MEET THE SONGS 第90回　【クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス特集～VOL.1～】

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今日のMEET THE SONGSは、グレイトフル・デッドやジェファーソン・エアプレインとともにサンフランシスコのサイケ時代を代表するバンド、クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィスを特集。

結成当初からメンバー交代が多く、在籍メンバーによってガラッと作風が変わるバンドですので、結成から75年までの作品を2回に渡りご紹介いたします。
VOL.1では、結成からニッキー・ホプキンスが初めて参加した作品をピックアップ！

【QMS結成】

60年代半ば、ビートルズの登場で音楽シーンはアコースティックからエレクトリックへ変わっていき、その流れと共にフォーク・シンガー達はバンド結成へと動き出します。
グリニッジ・ビレッジからサンフランシスコへ移ってきたカリスマ的存在のフォーク・シンガー、ディノ・ヴァレンテもその一人。
ハープ奏者のジム・マレイ、ジョン・シポリナ(G)とバンドを組み、フォーク・シンガーとして活動していたデヴィッド・フラーバーグが合流しますが、ディノはドラッグ不法所持で刑務所に入ってしまいます。

ギタリストとして加わる予定だったスキップ・スペンスがジェファーソン・エアプレインにスカウトされ抜けてしまうと、シポリナとセッションしたことがあるゲイリー・ダンカン(G)、グレッグ・エルモア(Dr)を加え、65年クイックシルヴァー・メッセンジャー・サーヴィス(以下QMS)とバンド名を決め5人で活動を開始します。

QMSは、フリー・コンサートやアヴァロン・ボールルームやフィルモア・オーディトリアムなどで精力的にライヴを行い人気を獲得。サンフランシスコのサイケデリック・シーンでも中心的存在となっていきます。
サイケデリック・シーンの盛り上がりに、大手レコード会社も注目。66年にはジェファーソン・エアプレインがメジャー・デビューし、他のバンドも次々レコード契約をしていきます。
QMSがキャピトル・レコードと契約したのは、67年モントレー・ポップ・フェスティバル出演後。サンフランシスコの大物バンドとしては最後でした。ドラッグ問題や、商業主義へのバンドの反発が強かったことがあったようです。

【レコード・デビュー】

『QUICKSILVER MESSENGER SERVICE』 (68年作)

モントレー・ポップ・フェスティバル直後にジム・マレイが脱退していたので、デビュー・アルバム時のラインナップは、ジョン・シポリナ(G)、ゲイリー・ダンカン(G)、デヴィッド・フライバーグ(B)、グレッグ・エルモア(Dr)の4人。
ライヴでは即興的なジャムを聴かせていたバンドだったので、曲が短くされたこの作品は、熱心なファンには物足りなかったようですが、「Gold And Silver」で繊細かつエモーショナルに絡むシポリナとダンカンのツインギターは迫力があります！

「Gold And Silver」

『HAPPY TRAILS』 (69年作)

フィルモア・イーストとウェストでのライヴを収録し、ライヴ・バンドとしての魅力をみせた最高傑作。観客とともにエキサイティングしていく様子は、熱いサンフランシスコの空気を感じさせてくれます。

「Who Do You Love」

【ニッキー・ホプキンス加入】

『HAPPY TRAILS』発表後、ゲイリー・ダンカンが脱退。ダンカンの代わりのギタリストを探していたQMSのメンバーですが、その頃サンフランシスコに滞在していた英の名セッション・ピアニスト、ニッキー・ホプキンスに打診。ジョン・シポリナと親交を深めたニッキーは、QMSに正式加入することになりました。

『SHADY GROVE』 (69年作)

ニッキーのピアノが前面に出され、酩酊感漂うシポリナのギターと、流麗なピアノが絶妙に絡む作品。73年のニッキーのソロアルバムにも収録された「Edward（The Mad Shirt Grinder）」は圧巻！

「Edward（The Mad Shirt Grinder）」

いかかでしたか？
「MEET THE SONSG」は、月曜日から金曜日まで毎日、定番からニッチ盤まで僕らのロック・ミュージックを紹介しています。
また来週、お会いいたしましょう。

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