2023年2月3日 | カテゴリー:ユーロ・ロック周遊日記,世界のロック探求ナビ
タグ: プログレ
オーストラリア、アメリカとくれば、次は中南米~南米!
まずは世界中で最も過小評価されていると言っても過言ではないKey奏者率いるグループから聴いてまいりましょう。
Key奏者&コンポーザーのAlfonso Vidales率いるメキシコの雄がCAST。
いよいよ世界屈指のジェネシス・フォロワーへと上り詰めたと言って過言では傑作。
圧倒的な「静」と「動」の対比と溢れるリリシズム。圧巻です。
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90年代以降のプログレ・バンドではフラワー・キングスと双璧と言っても過言ではないバンドへと成長した、プログレ辺境の地メキシコの雄、CASTを大特集!
ずばりEL&Pに対するアルゼンチンからの回答!
アルゼンチンのキーボード・トリオ、76年作1st。
ここからは、90年代以降にデビューした新鋭プログレの中からピックアップしてまいりましょう。
スウェーデンが誇るキーボード奏者と言えるのがPar Lindh。
グループのデビューは90年代に入ってですが、Par Lindh自身は、70年代末に音楽活動をはじめているベテラン。
当初はロック・バンドで演奏していましたが、クラシックの道に進むためにバンドを辞め、フランスで活動します。
教会でのオルガン奏者やクラシックのソロ・ピアニストとして活躍した後、89年に母国スウェーデンに戻り結成したバンドがPAR LINDH PROJECTです。
これでもかと荒々しく攻め立てるオルガンとムーグが躍動する97年リリースの傑作2nd!
現代のプログレ・シーンの注目のキーボード奏者&コンポーザーと言えるのが、ロシアのLITTLE TRAGEDIESを率いるGennady Ilyin!
Gennady Ilyinは、あのチャイコフスキーも輩出したサンクトペテルブルク音楽院出身で、本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したミュージシャン。
90年代末にデビューして以来、着実に作品を積み重ねていますが、2014年作が活動20年の集大成と言える渾身の傑作に仕上がっています。
EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まる「動」のパートと、対照的にエニドばりにクラシカルでロマンティックな「静」のパートの鮮やかな対比。
これはキーボード・プログレのファンは聴き逃せないですよ~。
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現代イタリアにも要注目のキーボード・プログレが目白押し!
現プログレ・シーンでトニー・バンクスのスタイルを正統に受け継ぐ一人が、イタリアのCorrado Sardella。
バンクス譲りの華麗なプレイは勿論、さらには往年のスティーヴ・ハケットのギターまでもキーボードで再現するようなリードが素晴らしい~。
ジェネシス愛だけでなく「プログレ・ハード」なダイナミズムとフックあるメロディも特徴的だし、これは2016年屈指の大充実作!
冒頭で新作を紹介した彼の2ndも最高品質のクラシカル・シンフォなんですよ。
この必殺のオープニング・ナンバー、
HOSTSONATENのキーボーディストが贈る、12年の傑作クラシカル・シンフォ作!こ、これは悶絶~~っ
歪んだギターとタイトなリズム隊とクラシカルなピアノがせめぎ合うBANCOみたいな攻撃的なキーボード・プログレかと思いきや、PFMみたいな気品溢れるパートもあるし、LE ORMEみたいな荘厳さもあるし。
70年代イタリアン・ロックへの愛に基づき、ドラマチックかつ暖かみのあるサウンドを聴かせる18年作!
トレースのリック・ヴァン・ダー・リンデンばりのコロコロとファンタスティックなフレーズが溢れるキーボード・プログレを何と現代の日本で発見!
70年代プログレへのオマージュに溢れた日本のミュージシャン。2011年のデビュー作。
うさぎのジャケのイメージ通りにファンタスティック~。
HANS LUNDINのゲスト参加にも注目!
いかがでしたか?
みなさまにとってぴったりの一枚が見つかれば幸いです。
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スウェーデンのキース・エマーソンと異名を取るキーボード奏者Par Lindhによるプロジェクト。97年作2nd。とにかくスピーディーかつダイナミックに暴走するリズム隊をバックに、オルガンとムーグがこれでもかと荒々しく攻め立て、メタリックなギターが炸裂する!一転して、クラシックを引用し、ヴァイオリンが優美に舞ったり、圧倒的なダイナミズム!どこまでも荘厳でドラマティックなキーボード・プログレ屈指の傑作。
アルゼンチンのキーボード・トリオ、76年作1st。キース・エマーソンばりにムーグが牙をむくパート、ジャズ/フュージョン・タッチのエレピが彩る流麗なパート、南米らしい「詩情」豊かなヴォーカル・メロディが素晴らしいパート、硬質なサウンドが交錯するアヴァンギャルドなパートなど、「静」と「動」のパートの間をダイナミックに行き交う展開とそれを軽やかにやってのけるテクニックが特徴。キーボード・トリオとしてかなりの実力を誇るグループ。キーボード・ファンは是非!
本格的な音楽教育を受け、交響曲も書けるほどにクラシックに精通したKey奏者&コンポーザーのGennady Ilyinを中心に、ロシア南西部のウクライナ国境に近い町クルスクで結成された新鋭プログレ・グループ。2014年リリースの恐らく9枚目。エネルギッシュかつ流麗に鳴らされるムーグのリード、そこに時にユニゾンで超絶的に合わせ、時に単独で鳴り響くハモンド。オープニングから躍動するヴィンテージ・キーボードのスリリングな演奏に言葉を失います。タイトかつアグレッシヴなリズム隊とエッジの立ったギターのリフによるロック的ダイナミズムも印象的で、EL&Pをモダンなヘヴィネスでアップデートしたような重厚極まるキーボード・プログレを基調に、クラシック直系の華麗なキメのパートを挟みつつ、これでもかとドラマティックに展開していきます。一転して、音が瑞々しく響く格調高いピアノによる静謐なパート、管楽器が豊かに鳴るロマンティシズム溢れるパートも絶品ですし、ロシア語によるエモーショナルかつ演劇的なヴォーカルか醸すもの悲しさも特筆。「静」と「動」の鮮烈な対比。LOST WORLDと並ぶ現代ロシア・プログレ屈指のグループによる渾身の大傑作です。
90年代後半から活動し、シンフォ・ファン必聴の名作を数多く残しているキーボード奏者Corrado Sardella率いるグループ。2016年作9thアルバムで2枚組の一大コンセプト・アルバム。イ・プーのレッド(Bass)をはじめ、ヴォーカルとしてLA MASCHERA DI CERAのAlessandro CorvagliaやMANGALA VALLISのRoberto Tirantiが参加するなど、多数のゲストが参加して制作されており、これまで以上にダイナミズムに溢れたシンフォニック・ロック大作に仕上がっています。透明感あるトーン、温かくファンタスティックなトーン、激しくアグレッシヴなトーンを駆使し、ヴィンテージ・キーボードとピアノを操って幻想と現実を行き交うようなスケールの大きな音世界を描きだすセンスとテクニックは相変わらずの素晴らしさ。まるで往年のスティーヴ・ハケットをキーボードで再現するような、そんな伸び伸びと奏でられるドラマティックなキーボードのリードにも心躍ります。時にカンサスも彷彿させる「プログレ・ハード」なダイナミズムとフックあるメロディも魅力的。リリカルなギターや視界がパッと開けるような展開などはムーン・サファリも頭に浮かぶし、いや〜、これは良いアルバム。文句なしに最高傑作と言える大充実作です。
94年にデビュー以降、怒涛のリリースで、メキシコが世界へと誇るシンフォニック・ロック・バンドへと上り詰めたバンド。97年作の7thアルバム。プロダクションが向上した印象で、楽器の音の艶、瑞々しさ、色彩感が増し、アンサンブルがクリアでダイナミックになり、彼らの持つ構築美、テクニックがよりダイレクトに伝わってきます。ハケット直系のメロディアスかつ緊張感みなぎるギター、清涼感たっぷりにたなびくバッキングから狂おしいばかりに畳み掛けるピアノやムーグのリードまで相変わらずセンス抜群のキーボード、そして、タイトさとキレ味を増したリズム隊。1曲目のインスト・ナンバー「Initiation」から凄まじいほどにドラマティック。前作で印象的だったフルートを排除し、ギター、キーボード、リズム隊による運動性能抜群のアンサンブルにフォーカスし、彼らのテクニックとアレンジ力を120%活かしきった「静」と「動」の対比鮮やかなアンサンブルが印象的です。切なさに満ちたハイ・トーンのエモーショナルなヴォーカルと英詩による流れるようなメロディ(ジェネシスの「Cinema Show」を思い出します)も素晴らしいし、この時点で、世界屈指のジェネシス・フォロワーへと上り詰めたと言って過言ではないでしょう。ジャケットの雰囲気にピンときたシンフォ・ファンは間違いなく気に入る傑作です。
key奏者Angelo Santo Lombardiを中心とする07年デビューのイタリア新鋭、前作から9年ぶりとなる18年作3rd。BANCOやPFM、LE ORMEといった70年代イタリアン・ロックの遺伝子を継承し、多彩なキーボードをダイナミックに駆使したクラシカルなシンフォニック・ロックを展開。キーボードの多様性はかなり特筆で、思わず耳を傾けてしまいたくなるキメ細やかなピアノを中心に、ヴィンテージなオルガン、煌びやかなシンセ、さらにはチャーチ・オルガンやチェンバロなどの荘厳な音色も取り入れ、イタリアらしい気品に満ちた丁寧なアンサンブルを聴かせています。歪んだギターを交えてアグレッシヴに展開する場面もあれど、全体の雰囲気は優雅で叙情的、かつどこか切なくメランコリック。しっとりと深みのあるヴォーカルも感動を誘います。ヴィンテージなサウンド・メイクも含めて、タイトながらも暖かみに満ち溢れたサウンドが愛おしい好盤です。
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