2022年4月8日 | カテゴリー:KAKERECO DISC GUIDE,世界のロック探求ナビ
こんにちは。
今日は、アメリカ東海岸ボストン出身のSSW/ギタリスト、エディ・モットーの『NO MOULDING』をご紹介いたします。
エディ・モットー。この名前を聞いてピンと来る方も多いかもしれません。
ジョン・レノンよりギターを高く評価され、ジョンのツアーメンバーとして帯同した他、『Walls & Bridges』『Rock’n’Roll』といった作品に参加した事で最も知られていますね。
74年の写真。左から2番目、ジェシ・デイヴィスの隣に立っているのが彼です。
そんなエディ・モットー、実は60年代にはサイケ・バンドで活動していた経歴を持ちます。
最初に在籍していたのが、BO GRUMPUSというサイケ・ポップ・バンド。
後にMOUNTAINを結成するフェリックス・パパラルディがプロデュースした68年唯一作をリリースしています。
ファズ・ギター、ピアノ、管弦楽器による、深いエコーに包まれた幻想的なアンサンブル。ソフト・ロック的な端正なコーラス・ワーク、メロウかつ洗練されたメロディ。たいへんドリーミーでメランコリックで格調高いサイケ/ソフト・ロックの名作です。
次はBO GRUMPUSの後身グループ、JOLLIVER ARKANSAW。
68年唯一作は、同じくフェリックス・パパラルディとマウンテンでお馴染みのレスリー・ウェストが参加しており、ウェストの豪快なギターが聴けるガレージ/サイケの隠れた名作です。
70年代に入ると、PP&Mのピーター・ストゥーキーの作品に参加したり、前述したジョン・レノンとの活動などでその名を上げていきました。
73年にはピーター・ストゥーキーによるプロデュースで1stアルバムを発表。
優しげに響くアコギ、タメの効いた極上のスライドギター、爽やかながらも少し翳りのある歌声。ジョン・レノンに重用された米SSW、米フォーク・ロックの大名作。
ジョンとの活動を挟んで、76年にリリースした2ndアルバムが、本作『NO MOULDING』です。
モノクロで撮られた、気心の知れた仲間たちといった風情の味わいあるジャケ写がいいですよね。右端の一人掛けに座っているのが彼です。
そのサウンドは、ずばり「爽やかさ100%のフォーク・ロック&カントリー・ブルース」。
上品さすら感じる優しげな響きのアコースティック・ギターと、ナイーヴながらも芯のある落ち着いた歌声で紡がれるフォーク・ロックがとにかく絶品。ナイーヴな歌声と調和する切ないメロディラインもまたグッと来るんですよねぇ。
アメリカらしいカントリー・ブルース調のナンバーでも泥臭くなりすぎず、軽快な聴き心地があるのが特徴。ここでは歌心あるプレイでアコギに寄り添う芳醇なベースも耳を惹きます。
アメリカの原風景を映し出すような情感豊かなフォーク・ロックの名品です。これはオススメ!
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後にJohn Lennonの作品に参加するギタリストEd Mottauが在籍の米サイケ/ソフト・ロック・グループ。後にMOUNTAINを結成するFelix Pappalardiがプロデュースした68年作。ファズ・ギター、ピアノ、管弦楽器による、深いエコーに包まれた幻想的なアンサンブル。ソフト・ロック的な端正なコーラス・ワーク、メロウかつ洗練されたメロディ。たいへんドリーミーでメランコリックで格調高いサイケ/ソフト・ロックの名作。
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