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【プログレ温故知新】イタリアン・ロック 【定番】PFM -> 【新鋭】LA MASCHERA DI CERA

【定番】PFM -> 【新鋭】LA MASCHERA DI CERA

イタリアン・ロックの雄PFMの世界デビュー盤となった『幻の映像』、そして現代イタリアン・ロックの代表格LA MASCHERA DI CERAの02年の1stをご紹介いたします。

PFMは1970年に結成され、本国イタリアで2枚のアルバムを発表した後、ELPのグレッグ・レイクに見出され、彼らのレーベルであるマンティコアから世界デビュー。その後87年まで断続的に活動を続けました。そして10年の歳月を経て見事なカムバックを果たし現在も精力的な活動を続けています。

その音楽性は、叙情性溢れるシンフォニック・ロックからテクニカルなジャズ・ロックへと移り変わっていった70年代、ポップな親しみやすさを取り入れた80年代、そして活動30年を経たとはとても思えないダイナミックで熱い叙情に満ちたプログレッシブ・ロックを展開する再結成後と、時代ごとに変化を重ねてきました。

プログレファンには初期のシンフォニック・ロック時代の人気が高いですが、 個人的には躍動感たっぷりのポップネスが気持ちいい80年作『SUONARE SUONARE』や97年リリースの『Ulisse』など近作も、イタリアンらしい情熱と美しいメロディ、溌剌としたパフォーマンスが詰まった傑作なので、是非おすすめしたいところです。

さて、そんなPFMからは世界中のプログレファンに衝撃を与えた73年の世界デビュー作をご紹介。それではオープニングナンバー、イタリアン・ロックの代表曲といって良いこの曲を聴いてみましょう。

試聴 Click!

この冒頭のバロックかつ典雅なアンサンブルから、ピアノの強打に導かれて嵐のようなヘヴィーな演奏へなだれ込んでいく展開。これがイタリアのロックか・・!と興奮に震えること間違いなしの完璧な導入です。

私も高校時代(8年ほど前になります)、YESやCRIMSONなど英国プログレの名盤たちとほぼ同時にこの作品を聴いたのですが、時に優雅に美しく、時に熱い思いを内に秘め叙情的に奏でられる高貴なサウンドに、完全にノックアウトされたのでした。 名作とは数十年という時を経てもなお変わらない衝撃と感動を与えてくれるものなのだと強く実感したことを覚えています。 この作品はユーロ・ロックの大海原へと漕ぎ出す最初の道標であり、これからもそうあり続けることでしょう。

さて「RIVER OF LIFE」の興奮も冷めやらぬところですが、それに匹敵するほどの衝撃的なオープニングナンバーで現代プログレ・シーンに颯爽と登場したグループがあります。 それが02年に1stをリリースした新鋭LA MASCHERA DI CERAです。90年代以降のイタリアン・プログレをリードするバンドFINISTERREのメンバーFabbio Zuffantiが率いる数々のグループの一つで、70年代のイタリアン・プログレを踏襲しつつもそれを現代的な方法論を用いてよりダイナミックに蘇らせたかのようなスタイルが特徴です。プログレの代名詞とも言える轟々と鳴り響くメロトロンも目いっぱい登場しますよ。

1stアルバム1曲目は、まさに「RIVER OF LIFE」の再来と言いたいほどに壮大なオープニング、そしてイタリアらしい艶のある叙情美とドラマティックな展開に溢れた19分に及ぶロック絵巻となっています。ではその1曲目をどうぞ!

試聴 Click!

この1stはPFM、バンコ、その他往年のイタリアン・ロックの名バンドたちを手本として、そこに現代のプログレらしい重厚さとアグレッションを加えた新しいイタリアン・プログレの形を提示した一枚と言えます。今のプログレってどんななの?と思っておられる方には是非聴いてみていただきたい一作です。

PFMの在庫

  • PFM / LIVE COLLECTION: 25 NOVEMBRE 1980

    80年のテレビ放送用に収録されたライヴ音源&映像を収録

    『SUONARE SUONARE』リリース後、80年11月25日にテレビ放送用に収録されたスタジオ・ライヴ音源&映像。新たに加入したヴァイオリン奏者のルキオ・ファブリの躍動感いっぱいのヴァイオリンが気持ちいい「Celebration」をはじめ、往年の代表曲も良い感じ!収録曲は、1:LA LUNA NUOVA、2:VOLO A VELA、3:IL BANCHETTO、4:TANTI AUGURI、5:MAESTRO DELLA VOCE、6:SI PUO FARE、7:CELEBRATION

  • PFM / STORIA DI UN MINUTO

    71年リリース、イタリア本国でのデビュー作、イタリアらしい芸術的な感性が発揮された傑作!

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの71年デビュー作。イタリア盤としてリリースとなった本作はイタリアン・シンフォニック・ロックの職人気質の極地といった趣の傑作。当時のブリティッシュ・ロックフィールドのアーティストたちと比べてもその技巧は抜きん出ており、クラシカルに、丹念に編みこまれたアンサンブルの妙技に酔いしれるばかりの名盤です。

  • PFM / PRIME IMPRESSIONI

    イタリア語バージョンの楽曲を収録した初期ベスト、72年リリース

  • PFM / PHOTOS OF GHOSTS

    「イタリアン・ロック」の存在を全世界に知らしめた衝撃の73年ワールドデビュー作!

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの73年3rd。本作はまさにそのMANTICOREからの世界リリース作となった、ヨーロピアン・ロック屈指の1枚であり、Pete Sinfieldが英語詞を担当した傑作です。先にイタリアでリリースされていた2nd「Per Un Amico」の再録音と、デビュー作「Storia Di Un Minuto」より1曲、そして前2作には未収録の新曲1曲で構成されており、イタリアらしいバロック色とダイナミックなロックを融合した奇跡的なサウンドを提示。テクニカルな変拍子と呼応する凄まじい叙情の嵐は唯一無二のものです。

  • PFM / L’ISOLA DI NIENTE

    名作『甦る世界』のイタリア語バージョン、74年発表

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの74年4th。バロックを強く意識したクラシカルな前作から、プログレッシブな魅力はそのままに、よりポピュラリティーを持ったサウンドを提示した傑作であり、前作同様、イタリアのシンフォニック・ロックを代表する1枚となっています。本作は、イタリア語盤。シンフィールド作詞の「Is My Face On Straight」以外はイタリア語詞。英語版収録の「World Became The World」は収録されていません。

  • PFM / WORLD BECAME THE WORLD

    『幻の映像』に続く世界進出第2弾、74年作

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの74年4th。AREAのPatrick Djivasを新ベーシストとして迎えた世界リリース2作目であり、イタリア盤も製作された名盤。前作が旧作からの再録音を中心にしていただけに、PFMの真価が問われることになった本作は、バロックを強く意識したクラシカルな前作から、プログレッシブな魅力はそのままに、よりポピュラリティーを持ったサウンドを提示した傑作であり、前作同様、イタリアのシンフォニック・ロックを代表する1枚となっています。

  • PFM / CHOCOLATE KINGS

    75年作、スリリングかつダイナミックなアンサンブルが楽しめる、プログレッシヴ・ロック然とした名作

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの75年作。ACQUA FRAGILEからBernardo Lanzettiを迎えて製作されたその内容は、それまでの彼らの個性であったクラシカルな側面が落ち着きを見せ、よりロックのダイナミズムを押し出した作風へとシフトした良盤であり、星条旗に包まれたチョコレートが印象的な英語盤ジャケットからも分かるとおり、アメリカの音楽産業を意識した明快でパワフルなサウンドが素晴らしい傑作となっています。

  • PFM / COOK

    アレアやマハヴィシュヌすら凌駕するかという圧倒的な演奏力を見せつける75年傑作ライヴ・アルバム、これは凄まじいです…!

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの75年ライブ作。「The World Became The World」をリリースしたツアーからアメリカ公演の模様を収録しており、スタジオ作の丹念な織物のようなアンサンブルから一転、凄まじいドライブ感とダイナミズムを持った名演を披露しています。非常にテクニカルにもかかわらず全くブレることなく、地中海ロックのダイナミズムとイタリア叙情をを聴かせながら突っ走る様子は、さすがの一言です。

  • PFM / JET LAG

    名実共にイタリアを代表するグループ、当時隆盛を極めていたフュージョンへと接近した77年作

    QUELLIを母体に結成され、後にバンドの顔となるMauro Paganiを迎えて改名。英国とはまた違ったイタリアの素晴らしい叙情性を放ち、EL&PのMANTICOREからPete Sinfieldの戦略で世界デビューまで果たしたイタリアン・シンフォニック・ロック代表グループの77年作。Mauro Paganiが脱退したあとの本作は、ヴァイオリニストにGregory Blochを迎えてラテン・フレーバーを散りばめたジャズ・フュージョン色濃いサウンドを提示。前作からの流れでシンフォニックな音像は姿を消していますが、軽快でテクニカルなジャズ・フュージョンサウンドの中にもイタリアの叙情をほのかに感じられるなど、過渡期とは思えない個性はやはり彼ららしい佳作と言えるでしょう。

  • PFM / MISS BAKER

    87年作、フランスで活躍した米国人歌手/女優ジョセフィン・ベイカーを題材にしたコンセプト作

    1987年作。ゆっくりと制作が続けられて世に出たアルバム。80年台、試行錯誤を繰返していきついた音楽性が打ち出されている。ホーン、コーラスなども加え当時のポップスの中にもPFMの姿勢をはっきりと示した。しかしこのアルバムを最後に10年間活動を休止する。

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LA MASCHERA DI CERAの在庫

  • LA MASCHERA DI CERA / LA MASCHERA DI CERA

    元FINISTERREのFabio Zuffantiによるグループ、BANCOやMUSEOなど往年の作品を彷彿とさせる名作1st、02年リリース

    FINISTERREを率いた奇才Fabio Zuffantiを中心に、ムゼオ・ローゼンバッハやイル・バレット・ディ・ブロンゾなど70年代のグループに敬意を払い、そのサウンドを再現することをコンセプトに結成したグループ。02年の1st。メロトロン、ピアノ、フルートをフィーチャーし、BANCOやMUSEOなど70年代の往年のプログレ然としたサウンドが印象的。さすが元FINISTERREで、センス、テクニックともに抜群。力強くも精緻なアンサンブル、「静」と「動」を鮮やかに配置したダイナミックな構成、胸を締め付けるリリシズムなど、イタリアン・シンフォ好きにはたまらない作品に仕上がっています。名作。

  • LA MASCHERA DI CERA / IL GRANDE LABIRINTO

    FINISTERREのFabio Zuffantiによるグループ、03年作2nd、新世代イタリアン・シンフォニック・ロックの完成形!

    FINISTERREを率いた奇才Fabio Zuffantiを中心に、ムゼオ・ローゼンバッハやイル・バレット・ディ・ブロンゾなど70年代のグループに敬意を払い、そのサウンドを再現することをコンセプトに結成したグループ。03年作2nd。70年代イタリアン・ロックへのオマージュに溢れていた1stに比べ、ぐっとモダンに仕上がっています。哀愁を幾分抑え、その分、ダークな攻撃性や現代的なヘヴィネスが増した印象。ただ、メロトロンの洪水やむせび泣くフルートは相変わらず。現代版イタリアン・シンフォの一つの完成形と言えるでしょう。圧倒的なスケールで聴き手に襲いかかる名作。

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