1月16日と17日にクラブチッタ川崎で行われた、ユーライア・ヒープ featuring ルシファーズ・フレンド来日公演の17日のライヴに行ってまいりました!
オリジナル曲の動画を交えて、ライヴの模様をお伝えいたします!
ビッグネームだけあって、会場は満員!普段行くプログレ・バンドのライヴに比べ、若い客層の割合が多いように感じられます。
さすが4大英国ハード・ロックの一角を担ったグループ、リアルタイムだったファンから若いロックファンまで影響力の大きさが垣間見れるところです。
最初の登場はかつてヒープでも活躍した名ヴォーカリスト、ジョン・ロートンが率いるルシファーズ・フレンド。
冒頭デジタル・メロトロンが荘厳に鳴ると、一気にこれぞハード・ロック!というテンション高くダイナミックな演奏へと突入します。
その瞬間、会場は早くもオールスタンディング状態。この時点で、基本は座って観るプログレ・バンドのライヴとは観客のテンションが違うということを実感します。
ジョン・ロートンは今年70歳ということで見た目はもうおじいちゃんですが、往年とさほど変わりない力強くコシのあるハイトーン・ヴォーカルでドラマティックに歌い上げていて、思わず感動がこみ上げます。
ジョン・ロートンはかなり好きなヴォーカリストで一度は生で聴いてみたいとずっと思っていのですが、うーんやはり巧い!ハードロック系のヴォーカルは衰えが顕著に現れるものですが、そんなことは露ほども感じさせない張りのある歌声を会場中に響かせていて嬉しかったですね。
ヒープではあのデヴィッド・バイロンの後任を任されたほどの彼ですが、その実力の高さを遺憾なく発揮していました。
1stから「In The Time Of Job When」「Ride The Sky」などを披露してくれて、往年からのファンはたまらなかったはず!
さらに個人的には、大好きな74年作『BANQUET』から「High Flying Lady – Goodbye」を演奏してくれたのが嬉しかったですね~。
たびたびフレーズを観客に歌わせたりコール&レスポンスが入ったりするところは、いかにもハード・ロック・バンドのライヴという感じで、非常に楽しめました。
ゲスト扱いだと思っていたルシファーズ・フレンドはしっかり10曲前後を演奏しておよそ1時間で終了。休憩をはさんで、いよいよユーライア・ヒープが登場します。
メンバーはこの5人。
ヴォーカルのBernie ShawとキーボードのPhil Lanzonは、80年代初頭にイギリスのハード・ロック・グループGRAND PRIXで活躍した実力派。ドラマーのRussell Gilbrookもコージー・パウエルが結成したBEDLAMやピート・バーデンスの元で活動したベテランのようです。
2曲目、「LOOK AT YOURSELF」のスリリングなオープニングに突入した瞬間会場が沸きます!オルガンが火を吹き、ワウギターが唸る!バーニーのヴォーカルはデヴィッド・バイロンが重なるような素晴らしいハイトーンで、往年のヒープへのリスペクトをひしひしと感じさせます。フィルはオルガンを腕全体を使ってワイルドに弾きまくるプレイがカッコいい!そして「~LOOK AT YOURSELF!」の部分では示し合わせたかのように会場全体が大合唱!この一体感が何とも言えず気持ちいいですね~。これまで何十回と聴いてきた名曲をこうして目の前で堪能していることに、興奮と感動が湧き上がってきます。
名盤『対自核』の全曲演奏がメインとしながらも、「WIZARD」「EASY LIVING」「SUNRISE」「MAGICIAN’S BIRTHDAY」など全盛期の代表曲のオンパレードとなっていて、至福の時間が続きます。
なかでも「MAGICIAN’S BIRTHDAY」は圧巻!この曲の中間部はギターとドラムのスリリングな応酬が聴きものなのですが、オリジナルを遥かに超えるテンションで火花を散らす両者に会場中が息を飲みます。
特にヒープを50年近くにわたり率いてきたレジェンド、ミック・ボックスのプレイと来たらっ!トレードマークのワウペダルを自在に操ってギュワンッギュワンッと猛烈に唸りを上げるプレイはただただ「凄絶」の一言。この切れ味は絶対68歳に出せるものではありません。白髪をなびかせて思いのたけを音に込めるかのように弾きまくる姿には、ある種の神々しささえ感じさせます。これぞレジェンド・・・。
受けて立つドラムも、すさまじい手数で応戦します。ロジャー・ディーンが本曲のシーンを描いた『魔の饗宴』のジャケットが思い浮かべながら、ハイテンションに繰り広げられる熱い攻防を堪能いたしました。
そしてアンコールではジョン・ロートンがステージに上がりヒープの新旧ヴォーカリストがまさかの共演!これはもう涙なしには見られませんでしたね~!
『対自核』全曲もさることながら、全体の選曲的にも日本のファンのツボを突くナンバーばかりで、ヒープファンの一人として最高のひと時を過ごさせていただきました~!
都合3時間にわたり立った状態でのライヴだったので終わったあとは足が棒のようになっているのに気づきましたが、ライヴ中は興奮のためかまったく気になりませんでした。それくらい入り込むほどに素晴らしいステージだったということなんでしょうね。
およそ50年前に結成されたバンドが、今こうして日本に来て素晴らしいパフォーマンスを披露してくれるというのが、本当に奇跡的なことだと実感せずにはいられないステージでした。
日本のファンのためにありがとう、ユーライア・ヒープ&ルシファーズ・フレンド!また来てくれると嬉しいです!!
URIAH HEEPといえば、「対自核」(邦題)と云われる程の代表作!サウンド的には前作「Salisbury」と次作の中間といった所なのですが、バンドのサウンドが成長し、完成度の高いアルバムになっています。また、ミック・ボックスのギターが活躍しており、このアルバムがブリティシュ・ハードロックの名盤として語られる事が多いことも頷けるサウンドになっています。まだ、少々荒削りなサウンドですが、勢いのあるサウンドで、バンドとしての勢いも感じられる仕上がり。冒頭に収録されたアルバム・タイトル曲「Look At Yourself(対自核)」は、名実ともにユーライア・ヒープの代表曲であり、70年代ブリティッシュ・ハード・ロックの名曲のひとつ。楽曲の全編を重厚なオルガンが覆っていますが、決してそれだけが浮き上がることなく、全体としてアグレッシヴなロック・ミュージックを構成する様が見事。間奏部のエキゾチックなメロディや要所要所で聴かれる印象的なコーラスも独特の雰囲気を醸しています。終盤ではOsibisaのメンバーによるパーカッションの客演を得て、さらに魅力的な演奏が展開。決して「軽快」とは言い難いが、興奮を誘うような独特の疾走感が痛快!
英ハードの代表格、72年作4th。前作で完成させたドラマティックなオルガン・ハード・ロックのスタイルにアコースティック要素を注入、Roger Deanによるアルバム・ジャケットの如く、幻想的な世界観を作り出しています。ヘヴィ且つメロディアスなワウ・ギター、凶暴に歪んだハモンド・オルガンが生み出すグルーヴ感に、パワフルなハイトーン・ヴォーカルが乗るハード・ロック・パートから、泣きのスライド・ギターとシリアスなコーラス、センチメンタルなピアノが絡み合うシリアスな叙情的なパートへ、緩急を付けた曲展開にグイグイと引き込まれます。繊細なアコギ、力強くタメの効いたドラム、メロディアスなベースも素晴らしい。ハード・ロックの疾走感こそ前作『LOOK AT YOURSELF』に譲るものの、英オルガン・ロックらしいドラマティックな構成美が楽しめる本作もURIAH HEEPの代表作の一つです。
廃盤、紙ジャケット仕様、アップグレード・リマスタリング盤、ボーナス・トラック5曲、解説・歌詞・内袋付き仕様、定価2200+税
盤質:傷あり
状態:並
帯有
若干カビ・帯に軽微な折れあり
廃盤、紙ジャケット仕様、アップグレード・リマスタリング盤、ボーナス・トラック6曲、内袋付仕様、定価2200+税
盤質:傷あり
状態:良好
帯有
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