【ユーロロック周遊日記】シャルマン3兄弟にも負けないボコル3兄弟率いるハンガリーのメロディアスなグループCOLORの1st『COLOR』

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毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、東欧のプログレ名産地ハンガリーのメロディアスなグループCOLORの78年リリースの1st『COLOR』をピックアップいたしましょう。

COLORは、75年にハンガリー東部の都市デブレツェンにて結成されたプログレ・バンド。Attila、Gyula、TiborのBokor3兄弟を中心とした6人編成のバンドで、1st『COLOR』と2nd『UJ SZINEK』の2作品をリリース、84年に幻の3rdを制作しています。(当時未リリース。後にリイシュー2ndのボーナストラックとして収録)

さて、プログレで3兄弟と言うとまず思い当たるのが、何と言っても英国の技巧派プログレ集団GENTLE GIANTのシャルマン3兄弟ですが、このCOLORのボコル3兄弟だってなかなかのもの。GGほどテクニカルでトリッキーではありませんが、1stにして非常に完成度の高い独自のシンフォニック・ロックを作り上げているんです。では78年リリースの1stから、ラスト14分に及ぶ大曲「PANOPTIKUM」の一部をお聴きください♪

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メロディアスで東欧らしい哀愁を帯びたシンフォニック・ロックを基調に、ハープシコードや弦楽、そしてストリングアンサンブルの名機ソリーナを使用したクラシカルなサウンドが絡んでくる演奏が素晴らしいですよね～。ハードに駆け抜けるパートではエッジの効いたギターも登場し、叙情一辺倒ではない巧みな緩急の付け方も見事。このスリリングかつファンタジックなめくるめく楽曲展開を聴くだけでも、ボコル3兄弟を中心とするバンドの実力の高さがお分かりいただけるかと思います。

さらに印象的なのが、ハンガリー語特有のゴツゴツとした響きをほとんど感じさせない、美しいメロディと見事にマッチするヴォーカル。OMEGAやPIRAMISのようなハンガリー語のゴツゴツ感を魅力的に聴かせるグループもいますが、COLORはより洗練されたサウンドとともにハンガリー語を流麗に聴かせるある種のテクニックを感じさせます。3兄弟による随所に登場するコーラスワークも、ヴォーカルの印象を柔らかく聴かせるのに一役買っていますよね。

決してテクニックに特化したグループではないものの、丁寧に作りこまれたひたすら優美に流れるサウンドは、他のハンガリープログレには見られないこのグループ特有の味わい。同時期の英米のプログレにも十分に肩を並べられるクオリティを誇る傑作ですね！

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