2018年9月1日 | カテゴリー:世界のロック探求ナビ
スタッフ増田です。
ユーロ・ロックといえばプログレ?
いえいえプログレのみならず、サイケやブルース・ロック、ハード・ロックなんかも、良盤がざくざく眠っているんですよ。
そんなわけで今回はなかなか焦点の当たりにくい、ユーロ圏のブルース・ロック作品をピックアップ!
英米に負けじとヘヴィ&ソリッドだったり、ヨーロッパならではのプログレッシヴな感性を秘めていたり、個性豊かなブルース・ロックの数々をお楽しみ下さい!
まずはオランダから。
後にオランダが世界に誇るプログレ・グループFOCUSで活躍するギタリスト、ヤン・アッカーマンが在籍していたブルース・ロック・バンド。
そのギターの卓越っぷりは既に健在で、ずばりヤードバーズの3人にも負けないテクニックと切れ味!
次はいきなりチェコ!しかしながらこのギタリスト、ヤン・アッカーマンにも劣らぬユーロの名手なんですよ~!
ブルース・ロック・ギタリストと言えば、クラプトン?ギルモア?ピーター・グリーン?
カケレコからはチェコ・ロック界のレジェンドとも呼ばれるRadim Hladikをオススメ。
ジミー・ペイジ影響下の縦横無尽に切り込んでくるギターワークが圧巻です!
次は北欧。名ギタリストつながりで、こちらの作品から!
北欧を代表するギタリストと言えばJUKKA TOLONEN。彼が60年代に在籍していたグループがこちら。
こりゃTRAFFICのファンは必聴ですよ!60年代後期の英サイケ/ブルース・ロックの名作と比べても全く遜色なし!
トラフィック好きならこちらもオススメ。ジャケからは想像もつかないデンマーク産ブルース・ハード!
なぜ、このジャケに・・・。ジャケはとぼけ過ぎて酷いけど、音は北欧レイト60sハード屈指の名作!
英国で言えば、初期フリートウッド・マック、トラフィックのごとき素晴らしさっ!
デンマークつながりでこちらもご紹介~。
デンマーク・ロック黎明期の名バンドで、後にジャズ・ロック・バンドSECRET OYSTERに発展するグループ。
ブルース・ロック、ハード・ロック、サイケ、ジャズ・ロック…あらゆるジャンルをごった煮にした疾走感あふれる演奏がカッコイイ!
次はノルウェーから。「ノルウェーのロック・シーンを変えた」と言われるこちらのプログレ名盤ですが、聴いてみると滅茶苦茶ブルージー!
ノルウェー初の2枚組となった71年の意欲作。
軽快で切れ味鋭いギター、グリーンスレイドを思わせる明るいトーンのハモンド、アフィニティのリンダ・ホイルを彷彿させる中性的な男性ヴォーカル…。
重厚ながらも北欧らしいスッキリとした聴き味もあって、こりゃなるほど名作!
最後はフィンランドから。こ、このヘヴィさ・・・度肝を抜かします!
フィンランド産ヘヴィ・ブルース・ロックの名盤、70年作。
刃物のように切れ味鋭いギター、ゴリゴリとしたベース、ハチャメチャに叩き鳴らすドラムを中心にヘヴィなサウンドを聴かせつつ、フルートやサックスがジャジーな味付けも加えていて凄い!
ヘヴィさでいったらコチラもたまりませんよ~。ベルギー産ヘヴィ・ブルースの名作!
これでもかと骨太に歪んだツイン・ギターに酔いしれてください…。
ブルージーかつBUDGIEのような「重さ」を備えたド直球ヘヴィ・ブルース!
ベルギーからもういっちょ。ベルギーのブルース・ロック&ハード・ロックって、重くて太いんですねえ。
サバス・ファンの私としては、ヴォーカルがちょっぴりオジーに似ているところがたまりません。
硬派で骨太なベルギー産ブルース・ハード、76年作+79年作!
次はカナダなんですが、ケベックで歌詞がフランス語ってことで、ここで紹介させてっ!
ファジーなギターと乾いたオルガンが鳴り響くいぶし銀のブルース・ロックと、洒脱な雰囲気のあるフランス語の組み合わせって新鮮。
しかもそのヴォーカルがかなり主張激しくてソウルフルという、実にユニークなケベック産ブルース・ロック70年作。
最後はスイスのプログレッシヴなウィッシュボーン・アッシュ!?
まるでクリムゾンの『ポセイドンのめざめ』meets ウィッシュボーン・アッシュ!?
ブルース・ロックを下地にユーロらしい奥ゆかしさを散りばめたスイス産プログレの隠れた名品!
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本場アメリカ南部で生まれたブルースがイギリスに輸入されて誕生したブリティッシュ・ブルース・シーンを特集。アコースティック・ブルースから、エレクトリック化、さらに「ロック」と融合してブルース・ロック・ムーヴメントへと発展した激動の50年代~60年代の流れを見ていくことにいたしましょう。
北欧を代表するギタリストJUKKA TOLONEN率いるグループ。69年作の1st。TRAFFICからの影響が感じられるサイケデリックなブルース・ロック。スティーヴ・ウィンウッドにそっくりなブルージーなヴォーカル、デイヴ・メイスンやクラプトンに引けを取らない雄弁なギター、ジャジーにむせび泣くフルート&サックスによるスケールの大きなサウンドは、驚くほどの完成度。60年代後期の英サイケ/ブルース・ロックの名作と比べても全く遜色ない名作。
78年から80年までの活動期間に3枚のアルバムを残したスイスのグループ、80年作の最終作。ALLMAN BROTHERSの曲から拝借したであろうグループ名の通り、ギターにはブルース・ロックの残り香を感じますが、このバンドが面白いのは、ユーロ・ロックらしい幻想性や寂寥感に満ち溢れているところ。ひっそりとたなびくように鳴るキーボード(メロトロン?)、初期クリムゾンを彷彿させるアヴァンギャルドなサックスやフルート、マイケル・ジャイルスからの影響を強く感じるタイト&メロウなドラム、そして、物悲しいヴォーカルとリリカルなメロディ。まるでクリムゾンの『ポセイドンのめざめ』『リザード』 meets ウィッシュボーン・アッシュって感じ!?辺境プログレらしい奥ゆかしさもたっぷりなユーロ・ロック&プログレの隠れた名品です。
ベルギーのブルース・ハード・バンド、76年作と79年作をカップリングした2in1CD。タイトなリズム隊、バキバキに歪んだヘヴィなギター、中域が太いエモーショナルなシャウト・ヴォーカルが塊となったソリッドなサウンドが印象的。裏ジャケに写るベルボトム・ジーンズとカールしたロングヘアのルックスにグッとくる好グループです。
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