2016年2月22日 | カテゴリー:カケレコ中古棚探検隊
タグ: プログレ
西欧諸国のプログレの中でも、その歴史的/文化的背景からとりわけ独特のエキゾチズムを放っているのがスパニッシュ・プログレ。
東部沿岸のバルセロナやその周辺では70年代中期「Musica Laietana」と呼ばれるムーヴメント影響下でジャズ・ロック・グループが数多く登場、南部アンダルシア方面ではフラメンコの要素やイスラム文化の流入を受けたアラビックなエッセンスが香っていたり、北部のバスク自治州にはフォーキーな純朴さと哀愁が滲むサウンドが多く聴かれたりと、地域によってその表現がガラリと変わるのがスパニッシュ・プログレ・シーンの大きな魅力です。
今回は、そんな各バンドの地域性にも注目しつつ、中古在庫からスパニッシュ・プログレをピックアップしてまいりましょう☆
バルセロナより西方100キロほどに位置する街ポブラ・デ・マサルーカ出身のギタリストMax Sunyerを中心とするスパニッシュ・ジャズ・ロックの代表格グループがICEBERG。マハヴィシュヌ、RTF、ブランドXらとも肩を並べるテクニカルで熱量ほとばしる演奏が圧倒的です。中でもその求心力となっている、ゴリゴリとアグレッシブに弾き倒すMaxのギタープレイの痛快さと言ったら!
こちらもバルセロナのあるカタルーニャ州出身、後に隆盛を誇るスパニッシュ・ハードの先鞭をつけたとも言える、エネルギッシュに駆け抜けるハードエッジなプログレを持ち味とする好バンド。テクニカルなリズム隊、泣きのギターも素晴らしいですが、聴きどころはやはりウェイクマン+エマーソンと言っても過言ではない華麗なキーボードプレイ!
情熱と哀愁。まさにこのバンドのためにあるかのような言葉ですね。アンダルシア地方を代表する伝説的バンドによる75年リリースの記念すべきデビュー作。かき鳴らされるスパニッシュギターや叙情的に溢れ出るシンセの一音一音から、ヴォーカルの一声一声から哀愁が零れ落ちるようなドラマティックなサウンドがひたすら胸を打ちます。
TRIANAと同郷アンダルシア州出身のジャズ・ロック・グループIMAN。この80年リリース作では、お手本的とも言える正統派スパニッシュ・フュージョンを展開。バルセロナ周辺のグループに近い陽性の爽やかなサウンドが心地いい好盤に仕上げています。このバンド、流れるように聴けてしまうものの、技巧、音楽性ともに相当にハイレベルです。
名実ともにバスク地方を代表するグループによる名グループの2nd。前作での泣き泣きの叙情シンフォからガラリとスタイルを変えて、ジャズ・ロック的なタイトさを加えた締りのあるサウンドを楽しませてくれます。とは言えかの地らしい素朴な中に溢れ出る情感の豊かさは健在で、全編通して聴けば必ず泣かされること間違いなしの逸品。哀愁たっぷりのジャケットにもホロリ。
止めどなく溢れる哀愁にかけてはこのグループも負けてませんね。男女ヴォーカルが切々と歌い上げ、これでもかと泣きのトーンで迫るシンセとフルートの絡みが涙を誘い、ここぞという場面でギターが甘くメロディアスに舞う!泣きのシンフォファンにとっては必殺の一曲でしょう。サウンドの完成度の高さのわりに決して洗練されてるとは言えないバタバタとした感じは、イタリアン・ロック・ファンにもアピールするはず。
スペインが世界に誇る名アレンジャー/作曲家Alfredo Carrionによるベストワークとして君臨する傑作。ヴィヴァルディ「四季」をモチーフに繰り広げられる壮大なシンフォニック絵巻にどうぞ圧倒されてください。
こちらもAlfredo Carrionがオーケストラ・アレンジを務めた作品。大御所シンガーMiguel Riosの朗々とした歌声とオーケストラの絡みが絶品な歌ものスパニッシュ・シンフォの名作に仕上がっていますよね。イタリアのカンタゥトーレ系作品がお好きであれば何の問題もなく楽しめるでしょう。
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スペインはバルセロナ出身のジャズ・ロック・グループ。76年作の2nd。1stよりヴォーカリストが脱退。本作以降はすべてインストゥルメンタル作品になります。Voが居なくなったせいか、サウンドは1stのテクニカルな部分を更に押し進めた硬派なテクニカル・ジャズ・ロック。スペインを代表する天才ギタリストMax Sunyerのギターは相変わらず冴え渡っていて、フラメンコや北アフリカ音楽のエッセンスを感じさせるアラビックでエキゾチックな旋律をゴリゴリとアグレッシヴに、なおかつ地中海フレイヴァーいっぱいに爽やかで流れるように弾き倒すフレージングはテクニック、センスともに抜群。そんなMaxのギターにユニゾンであわせるKey奏者、Josep Mas “Kitflus”も特筆で、彼らの高速ユニゾンと白熱したソロの応酬がバンドの最大の持ち味です。そんなマハビシュヌばりのキレ味抜群のテクニックに加え、シンフォニック&スペーシーなシンセによるプログレ・フレイヴァーや、たおやかさや清涼感やエキゾチズムなどの地中海フレイヴァーもあって、色彩豊かなサウンドは世界的にみても屈指のクオリティ。70年代半ばにバルセロナで興ったジャズ・ロック/アヴァン・ロックのムーヴメント『ライエターナ・ミュージック』を代表する作品で、スペインが世界に誇るジャズ/フュージョン・ロック傑作です。
バスク地方出身の好グループ。シンフォニック・ロックの大傑作「ITOIZ」に続いてリリースされた2ndアルバム。80年作。ジャケットのイメージ通りのノスタルジックな雰囲気はそのままに、サックス、ヴァイオリン、シンセサイザーの導入により前作以上にバラエティに富んだプログレッシヴなサウンドが印象的。女性ヴォーカルITZIARが一曲ゲスト参加。1stと並ぶスペイン・シンフォニック・ロックの傑作。
スパニッシュ・ロックを代表するグループである彼らが75年にリリースした記念すべき1stアルバム。哀愁のフラメンコ・ギターに導かれるキーボード&ピアノのドラマティックな響きと、それに続く熱情的なヴォーカル。めくるめくダイナミックなバンド・アンサンブル。とにかくこれでもかと聴き手の感情を揺さぶる展開はただただ圧倒的。スパニッシュ・シンフォ屈指の傑作。
アレンジをアルフレッド・カリオンが担当。シンフォニック・ロックの名作。
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