【ユーロロック周遊日記・番外編】ファンタジックなチェンバー・ロックの逸品、MANEIGEの76年3rd『NI VENT NI NOUVELLE』

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ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は番外編として、カナダはケベックのプログレ・グループMANEIGEによる3rdアルバム『NI VENT NI NOUVELLE』をピックアップいたしましょう。

フランスの植民地支配より始まったという歴史的背景から、北米大陸にあってヨーロピアンな文化を色濃く残すケベック州ですが、そんな地で生まれたプログレ・バンドたちにも複雑な文化背景を反映するようなユニークなサウンドを持つグループが多いのが特徴。POLLENやOPUS 5などは特にそのユニークさや完成度の高さでよく知られたバンドですよね。しかし彼らを含めたケベック・プログレの中でもとりわけオリジナリティという点で群を抜いているのがこのMANEIGEなんです。

このバンドの特徴は、ずばりファンタジックで幻想的に紡がれるシンフォニック・ロック的サウンドをふんだんに聴かせながらも、その基本的なスタイルは緻密でテクニカルなチェンバー・ロック/ジャズ・ロックに根ざしている点にあります。この相反するようにも思える2つの要素が拮抗することで生まれるサウンドこそが、このバンドならではのオリジナリティを生んでいるんですよね。

HENRY COWやUNIVERS ZEROのような硬質で緊張感みなぎるアンサンブルこそがチェンバー・ロックだ！という人にも是非一度聴いてみていただきたいサウンドなんです。

では本作より、ファンタジックなチェンバー・ロックの所以たるナンバーをお聴きください♪

試聴 Click!

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いかがですか？ジャジーで武骨な印象のドラムスに対してメロディアスな音運びを聴かせるベース、グロッケンシュピールやマリンバによるチェンバータッチを聴かせながらも、ピアノやサックスはヨーロッパのバンド以上にヨーロピアンなエレガントさを醸し出します。アンサンブルを優美に彩るリリカルなフルートも効いてますね。チェンバー・ロックとシンフォニック・ロックを折衷するそのバランス感覚が本当に見事ですよね～。

叙情的なパートでもヨーロッパ的でありながら実際どの国とも言えないこの感触は、やはりケベックという土地柄ならではの味なのかもしれません。テクニカルにして流麗、幻想性にも叙情性にも富んだ表情豊かなケベック・プログレの傑作ですね！

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