【ユーロロック周遊日記・番外編】YES+ELP+GG！？ケベック・プログレ最高峰バンドPOLLENの76年唯一作『POLLEN』

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毎回ユーロロックの名盤をピックアップしてご紹介する「ユーロロック周遊日記」。本日は、フランスの植民地として発展した歴史を持ち北米大陸にありながらヨーロピアンな文化を色濃く残すケベック州から、ケベック・プログレを代表するバンドPOLLENの唯一作をピックアップいたしましょう。

HARMONIUMのようなフォーキーなタッチのシンフォニック・ロックやOPUS 5に代表されるフレンチ・ロックに近いクラシカルかつエレガントな作風、またMANEIGEなどのテクニカルなアヴァン/チェンバー系サウンドなど、70年代のケベック・シーンには多種にわたるスタイルのグループがひしめき合っていました。そんな中で英国5大プログレからの流れを汲んだサウンドを聴かせるグループの代表と言えるのが、このPOLLEN。72年に結成され、76年に唯一作をリリースして同年に解散した短命のグループです。

しかしこの76年作、唯一作というのがもったいないと思えるほどにハイレベルなサウンドを聴かせてくれる作品。ELPばりに華があって疾走感溢れるキーボードプレイ、YES風のヌケが良くクリアに広がるファンタジックさ、時にジェントル・ジャイアントにも迫るキレのある変拍子アンサンブルを聴かせるなど、英プログレを代表するバンドたちから受け継いだ要素を、持ち前の高度な音楽性とテクニックによって見事オリジナルなサウンドへと練り上げています。

キーボードに負けじと尖ったプレイを披露する若干サイケがかったトーンのギターやフランス語でパワフルに歌い上げるヴォーカルなどバンドならではの個性も満載で、上記のようなバンドたちからの影響を感じさせつつもしっかりとPOLLENの音になっているところに、バンドのセンスの良さが光っていますよね。

それでは本作からのナンバーを2曲お聴きください♪

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カラフルで躍動感な動のパートを聴くと辺境色を殆ど感じさせない洗練された印象を受けますが、叙情的な静のパートではサウンドに耽美な陰影がか降りてきて、ユーロ・辺境プログレならではの異国情緒あふれるメランコリックさドラマティックさが立ち上がってきます。英米ユーロ圏以外のプログレとしては最高峰の完成度、イタリアやフランスなどのユーロプログレ名盤たちと比較しても劣ることのない傑作ですね！

ちなみに、唯一作を残したのみで解散してしまったPOLLENですが、その3年後の79年にヴォーカルを担当していたJACQUES TOM RIVESTがソロ作品をリリースしています。ヴォーカルのソロとは言え、POLLENを彷彿させる雄大さやファンタジックさが継承されていて、POLLENの2ndとして聴くことも可能な逸品に仕上がっているので、POLLENを気に入った方には是非チェックしていただきたい作品となっています♪

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