスティックなシンフォ・テイストが融合した快作です!
美声女性ヴォーカルを擁する、現英国シーンをリードするシンフォ・バンドですね。
オリジナルは06年リリースの名作3rdアルバムですが、こちらの19年リミックス/リマスター版では、新たにPete Jonesがサックスで参加した追加パートが収録され、完成度がさらに上がっているんです。
オリジナル・バージョンを聴かれた方も要チェックですよ!
こちらはスペイン・カナリア諸島出身のマルチ・プレイヤー/コンポーザーを中心に、Steve Walshのソロ作に参加したドラマー、COSMOGRAFのRobin Armstrongなどイギリス/アメリカ/イタリア/オーストラリアなどから実力派メンバーが参加したプロジェクト。そこにPeteも堂々名を連ねています。
「友情と戦争」を題材にしたコンセプト作ですが、サウンド自体にテーマから想像される重々しさは皆無。
シンセによる浮遊感ある音空間の中、美しくキャッチーなメロディとハートフルな歌声が響く、幻想的なプログレッシヴ・ポップが素晴らしい!
TIGER MOTH TALESの魅力、実感していただけたでしょうか。
TMTとして、そしてCAMELの一員として、今後どのようなサウンドを作り出していってくれるのか、その活躍が見逃せない注目アーティストです!
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90年代以降のプログレシーンを盛り上げる北欧スウェーデンやイタリアに負けじと、本場イギリスからも、イエスやジェネシスやクリムゾンなど往年のグループのDNAを継いだ好グループが出てきております。注目の作品をセレクトいたしましょう。
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イタリアが誇るFabio Zuffantiや今カケレコで大人気のオランダのChrisをはじめ、世界各国からマルチ・コンポーザーによる良質な作品が続々と届けられています。注目の作品をピックアップいたしましょう。
80年、英国はノッティンガムシャー生まれで、1歳の頃に病気により視力を失った盲目のマルチ・ミュージシャン&コンポーザー、Peter Jonesによるプロジェクト。4歳の時にピアノをはじめて以来、8歳の時にBBCのジュニア作曲コンテストで優勝するなど、作曲を本格的に学び、ポップ・デュオとしての活動を経て、子どもの頃から好きだったジェネシスやクイーンをはじめ、BIG BIG TRAINやFROSTなどプログレ新鋭にも強く影響を受け、プログレッシヴ・ロックを指向して生まれたプロジェクトがTIGER MOTH TALESです。2014年末にリリースされたデビュー作から半年ほどで早くも届けられた2015年作の2nd。ブライアン・メイが乗り移ったようなエモーショナルなリードから、カイパなど北欧プログレにも通ずるリリシズム溢れるリードまで、歌心に溢れたエレキ・ギターを中心に、キーボードがコロコロと愛らしいフレーズから勇壮なフレーズまで幻想的に彩り、さらに管弦楽器が透明感溢れるトーンで瑞々しく鳴り、全体としてファンタジー小説に心躍るような音世界が次々と紡がれていきます。ピーター・ガブリエルを彷彿させるヴォーカル、叙情極まる美メロもまた感動的。初期ジェネシス、キャメル、クイーン、アラン・パーソンズ・プロジェクト、カイパなどのDNAを継ぐ、ファンタスティック・ロックの正統派。アンサンブルも歌もどこまでも美しく、童心に返ったように無垢な気持ちが溢れてきます。何という才能。これはプログレ・ファン必聴、というかメロディを愛する全音楽ファン必聴と言える大傑作!
80年英国はノッティンガムシャーに生まれ、1歳の頃に病気により視力を失った盲目のマルチ・ミュージシャン&コンポーザーで、現在はあのキャメルの鍵盤奏者としても活躍するPeter Jonesによるソロ・プロジェクト。充実の20年EP『Stiil Alive』も記憶に新しい中でリリースされた2020年フル・アルバム!全楽器を自身で操りGENESISやCAMELを受け継ぐファンタジー度120%のシンフォ・サウンドを紡いできた彼ですが、今作ではグランドピアノとヴォーカルに専念、ピアノ弾き語りスタイルを最大限に生かす弦楽クインテットと共にレコーディングされています。クリアかつ重厚に響くグランドピアノとPeteの伸びやかでよく通る美声ヴォーカルを、ヴァイオリン/ヴィオラ/チェロが芳醇な音色を重ね合う溜息が出るように美しい重奏が包み込むスタイルは、しっとりとした聴き心地ながらどこまでもドラマチック。物悲しさと温もりが入り混じる美麗なメロディがとにかく際限なく溢れ出してきて、ずっと落涙寸前です。驚かされるのは、本格的なクラシックの素養に溢れた弦楽と完璧に調和するPeteのピアノ演奏。歌の伴奏にとどまらない息をのむように繊細な表現力に、改めてプレイヤーとしての素晴らしい才能を感じさせます。従来からは異色と言えるサウンドですが、Pete Jonesの歌声とメロディセンスを純粋に味わえる一枚です。名作。
ペーパーケース仕様、CD+DVDの2枚組、DVDはNTSC方式・リージョンフリー、DVDにはスタジオ・ライヴ映像/プロモ映像/インタビューを収録
レーベル管理上、ペーパーケースに小さい角つぶれがある場合がございます。ご了承ください。
1980年英ノッティンガムシャー出身、生まれて間もなく病気で視力を失ったマルチ・ミュージシャン&コンポーザーで、現在はあのキャメルの鍵盤奏者としても活躍するPeter Jonesによるソロ・プロジェクト。タイトルのとおり「春」をコンセプトにした22年作!前作は弦楽クインテットとの共演によるバラード系アルバムでしたが、今作は元来のTMTらしさが抜群に発揮された、GENESIS&CAMELを受け継ぐどこまでも瑞々しくファンタジックなメロディアス・シンフォニック・ロックを展開します。シンセが柔らかに美旋律を描き、アコースティック・ギターが煌めき、フルートやサックスが色彩を加えるGENESIS譲りの英国的気品たっぷりのサウンドを土台に、エレキギターのプレイに象徴されるCAMELのメロウな叙情表現を合わせたような珠玉の音世界は、相変わらず感動的なまでにファンタスティック。そして何と言っても、MOON SAFARIばりに清涼感いっぱいでフックに富んだメロディを歌い上げる、Peter Gabrielを彷彿させつつどこまでもクリアな美声ヴォーカルがいつもながら絶品です。1曲目「Spring Fever」はそんなTMTの音楽性を凝縮したナンバーで、緑が豊かに芽吹いていくようなテーマ通りのイメージを喚起させる名曲。『Trick Of The Tail』に入ってそうな「Mad March Hare」やビリー・ジョエルばりのピアノ弾き語り「The Goddess And The Green Man」なんかも素晴らしい。そして15分に及ぶ最終曲ではバンドメイトである御大Andy Latimerが参加、天上に響くような極上ソロを提供していて聴きものです。改めて、GENESIS&CAMELファンにとっては奇跡のような逸材であることを見せつける傑作!
キャメル、イット・バイツで活躍する英国出身のマルチ・プレイヤー、ピーター・ジョーンズのメインバンド、タイガー・モス・テイルズの「春の歌」制作時の別ヴァージョン集(インスト、アコースティック等)に最新ライヴ等を加えた限定スペシャル作品!ジョーンズが多大なる影響を受けた初期スティ−ヴ・ハケットの幽玄な世界に肉薄するようなテイクは。アルバム本編とは独立した本作ならではの独自の魅力を発揮したジョーンズの才能の深さを感じる出来!(レーベルインフォより)
80年、英国はノッティンガムシャー生まれで、子どもの頃から好きだったジェネシスやクイーンをはじめ、BIG BIG TRAINやFROSTなどプログレ新鋭にも強く影響を受けて音楽制作をはじめたマルチ・ミュージシャン&コンポーザーPeter Jonesによるプロジェクト。2014年のデビュー作。霧が晴れ陽光が降り注ぐ瞬間のような幻想性とともに晴れ晴れしさのあるヴィンテージなキーボードとスティーヴ・ハケットゆずりのリリカルなエレキギターで幕開け。北欧のムーン・サファリにも通じるファンタジックなアンサンブルから一転、ズンズンとヘヴィに突き進むギターリフが入るとともに、ドラムも力強さを増し、モダンなタッチの重厚なシンフォへと展開。その暗闇を抜けると、再び光りが差したようにメロディアスなリードが溢れ、ジェネシスばりのキメとともにフィナーレへ。オープニング・ナンバーから渾身の展開に引き込まれます。演劇的なヴォーカル・ワーク、クイーンばりのコーラス・ワーク、そして、古き良きジャズ・フィーリングが後半に壮大なシンフォニック・ロックへと帰結していく8曲目など、英国的な諧謔センスも織り交ぜるアレンジセンスも見事。イタリアのファビオ・ズッファンティや近年大活躍のオランダのクリスに続く才能と言っても過言ではない注目の新鋭。これは力作です。
ペーパーケース仕様、リリース10周年を記念してラストに新曲「Return To Chiswick」を追加収録した2024年盤!
1980年に英国はノッティンガムシャーに生まれ、1歳の頃に病気により視力を失った盲目のマルチ・ミュージシャン&コンポーザーPeter Jonesによるプロジェクト、待望の3rdアルバムとなる17年作!16年よりCAMELのメンバーとしてツアーにも参加する彼。前2作で聴かせたコンポーザー&プレイヤーとしてのレベルの高さはもはや揺るぎないものでしたが、いやはや今作も凄い完成度です。まるで80年代以降のシリアスなテーマ性を持ったキャメルを、ゴージャスなサウンドプロダクションで再現したかのような、モダンかつロマンティックで雄大なシンフォニック・ロックが眼前に広がるこの感じ…何というイマジネーション。BIG BIG TRAINあたりに通じるモダンでスタイリッシュな音像も活きていて、往年のプログレと現代のバンドらしいモダンなセンスがこれほど不可分に結びついたサウンドはそうそうないでしょう。これでもかとファンタジックなフレーズを紡ぎ出すキーボード、アンディ・ラティマーばりにドラマチックに泣くギター、芳醇に響くクラリネット&リコーダー、そして端正に歌い上げる美声のヴォーカル。彼一人で各楽器をこれだけ自在に操る才能にはただただ脱帽。各パートが次々と展開していく、映画を観ているような情報量の多い音像は前作からの持ち味ですが、それを複雑に感じさせない淀みなく流れるような緻密な構築性にも舌を巻きます。改めてとんでもない才能を見せつけられる思いのシンフォ傑作です。
1980年に英国はノッティンガムシャーに生まれ、1歳の頃に病気により視力を失った盲目のマルチ・ミュージシャン&コンポーザーで、現在はキャメルのキーボーディストとしても活躍するPeter Jonesによるプロジェクト。15年リリースの2ndアルバム『STORY TELLERS: PART ONE』の続編となる18年作4thがついにリリース。オルガンとアコースティックギター、彼の伸びやかな美声をメインに紡がれる比較的落ち着いた爽やかな演奏でスタートし、やや作風変わったかな?と思いきや、シームレスに突入していく2曲目から来た来た来ました…!音の粒子を繊細に散りばめたサウンドメイクの中、彼方から幻想的なギターとシンセが立ち上がってくるこの感じ。やはり並ではない才能を感じさせます。トニー・バンクスかと思うファンタジックで華やかなシンセ&オルガンとピーガブ風のユーモラスなシアトリカル・ヴォーカルが素晴らしすぎる『FOXTROT』に入っていてもおかしくない完成度の3曲目で、もうワクワクしっぱなし!そうかと思うと、アンディ・ラティマーばりの堂々たる泣きっぷりの哀愁ギターが大炸裂するナンバーも聴かせ、さすがキャメルの一員たる存在感も発揮しています。これを全て自身で作曲&演奏していることに、改めて驚きを禁じえません。さらに特筆は、TMT以前に彼が在籍した2 TO GOでデュオを組んでいた美声女性ヴォーカリストEmma Paineのゲスト参加。2曲で、2 TO GO時代を彷彿させる美しいデュエットも聴くことができ大変感動的です。ギターがこれでもかと叙情的に歌うシンフォニックで劇的なエンディングも見事だし、今回もTMTでしか味わえないファンタスティック&マジカルな音世界が堪能できる傑作に仕上がっています。初期ジェネシスやキャメルのファンには問答無用でおすすめ!
ファンタジックなサウンドで独自の道を切り開いたキャメルのデビュー作。73年作。初期の代表作として知られる「ネヴァー・レット・ゴー」「秘密の女王」を収録。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック2曲、ブックレット付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
紙ジャケにカビ・若干色褪せあり
Andrew Latimerを中心にファンタジックなアプローチでプログレッシブ・ロックの重要バンドに位置づけられるイギリスのバンドの74年2nd。名盤となる次作「The Snow Goose」に見られるファンタジックさと気品に比べるとPeter Bardensのキーボードが若干おとなしく、その代わりAndrew Latimerのギターが前に出て渋く泣いているようなイメージであり、全体的にややハードな雰囲気が漂っているものの、その音像は単純なハード・ロックとは全く違う甘みを感じるものであり、フルートの効果的な使用も相まって、マイルドな質感を醸し出しています。自作につながるようなファンタジックさの片鱗も見え隠れする素晴らしい作品です。
紙ジャケット仕様、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック4曲、インナーカード入り、ブックレット付仕様、定価2039+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
紙ジャケに軽微な圧痕あり、帯中央部分に色褪せあり
Andrew Latimerを中心にファンタジックなアプローチでプログレッシブ・ロックの重要バンドに位置づけられるイギリスのバンドの75年3rd。オーケストラ・セクションを迎え、ポール・ギャリコの小説「白雁」をコンセプトに掲げたアルバムであり、全編インストルメンタルによる彼らの代表作の1つです。特にAndrew Latimerによるフルートの優しげな調べが印象的な「ラヤダー」は、澄んだシンフォニック・ロックのお手本として有名であり、同じくフルートを扱いながらもアプローチの全く違うJethro Tullとの比較で論じられています。決して派手さはないものの優しさとロマンに溢れており、肌触りの良いギターやPeter Bardensによるキーボードの音色、リズムセクションの軽快さ、そしてインストルメンタルのハンディを感じさせないメロディーとアレンジの上手さで御伽噺の世界をマイルドに表現しきった名盤です。
Andrew Latimerを中心にファンタジックなアプローチでプログレッシブ・ロックの重要バンドに位置づけられるイギリスのバンドの76年4th。前作「スノー・グース」と並んでファンタジックなCAMELの音楽性をダイレクトに伝える作品であり、Andrew Latimerの消え入るような儚げなフルート、Peter Bardensの堅実かつ時に奔放なキーボードの妙技、そして軽やかに変拍子を紡ぐリズムセクションのトータル感で聞かせます。シンフォニックに、そしてジャジーに、肌触りの良いマイルドさを持った傑作であり、ゆったりと身を任せられるような自然なサウンドが一貫して個性的な1枚です。
英国出身、Peter bardens、Andy Latimerを擁するファンタジックなプログレッシヴ・ロック・グループによる77年作5th。本作よりベーシストRichard Sinclair、サックス奏者Mel Collinsの二人が参加しています。特にRichard Sinclairはヴォーカリストとしても貢献していて、その甘く繊細な歌声はCAMELの世界観と見事にマッチ。親しみやすいメロディが際立つ一方、インスト面ではよりジャジーな方向へと音楽性をシフトしています。表情豊かで柔らかな音色を奏でるサックス、変幻自在に躍動するベース・ラインが、透明感溢れるキーボード・サウンドに溶け込んだジャジーなアンサンブルを奏でており、甘いヴォーカルと伸びやかなギターは叙情的なメロディを謳い上げます。「Elke」ではBrian Enoがムーグ・シンセで参加、アンビエント要素を加えてより神秘的なCAMELを聴くことが出来るなど、聴き所は多数。次作『BREATHLESS』と本作でしか聴けない貴重な6人編成、『SNOW GOOSE』など代表作を聴いた方におすすめしたい一枚です。
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
74〜77年にわたるライヴ・ステージのハイライトを収録。オーケストラとの共演による「白雁」組曲は圧巻。1978年作品。
紙ジャケット仕様、2枚組、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック7曲、定価3301+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
帯中央部分に色褪せあり
紙ジャケット仕様、2枚組、デジタル・リマスター、ボーナス・トラック7曲、定価3301+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
軽微な汚れあり
英国叙情派プログレを代表するバンドによる78年作。CAMELらしい叙情的なサウンドと、元CARAVANのリチャード・シンクレアによるカンタベリー・ロックを彷彿させるノーブルなヴォーカルの組み合わせが素晴らしい、CAMELとCARAVANの美味しいとこ取り的な名作!
キーボードにキット・ワトキンス(元ハッピー・ザ・マン)を加え、更にサウンドの幅を広げた第三期キャメルの傑作アルバム。79年作品。
アンディ・ラティマー(g)のヴォーカル・ナンバーを中心に、80年代に相応しいポップなサウンドを収録。82年作。
東西分割時代のベルリンの人々をテーマにしたシリアスな内容のアルバム。内省的な彼らの美学が光る。1991年に復活アルバムをリリースする以前のラスト・スタジオ・アルバム。1984年作品。
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